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1章-1
ビビオは下っ端として外勤をしなければならない
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声のほうを見てみると、一番奥に足を無造作に組んでふんぞり返って座っている、恐らくこの中で一番偉そうで神経質そうなエルフがいた。
「やっと人員を補充されたと思ったら首席卒業したのに分館に飛ばされ堂々とサボりたいと発言する問題児かよ。お前のとこの分館長がどうしても中央異動させたいっていうから仕方なくここで預かることになっちまっったってのに、上はうちをグズのたまり場みたいにしやがって仕事になりゃしねぇ」
偉くて神経質で口の悪いエルフだった。しかしとんでもなくこき下ろされているがビビオは同意するようにうんうんと頷く。それを見てもっと嫌そうな顔になった。
「ちっ、また言葉の通じねえグズがきやがったのかよクソが。おい、お前。もうすぐ外勤で外回りをしてるガランが帰ってくる。そいつが面倒みるからな、せいぜい外回りで汗水たらして泥にまみれてろ」
「やだ室長ったら悪口に気合いが入りすぎて自己紹介もしてないわよ。この人はロノア・オウル、ここの室長よ。口が悪いけどこれが普通だから何も気にしなくていいわよ」
ティティ―リアから強引に紹介されたロノアは「黙れ、給料泥棒が」と吐き捨てた。ビビオは自由にできる部署ではとかなり期待したのだが、ロノアの言葉で内心ものすごくがっかりしていた。
「うちは新しく生まれた種族や少数で奥地に隠れ住んでいるような種族を調査して、歴史や文化を調べてまとめる仕事をしています。外勤が必須なのですが、何分仕事ができない上に他者とトラブルばかり起こす人の集まりでして」
「ちょっと、あんたもその一人だってこと忘れんじゃないわよ」
リデュエスがとりなすとみせかけて全員を貶めることを言う。
その時、扉が開いて騒がしく二人の司書が入ってきた。
「ただ今帰りました」
「はぁーあ疲れた、ポプリもうお外行きたくなぁーい」
入ってきたのは、まるで熊のように体の大きな男と、小柄で可愛らしい少女だった。二人はビビオがいるのを見ると、ぱあっと顔を輝かせた。
「おおお!やっと新しい人が来てくれた!やあやあはじめまして!」
「きゃあー!やぁっとポプリがお外に出なくてもよくなるんだぁ、やったぁー!」
どしどしとやってきた二人は、ビビオの手をとってぶんぶんと振り回した。
「俺はガランという。見ての通り熊の獣族だ」
「わたしはポプリ!妖精族だよ!あなたがくるまでこの熊と外回りさせられてたんだけど、次からはあなたにパスするね!」
「きて早々すまないな。外回りは基本二人組で行くんだが、この妖精がとんでもなく役立たずで新しく来る君をずっと心待ちに」
「なによ!ポプリはお前みたいなケモノと一緒にいてあげるだけで役に立ってるの!」
ポプリはストロベリーブロンドのふわふわの髪にこぼれそうな薄水色の大きな瞳を持っている。人畜無害そうな見た目をしているがそれに反した性格をしているようだ。
小さな丸い耳と毛皮に覆われた体を持つセオは、いかにも質実剛健という感じだが思ったことははっきりというタイプらしい。まあこんな職場だし言いたいことはすぐに言わないとやってられないよな、とビビオは思った。
「ビビオ・カレシュと申します。室長よりセオさんと組んで外回りをすると聞きました、よろしくお願いします」
「おう、今から報告書を作成するんだが、そのあと次の現場の情報共有をするからちょっと待っててくれよ」
そう言って、ガランは空いている椅子に座ってペンを走らせはじめた。
「やっと人員を補充されたと思ったら首席卒業したのに分館に飛ばされ堂々とサボりたいと発言する問題児かよ。お前のとこの分館長がどうしても中央異動させたいっていうから仕方なくここで預かることになっちまっったってのに、上はうちをグズのたまり場みたいにしやがって仕事になりゃしねぇ」
偉くて神経質で口の悪いエルフだった。しかしとんでもなくこき下ろされているがビビオは同意するようにうんうんと頷く。それを見てもっと嫌そうな顔になった。
「ちっ、また言葉の通じねえグズがきやがったのかよクソが。おい、お前。もうすぐ外勤で外回りをしてるガランが帰ってくる。そいつが面倒みるからな、せいぜい外回りで汗水たらして泥にまみれてろ」
「やだ室長ったら悪口に気合いが入りすぎて自己紹介もしてないわよ。この人はロノア・オウル、ここの室長よ。口が悪いけどこれが普通だから何も気にしなくていいわよ」
ティティ―リアから強引に紹介されたロノアは「黙れ、給料泥棒が」と吐き捨てた。ビビオは自由にできる部署ではとかなり期待したのだが、ロノアの言葉で内心ものすごくがっかりしていた。
「うちは新しく生まれた種族や少数で奥地に隠れ住んでいるような種族を調査して、歴史や文化を調べてまとめる仕事をしています。外勤が必須なのですが、何分仕事ができない上に他者とトラブルばかり起こす人の集まりでして」
「ちょっと、あんたもその一人だってこと忘れんじゃないわよ」
リデュエスがとりなすとみせかけて全員を貶めることを言う。
その時、扉が開いて騒がしく二人の司書が入ってきた。
「ただ今帰りました」
「はぁーあ疲れた、ポプリもうお外行きたくなぁーい」
入ってきたのは、まるで熊のように体の大きな男と、小柄で可愛らしい少女だった。二人はビビオがいるのを見ると、ぱあっと顔を輝かせた。
「おおお!やっと新しい人が来てくれた!やあやあはじめまして!」
「きゃあー!やぁっとポプリがお外に出なくてもよくなるんだぁ、やったぁー!」
どしどしとやってきた二人は、ビビオの手をとってぶんぶんと振り回した。
「俺はガランという。見ての通り熊の獣族だ」
「わたしはポプリ!妖精族だよ!あなたがくるまでこの熊と外回りさせられてたんだけど、次からはあなたにパスするね!」
「きて早々すまないな。外回りは基本二人組で行くんだが、この妖精がとんでもなく役立たずで新しく来る君をずっと心待ちに」
「なによ!ポプリはお前みたいなケモノと一緒にいてあげるだけで役に立ってるの!」
ポプリはストロベリーブロンドのふわふわの髪にこぼれそうな薄水色の大きな瞳を持っている。人畜無害そうな見た目をしているがそれに反した性格をしているようだ。
小さな丸い耳と毛皮に覆われた体を持つセオは、いかにも質実剛健という感じだが思ったことははっきりというタイプらしい。まあこんな職場だし言いたいことはすぐに言わないとやってられないよな、とビビオは思った。
「ビビオ・カレシュと申します。室長よりセオさんと組んで外回りをすると聞きました、よろしくお願いします」
「おう、今から報告書を作成するんだが、そのあと次の現場の情報共有をするからちょっと待っててくれよ」
そう言って、ガランは空いている椅子に座ってペンを走らせはじめた。
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