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番外編(第2.5章)
勇者の子孫? フレン・マグナキール
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「しっかし、似てねぇなぁ」
修行が少ない日、俺とフォト、リュートは街でぶらぶらしていた。
広場で休んでいると、勇者の石像が目に入る。やっぱり似てない。そもそも別人なんだけどな。
「本物のキールさんの方がかっこいいですよ!」
「え、そう? ありがとう。嬉しいよ」
「何いちゃついてんすかねこのバカップルは」
ちなみに、ヴァリサさんは道場の準備で忙しいため参加していない。手伝おうか聞いたところ、そこまで大変ではないため自分でやりたいと言われた。そう言われたら手伝うわけにはいかない。
リュートに睨みつけられながら、アイスクリームを食べる。うう、寒いな。冬にアイスクリームは馬鹿だったか。しかしこれはこれで美味しい。だがやっぱりアイスは暑いときに食べるべきだろう。サンドアグリィでアイスを食べたい。
「あら、貴方は……フォトちゃん?」
誰かがフォトの名を発した。それに反応し、声の聞こえた方を振り向く。そこには、白髪の美少女が立っていた。
肌は俺が食べているアイスのようなミルク色、目は宝石のように透き通った赤色。髪の毛は混ざりっ気のない純白で、三つ編みハーフアップ。
当然、俺の知らない人間だ。フォトの知り合いだろうか。
「な、あ、あいつは…………」
リュートは知っているようだった。え、何? 有名人?
「あ…………フレン、様」
「もう、様はやめてと何度も言っていたのに。傷つきますわね……」
ぷんすか、といった感じに頬を膨らませ怒るフレン。
フォトが様を付けているので貴族なのだろう。俺の嫌いなタイプの貴族じゃなさそうでよかった。流石にリーナよりは言葉遣いが丁寧だな。
「す、すみません。久しぶりだったので。フレンさん」
「まあ、今はそれでいいでしょう。お久しぶりね、フォトちゃん」
「はい、お久しぶりです。フレンさん!」
二人共笑顔で握手をしていた。なんだ、仲がいいじゃないか。
最初はフォトが昔に会った苦手な人とかかと思っていたが、そんなことはないらしい。争いがないことはいいことだ。これは俺も巻き込まれたりはしないな。
「なあ、あれ誰」
リュートはフレンが何者なのか知っているようだったので、小声で聞いてみた。
俺だけ知らないのも嫌なので、いい加減知っておきたい。
「は、え、知らないの? よりにもよってお前が?」
「なんで俺だったら知ってると思うんだよ…………」
「あら、わたくしを知らないんですの?」
ズアッと、目の前にフレンが現れた。速い、そして直前まで気が付かなかった。
身体は華奢だが、実力は確かだ。雰囲気から威厳を感じる。何者なんだ、こいつは。
「え、ええまあ。で、誰?」
「あら、名前を聞きたいのならまず名乗るのが礼儀ではなくて?」
「そうだな、悪い。キールだ。姓は無い」
普通の家だったので姓はない。俺も貴族だったら、こんな性格にはなっていなかったのかな。
まあいいさ、人間なんて子供の頃で全てが決まるわけじゃない。これから変えることだってできるんだ。
「キール…………素晴らしい名前ですわね」
「あっ、そう? ありがとな」
そんなことを言われたのは…………お世辞で何回か言われたか。うん。そこまで喜ぶことじゃないな。
一瞬テンションが上がったが、お世辞だと気づいて落ち着きを取り戻す。
「ふふふっ、変わった方ですわね。わたくしの名前は、フレン=マグナキール。勇者の子孫ですわ」
「そうか、勇者の……えっ?」
え?
「…………?」
えっ?
