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「真実」←こういうタイトルシリアスっぽくね?
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「ヨロイグマを狩ったのかい!?」
解体屋という魔獣の解体専用のお店にヨロイグマを持っていくと、お店の人にそう驚かれた。女だけで倒したというのが衝撃なのだろう。
解体屋ってさ、なんか字面だけだと怖いよね。殺し屋と繋がってそう。
「あの、解体を見学していいですかね? 参考にしたいので」
「もちろん構わないさ。でも、そう簡単に技術を盗めると思わないでくれよ」
釘を刺されてしまった。だが、望むところだ。こちとら物心ついた時から解体解体の毎日なのだ。
ノウハウはある。現に、一部の解体はしたのだ。ラピットスなんて、解体して毛皮も手に入れたんだぞ。見せてやろうか? あ、そういえば鍛冶屋に売ったわ。次の機会にな!!!
「隊長! 買い物行こうよー」
「でも、エファ殿を置いて行っていいのでありますか?」
「いいんだよー。こうなったら止まらないから。それはわたしも同じ。隊長も同じでしょ?」
「確かに、納得したであります!」
おいそこ、納得するな。と、言いたいところだけど否定できない。
似た者同士なのだ。自分の好きなことに全力、と言えば聞こえはいいだろうか。
「行っておいでー。あ、無駄遣いはしないでね」
「りょーかい。いざ! 商店街へ!」
「し、指揮は吾輩がとるでありますよ!!」
左手を腰に当て、人差し指を前に突き出しながら出発するポコを隊長が追いかける。もう私の中でアバンは隊長で固定してしまおう。楽だし。
そうして、私は解体の見学を、ポコたちは商店街で買い物をすることになった。
つかの間の自由時間だ。私は特に買いたい物とかないしなぁ……あったとしても後でいいかって思って結局買わないし。買い物って慣れてないんだよね。田舎育ちあるある。他を知らないけど。
* * *
えっちゃんが解体に夢中になっているので、わたしと隊長で商店街に来ている。
ここで生活をしている人はここで食べ物を買うのだろうけど、わたしたちは宿で食べたり食堂、酒場などで食事をするのであまり食材は気にしなくていいかも。
あ、でも隊長が仲間に加わったんなら、食べ物も持ち運べるよねっ! 旅先でも料理のレパートリーも増えるのでは?? これはテンション爆上がりですよ皆さん。
「隊長はこの街に住んでるんだよね?」
「もちろんであります。元々旅に出る予定だったんでありますが……やっぱり仲間がいないと危険なんでありますよね。一人旅ができるほどの実力があれば、すぐにでも旅に出ていたであります」
「そうなんだー。えっちゃんも元々一人旅をする予定だったらしいんだー、すごいよねー」
「そうなんでありますか? その割には知識に偏りがあるように見えるでありますが」
知識の偏りや計画性の無さはわたしも同じだったなぁ。考えなしに家出したりとか。
やっぱりわたしとえっちゃんのような性格の人間は一緒にいた方がお互いに助け合えていい。気がする。多分それは隊長も同じ。
「田舎育ちらしいからねー。まあわたしも田舎だったけど、それよりももっとド田舎って言ってたよ」
「ド田舎……知識が偏った状態で吾輩のような発作が起こるんでありますか……危険でありますね」
「発作て」
発作でも間違ってないか。突発的に起こることだし。
「あら、あらら。ポコンさん、エファさんはどうしたのですか??」
「あ! トパーさん!! えっちゃんは別の用事で今はいないんですよー」
果物を適当に見ていると、金髪の女性、紅の狩猟団のトパーさんが話しかけてきた。そういえば、ハックちゃんも今日は一人だったなー。
「そちらの方は……アバン! あなたアバンじゃない?」
「え、知ってるんですか?」
どうやらトパーさんは隊長のことを知っているようだ。隊長はなぜかわたしの陰に隠れている。
「もちろん。元仲間なのよ」
「えっ……隊長、前に言ってた仲間って紅の狩猟団だったの?」
「そ、そうであります……」
アカネさんがリーダーのあの狩猟団を抜けるって、相当だと思うんだけど……。
