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49話 教会の闇
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「く、くぁあぁあああああああああ!!!」
赤い目は悪魔の象徴。
それこそが、この世界で通用されるもっともの真理だった。そして、予言の悪魔を見た十字軍たちは思わず悲鳴を上げ、一人はそのまま逃げ出そうとする。
だけど、当たり前のようにニアはそれを許さなかった。
「一人」
ニアを覆っていた赤黒いオーラ―は、間もなくして巨大な手の形になる。
その手は真っすぐ男に差し伸べられ、体がそのまま掴まれた。次元が違う魔法を見て、男たちの顔が驚愕に滲む。
「お、おのれ悪魔ぁあ!!この異端し―――――――カハッ」
男の言葉は最後まで紡がれない。
ニアが拳を握りしめる仕草をすると同時に、男の体が文字通り押しつぶされたのだ。
体のあらゆる穴から血が出る光景は、見ていて楽しいものじゃない。
俺はリエルの目元を腕で隠すのと同時に、片方の耳まで塞いでなるべくなにも感じられないようにした。
そして、目の前で仲間の残酷な死にざまを見てしまった男たちは、パニック状態に陥る。
「な、なっ……!?」
「くっ……こうなったら!!」
もはや逃げ場はない、ここで悪魔を殺さないと絶対に助からない。
その思いは剣の勢いになり、一人の男はそのままニアに襲い掛かる。
しかし、あまりにも遅かった。
「死ね!!あくま――――――きゃ、きゃははは、きゃはははははっ!!きあぁあああああああああああっ!?!?」
「う、うあああああああああ!!!」
ニアの精神操作が働いたのと同時に、クロエがヤツの胸元にナイフを突き刺す。
自らの頭に刀を刺しこんだ仲間と、一瞬で距離を詰めた俊足の暗殺者。仲間の体が崩れ去るのと同時に、残りの二人も気づくはずだ。
これは、影だと。
「リエルをお願いします、安全な場所まで連れて行ってください」
「は、はいっ……!」
「ちょっ、カイ……!?なにが起きてるの?まさか、十字軍を―――」
「うん、殺してるよ?」
「………………」
「殺してる。生かしておく必要がないからね。ああ、なるべく君には被害が及ばないようにするから、安心していいよ」
リエルを抱きしめている腕を解くと、彼女は絶句したまま俺を見上げた。
信じられないといわんばかりの、混乱だらけの表情。それもそのはずだ。彼女は俺たちが悪魔という事実は知っていても、実際に人を殺したり、悪行をしたりするところを見たことはなかったから。
俺の立場からしたら、このとち狂った世界でこれのどこが悪行だと言いたいが―――リエルの反応も理解はできる。
これは、殺人だから。
「……カイ」
「……俺たちのこと嫌悪したのなら、支援するという契約はナシにしてもいいよ。ごめんね、リエル」
また一人の頭に、クロエのナイフがぶっ刺ささる。
そして、それを待っていたとばかりにニアが作った数十本の黒い槍が、その体を串刺しにした。最後に残った一人はぱたんと地面に倒れ、体をぶるぶる震わせている。
「二人とも!そいつはしばらく生かしといて!聞くことがあるから!!」
リエルは困惑した顔で俺を見上げる。残念だけど、これ以上彼女に構っている余裕はない。
「カイ、ちょっと待っ―――」
「ごめんね。でも、あいつも殺さなきゃいけないから」
俺は別に正義じゃない。
勇者の代わりになるつもりなんて毛頭ないし、別にこの帝国を救う救世主になりたいわけでもなかった。確固たる信念を持っているわけでも、理念の下で動いているわけでもない。
俺はただ、気持ち悪いやつらを殺してスカッとしたいだけなのだ。
「ひ、ひ、ひいぃぃいい……!!」
「おい」
俺が二人の間を抜けて男に近づくと、ヤツは怯え切った顔で俺を見上げてくる。
……どうやら、恐怖のあまり小便まで洩らしたようだ。
「な、なっ……!」
「ゲームを始めようか?俺が質問を投げて、三つ数える間に応えなかったら、お前の指が一本ずつ無くなるぞ」
「そ、そんな!?」
「さて、最初の質問からしようか」
