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1話 クソゲーの孤児に転生してしまった
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質問:人生をつぎ込んだゲームのシナリオがぶっ壊れてたら、どんな気持ちになりますか?
応え:ただただ虚しいって気持ちになる。
それが、今の俺の気持ちだった。ダーク・ブラッドオンライン。
そのRPGゲームは、魅力的なヒロインたちと迫力のある戦闘システムのおかげで、今では世界的な人気を得ているゲームだった。ついこの前までは!!
「でも、これはさすがにおかしいだろ……!!これはおかしいだろうが!!!!」
このゲームの欠点は、他ならぬシナリオだった。
憂鬱で希望の欠片もないダークな雰囲気なのはまだいい。主人公たちがそれを覆せばいいだけの話だから。
でも、このゲームの主人公たちの行動はむしろ悪を助長しているようにさえ見えているのだ。
この主人公たちの出身、帝国は根っこから腐れ切っている国だった。子供たちは実験体として扱われ、平民たちは過酷な税金と労働に苦しんでいる。
なのに、ヒーローを名乗っている主人公たちはその惨事を助けたりもしないで、ただただラスボスの悪魔を倒そうって意気込んでいるだけ。
悩んだり苦しんだりする立体的に悩むところもなく、ただラスボスを倒そうとバカみたいに唱えているだけなのだ!
「ぐぁああああ……俺の人生を返せ……!!このゲームに1万時間以上つぎ込んだのに!俺の人生を返せぇええ」
俺は部屋の椅子に座ったまま、鳴き声を上げる。4年前からこのゲームを初めて、そこそこ愛情を注いできたつもりだった。
世界ランキング1位もし取ったことあるし、レイドシステムが出たらギルド員たちとサーバー初クリアもしてきたのである。
正にトップランカー。このゲームに人生を捧げた哀れなユーザー!
でも、そんなに時間と愛情を注いだにも関わらず、シナリオがぶっ飛んでいるせいで全くゲームをやる意欲が出なかった。
「ははっ、やっぱ燃えてるな~~燃えろ、燃えろ。このゲームはクソゲーだからな!!」
掲示板を見ると、やっぱり新しいシナリオに対する不評でいっぱいだった。
マジで胸糞悪い、〇ね、ライターの倫理観が終わってるだろなどなど、だいぶ憤っているコメントの数々。
「これおかしいだろ~~なんで腐りきっている国を助けなきゃいけないんだ……こんな国、滅ぶべきだろ」
その瞬間だった。
一瞬視界がくるくる回ると思ったら、急に目の前が真っ暗になる。
えっ、という声さえ出なくなるほど息が詰まって、急に体がひっくり返される感覚が走って。
それからようやく、目を開けたら。
「おい、早く動け!5025番!!」
「………………………………………へ?」
俺は何故か、5025番と呼ばれる少年になっていた。
応え:ただただ虚しいって気持ちになる。
それが、今の俺の気持ちだった。ダーク・ブラッドオンライン。
そのRPGゲームは、魅力的なヒロインたちと迫力のある戦闘システムのおかげで、今では世界的な人気を得ているゲームだった。ついこの前までは!!
「でも、これはさすがにおかしいだろ……!!これはおかしいだろうが!!!!」
このゲームの欠点は、他ならぬシナリオだった。
憂鬱で希望の欠片もないダークな雰囲気なのはまだいい。主人公たちがそれを覆せばいいだけの話だから。
でも、このゲームの主人公たちの行動はむしろ悪を助長しているようにさえ見えているのだ。
この主人公たちの出身、帝国は根っこから腐れ切っている国だった。子供たちは実験体として扱われ、平民たちは過酷な税金と労働に苦しんでいる。
なのに、ヒーローを名乗っている主人公たちはその惨事を助けたりもしないで、ただただラスボスの悪魔を倒そうって意気込んでいるだけ。
悩んだり苦しんだりする立体的に悩むところもなく、ただラスボスを倒そうとバカみたいに唱えているだけなのだ!
「ぐぁああああ……俺の人生を返せ……!!このゲームに1万時間以上つぎ込んだのに!俺の人生を返せぇええ」
俺は部屋の椅子に座ったまま、鳴き声を上げる。4年前からこのゲームを初めて、そこそこ愛情を注いできたつもりだった。
世界ランキング1位もし取ったことあるし、レイドシステムが出たらギルド員たちとサーバー初クリアもしてきたのである。
正にトップランカー。このゲームに人生を捧げた哀れなユーザー!
でも、そんなに時間と愛情を注いだにも関わらず、シナリオがぶっ飛んでいるせいで全くゲームをやる意欲が出なかった。
「ははっ、やっぱ燃えてるな~~燃えろ、燃えろ。このゲームはクソゲーだからな!!」
掲示板を見ると、やっぱり新しいシナリオに対する不評でいっぱいだった。
マジで胸糞悪い、〇ね、ライターの倫理観が終わってるだろなどなど、だいぶ憤っているコメントの数々。
「これおかしいだろ~~なんで腐りきっている国を助けなきゃいけないんだ……こんな国、滅ぶべきだろ」
その瞬間だった。
一瞬視界がくるくる回ると思ったら、急に目の前が真っ暗になる。
えっ、という声さえ出なくなるほど息が詰まって、急に体がひっくり返される感覚が走って。
それからようやく、目を開けたら。
「おい、早く動け!5025番!!」
「………………………………………へ?」
俺は何故か、5025番と呼ばれる少年になっていた。
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