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番外編 クルミ
天空領の出会い1
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忙しい兄様はすぐに会場に戻ってしまわれた。
離れの庭にはケイとエレノアと私だけ。
ここ何年かで何匹も天馬は繁殖している。
クリストフとエレノアの間にも3頭うまれているし、テトとルルの間にも2匹、フォルド伯父様の天馬のエルシーナも1頭産んで、アルトバイスの奥さんのリンネットなど4頭も産んだ。
天馬達は頭がいい。
ここに残って、獣人と契約を結んでもいいなと思う子はのこり、自由に生きたいタイプの子は天空領ですごしてる。把握しきれないけれど、天空領で過ごす天馬同士でまた数が増えているみたいだ。
天空領は母様の持ち物なのに、母様はあまり頓着がない。凄い事なのに、テトとルルをつれた父様とのデートの場所としか思ってなさそう。
そんな母様のかわりに、父様が天空領の管理をなさっているし、離れの天馬も天空領の天馬もどちらもテトがまとめ上げている。テトも父様も、本当に母様に甘い!
母様はルルの契約者なのに乗馬の練習は全くしないし、全然ルルに乗るつもりもなさそう。
あれは絶対父様に乗せて欲しいからだと思う。
父様に抱かれてテトに乗る時の母様は幸せそうだもの。
つらつらとそんな事を考えているとケイとエレノアが私にリンゴをねだる。
「ふふ、天馬ちゃん達に会いに行こうか。天空領ならリンゴの木もオレンジの木も沢山あるよ?」
天空領に住む天馬達に名前はないから、全部まとめて天馬ちゃんだ。
天空領で生まれた子に契約の意思があるときはテトがこちらに連れてきたり、私が天空領に行った時に近寄ってきたりする。天馬って本当に賢い。
天空領の天馬ちゃん達も、はなれの子達も皆テトを長と認めてる。父様みたいだな、と思う。
「皆んな遅くなるし、行っちゃおっか」
本当は秋につれていってもらわないといけないんだけど、もう行ってしまおう。
私ばっかりいつもつまらないのは癪だしね。
「ケイ!エレノア!美味しいフルーツ沢山食べようね!」
◇◆◇
乗馬はできるけれど、クロム兄様の天馬に勝手に乗るのも憚られて、私は私の翼で飛ぶ。
兄様達や秋みたいには早く飛べないけれど、2匹の天馬は私のペースに合わせてくれる。
王都の上に浮かせてあるからすぐに着く。
他の翼を持つ獣人達は強い種族があまりいないし、天牛なんかで来ようものなら遅すぎてすぐ捕まる。天空領は天馬達の楽園になってる。
「エレノアはクリストフに言ってきた?」
私の質問に楽しそうに高くないたので、秘密で来たのかも。
「ケイにも、お嫁さんが見つかるといいね。私に加護があれば、みつけてあげたのに……」
隣を飛ぶケイが私の手に頭を擦り付けてきた。
言葉は通じないけれど、ちゃんと気持ちは通じる。本当に可愛い。
2匹が私の飛びやすい風を起こしてくれる。いつもより何倍ものスピードが出て気持ちがいい。
「わぁ!あっという間!天馬ちゃん達はでてきてくれるかなぁ?まずは林檎畑にいってみようか!」
父様が母様の為に植えた林檎とオレンジの広大な畑。
父様は天馬の為に植えたっていうより、完全に母様へのプレゼントだ。母様しか見えていないもの。まぁいいけど。
「うーん、今日は天馬ちゃん達は誰もいないみたい」
マルケスおじさんの管理棟もここからは遠いし、見回りの軍部の方も今はいない。
「ケイ、エレノア、いっぱい食べよう!テト達のお土産にしよう!」
つる籠にどんどんつめていく。母様にも渡して、アップルパイを作ってもらおう!
ケイもエレノアも嬉しそう。魔法でふわふわリンゴを浮かせてお互いの口元にもっていったりして楽しそう。この兄妹は仲良しだ。
「リンゴは沢山食べれた?オレンジの方にも行こうか!クリストフに持っていったらきっと喜ぶよ!」
エレノアが楽しそうに鳴く。クリストフの好物を持って帰れるのが嬉しいんだとわかる。
いいなぁ、ラブラブで。
「今日は天馬ちゃん達、誰もいないね、いつもならここには必ず何頭かいるのに……」
なんだか天気も悪くなってきた。
さっきまで晴れていたのに。曇天の空を仰ぎ見てため息をつく。
ここはいつも綺麗な夕焼けが見られるのに。
「雨が降りそう。ケイ、エレノア、近道してオレンジ畑に行こうか!」
丘の向こうのオレンジ畑に急ぐ。
途中泉のある森があって、いつもは迂回して通るけれど今日は森の上を飛んで行く。
天空領は警備の人さえ気をつけていれば下に人がいないので飛び放題だ。
「ん?ケイ、この匂い何?」
泉に差し掛かった頃、変わった匂いがする事に気がついた。何かお香のような……
森の中のぽっかりひらけた場所。上から見るかぎり異変は無さそう。へんな匂いだけ。
何だろう、やな予感がする
離れの庭にはケイとエレノアと私だけ。
ここ何年かで何匹も天馬は繁殖している。
クリストフとエレノアの間にも3頭うまれているし、テトとルルの間にも2匹、フォルド伯父様の天馬のエルシーナも1頭産んで、アルトバイスの奥さんのリンネットなど4頭も産んだ。
天馬達は頭がいい。
ここに残って、獣人と契約を結んでもいいなと思う子はのこり、自由に生きたいタイプの子は天空領ですごしてる。把握しきれないけれど、天空領で過ごす天馬同士でまた数が増えているみたいだ。
天空領は母様の持ち物なのに、母様はあまり頓着がない。凄い事なのに、テトとルルをつれた父様とのデートの場所としか思ってなさそう。
そんな母様のかわりに、父様が天空領の管理をなさっているし、離れの天馬も天空領の天馬もどちらもテトがまとめ上げている。テトも父様も、本当に母様に甘い!
