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第五章 変わったヲタ
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「皆さん!僕の我儘に付き合ってくれてありがとうございます!」
今、僕の目の前で、ルードリッヒさん主導により、倒したレオを解体している皆さんに向け、大きな声でそう言って頭を下げた。
すると、
『のぞむ。顔を上げて良いよ。のぞむは悪い事をしたわけじゃないだろ?』
怒られると思っていた僕の耳に、通信機から聞こえてきたその声は、ルードリッヒさんの優しい声と言葉だった。
(え?怒ってないの?)と思い、ガバッと顔を上げると、そこには優しい笑顔の面々が並んでいたんだ。
その様子に面食らってしまい、ボーッとしていた僕の後ろから、
「誰だ?お前!」
「そうですよ!誰だか知りませんが、邪魔しないで頂きたい!!」
と言う、勇と賢の声が聞こえてきた。
振り向くと、勇達の鋭い視線が僕を射抜いた。
以前の僕なら、そんな視線を向けられたなら、怖くて何も言えずに、ただ俯いているだけだっただろう。でも今は違う。少しも怖くない。寧ろ、仲間を危険にさらし、それを笑っているような、死と隣り合わせの戦いで、仲間割れをするような連中が許せなかった。
『ごめんなさい。ちょっと行ってきます。』
僕はそう言うと、ルードリッヒさん達に背を向け、勇達がいる場所へと走った。
距離にして100m程だろうか。
今までの僕だったら、50mも走れば息が切れて、そのまま座り込んでしまっていただろうけど、今の僕にとっては、100mなんてどうって事ない距離だった。
息を乱すこともなく彼らの前に立った僕は、
「相田君、田代君、それから中山君。頼むから、今すぐ怪我をした中島先輩を連れて帰ってくれないかな。」
「なッ!」
いきなり僕にそう言われ、勇は絶句してしまった様で、何も言い返して来なかった。
僕は彼等の返事を待たず、
「僕達は、リップレオの鋭い爪での攻撃を防ぐ為に奴の足を凍らせたのに、その理由も考えず炎により攻撃をした。それだけでなく、氷を故意に溶かし自分達の仲間を危険に晒しただけでなく、それを笑って見ているという愚かぶり。そんな人達が此処にいるのは、迷惑しかない!騎士団の皆さんと、速攻で帰ってくれ!僕は、僕の大切な仲間の皆んなが、君達のせいで危険な目に遭うのはごめんだから。」
と一気にまくし立てた。
「僕ら冒険者は、いつも危険と隣り合わせだし、いつも命懸けで魔獣達と戦っている。僕らはちゃんと魔獣の属性や特徴を把握していて、それに合わせた戦い方をしているのに対し、君達は魔獣の事をよく調べもせず、やたら風や炎の魔法で戦おうとした。しかもその戦い方で、仲間を危険に晒したばかりでなく、戦いの場で仲間割れをした。」
「「………………。」」
「そんな人達が此処にいるのは、はっきり言って超迷惑だ!僕らは、君達の様に、遊びに来てる様なお気楽な気持ちで戦っているわけじゃない!遊びに来ている様な戦いをするなら、足でまといだから、今すぐお城へ帰ってくれ!!」
絶句したまま口を開かず、反論をしてこない勇達に、僕はとどめの言葉を投げつけた。"帰れ!”と。
だが、流石にここまで言われたら、何か言い返して来るだろうと思って構えていると、
「うるせぇよ、お前。たかが平民の分際で、勇者様の俺に意見するのか?」
「そうですよ。我々は異世界から召喚された、選ばれし存在なんです。」
「あんまり生意気言ってると、僕の水魔法で溺死させちゃうよ~。」
と勇に続いて賢と昴も言い返して来た。
「やってみなよ?今の僕なら、中山君が魔法の呪文を唱える前に、魔銃で、脳幹撃ち抜けるけど?」
と言って、ショットガンを構えた。
すると、
「さっきから黙って聞いていれば、なんなんだ、お前は?俺の生徒に手を出そうと言うのなら、たたじゃおかないからな。」
と寺田がしゃしゃり出て来た。
「ただじゃおかない……ですか?じゃ、どうなさるつもりですか?寺田先生。いつもみたいな、僕が分からない、授業で習ってもいない問題を出して、馬鹿にしますか?」
と問うと、
「は?何言って……?!ま、まさか!お、お前……、渡瀬か?」