* * *
こんがらがった脳内を整理するためにかなりの時間を要した。
まず、このフレンという子は勇者の子孫? で、勇者に憧れていたフォトは勇者の子孫であるフレンと知り合いよく話をしていたのだとか。
しかし俺が本物の勇者と知ってから気まずくなり、疎遠になってしまったそうだ。
まあ、勇者の子孫だと思っていた友達の女の子が、実は勇者の血を引いていなかったと知ったら気まずくもなるか。
「もう話は終わりましたの?」
「あ、ああすまん。いやー勇者の子孫って聞いて驚いちゃってな。話を聞いてたんだ」
「そそそ、そうなんですよ」
リュートが嘘くせーと言いたげな顔でこちらを見てくる。しかし俺が勇者であることを隠すために口には出さない。これ、今日帰りにいろいろ言われるんだろうな。
「もう、それならわたくしに直接お聞きになさればいいのに」
「それなら、聞きたいことがあるんだ。お前に、勇者の子孫としての誇りはあるか?」
聞いておきたかった。俺と直接血縁関係があるわけではない。それでも、勇者の子孫と名乗るからにはそれなりの誇りを持っていてほしかった。
俺はこの子の親ではないが、親のような気持ちで質問をした。
「誇り、ですの? ……もちろんありますわ。今は冒険者の皆様が頑張っておりますが、わたくしたち王国兵士側も負けてはいませんの」
そう言ったフレンの目は、真っ直ぐ前を見ていた。前に進み続けるその瞳に嘘はない。勇者として、彼女も戦っているのだ。
それならば、初代勇者としてフレンを認めなければならない。いや、俺がしっかりと認めたい。いつか自分が勇者の子孫ではないと知ってしまった時に、勇者の血が通っていなくてもその魂は勇者のものだと教えてやりたい。
「じゃ、これからも頑張ってくれな」
そんな気持ちになってしまったからだろうか、無意識に頭を撫でていた。手のひらで撫でただけなのに、髪の毛のさらさらとした感触が物凄く伝わってくる。
おお……フォトの頭もさらさらしているが、これはまた違った感触だ。
「んっ……」
「キ、キールさん?」
って、まずい。やめなくては。フォトは戸惑っているし、リュートが睨んでいる。リュート関係ないだろなんだお前。
「わ、悪い。いつもの癖で」
「あっ……」
手を離すと、フレンは俺の手を見つめながら声を漏らした。ごめんって。
いつもの癖というのは、何かある度にフォトの頭を撫でていたのが原因だ。撫でられるとすごく喜ぶというか、褒めて伸ばす時に効果的なのだ。あと可愛い。
「もっとしてくださっても……」
「キールさん! 何をしているんですか!」
そう言いながらフォトが俺に詰め寄ってくる。
あれ、今フレンが何か言ってたような気がするんだけど。なんだろう。怒っちゃったかな。貴族を敵に回したくないなぁ、実際には違うとしても一応俺の家系だし。
「ごめんって、癖なんだよ。ほら、いつもフォトにやってるし」
「そ、そうですか。じゃあ、後で沢山してくださいね?」
「わかった、約束する。だから拗ねないでくれ、な?」
「むぅ、わかりました」
俺が頭を軽く撫でてやると、フォトは不満気になりながらも許してくれた。
ちょろいぜ。まあ、撫でろと言われて撫でてしまう俺もちょろいんだけどな。
「ぐああああああ! 甘い! クソが!!!!!」
リュートが何かを叫びながら石像の台座を殴っていた。
やめろ壊れる、それ俺なんだからやめて。俺じゃないけど俺なんだよそれ。
「あ、あの。キール様」
「ん。なんだ?」
様って何、様って。
俺はそんな敬うような相手じゃ…………いや、勇者の子孫からしたら勇者は敬う相手か。
だとしても、気付かれていないのだから様はおかしいだろう。しかし聞くわけにもいかない。どうする?
「フォトちゃんと、その……そういう関係なんですの?」
「まあ、そうだな。一緒に住んでるし」
「そうなんですの……」
なんだ、やけに落ち込んでるな。
まさかフォトが好きとか……? 来た? 来ちゃった? キターーーーーー!!!
