バトロワゲーヲタの異世界無双物語

第五章 変わったヲタ

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「「「「わ、渡瀬だって？」」」」」
と驚愕の声を上げた勇 賢 昴と寺田。だが、
「嘘～！信じられな～い。渡瀬くんてば、めちゃくちゃイケメンじゃ～ん。」
と愛子だけは違う言葉を発した事で、4人は一斉に愛子を見て、その発言に驚いていた。
愛子が言うイケメンになったのかどうかは、僕自身は分からない。が、確かにカールソンさんのしごきを受けた事と、徹底された食事のおかげで、身体は相当絞れたと思う。しかも、（多分だが）身長も伸びたと思う。余計な肉（いや、体脂肪だな）が落ち、逆に腹にはシックスパックが現れた。また、代謝が上がったせいか、顔中にあった面皰ニキビは綺麗さっぱりなくなった。
ただそれだけだ。見た目が少し変わっただけで、本当はコミュ障だし、銃ヲタだしで中身は何も変わってはいない。

だが、僕の顔を見て頬を赤く染めている愛子を見て、
「ふぅ～ん。愛子ちゃんて、移り気なんだね～。勇の次は王子様。王子様が駄目なら、イケメンに変身した渡瀬とか～。イケメンなら誰でもいいって事？」
「え？別にいいじゃん。イケメン好きで何か悪い？ね？望くん。愛子～。望くんと恋仲になりたいな～。」
愛子は昴の呆れた視線をものともせず僕に擦り寄り、腕を組んで来ようとした為、僕は咄嗟にそれを避けようとした。が、それよりも早く、僕の周りをキラキラした物が取り囲み、それは軈て半透明で半円のドームの様な物に変わると、僕を愛子からガードしてくれた。

結界だ。

『のぞむ君に触ろうとするなんて、なんて失礼な女ですの？』
と言う通信機から聞こえて来た声で、ミランダさんが僕を愛子の魔の手から守ろうとし、結界を張ってくれた事がわかった。
『ミランダさん。ありがとうございます。』
と僕がお礼を言うと、
『ミランダ。結界で防ぐだなんて、行為が露骨過ぎだよ？』
とルードリッヒさんが笑い、カールソンさんや他の冒険者達も一緒に笑っていた。
『だって嫌なんですもの。あんな頭も……その……、口にするのもはばかれそうな箇所も……色んなところが緩そうな女に、のぞむ君を汚されたくないだけですわ。』
（ん？口にするのもはばかられる箇所が緩そう？）とミランダさんの言葉の意味が分からず、結界の中で腕を組み考えてる僕を他所に、
『ミランダ。のぞむを攻略するには根気が必要だぞ？』
『そうですよ、ミランダ様。のぞむには、遠回しの行為ではお気持ちは伝わらないかと。』
『『俺たちもそう思いますよ、ミランダ様。』』
と、何故だかミランダさんを揶揄う声が飛び交っている。

しかし、そんな和やかな雰囲気を一刀両断する様な言葉が耳に飛び込んできた。
『フォロシェスベアが来ましたっ！』
見張りの魔導士が叫んだ。
その声に皆んなが振り返ると、そこには、太陽光を背に受け、三階建ての建物と同じ様な高さの2体のベアが、大きな口を開け、牙をむき出し、目を金色に光らせ立ち上がっていた。
『何だ？ベアこいつらのこの大きさは!!』
『何してんだ！距離を取れ！』
『早く！早く陣形を！ルードリッヒ様！』
『慌てるな!!背を向けるな！殺られるぞ!!』
怒号や困惑の声で、辺りは騒然となる。

そんな中、
『みんな！よく聞け!!ベア達に背を向けず、陣形１（Aパターン）を取るんだ。見張りからの報告だと、直ぐに残りの1体が来る……『ルードリッヒ様。残りのベアが来ました！あれは……え？ラ、ランクAだって!?』なんだって？ランクAのベアだと？そ、そんなわけ……。』
いつもの冷静さを失い動揺するルードリッヒさんに、
『ルードリッヒさん。ランクAの魔獣が出るのは有り得ない話ではないでしょうか。領域という場所にいるモンスターからの影響を受け、魔獣が強くなっているんですよね？』
『そうだね、のぞむ。おかしな話ではないね。』
『えぇ。でも、皆さんなら大丈夫です。何故なら皆さんは、最高に最強の冒険者なんですから。』
親指を立て笑う僕を見たルードリッヒさんは、
『"最高に最強”……そうだね。のぞむの言うとおりだ。みんな！のぞむの言葉が聞こえただろ？"最高に最強”で行こう！速やかに陣形１ﾊﾟﾀｰﾝAを！ベア彼奴らの炎の息ブレスと伸びる爪に気をつけるんだ！』

ルードリッヒさんの指示通り配置に着いた冒険者達を確認すると、
「あのヤツらベア達は相田君達のレベルじゃ到底太刀打ち出来ない魔獣なんだ。今すぐ帰った方が身のためだよ。」
と僕は勇達にそう言い放った。