「隊長はアカネさんのところで何をしたんですか?」
「アバンはやらかしたわけじゃないわ、突然飛び出す癖が治らなかったから、仲間の負担が大きくなっちゃったのよ。そうしたらアバンのやりたいことを聞いたアカネ様があたし達はアバンの仲間に合ってないんじゃないかと思って、新しい仲間を見つけた方がいいって提案したの」
「なるほどー、紅の狩猟団は旅が目的じゃないですもんねー」
紅の狩猟団は、女性の冒険者や狩人をまとめ上げる団体だ。今は人数が少なく、資金集めなどをしているが、お金が貯まったり、仲間が増えたりすれば隊長のやりたかった遠征もするだろう。
だが、それはまだまだ先の話だったのだ。それまで隊長を待たせるのも、待つのも難しいと考えて、アカネさんは隊長に団を抜けるように言ったのだ。優しさだ。
「そうなのよ。でも資金が集まってきたから規模を拡大するつもりなの。さらに広く街歩き回ってスカウトしたり、他の街まで行ってスカウトしたり、そうやって増えたら別の国にも支部を作る。それがアカネ様の今の目標よ」
「そうだったんでありますか。吾輩はてっきり邪魔だから追い出されたのかと思っていたであります」
「こっちだって、アバンがいなくなって困っていたわよ。でも、この狩猟団じゃアバンは満足に活動できないから、仕方なく他の仲間を探すように言ったの」
「これはえっちゃんに報告ですなー」
「うう……きっと馬鹿にされるであります」
そうかな? えっちゃんの場合は、呆れながらも仕方ないなーと受け入れそうな気がするけど。
「あはは、何とかなるって! えっちゃんああ見えてお姉ちゃん属性持ちだから、少しめんどくさいくらいが丁度いいんだよ?」
「え、あんなにちっちゃいのにでありますか!?」
「それ、えっちゃん本気で怒るから言わない方がいいよ」
小さいや、子供と呼ばれた時のえっちゃんの静かな怒りは普段から思考がゆるゆるなわたしでも戦慄するくらい怖い。あと胸ね。
その後、わたしはトパーさんと話をした。わたしと一緒にいた隊長を見て、トパーさんは隊長がわたしたちの仲間に加わったことに薄々気づいていたらしい。そのことをアカネさんに報告しなくちゃと機嫌がよくなったトパーさんと別れ、買い物を続けた。
解体屋という魔獣の解体専用のお店にヨロイグマを持っていくと、お店の人にそう驚かれた。女だけで倒したというのが衝撃なのだろう。
解体屋ってさ、なんか字面だけだと怖いよね。殺し屋と繋がってそう。
「あの、解体を見学していいですかね? 参考にしたいので」
「もちろん構わないさ。でも、そう簡単に技術を盗めると思わないでくれよ」
釘を刺されてしまった。だが、望むところだ。こちとら物心ついた時から解体解体の毎日なのだ。
ノウハウはある。現に、一部の解体はしたのだ。ラピットスなんて、解体して毛皮も手に入れたんだぞ。見せてやろうか? あ、そういえば鍛冶屋に売ったわ。次の機会にな!!!
「隊長! 買い物行こうよー」
「でも、エファ殿を置いて行っていいのでありますか?」
「いいんだよー。こうなったら止まらないから。それはわたしも同じ。隊長も同じでしょ?」
「確かに、納得したであります!」
おいそこ、納得するな。と、言いたいところだけど否定できない。
似た者同士なのだ。自分の好きなことに全力、と言えば聞こえはいいだろうか。
「行っておいでー。あ、無駄遣いはしないでね」
「りょーかい。いざ! 商店街へ!」
「し、指揮は吾輩がとるでありますよ!!」
左手を腰に当て、人差し指を前に突き出しながら出発するポコを隊長が追いかける。もう私の中でアバンは隊長で固定してしまおう。楽だし。
そうして、私は解体の見学を、ポコたちは商店街で買い物をすることになった。
つかの間の自由時間だ。私は特に買いたい物とかないしなぁ……あったとしても後でいいかって思って結局買わないし。買い物って慣れてないんだよね。田舎育ちあるある。他を知らないけど。
* * *
えっちゃんが解体に夢中になっているので、わたしと隊長で商店街に来ている。
ここで生活をしている人はここで食べ物を買うのだろうけど、わたしたちは宿で食べたり食堂、酒場などで食事をするのであまり食材は気にしなくていいかも。