母様はルルの契約者なのに乗馬の練習は全くしないし、全然ルルに乗るつもりもなさそう。
あれは絶対父様に乗せて欲しいからだと思う。
父様に抱かれてテトに乗る時の母様は幸せそうだもの。
つらつらとそんな事を考えているとケイとエレノアが私にリンゴをねだる。
「ふふ、天馬ちゃん達に会いに行こうか。天空領ならリンゴの木もオレンジの木も沢山あるよ?」
天空領に住む天馬達に名前はないから、全部まとめて天馬ちゃんだ。
天空領で生まれた子に契約の意思があるときはテトがこちらに連れてきたり、私が天空領に行った時に近寄ってきたりする。天馬って本当に賢い。
天空領の天馬ちゃん達も、はなれの子達も皆テトを長と認めてる。父様みたいだな、と思う。
「皆んな遅くなるし、行っちゃおっか」
本当は秋につれていってもらわないといけないんだけど、もう行ってしまおう。
私ばっかりいつもつまらないのは癪だしね。
「ケイ!エレノア!美味しいフルーツ沢山食べようね!」
◇◆◇
乗馬はできるけれど、クロム兄様の天馬に勝手に乗るのも憚られて、私は私の翼で飛ぶ。
兄様達や秋みたいには早く飛べないけれど、2匹の天馬は私のペースに合わせてくれる。
王都の上に浮かせてあるからすぐに着く。
他の翼を持つ獣人達は強い種族があまりいないし、天牛なんかで来ようものなら遅すぎてすぐ捕まる。天空領は天馬達の楽園になってる。
「エレノアはクリストフに言ってきた?」
私の質問に楽しそうに高くないたので、秘密で来たのかも。
「ケイにも、お嫁さんが見つかるといいね。私に加護があれば、みつけてあげたのに……」
隣を飛ぶケイが私の手に頭を擦り付けてきた。
言葉は通じないけれど、ちゃんと気持ちは通じる。本当に可愛い。
2匹が私の飛びやすい風を起こしてくれる。いつもより何倍ものスピードが出て気持ちがいい。
「わぁ!あっという間!天馬ちゃん達はでてきてくれるかなぁ?まずは林檎畑にいってみようか!」
父様が母様の為に植えた林檎とオレンジの広大な畑。
父様は天馬の為に植えたっていうより、完全に母様へのプレゼントだ。母様しか見えていないもの。まぁいいけど。
「うーん、今日は天馬ちゃん達は誰もいないみたい」
マルケスおじさんの管理棟もここからは遠いし、見回りの軍部の方も今はいない。
「ケイ、エレノア、いっぱい食べよう!テト達のお土産にしよう!」
つる籠にどんどんつめていく。母様にも渡して、アップルパイを作ってもらおう!
ケイもエレノアも嬉しそう。魔法でふわふわリンゴを浮かせてお互いの口元にもっていったりして楽しそう。この兄妹は仲良しだ。
「リンゴは沢山食べれた?オレンジの方にも行こうか!クリストフに持っていったらきっと喜ぶよ!」
エレノアが楽しそうに鳴く。クリストフの好物を持って帰れるのが嬉しいんだとわかる。
いいなぁ、ラブラブで。
「今日は天馬ちゃん達、誰もいないね、いつもならここには必ず何頭かいるのに……」
なんだか天気も悪くなってきた。
さっきまで晴れていたのに。曇天の空を仰ぎ見てため息をつく。
ここはいつも綺麗な夕焼けが見られるのに。
「雨が降りそう。ケイ、エレノア、近道してオレンジ畑に行こうか!」
丘の向こうのオレンジ畑に急ぐ。
途中泉のある森があって、いつもは迂回して通るけれど今日は森の上を飛んで行く。
天空領は警備の人さえ気をつけていれば下に人がいないので飛び放題だ。
「ん?ケイ、この匂い何?」
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