うむ、眼福眼福。可愛い女の子が仲良さそうにしているのは俺の心の平穏が保たれて嬉しいぜ。
「フォトちゃん。わたくし、フォトちゃんの家に遊びに行きたいんですの」
「フレンさん!? それは、あの……」
「いいんじゃないか? 久しぶりに会って話したいこともあるだろうしな」
家でゆっくり話したいのだろう。フォトは最初は勇者のファンとしてフレンに近づいたらしいのだが、いつしかそういう気持ちではなく、本当の友達と認識したのだとか。
しかし勇者が俺と知って気まずくなった。俺のせいで二人が離れてしまったのなら、家の提供くらいどうってことない。俺も二人が仲いいならそれでいいしな。
「うわぁ、キールそれお前、うわぁ」
「なんだよ、なんかムカつくな……」
リュートが呆れながら何か言っているが、何に呆れたのか分からない。
それが理解できないのがなんかムカつく。くそっ、リュートに劣るとか最悪だ。
「ダメなんですの…………?」
うるうると目に涙を溜めながらフレンはそう言う。
ぐっ、これは破壊力があるな。ヴァリサ道場とかおすすめしたいくらいに破壊力がある。
これには流石のフォトも折れた。俺と同じく深いダメージを負っているようだ。
「だ、ダメじゃないです! いっぱい話しましょう! ね!」
「ほ、本当ですの? 嬉しいですわ!」
フォトと手を合わせて喜ぶフレンは、お嬢様らしさがあまりなく、魅力的だった。
でも、強いんだろうな。華麗で強い、こんなの大人気間違いなしだ。今の勇者ってそういうのも求められるのかな。よかった、俺の時代の勇者に求められてるのが強さだけで。
何はともあれ念願の勇者の子孫に会うことができた俺は、新しくできた知り合いに複雑な気持ちを抱きながらも歓迎するのだった。
家にやってきたフレンに戦術なども聞いた。戦力が把握できたことはいいことだ。魔法剣士の頂点らしいよ。なんで知らなかったの俺。
火山での出来事からもう一年以上経過している。俺たちの戦力も桁違いに上がっているが、魔王候補はいつ攻めてくるのだろうか。
まあ、このまま音沙汰ない方が一番平和でいいんだろうな。そうであると願おう。
修行が少ない日、俺とフォト、リュートは街でぶらぶらしていた。
広場で休んでいると、勇者の石像が目に入る。やっぱり似てない。そもそも別人なんだけどな。
「本物のキールさんの方がかっこいいですよ!」
「え、そう? ありがとう。嬉しいよ」
「何いちゃついてんすかねこのバカップルは」
ちなみに、ヴァリサさんは道場の準備で忙しいため参加していない。手伝おうか聞いたところ、そこまで大変ではないため自分でやりたいと言われた。そう言われたら手伝うわけにはいかない。
リュートに睨みつけられながら、アイスクリームを食べる。うう、寒いな。冬にアイスクリームは馬鹿だったか。しかしこれはこれで美味しい。だがやっぱりアイスは暑いときに食べるべきだろう。サンドアグリィでアイスを食べたい。
「あら、貴方は……フォトちゃん?」
誰かがフォトの名を発した。それに反応し、声の聞こえた方を振り向く。そこには、白髪の美少女が立っていた。
肌は俺が食べているアイスのようなミルク色、目は宝石のように透き通った赤色。髪の毛は混ざりっ気のない純白で、三つ編みハーフアップ。
当然、俺の知らない人間だ。フォトの知り合いだろうか。
「な、あ、あいつは…………」
リュートは知っているようだった。え、何? 有名人?
