バトロワゲーヲタの異世界無双物語

第七章 ヲタは領域を制す（王の依頼と煩い奴等編）

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王と謁見してから一週間後の今日。

僕はまた、王の目の前で騎士の礼をとっている。だが、頭の中では、（はぁ……ったく……。店が忙しい中無理矢理抜けて来たっていうのに、一体何用なんだろ。ルードリッヒさんに用があるんなら、ルードリッヒさんとカールソンさんだけでいいじゃん。はぁ……早く帰りたいな……。）と、ルードリッヒさんと話している王の声を聞きながらそう考えていた。

先日の謁見の際、アルベルさんに言った二刀流の話のおかげで、連日ケイドル武器店は大盛況。
二本目の剣ソードを買い求めてくれる騎士達が大勢来てくれているんだ。
ま、騎士のお給料は高額では無いと聞いていた（情報源はカールソンさん）為、そんなに高い剣の注文ではないけど、塵積ちりつもだからね～。安い注文でも馬鹿にはしないし、【予算内で最高級の武器お品物を！】がウリ（僕が勝手に決めただけなんだけど）の店としては、一切の妥協はしないんだ。

だが、大反響の弊害も出てはいる。
それは……。剣のブレードの素材が品薄になっている事だ。素材がなきゃ武器は作れない。作れなきゃ信用を失うし、お客さんの希望どおりにならないなら作る意味もないからね。

だから最近は、冒険者ギルドにケイドル武器店から素材集めの依頼を出して、僕が自ら採取に向かっている。
勿論、依頼を受けてくれる冒険者がいるのならお任せするし、僕自身が取りに行ったとしても、ギルドへのバックマージンは支払っているから問題はない。

え？自分で依頼出して自分で行くんなら、依頼の意味はあるのか？って？

それがあるんだよ。
ギルドを通しておくことで、依頼をこなしている最中、冒険者に万が一の事があった時（なかなか帰ってこないとかね。）に、捜索隊を出してくれるからだ。また、勝手に行って闇雲に素材を取ってしまうと、同じ素材を欲しがる他の人に迷惑もかかる事になるからね。
ちゃんとギルドに申請する事により、ギルドが採取量を決めてくれるから、争いにはならないっていう仕組みなんだ。

僕がギルドを通す理由は分かって貰えたかな？

なぁんて脳内講演をしていたら、
「のぞむ。陛下がお前に話しかけてるぞ。」
とカールソンさんに頭をバシッと叩かれた。
ハッとして頭を上げると、僕の前にいるルードリッヒさんが、肩を震わせて笑っていた。

「え？僕に何かご用でしたか？」
と慌てて聞けば、
「さっきから余が話しかけておるのに、そなたは何をしておったんだ？」
と質問を質問で返された。
「すみません。考え事をしてました。」
「それは余の話より大事な事なのか？」
とムッとした顔でまた聞かれた為、
「えぇ。ケイドル武器店の今後の経営を考えるのは、とても大事な事ですので。」
と涼しい顔で答えてやった。なんならドヤ顔付きで。

そんな僕の様子にたじろいだ王は、
「そ、そうか……。確かに大事な事ではあるな。だ、だが！だが此方の話も大事な事なのだ。」
と言って、先程たじろいだくせに、直ぐに玉座にふんぞり返る様にして僕に言う王に、少し笑ってしまった。

んじゃ仕方ない。聞いてやるべ。
と上から目線的な気持ちで、
「お話とは何でしょうか？王様。」
と聞くと、
「ルードリッヒと共に、そなたにも領域の封印に行ってもらいたい。これが余の話で…「はい？僕が領域封印!?マジですか？」そ、そうだ。ま、まじだ……。ん？まじ・・とはなんだ？」
と言って、マジの意味を考えている王を他所に、僕はとんでもない事を言われてしまい、頭を抱えてしまったんだ。