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第2章 マコ巫女になる
魔法の対価は?
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次の日の早朝
私はまだ誰も起きてはいない(ぽい)修道院から抜け出し、裏の畑に行った。
痩せた土に僅に生えていたのは、小麦と人参とじゃがいもだった。
手にした魔法の本を開き、抜いて傷付けた人参とじゃがいもに再生魔法をかけてみる。すると見る間に傷が無くなり、元の姿に戻ったのだ。
ならばこれならどうだ?と今度は半分に切断して魔法をかける。すると…切られた切り口から細胞が増殖するように再生されていく。結果、1つずつだった野菜は2つずつに増えた。
「よし!これを繰り返したら、具沢山スープが出来るわね。」
私は増えたじゃがいもと人参を持って厨房へと急いだ。
野菜を切って増やして切って増やしてを繰り返した結果。暫く収穫しなくてもいけるんじゃね?位な量まで増えていった。
「やべ。ちょっとやり過ぎたかな?」
と一人苦笑いをしていたら、知らない女性がドカドカと厨房に入ってきた。
「あれまぁ!どうしたの~?この野菜は~。」
床の上に無造作に置かれたずた袋の中に、溢れんばかりに入っているじゃがいもと人参を見て目を見張る女性。
「朝起きて来てみたらこうでした。」
目を泳がせて言う私を訝しげに見てくる女性は、
「こんなにあるんだったら~余ったら貰って帰ってもいいよな~。」
と悪びれる様子も無く言い放った。
「あの~……もしかしていつも子供達の為に食事を作って下さってるんですか?」
「あ~そうだよ~。野菜が採れ無いから少しは持って来てやってるんだけどさ~。子供達の腹はそんな僅かな量じゃ~満腹ならね~だろな~。」
そう言いながら、女性は皮を剥かずザクザクと野菜達を切って水を張った大きな鍋に放り込んでいった。
「こんなに大きく野菜を切ってやったこと無いから~子供達驚くだろな~。」
と愉快そうに肩を揺らす女性。
「あのぉ…」
「なんだ~?」
「私、今日からキャシーさんと此処で働くマコといいます。貴女のお名前をお聞きしても?」
「あ~そうなんだ~。私の名前は、ベスさね。」
「ベスさんですね。宜しくお願いします。」
「あ~宜しくな~。」
ベスさんは私と話ながらも慣れた手つきで、朝食の準備をしていく。
私は味付けされる前のスープから野菜を取り出し小さく切ってから、小鍋に入れて再度火にかけた。
「あんた~何してんの~?」
「離乳食を作ってるんです。」
「今日は野菜大きく切ったからな~。」
そう言って豪快に笑うベスさん。
私は更に小鍋から野菜を取り出し、スプーンの背で野菜を潰し、スープでのばした離乳食も作った。
昨日より更に固くなったパンをトレーに並べ、食器と鍋を食堂に運んでいく。
そうこうするうちに、顔を洗った(であろう)子供達がゾロゾロと食堂に入ってきた。
スープの具材の大きさに子供達が身を見張ったのは敢えて言わなくても分かるよね。
追記
仕事を終えたベスさんは、
「お給金の代わりに貰ってくよ~。あ~玉ねぎあるから昼飯の時持ってくるからな~。」
と言って、人参とじゃがいもをエプロンをエコバッグ代わりにして大量に持っていった。
うん。逞しいわ。
私の初魔法の対価は…… ベスさんが持ってきてくれるって言ってた玉ねぎかな?
まぁいっか。子供達が喜ぶならね。
私はまだ誰も起きてはいない(ぽい)修道院から抜け出し、裏の畑に行った。
痩せた土に僅に生えていたのは、小麦と人参とじゃがいもだった。
手にした魔法の本を開き、抜いて傷付けた人参とじゃがいもに再生魔法をかけてみる。すると見る間に傷が無くなり、元の姿に戻ったのだ。
ならばこれならどうだ?と今度は半分に切断して魔法をかける。すると…切られた切り口から細胞が増殖するように再生されていく。結果、1つずつだった野菜は2つずつに増えた。
「よし!これを繰り返したら、具沢山スープが出来るわね。」
私は増えたじゃがいもと人参を持って厨房へと急いだ。
野菜を切って増やして切って増やしてを繰り返した結果。暫く収穫しなくてもいけるんじゃね?位な量まで増えていった。
「やべ。ちょっとやり過ぎたかな?」
と一人苦笑いをしていたら、知らない女性がドカドカと厨房に入ってきた。
「あれまぁ!どうしたの~?この野菜は~。」
床の上に無造作に置かれたずた袋の中に、溢れんばかりに入っているじゃがいもと人参を見て目を見張る女性。
「朝起きて来てみたらこうでした。」
目を泳がせて言う私を訝しげに見てくる女性は、
「こんなにあるんだったら~余ったら貰って帰ってもいいよな~。」
と悪びれる様子も無く言い放った。
「あの~……もしかしていつも子供達の為に食事を作って下さってるんですか?」
「あ~そうだよ~。野菜が採れ無いから少しは持って来てやってるんだけどさ~。子供達の腹はそんな僅かな量じゃ~満腹ならね~だろな~。」
そう言いながら、女性は皮を剥かずザクザクと野菜達を切って水を張った大きな鍋に放り込んでいった。
「こんなに大きく野菜を切ってやったこと無いから~子供達驚くだろな~。」
と愉快そうに肩を揺らす女性。
「あのぉ…」
「なんだ~?」
「私、今日からキャシーさんと此処で働くマコといいます。貴女のお名前をお聞きしても?」
「あ~そうなんだ~。私の名前は、ベスさね。」
「ベスさんですね。宜しくお願いします。」
「あ~宜しくな~。」
ベスさんは私と話ながらも慣れた手つきで、朝食の準備をしていく。
私は味付けされる前のスープから野菜を取り出し小さく切ってから、小鍋に入れて再度火にかけた。
「あんた~何してんの~?」
「離乳食を作ってるんです。」
「今日は野菜大きく切ったからな~。」
そう言って豪快に笑うベスさん。
私は更に小鍋から野菜を取り出し、スプーンの背で野菜を潰し、スープでのばした離乳食も作った。
昨日より更に固くなったパンをトレーに並べ、食器と鍋を食堂に運んでいく。
そうこうするうちに、顔を洗った(であろう)子供達がゾロゾロと食堂に入ってきた。
スープの具材の大きさに子供達が身を見張ったのは敢えて言わなくても分かるよね。
追記
仕事を終えたベスさんは、
「お給金の代わりに貰ってくよ~。あ~玉ねぎあるから昼飯の時持ってくるからな~。」
と言って、人参とじゃがいもをエプロンをエコバッグ代わりにして大量に持っていった。
うん。逞しいわ。
私の初魔法の対価は…… ベスさんが持ってきてくれるって言ってた玉ねぎかな?
まぁいっか。子供達が喜ぶならね。
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