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1章-1
ビビオは裏通りを見学する
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細い路地を通って裏へ抜けると途端に雰囲気がかわる。道端にシートを広げて怪しげな何かを売っている者から、看板もかけずに何を売っているのかわからない店まで様々だ。
しかし意外と人通りは多く、表では歩いていなさそうな人々がぞろぞろと移動していた。
「なんだか活気がありますね」
「表通りを歩くには自信がないタイプがこっちを歩いていることがあるな。あとは物の値段もピンキリで飛び切り安いものから高いものまである。まあ、表で看板かかげてる店とは違って偽物も多いから気をつけてな」
そう言いながら、ガランはどんどんと先を歩いていき、にぎやかな路地から少し離れた場所に不思議な住宅がぽつぽつとある場所へやってきた。表通りは美しく区画整理され見た目も統一感のある建造物で揃っていたが、裏通りは恐ろしく不揃いな文化や美術の集合だった。
「なんというか、建築家が好きなように建てましたって感じですね」
「一応図書館のおひざ元だから自由な表現は守られてるって意思表示だ。表通りは国の対面上整えているが裏は好きにしていいぞってな」
シュバニエルは図書館国家を樹立してから、国民が闊達に創作をすることをなるべく制限しないようにしている。そのほうが発展速度が早いと気付いたからだ。
小国であったシュバニエルは周辺地域を吸収して国土を広げるためなんとしてでも各種技術を突き詰める必要があり、とにかく国中の「なにかできるやつ」を集めて様々な分野で仕事をしてもらった結果、このへんてこな街の造りに着地したというわけである。
しばらく歩くと、ガランはある店の前で立ち止まった。看板はなにもかかっていないがガラス扉で一応店であることがわかる。
「こちらですか?開店している様子がないのですが」
「一見さんお断りってやつなんだよ。こんな店構えだが中央図書館から認証店の証をもらってるんだ」
「認証店というと、表通りのような店と同じ扱いということですか」
「そうだ、腕が確かな店だと認証店として登録される。認証店になれば図書館へのつけができるようになるし、店は入店できる者を選ぶこともできる」
杖を出したガランは扉を叩く、するとガラス戸が自動で開いた。
司書の杖は、司書になったもの全員に配布される。自身の魔力を通すことで個人登録をし、他の者には使えないようになっている。司書の仕事をするには必須の道具で、こうした店に入店する際も身分証がわりになる。
店主は自分が認めた者のみを入店させることができるという仕様で、基本的には商売のために誰でも入れるようにしているのだが、この店はどうやら癖のある店主のようだ。
「わたしも入って大丈夫でしょうか」
「俺が連れてきたってことで許してもらえるよ。ま、気に入られなければ出禁を食らうけどな」
二人が入店すると、パッと店内の明かりがつき音楽が流れだした。
しかし意外と人通りは多く、表では歩いていなさそうな人々がぞろぞろと移動していた。
「なんだか活気がありますね」
「表通りを歩くには自信がないタイプがこっちを歩いていることがあるな。あとは物の値段もピンキリで飛び切り安いものから高いものまである。まあ、表で看板かかげてる店とは違って偽物も多いから気をつけてな」
そう言いながら、ガランはどんどんと先を歩いていき、にぎやかな路地から少し離れた場所に不思議な住宅がぽつぽつとある場所へやってきた。表通りは美しく区画整理され見た目も統一感のある建造物で揃っていたが、裏通りは恐ろしく不揃いな文化や美術の集合だった。
「なんというか、建築家が好きなように建てましたって感じですね」
「一応図書館のおひざ元だから自由な表現は守られてるって意思表示だ。表通りは国の対面上整えているが裏は好きにしていいぞってな」
シュバニエルは図書館国家を樹立してから、国民が闊達に創作をすることをなるべく制限しないようにしている。そのほうが発展速度が早いと気付いたからだ。
小国であったシュバニエルは周辺地域を吸収して国土を広げるためなんとしてでも各種技術を突き詰める必要があり、とにかく国中の「なにかできるやつ」を集めて様々な分野で仕事をしてもらった結果、このへんてこな街の造りに着地したというわけである。
しばらく歩くと、ガランはある店の前で立ち止まった。看板はなにもかかっていないがガラス扉で一応店であることがわかる。
「こちらですか?開店している様子がないのですが」
「一見さんお断りってやつなんだよ。こんな店構えだが中央図書館から認証店の証をもらってるんだ」
「認証店というと、表通りのような店と同じ扱いということですか」
「そうだ、腕が確かな店だと認証店として登録される。認証店になれば図書館へのつけができるようになるし、店は入店できる者を選ぶこともできる」
杖を出したガランは扉を叩く、するとガラス戸が自動で開いた。
司書の杖は、司書になったもの全員に配布される。自身の魔力を通すことで個人登録をし、他の者には使えないようになっている。司書の仕事をするには必須の道具で、こうした店に入店する際も身分証がわりになる。
店主は自分が認めた者のみを入店させることができるという仕様で、基本的には商売のために誰でも入れるようにしているのだが、この店はどうやら癖のある店主のようだ。
「わたしも入って大丈夫でしょうか」
「俺が連れてきたってことで許してもらえるよ。ま、気に入られなければ出禁を食らうけどな」
二人が入店すると、パッと店内の明かりがつき音楽が流れだした。
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