「あ…………フレン、様」
「もう、様はやめてと何度も言っていたのに。傷つきますわね……」
ぷんすか、といった感じに頬を膨らませ怒るフレン。
フォトが様を付けているので貴族なのだろう。俺の嫌いなタイプの貴族じゃなさそうでよかった。流石にリーナよりは言葉遣いが丁寧だな。
「す、すみません。久しぶりだったので。フレンさん」
「まあ、今はそれでいいでしょう。お久しぶりね、フォトちゃん」
「はい、お久しぶりです。フレンさん!」
二人共笑顔で握手をしていた。なんだ、仲がいいじゃないか。
最初はフォトが昔に会った苦手な人とかかと思っていたが、そんなことはないらしい。争いがないことはいいことだ。これは俺も巻き込まれたりはしないな。
「なあ、あれ誰」
リュートはフレンが何者なのか知っているようだったので、小声で聞いてみた。
俺だけ知らないのも嫌なので、いい加減知っておきたい。
「は、え、知らないの? よりにもよってお前が?」
「なんで俺だったら知ってると思うんだよ…………」
「あら、わたくしを知らないんですの?」
ズアッと、目の前にフレンが現れた。速い、そして直前まで気が付かなかった。
身体は華奢だが、実力は確かだ。雰囲気から威厳を感じる。何者なんだ、こいつは。
「え、ええまあ。で、誰?」
「あら、名前を聞きたいのならまず名乗るのが礼儀ではなくて?」
「そうだな、悪い。キールだ。姓は無い」
普通の家だったので姓はない。俺も貴族だったら、こんな性格にはなっていなかったのかな。
まあいいさ、人間なんて子供の頃で全てが決まるわけじゃない。これから変えることだってできるんだ。
「キール…………素晴らしい名前ですわね」
「あっ、そう? ありがとな」
そんなことを言われたのは…………お世辞で何回か言われたか。うん。そこまで喜ぶことじゃないな。
一瞬テンションが上がったが、お世辞だと気づいて落ち着きを取り戻す。
「ふふふっ、変わった方ですわね。わたくしの名前は、フレン=マグナキール。勇者の子孫ですわ」
「そうか、勇者の……えっ?」
え?
「…………?」
えっ?
* * *
こんがらがった脳内を整理するためにかなりの時間を要した。
まず、このフレンという子は勇者の子孫? で、勇者に憧れていたフォトは勇者の子孫であるフレンと知り合いよく話をしていたのだとか。
しかし俺が本物の勇者と知ってから気まずくなり、疎遠になってしまったそうだ。
まあ、勇者の子孫だと思っていた友達の女の子が、実は勇者の血を引いていなかったと知ったら気まずくもなるか。
「もう話は終わりましたの?」
「あ、ああすまん。いやー勇者の子孫って聞いて驚いちゃってな。話を聞いてたんだ」
「そそそ、そうなんですよ」
リュートが嘘くせーと言いたげな顔でこちらを見てくる。しかし俺が勇者であることを隠すために口には出さない。これ、今日帰りにいろいろ言われるんだろうな。
「もう、それならわたくしに直接お聞きになさればいいのに」
「それなら、聞きたいことがあるんだ。お前に、勇者の子孫としての誇りはあるか?」
聞いておきたかった。俺と直接血縁関係があるわけではない。それでも、勇者の子孫と名乗るからにはそれなりの誇りを持っていてほしかった。
俺はこの子の親ではないが、親のような気持ちで質問をした。
「誇り、ですの? ……もちろんありますわ。今は冒険者の皆様が頑張っておりますが、わたくしたち王国兵士側も負けてはいませんの」
そう言ったフレンの目は、真っ直ぐ前を見ていた。前に進み続けるその瞳に嘘はない。勇者として、彼女も戦っているのだ。
それならば、初代勇者としてフレンを認めなければならない。いや、俺がしっかりと認めたい。いつか自分が勇者の子孫ではないと知ってしまった時に、勇者の血が通っていなくてもその魂は勇者のものだと教えてやりたい。
「じゃ、これからも頑張ってくれな」
そんな気持ちになってしまったからだろうか、無意識に頭を撫でていた。手のひらで撫でただけなのに、髪の毛のさらさらとした感触が物凄く伝わってくる。
おお……フォトの頭もさらさらしているが、これはまた違った感触だ。
「んっ……」
「キ、キールさん?」