精神操作をかけて洗いざらい吐かせるのも悪くないけど、それじゃ足りない気がした。
リエルを殺そうとした、この屋敷の人を殺した男たち。頭のいかれた狂信者たち。
拷問でもしないと性に合わない。
「最初の質問、お前たちをここに送ったのは教皇か?はい、3,2,1―――」
「け、け汚らわしい悪魔が教皇様を軽々しく呼ぶな―――くぁああああ!?」
黒魔法で作った小さなナイフが地面ごと、男の小指に刺される。
「3,2,1」
「や、やめろ、貴様……!!うぁああああああ!!!」
「3,2,1」
「や、やめろ!やめてくれ!!言うから、全部言うからぁああ!!」
「……三つ数える。質問だけに答えろ」
「は、はいぃ……わ、分かりましたぁあ!!」
よっぽど怖がっているのか、男は涙と鼻水まで流していた。俺は、また片手で指を三つ上げながら言う。
「最初の質問、お前たちをここに送ったのは教皇か?」
「そ、そうだ!!教皇様がここへ―――くぁああああああ!!」
「答えは敬語でするように」
「うぅ……あぁあああ……」
「あと16本か。二つ目の質問」
「は、はいっ!」
「教皇の目的はなんだ?教皇はなにをしようとしてる?」
男は一瞬困惑した顔になるが、すぐにまた首を振った。
「し、知りません!私たちは、ただ命を受けただけで……あ、あああああああああ!!」
「3,2,1」
「パワーエリクサー!!!パワーエリクサーの製造法が記されている文書を見つけ出せと命じられましたぁあ!!」
「他には?リエルをどうこうしろという言いつけは?」
「そ、それは特にありませんでした!!しかし、ラウディ商会を潰すための証拠も共に見つけて来いと……!!」
「ふうん、そっか」
ようやく躾けられたのか、男は泣きながらも従順にすべてを言ってくる。十字軍の誇りや教会の忠誠は見当たらず、完全な本能だけが残っていた。
俺は薄笑みを浮かべながら、前世のゲームの中にいた内容を思い出す。
「じゃ、次の質問。教会の地下には浚われた少女たちがいるようだが、その子たちは教会のどこにいる?」
「え………?ひ、ひっ!?」
「3,2,1」
「きょ、教会に隣接している宿!!十字軍たちが生活している建物の地下にいます!!」
「……そこで、なにをしている?」
「あ、あぁ……」
「上玉は教皇に送られ、それ以外は貴様たちがその少女たちを襲っている……巷に流れているこの噂は本当か?」
「あ、ぁ………!?」
「3,2,1」
「き、きぁああああああああああああああああ!!」
もちろん、こんな噂は帝国内で流れていない。単純にゲームのサブクエストの内容をもとに、俺が推測をしただけだ。
だけど、これが当たっていたとは。まさか、神に仕えていると堂々と叫んでいたヤツらが………ははっ。
「め、目が……!目がぁああ……!!」
「因果応報にしてもまだまだ足りないとは思わないか?おい」
「う、ぁ……ああああ……」
「そっか。確か、教会のシスターとして育てると言っていたな。なのに、裏ではあんなことを……ははっ、あははっ」
「お、俺は……俺たちは……!」
「呆れを通り越して逆に面白いな。そんなヤツらが神に仕える……あははははっ!!うわぁ~~~あははっ、笑いが止まらないわ、本当に」
「うぅ、ぁ………」
「次の告解は教皇に聞こうか……ありがとうな、クズ」
「う、うぁああああああああああああああ!!!」
「もう少しだけ苦しんでいろよ。お前があの少女たちに与えた苦しみと、ちょうど同じくらいにな」
黒魔法で作った槍を、ヤツの四肢に刺しこむ。
その後に永遠に苦痛を味わい続ける精神操作をかければ、終わりだ。発作が起きたように全身をバタバタさせても無理だ。
たとえ精神がまともだろうと、既にあれほどの血を流したんだから絶対に助からない。
「ニア、クロエ」
「うん」
「……うん」
「明日の夜に、教会に潜入するから準備しといて」
さすがに、リエルのためにもあの死体たちの後片付けをしてから出発するべきだろう。
この場面で教会に潜入するなんて、正体がバレる可能背もあるけど……でも、仕方ないと思う。
「あの少女たちを、とりあえず助けなきゃ」
