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結婚の危機
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魔術師ノアから中々良い報告が聞けない状況に焦れながらも、ルイーザはそこそこ番犬生活を満喫していた。生肉への抵抗もなくなってしまったし、時折飼育員や使用人に頭を撫でられるのも受け入れてしまった。
「ルイは番犬としては半人前だけど犬らしい愛嬌があって可愛いな~」と飼育員に言われたときは少々イラっときたけれど。犬よりも犬らしいとはどういうことだろうか。
たしかに統率の取れた番犬たちに比べたら、集中力はないし玩具に夢中になるけれど、そうなる呪いのようなものなのだから仕方がない。多分。
この城で、犬の食事は仕事前と仕事後の1日2食なのだけれど、ルイーザはなんとなくいつも昼頃に長めの自主休憩を取る。元々、怪しまれない程度に番犬の振りをすれば良いだけなので飼育員にバレなければ好きなだけ休憩してもよいのだけれど、生来の性格からか規則正しい番犬生活になっている。
今日も、ルイーザは午前中の見回りを終えて休憩スペースに戻る。
休憩スペースには犬たちが直射日光に当たらず休めるように、椅子がなく屋根だけのガゼボが設置されている。ガゼボの中で休んでいる犬がいるのはいつもの光景なのだけれど、今日はその中に人間が一人いた。
2匹の犬が伏せながら休んでいる間に、胡坐を組んでいるのは、この国の王太子ヴィクトールだ。間違っても、ガゼボとはいえ屋外の床板に座って良い人物ではない。
ヴィクトールは、2~3日に一度くらいのペースで、犬たちを構いに休憩スペースへやってくるらしい。暫くすると側近や騎士たちがやってきて執務室へと連れ戻されるまでがいつもの流れなのだけれど、今日は既に側近が近くで待機しているようだ。床に座り込んでいる王子に注意もせずに、側近は柱に寄り掛かるように立っている。
ルイーザは歩きを止めて、踵を返そうかと思うがそれよりも早くこちらに気付いたヴィクトールが手を振って名前を呼んだ。
「ショコラー! おいでー!」
ショコラという名前ではないのだけれど、呼ばれると向かってしまうのは多分犬の性である。決して、いつも玩具や犬用おやつをくれることを体が覚えてしまったわけではない。
まあ、くれるのであれば貰うけれど。
「ショコラはやっぱり可愛いね。
リリーとレオも撫でさせてはくれるけれど、尻尾を振ってくれるのはショコラだけだよ」
笑顔でルイーザの頬をわしゃわしゃと掻くヴィクトールの言葉を聞きながら、先ほどまで撫でまわされていたらしい2匹の犬を交互に見る。グレーの瞳の雌犬がリリーで、金色の毛を持つ雄犬がレオなのだろう。当然、2匹とも違う名前が付けられている。
ルイーザ的にはショコラも恥ずかしいのだけれど、犬に獅子と名付けるのはどうなのだろうか。呆れながら傍らに立つ側近にを見ると、茶髪の男と目が合った。
この男は、夜会などでも見かけるから知っている。確かこの男──ファルク・ランソムはヴィクトールよりも少し年上の、ランソム伯爵家の人間だ。
「その犬が、レーヴェが言っていた番犬にしてはちょっとアレな犬ですか?」
(アレってどういうことよ!)
「まだ新入りらしい。可愛いだろう。
つれない犬たちも可愛いけど、ショコラにはこのままでいてほしい……」
ぎゅうとヴィクトールが抱き付いた。もし令嬢のルイーザであれば、父以外の男性に抱き付かれたら恥じらうか鳥肌が立つかのどちらかだろうけれど、不思議と犬になった今は抱き付かれるくらいではなんとも思わない。
「懐く犬がいいならご自身で飼えばよいのでは?」
(懐いてない!!)
「妃が決まらぬうちはな……。迎える女性が犬好きとは限らないし」
妃、の言葉に思わず反応してしまう。自分が欲しくても座れなかった王太子妃、次期王妃の椅子。まだ、誰がその椅子に据わるのかは決まっていないらしい。
「さっさと一番犬が好きそうな人を選べばよいでしょう」
「私が犬が好きかと聞いて、嫌いと答える候補者がいるわけないだろう」
それもそうだ、とルイーザは納得する。ルイーザだって、王太子妃を目指していたころに犬が好きかと聞かれたら非常に好きだと答えただろう。多分、どの候補者も同じだ。よほど生理的に受け付けない物でもない限り、好きだと答える筈だ。
「ああショコラ、慰めておくれ。
いつも両親から早く決めろと急かされているのに、この頃は側近まで急かしてくる」
「ヴィクトール殿下が中々決めないから、この頃は諦めて辞退するご令嬢も出てきましたからね。
ルイーザ・ローリング嬢とかは両陛下の一押しだったのに」
思わぬところで自分の名前を聞いたルイーザは固まるが、その次に続くヴィクトールの言葉はそれ以上の衝撃だった。
「ルイーザ嬢は……悪くはないのだろうけれど、少々怖くてな。
あれは完全に捕食者の目だ」
「ワウワウ! ガウ!」
(なんですって!?)