って、まずい。やめなくては。フォトは戸惑っているし、リュートが睨んでいる。リュート関係ないだろなんだお前。
「わ、悪い。いつもの癖で」
「あっ……」
手を離すと、フレンは俺の手を見つめながら声を漏らした。ごめんって。
いつもの癖というのは、何かある度にフォトの頭を撫でていたのが原因だ。撫でられるとすごく喜ぶというか、褒めて伸ばす時に効果的なのだ。あと可愛い。
「もっとしてくださっても……」
「キールさん! 何をしているんですか!」
そう言いながらフォトが俺に詰め寄ってくる。
あれ、今フレンが何か言ってたような気がするんだけど。なんだろう。怒っちゃったかな。貴族を敵に回したくないなぁ、実際には違うとしても一応俺の家系だし。
「ごめんって、癖なんだよ。ほら、いつもフォトにやってるし」
「そ、そうですか。じゃあ、後で沢山してくださいね?」
「わかった、約束する。だから拗ねないでくれ、な?」
「むぅ、わかりました」
俺が頭を軽く撫でてやると、フォトは不満気になりながらも許してくれた。
ちょろいぜ。まあ、撫でろと言われて撫でてしまう俺もちょろいんだけどな。
「ぐああああああ! 甘い! クソが!!!!!」
リュートが何かを叫びながら石像の台座を殴っていた。
やめろ壊れる、それ俺なんだからやめて。俺じゃないけど俺なんだよそれ。
「あ、あの。キール様」
「ん。なんだ?」
様って何、様って。
俺はそんな敬うような相手じゃ…………いや、勇者の子孫からしたら勇者は敬う相手か。
だとしても、気付かれていないのだから様はおかしいだろう。しかし聞くわけにもいかない。どうする?
「フォトちゃんと、その……そういう関係なんですの?」
「まあ、そうだな。一緒に住んでるし」
「そうなんですの……」
なんだ、やけに落ち込んでるな。
まさかフォトが好きとか……? 来た? 来ちゃった? キターーーーーー!!!
うむ、眼福眼福。可愛い女の子が仲良さそうにしているのは俺の心の平穏が保たれて嬉しいぜ。
「フォトちゃん。わたくし、フォトちゃんの家に遊びに行きたいんですの」
「フレンさん!? それは、あの……」
「いいんじゃないか? 久しぶりに会って話したいこともあるだろうしな」
家でゆっくり話したいのだろう。フォトは最初は勇者のファンとしてフレンに近づいたらしいのだが、いつしかそういう気持ちではなく、本当の友達と認識したのだとか。
しかし勇者が俺と知って気まずくなった。俺のせいで二人が離れてしまったのなら、家の提供くらいどうってことない。俺も二人が仲いいならそれでいいしな。
「うわぁ、キールそれお前、うわぁ」
「なんだよ、なんかムカつくな……」
リュートが呆れながら何か言っているが、何に呆れたのか分からない。
それが理解できないのがなんかムカつく。くそっ、リュートに劣るとか最悪だ。
「ダメなんですの…………?」
うるうると目に涙を溜めながらフレンはそう言う。
ぐっ、これは破壊力があるな。ヴァリサ道場とかおすすめしたいくらいに破壊力がある。
これには流石のフォトも折れた。俺と同じく深いダメージを負っているようだ。
「だ、ダメじゃないです! いっぱい話しましょう! ね!」
「ほ、本当ですの? 嬉しいですわ!」
フォトと手を合わせて喜ぶフレンは、お嬢様らしさがあまりなく、魅力的だった。
でも、強いんだろうな。華麗で強い、こんなの大人気間違いなしだ。今の勇者ってそういうのも求められるのかな。よかった、俺の時代の勇者に求められてるのが強さだけで。
何はともあれ念願の勇者の子孫に会うことができた俺は、新しくできた知り合いに複雑な気持ちを抱きながらも歓迎するのだった。
家にやってきたフレンに戦術なども聞いた。戦力が把握できたことはいいことだ。魔法剣士の頂点らしいよ。なんで知らなかったの俺。
火山での出来事からもう一年以上経過している。俺たちの戦力も桁違いに上がっているが、魔王候補はいつ攻めてくるのだろうか。
まあ、このまま音沙汰ない方が一番平和でいいんだろうな。そうであると願おう。
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