まさか、信仰心に溢れているふりをして、裏ではあんなことをやっていたなんて。
反吐が出そうなほど、気持ち悪いじゃないか。
赤い目は悪魔の象徴。
それこそが、この世界で通用されるもっともの真理だった。そして、予言の悪魔を見た十字軍たちは思わず悲鳴を上げ、一人はそのまま逃げ出そうとする。
だけど、当たり前のようにニアはそれを許さなかった。
「一人」
ニアを覆っていた赤黒いオーラ―は、間もなくして巨大な手の形になる。
その手は真っすぐ男に差し伸べられ、体がそのまま掴まれた。次元が違う魔法を見て、男たちの顔が驚愕に滲む。
「お、おのれ悪魔ぁあ!!この異端し―――――――カハッ」
男の言葉は最後まで紡がれない。
ニアが拳を握りしめる仕草をすると同時に、男の体が文字通り押しつぶされたのだ。
体のあらゆる穴から血が出る光景は、見ていて楽しいものじゃない。
俺はリエルの目元を腕で隠すのと同時に、片方の耳まで塞いでなるべくなにも感じられないようにした。
そして、目の前で仲間の残酷な死にざまを見てしまった男たちは、パニック状態に陥る。
「な、なっ……!?」
「くっ……こうなったら!!」
もはや逃げ場はない、ここで悪魔を殺さないと絶対に助からない。
その思いは剣の勢いになり、一人の男はそのままニアに襲い掛かる。
しかし、あまりにも遅かった。
「死ね!!あくま――――――きゃ、きゃははは、きゃはははははっ!!きあぁあああああああああああっ!?!?」
「う、うあああああああああ!!!」
ニアの精神操作が働いたのと同時に、クロエがヤツの胸元にナイフを突き刺す。
自らの頭に刀を刺しこんだ仲間と、一瞬で距離を詰めた俊足の暗殺者。仲間の体が崩れ去るのと同時に、残りの二人も気づくはずだ。
これは、影だと。
「リエルをお願いします、安全な場所まで連れて行ってください」
「は、はいっ……!」
「ちょっ、カイ……!?なにが起きてるの?まさか、十字軍を―――」
「うん、殺してるよ?」
「………………」
「殺してる。生かしておく必要がないからね。ああ、なるべく君には被害が及ばないようにするから、安心していいよ」
リエルを抱きしめている腕を解くと、彼女は絶句したまま俺を見上げた。
信じられないといわんばかりの、混乱だらけの表情。それもそのはずだ。彼女は俺たちが悪魔という事実は知っていても、実際に人を殺したり、悪行をしたりするところを見たことはなかったから。
俺の立場からしたら、このとち狂った世界でこれのどこが悪行だと言いたいが―――リエルの反応も理解はできる。
これは、殺人だから。
「……カイ」
「……俺たちのこと嫌悪したのなら、支援するという契約はナシにしてもいいよ。ごめんね、リエル」
また一人の頭に、クロエのナイフがぶっ刺ささる。
そして、それを待っていたとばかりにニアが作った数十本の黒い槍が、その体を串刺しにした。最後に残った一人はぱたんと地面に倒れ、体をぶるぶる震わせている。
「二人とも!そいつはしばらく生かしといて!聞くことがあるから!!」
リエルは困惑した顔で俺を見上げる。残念だけど、これ以上彼女に構っている余裕はない。
「カイ、ちょっと待っ―――」
「ごめんね。でも、あいつも殺さなきゃいけないから」
俺は別に正義じゃない。
勇者の代わりになるつもりなんて毛頭ないし、別にこの帝国を救う救世主になりたいわけでもなかった。確固たる信念を持っているわけでも、理念の下で動いているわけでもない。
俺はただ、気持ち悪いやつらを殺してスカッとしたいだけなのだ。
「ひ、ひ、ひいぃぃいい……!!」
「おい」
俺が二人の間を抜けて男に近づくと、ヤツは怯え切った顔で俺を見上げてくる。
……どうやら、恐怖のあまり小便まで洩らしたようだ。
「な、なっ……!」
「ゲームを始めようか?俺が質問を投げて、三つ数える間に応えなかったら、お前の指が一本ずつ無くなるぞ」
「そ、そんな!?」
「さて、最初の質問からしようか」
精神操作をかけて洗いざらい吐かせるのも悪くないけど、それじゃ足りない気がした。
リエルを殺そうとした、この屋敷の人を殺した男たち。頭のいかれた狂信者たち。