確かに、ルイーザは少々釣り目である。更に言えば、王太子妃の座を求める野心は特に隠していなかった。しかし、令嬢に向かって捕食者とはどういうことだろうか。
「そうか、ショコラもそう思うか」
「ガウガウ!」
(思わないわよ!)
「僕的には、シャーロット嬢とかいいと思いますよ。
実家は政治的に弱いので、脅威になりえませんし」
シャーロット嬢、と聞いてルイーザは一人の令嬢を思い浮かべる。かつて候補者だった公爵令嬢の取り巻きをしていた伯爵令嬢だ。件の公爵令嬢が辞退したことで、彼女が台頭したのだろう。ルイーザの取り巻きだった令嬢も、ルイーザが社交界から姿を消してから候補者に繰り上がったと聞いたので、そういう事は珍しくないのだ。
「何よりも、胸が大きい」
「ガウ!」
(最低!)
「ファルク、ショコラが怒っているぞ。
ショコラも雌だから、女性を変な所で判断するのは許せないらしい」
「犬にそんなことはわかりませんよ」
はははと側近ファルクが笑うのを、ルイーザは半眼で睨む。犬にはわからないけれどルイーザにはわかるのだ。
「私としては、優しい人であればいい。
まだ決めかねているが有力なのはメリナ嬢だろうか」
「わう!」
(趣味が悪い!)
「そうか、ショコラもそう思うか」
「わうわう!」
(思わない! あの女とんだ女狐なんだから!)
メリナ・ノイマンを思い浮かべてショコ……ルイーザは憤る。可愛い振りをして、あの女はかなり狡猾だ。自分の手を一切汚さずにフルフルと震えて周りを味方につけて相手を蹴落とすのだ。
ルイーザだって、犬になった晩の舞踏会で「突き飛ばされた振り」をされて痛い目を見た。……そういえば、あの日この王太子は見事に騙されていたではないか。男というのはどうしてこう……と、ルイーザは思わず遠い目になる。
「父上も祖父上も、気の強い女性を選んだからな。
私は優しい女性と穏やかな家庭を築きたいんだ。
早く決めるべきとはわかっているが、まだ見極められない」
ルイーザは王妃陛下と王太后陛下を思い浮かべる。たしかに二人ともぴしりとした女性ではあるが、情に厚く貴族のご婦人方からは慕われ嫁姑関係は良好、更には2人共伴侶に愛されている筈だ。……確かに少々夫を尻に敷きそうな雰囲気はするけれど。
「わふ、わふん。わうわう」
(殿下みたいなボンクラは立派な女性を選んだほうがいいわ。
クラーラ侯爵令嬢とか、フィオナ公爵令嬢……は辞退したんだっけ)
ルイーザは、頭の中で社交界の優れた令嬢たちを並べた。通じないのをいいことに、不敬待ったなしの罵倒もついでにしておく。
「……凄いですね、まるで本当に会話しているみたいだ」
「ショコラは頭がいいんだ」
「わふん」
(一切通じてないけどね)
「いや、真似しているだけでしょう。犬は飼い主の仕草を真似ると聞いたことがありますし」
ファルクの言葉を耳にしたヴィクトールが、キラキラとした目でこちらを見た。言葉を発しなくてもルイーザにはわかる。「飼い主と思ってくれているのかい?」と顔に書いてあった。ルイーザは思っていることを口に出しただけで、別にヴィクトールを飼い主とは認識していないのだけれど。
呆れを視線に乗せてヴィクトールを見つめ返すと、彼は顔を輝かせてとんでもないことを言い出した。
「決めた。成婚して犬を飼うときはショコラの子にしよう。
ショコラと同じチョコレート色の可愛い子犬が生まれるといいな」
(!!??)
「小型犬か、せめて中型犬にしたほうがよいのでは?」
「利口な犬種だし大丈夫だ。ファルク、犬舎の者に打診しておいてくれ」
「アオーン!」
(絶対だめーーー!)
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ルイーザは歩きを止めて、踵を返そうかと思うがそれよりも早くこちらに気付いたヴィクトールが手を振って名前を呼んだ。
「ショコラー! おいでー!」
ショコラという名前ではないのだけれど、呼ばれると向かってしまうのは多分犬の性である。決して、いつも玩具や犬用おやつをくれることを体が覚えてしまったわけではない。
まあ、くれるのであれば貰うけれど。
「ショコラはやっぱり可愛いね。
リリーとレオも撫でさせてはくれるけれど、尻尾を振ってくれるのはショコラだけだよ」
笑顔でルイーザの頬をわしゃわしゃと掻くヴィクトールの言葉を聞きながら、先ほどまで撫でまわされていたらしい2匹の犬を交互に見る。グレーの瞳の雌犬がリリーで、金色の毛を持つ雄犬がレオなのだろう。当然、2匹とも違う名前が付けられている。
ルイーザ的にはショコラも恥ずかしいのだけれど、犬に獅子と名付けるのはどうなのだろうか。呆れながら傍らに立つ側近にを見ると、茶髪の男と目が合った。
この男は、夜会などでも見かけるから知っている。確かこの男──ファルク・ランソムはヴィクトールよりも少し年上の、ランソム伯爵家の人間だ。
「その犬が、レーヴェが言っていた番犬にしてはちょっとアレな犬ですか?」
(アレってどういうことよ!)