あ、でも隊長が仲間に加わったんなら、食べ物も持ち運べるよねっ! 旅先でも料理のレパートリーも増えるのでは?? これはテンション爆上がりですよ皆さん。
「隊長はこの街に住んでるんだよね?」
「もちろんであります。元々旅に出る予定だったんでありますが……やっぱり仲間がいないと危険なんでありますよね。一人旅ができるほどの実力があれば、すぐにでも旅に出ていたであります」
「そうなんだー。えっちゃんも元々一人旅をする予定だったらしいんだー、すごいよねー」
「そうなんでありますか? その割には知識に偏りがあるように見えるでありますが」
知識の偏りや計画性の無さはわたしも同じだったなぁ。考えなしに家出したりとか。
やっぱりわたしとえっちゃんのような性格の人間は一緒にいた方がお互いに助け合えていい。気がする。多分それは隊長も同じ。
「田舎育ちらしいからねー。まあわたしも田舎だったけど、それよりももっとド田舎って言ってたよ」
「ド田舎……知識が偏った状態で吾輩のような発作が起こるんでありますか……危険でありますね」
「発作て」
発作でも間違ってないか。突発的に起こることだし。
「あら、あらら。ポコンさん、エファさんはどうしたのですか??」
「あ! トパーさん!! えっちゃんは別の用事で今はいないんですよー」
果物を適当に見ていると、金髪の女性、紅の狩猟団のトパーさんが話しかけてきた。そういえば、ハックちゃんも今日は一人だったなー。
「そちらの方は……アバン! あなたアバンじゃない?」
「え、知ってるんですか?」
どうやらトパーさんは隊長のことを知っているようだ。隊長はなぜかわたしの陰に隠れている。
「もちろん。元仲間なのよ」
「えっ……隊長、前に言ってた仲間って紅の狩猟団だったの?」
「そ、そうであります……」
アカネさんがリーダーのあの狩猟団を抜けるって、相当だと思うんだけど……。
「隊長はアカネさんのところで何をしたんですか?」
「アバンはやらかしたわけじゃないわ、突然飛び出す癖が治らなかったから、仲間の負担が大きくなっちゃったのよ。そうしたらアバンのやりたいことを聞いたアカネ様があたし達はアバンの仲間に合ってないんじゃないかと思って、新しい仲間を見つけた方がいいって提案したの」
「なるほどー、紅の狩猟団は旅が目的じゃないですもんねー」
紅の狩猟団は、女性の冒険者や狩人をまとめ上げる団体だ。今は人数が少なく、資金集めなどをしているが、お金が貯まったり、仲間が増えたりすれば隊長のやりたかった遠征もするだろう。
だが、それはまだまだ先の話だったのだ。それまで隊長を待たせるのも、待つのも難しいと考えて、アカネさんは隊長に団を抜けるように言ったのだ。優しさだ。
「そうなのよ。でも資金が集まってきたから規模を拡大するつもりなの。さらに広く街歩き回ってスカウトしたり、他の街まで行ってスカウトしたり、そうやって増えたら別の国にも支部を作る。それがアカネ様の今の目標よ」
「そうだったんでありますか。吾輩はてっきり邪魔だから追い出されたのかと思っていたであります」
「こっちだって、アバンがいなくなって困っていたわよ。でも、この狩猟団じゃアバンは満足に活動できないから、仕方なく他の仲間を探すように言ったの」
「これはえっちゃんに報告ですなー」
「うう……きっと馬鹿にされるであります」
そうかな? えっちゃんの場合は、呆れながらも仕方ないなーと受け入れそうな気がするけど。
「あはは、何とかなるって! えっちゃんああ見えてお姉ちゃん属性持ちだから、少しめんどくさいくらいが丁度いいんだよ?」
「え、あんなにちっちゃいのにでありますか!?」
「それ、えっちゃん本気で怒るから言わない方がいいよ」
小さいや、子供と呼ばれた時のえっちゃんの静かな怒りは普段から思考がゆるゆるなわたしでも戦慄するくらい怖い。あと胸ね。
その後、わたしはトパーさんと話をした。わたしと一緒にいた隊長を見て、トパーさんは隊長がわたしたちの仲間に加わったことに薄々気づいていたらしい。そのことをアカネさんに報告しなくちゃと機嫌がよくなったトパーさんと別れ、買い物を続けた。
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