拷問でもしないと性に合わない。
「最初の質問、お前たちをここに送ったのは教皇か?はい、3,2,1―――」
「け、け汚らわしい悪魔が教皇様を軽々しく呼ぶな―――くぁああああ!?」
黒魔法で作った小さなナイフが地面ごと、男の小指に刺される。
「3,2,1」
「や、やめろ、貴様……!!うぁああああああ!!!」
「3,2,1」
「や、やめろ!やめてくれ!!言うから、全部言うからぁああ!!」
「……三つ数える。質問だけに答えろ」
「は、はいぃ……わ、分かりましたぁあ!!」
よっぽど怖がっているのか、男は涙と鼻水まで流していた。俺は、また片手で指を三つ上げながら言う。
「最初の質問、お前たちをここに送ったのは教皇か?」
「そ、そうだ!!教皇様がここへ―――くぁああああああ!!」
「答えは敬語でするように」
「うぅ……あぁあああ……」
「あと16本か。二つ目の質問」
「は、はいっ!」
「教皇の目的はなんだ?教皇はなにをしようとしてる?」
男は一瞬困惑した顔になるが、すぐにまた首を振った。
「し、知りません!私たちは、ただ命を受けただけで……あ、あああああああああ!!」
「3,2,1」
「パワーエリクサー!!!パワーエリクサーの製造法が記されている文書を見つけ出せと命じられましたぁあ!!」
「他には?リエルをどうこうしろという言いつけは?」
「そ、それは特にありませんでした!!しかし、ラウディ商会を潰すための証拠も共に見つけて来いと……!!」
「ふうん、そっか」
ようやく躾けられたのか、男は泣きながらも従順にすべてを言ってくる。十字軍の誇りや教会の忠誠は見当たらず、完全な本能だけが残っていた。
俺は薄笑みを浮かべながら、前世のゲームの中にいた内容を思い出す。
「じゃ、次の質問。教会の地下には浚われた少女たちがいるようだが、その子たちは教会のどこにいる?」
「え………?ひ、ひっ!?」
「3,2,1」
「きょ、教会に隣接している宿!!十字軍たちが生活している建物の地下にいます!!」
「……そこで、なにをしている?」
「あ、あぁ……」
「上玉は教皇に送られ、それ以外は貴様たちがその少女たちを襲っている……巷に流れているこの噂は本当か?」
「あ、ぁ………!?」
「3,2,1」
「き、きぁああああああああああああああああ!!」
もちろん、こんな噂は帝国内で流れていない。単純にゲームのサブクエストの内容をもとに、俺が推測をしただけだ。
だけど、これが当たっていたとは。まさか、神に仕えていると堂々と叫んでいたヤツらが………ははっ。
「め、目が……!目がぁああ……!!」
「因果応報にしてもまだまだ足りないとは思わないか?おい」
「う、ぁ……ああああ……」
「そっか。確か、教会のシスターとして育てると言っていたな。なのに、裏ではあんなことを……ははっ、あははっ」
「お、俺は……俺たちは……!」
「呆れを通り越して逆に面白いな。そんなヤツらが神に仕える……あははははっ!!うわぁ~~~あははっ、笑いが止まらないわ、本当に」
「うぅ、ぁ………」
「次の告解は教皇に聞こうか……ありがとうな、クズ」
「う、うぁああああああああああああああ!!!」
「もう少しだけ苦しんでいろよ。お前があの少女たちに与えた苦しみと、ちょうど同じくらいにな」
黒魔法で作った槍を、ヤツの四肢に刺しこむ。
その後に永遠に苦痛を味わい続ける精神操作をかければ、終わりだ。発作が起きたように全身をバタバタさせても無理だ。
たとえ精神がまともだろうと、既にあれほどの血を流したんだから絶対に助からない。
「ニア、クロエ」
「うん」
「……うん」
「明日の夜に、教会に潜入するから準備しといて」
さすがに、リエルのためにもあの死体たちの後片付けをしてから出発するべきだろう。
この場面で教会に潜入するなんて、正体がバレる可能背もあるけど……でも、仕方ないと思う。
「あの少女たちを、とりあえず助けなきゃ」
まさか、信仰心に溢れているふりをして、裏ではあんなことをやっていたなんて。
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