「まだ新入りらしい。可愛いだろう。
つれない犬たちも可愛いけど、ショコラにはこのままでいてほしい……」
ぎゅうとヴィクトールが抱き付いた。もし令嬢のルイーザであれば、父以外の男性に抱き付かれたら恥じらうか鳥肌が立つかのどちらかだろうけれど、不思議と犬になった今は抱き付かれるくらいではなんとも思わない。
「懐く犬がいいならご自身で飼えばよいのでは?」
(懐いてない!!)
「妃が決まらぬうちはな……。迎える女性が犬好きとは限らないし」
妃、の言葉に思わず反応してしまう。自分が欲しくても座れなかった王太子妃、次期王妃の椅子。まだ、誰がその椅子に据わるのかは決まっていないらしい。
「さっさと一番犬が好きそうな人を選べばよいでしょう」
「私が犬が好きかと聞いて、嫌いと答える候補者がいるわけないだろう」
それもそうだ、とルイーザは納得する。ルイーザだって、王太子妃を目指していたころに犬が好きかと聞かれたら非常に好きだと答えただろう。多分、どの候補者も同じだ。よほど生理的に受け付けない物でもない限り、好きだと答える筈だ。
「ああショコラ、慰めておくれ。
いつも両親から早く決めろと急かされているのに、この頃は側近まで急かしてくる」
「ヴィクトール殿下が中々決めないから、この頃は諦めて辞退するご令嬢も出てきましたからね。
ルイーザ・ローリング嬢とかは両陛下の一押しだったのに」
思わぬところで自分の名前を聞いたルイーザは固まるが、その次に続くヴィクトールの言葉はそれ以上の衝撃だった。
「ルイーザ嬢は……悪くはないのだろうけれど、少々怖くてな。
あれは完全に捕食者の目だ」
「ワウワウ! ガウ!」
(なんですって!?)
確かに、ルイーザは少々釣り目である。更に言えば、王太子妃の座を求める野心は特に隠していなかった。しかし、令嬢に向かって捕食者とはどういうことだろうか。
「そうか、ショコラもそう思うか」
「ガウガウ!」
(思わないわよ!)
「僕的には、シャーロット嬢とかいいと思いますよ。
実家は政治的に弱いので、脅威になりえませんし」
シャーロット嬢、と聞いてルイーザは一人の令嬢を思い浮かべる。かつて候補者だった公爵令嬢の取り巻きをしていた伯爵令嬢だ。件の公爵令嬢が辞退したことで、彼女が台頭したのだろう。ルイーザの取り巻きだった令嬢も、ルイーザが社交界から姿を消してから候補者に繰り上がったと聞いたので、そういう事は珍しくないのだ。
「何よりも、胸が大きい」
「ガウ!」
(最低!)
「ファルク、ショコラが怒っているぞ。
ショコラも雌だから、女性を変な所で判断するのは許せないらしい」
「犬にそんなことはわかりませんよ」
はははと側近ファルクが笑うのを、ルイーザは半眼で睨む。犬にはわからないけれどルイーザにはわかるのだ。
「私としては、優しい人であればいい。
まだ決めかねているが有力なのはメリナ嬢だろうか」
「わう!」
(趣味が悪い!)
「そうか、ショコラもそう思うか」
「わうわう!」
(思わない! あの女とんだ女狐なんだから!)
メリナ・ノイマンを思い浮かべてショコ……ルイーザは憤る。可愛い振りをして、あの女はかなり狡猾だ。自分の手を一切汚さずにフルフルと震えて周りを味方につけて相手を蹴落とすのだ。
ルイーザだって、犬になった晩の舞踏会で「突き飛ばされた振り」をされて痛い目を見た。……そういえば、あの日この王太子は見事に騙されていたではないか。男というのはどうしてこう……と、ルイーザは思わず遠い目になる。
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「わふ、わふん。わうわう」
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ルイーザは、頭の中で社交界の優れた令嬢たちを並べた。通じないのをいいことに、不敬待ったなしの罵倒もついでにしておく。
「……凄いですね、まるで本当に会話しているみたいだ」
「ショコラは頭がいいんだ」
「わふん」
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「いや、真似しているだけでしょう。犬は飼い主の仕草を真似ると聞いたことがありますし」
ファルクの言葉を耳にしたヴィクトールが、キラキラとした目でこちらを見た。言葉を発しなくてもルイーザにはわかる。「飼い主と思ってくれているのかい?」と顔に書いてあった。ルイーザは思っていることを口に出しただけで、別にヴィクトールを飼い主とは認識していないのだけれど。
呆れを視線に乗せてヴィクトールを見つめ返すと、彼は顔を輝かせてとんでもないことを言い出した。
「決めた。成婚して犬を飼うときはショコラの子にしよう。
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