雨上がりのブレイクタイム

九鈴小都子

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なんとなく、気になる

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コーヒーと白玉で一息つくと、おばさんは今日も笹花のとなりで休憩をしていた。
おばさんは笹花の顔をまじまじと見ると、ほおーと息をついた。


「笹花ちゃん、先週とは顔つきが全然違うわ」


笹花は首をかしげ、顔をぺたぺたと触った。


「そんなに違いますか」
「違う違う。表情も明るさも、お化粧や服装も違うわよ」


確かに先週より小物や服、化粧に気を配ったように思った。


「昨日も山に行ったんでしょう?やっぱり人って行動すると心も動くのね」


笹花が改めて昨日を思い返してみると、何気ないものが多く眼に入り、心を弾ませた。やりたいと思う意欲もわいた。そして、昨日少しだけ話した写真を撮る男性も。


「空気も水もすごく綺麗でした。ちょっと言葉であらわすのが難しい清々しさで。ほんとに気持ちよかったです」
「そうなの。私も行ってみようかなぁ、でも体力的に厳しそう。あ、そう言えば、その山のイベントのチラシがきてた気がする」


おばさんは一度席を離れると、紙を一枚持って戻ってきた。


「はい、これ」


笹花が受け取って見てみると、暗闇に膨大な光の線が飛び交っている写真のチラシだ。


「蛍かぁ」


笹花はじっくりとチラシをながめた。地域のイベントで、特別の臨時バスが出て現場までガイドと行くことができるとのこと。


「これだけ蛍が集まるところ、見てみたいわよねぇ」
「はい、とても興味があります」


笹花は日時や集合場所などを確認し、もう行ってみようという気持ちでいっぱいだった。そのときふと、あの男性は、蛍を撮りにくるのだろうかと考えた。蝶を撮っていたことだし、蛍も好きかもしれない、もしかしたら偶然イベントに参加しているかもしれない。

そう考えると、もっとイベントが楽しみになった。約束をしたわけでもないのに。


「これ、行ってみようと思います」
「そう?いいね、じゃあこのチラシ持って帰りなね」


笹花はチラシを丁寧に折りたたんでカバンに入れると、この先のイベントに思いをはせた。


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