「そうです。渡瀬望です。お久しぶりですね?寺田先生。」
僕はニヤリと笑いながら、驚いている勇達を見遣りそう言った。
今、僕の目の前で、ルードリッヒさん主導により、倒したレオを解体している皆さんに向け、大きな声でそう言って頭を下げた。
すると、
『のぞむ。顔を上げて良いよ。のぞむは悪い事をしたわけじゃないだろ?』
怒られると思っていた僕の耳に、通信機から聞こえてきたその声は、ルードリッヒさんの優しい声と言葉だった。
(え?怒ってないの?)と思い、ガバッと顔を上げると、そこには優しい笑顔の面々が並んでいたんだ。
その様子に面食らってしまい、ボーッとしていた僕の後ろから、
「誰だ?お前!」
「そうですよ!誰だか知りませんが、邪魔しないで頂きたい!!」
と言う、勇と賢の声が聞こえてきた。
振り向くと、勇達の鋭い視線が僕を射抜いた。
以前の僕なら、そんな視線を向けられたなら、怖くて何も言えずに、ただ俯いているだけだっただろう。でも今は違う。少しも怖くない。寧ろ、仲間を危険にさらし、それを笑っているような、死と隣り合わせの戦いで、仲間割れをするような連中が許せなかった。
『ごめんなさい。ちょっと行ってきます。』
僕はそう言うと、ルードリッヒさん達に背を向け、勇達がいる場所へと走った。
距離にして100m程だろうか。
今までの僕だったら、50mも走れば息が切れて、そのまま座り込んでしまっていただろうけど、今の僕にとっては、100mなんてどうって事ない距離だった。
息を乱すこともなく彼らの前に立った僕は、
「相田君、田代君、それから中山君。頼むから、今すぐ怪我をした中島先輩を連れて帰ってくれないかな。」
「なッ!」
いきなり僕にそう言われ、勇は絶句してしまった様で、何も言い返して来なかった。
僕は彼等の返事を待たず、
「僕達は、リップレオの鋭い爪での攻撃を防ぐ為に奴の足を凍らせたのに、その理由も考えず炎により攻撃をした。それだけでなく、氷を故意に溶かし自分達の仲間を危険に晒しただけでなく、それを笑って見ているという愚かぶり。そんな人達が此処にいるのは、迷惑しかない!騎士団の皆さんと、速攻で帰ってくれ!僕は、僕の大切な仲間の皆んなが、君達のせいで危険な目に遭うのはごめんだから。」
と一気にまくし立てた。
「僕ら冒険者は、いつも危険と隣り合わせだし、いつも命懸けで魔獣達と戦っている。僕らはちゃんと魔獣の属性や特徴を把握していて、それに合わせた戦い方をしているのに対し、君達は魔獣の事をよく調べもせず、やたら風や炎の魔法で戦おうとした。しかもその戦い方で、仲間を危険に晒したばかりでなく、戦いの場で仲間割れをした。」
「「………………。」」
「そんな人達が此処にいるのは、はっきり言って超迷惑だ!僕らは、君達の様に、遊びに来てる様なお気楽な気持ちで戦っているわけじゃない!遊びに来ている様な戦いをするなら、足でまといだから、今すぐお城へ帰ってくれ!!」
絶句したまま口を開かず、反論をしてこない勇達に、僕はとどめの言葉を投げつけた。"帰れ!”と。
だが、流石にここまで言われたら、何か言い返して来るだろうと思って構えていると、
「うるせぇよ、お前。たかが平民の分際で、勇者様の俺に意見するのか?」
「そうですよ。我々は異世界から召喚された、選ばれし存在なんです。」
「あんまり生意気言ってると、僕の水魔法で溺死させちゃうよ~。」
と勇に続いて賢と昴も言い返して来た。
「やってみなよ?今の僕なら、中山君が魔法の呪文を唱える前に、魔銃で、脳幹撃ち抜けるけど?」
と言って、ショットガンを構えた。
すると、
「さっきから黙って聞いていれば、なんなんだ、お前は?俺の生徒に手を出そうと言うのなら、たたじゃおかないからな。」
と寺田がしゃしゃり出て来た。
「ただじゃおかない……ですか?じゃ、どうなさるつもりですか?寺田先生。いつもみたいな、僕が分からない、授業で習ってもいない問題を出して、馬鹿にしますか?」
と問うと、
「は?何言って……?!ま、まさか!お、お前……、渡瀬か?」
「そうです。渡瀬望です。お久しぶりですね?寺田先生。」
僕はニヤリと笑いながら、驚いている勇達を見遣りそう言った。
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