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第五章 変わったヲタ

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その後僕達は、先に来たベアをなんとか倒し、残るはあとから来た超巨大サイズのベアを討伐するのみとなった。

このベアは、先に倒したベア達と同様火を噴くのだが、圧倒的火力も強いばかりでなく、此方から火種を与えなくても噴き出す事が出来るという厄介ものだ。
しかも、どうやら先に倒したベア達の母親の様で、子供を殺された・・・・母親の怒りからだろうか、ベアそれが噴き出す火の勢いは、森全体を焼き尽くしてしまうのでは?と思える程の火力だった。

『不味い!このままでは、森の木々どころか俺達も消し炭になってしまうぞ。』
『何かいい案は無いのか?』
ルードリッヒさん含む冒険者達が皆頭を抱えている。
その間、水魔法が得意な魔導士達が作る氷壁により、なんとかベアが噴く炎を抑えてはいるものの、早く手を打たないと魔導士達の魔力切れが起きてしまう事になる。

僕は考えた。何か一時的でもベアの動きを止められる方法は無いか?と……


『そうだ!麻酔……!麻酔を打てば!!』
"麻酔”という言葉が浮かんだ僕は、思わず声に出して叫んでしまった。
それを聞いたルードリッヒさんが、
『のぞむ。その……"ますい”とやらは?聞き慣れない言葉だね。』
と聞いてきた為、
『麻酔というのは、薬物などによって人為的に疼痛をはじめとする感覚をなくす事なんです。僕がいた元の世界では、主に、医療で治療などにおける患者・動物の苦痛を軽減させると同時に、筋の緊張を抑える目的で用いられる薬なんですが、普段は人が住んでいる所には来ない野生動物を捕獲する為に、薬を入れた矢の様な形状の物を撃ち対象の生物の動きを止め、野生動物を安全に森へ返すんです。』
『という事は、のぞむの言うその"麻酔”とやらをベアに打って動きを止め、その間に討伐する。そういう事だね。』
『はい、そのとおりです、ルードリッヒさん。』
ルードリッヒさんの言葉に答えた直後に、
『のぞむ。その薬剤が入った弾丸は持っているのか?』
とカールソンさんから聞かれ、
『持ってはいます。いますけど、僕が薬草から抽出した麻酔効果が期待出来る液体を付与した魔石で作った弾丸が、あんなに大型の魔獣に効くかは、正直分かりません。分かりませんが、やってみる価値はあるかと。』
と答えた。
そう。あれは元の世界で見たアニメに出てくる巨人だ。と言っても、何10mもあるわけでは無いが……。巨人……!!そうか!巨人だ!!
アニメでのあの戦い方は出来ないけど、こっちには魔法がある。
ワイヤーは無いが、木魔法で蔦を強化してベアの身体に巻き付ける事は出来るだろうし、立体機動装置は無くても、風魔法で飛ぶ事だって出来る。

『ルードリッヒさん、カールソンさん。それからリーダーの皆さん!これは僕からの提案なんですが……、』
と、僕が考えた巨大ベア討伐の為の作戦を話始めた。
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