この世界には『私』が眠っている。〜記憶喪失で魔術の使えない男は、一言も喋らない少女と共に『魔力』を取り戻す旅に出る〜

夜葉@佳作受賞

文字の大きさ
14 / 169
第一章 忘却の通り魔編

14.義理と人情

しおりを挟む
 三日目の早朝。

「ではアイヴィは……!」

 目が覚めてからいの一番に、シキはアイヴィの様子を聞くためサラの部屋へと向かった。

「もちろん大丈夫さ……。今はゆっくり寝ているよ」

 部屋から出てきたサラは、眠い目を擦りながら答える。

 治療は無事成功。今はそのまま眠っているらしい。

「そうか……それは良かった」

 昨夜は心配からあまり寝付けなかった。だがやっと安堵し、張り詰めた緊張から解放されたのだ。

 思わず気が抜けると思ったが、それとは逆に胸が熱くなる。

「通り魔……」

 ぼそりと呟く。同時に、拳にグッと力が入る。

「ネオン、今から出かけるぞ」

 ここでジッとしている訳にはいかない。
 溢れ出る感情が、何かしなければと駆り立てる。

「もう出かけるのか……? 朝食ぐらい食べたらどうだ。まだ早いが、ミコを呼んで作ってもらっても……」

「いやいい大丈夫だ。ミコだって夜通し働いて疲れてるはずだ。無理に起こすのも悪いだろう」

「それもそうか……って私はいいのか」

「すまない、気になって仕方なかったんだ。今からじっくりと眠ってくれ」

「そうするよ……ふぁ~う」

 サラは大きくあくびをした。

 彼女だって眠いのだから、あまり付き合わせるのも悪いだろう。シキ達は足早に出ていく事にした。

「ではサラ、そろそろ私達は行くぞ」

「あ~ごめん。すまないついで何だけど、帰りにペンを一つ買って来てくれるかな? ミコの分が無くって困ってるみたいなんだ」

「ああ、そうか……そうだな。了解した」

「センスは君に任せるよ。その方があの子も喜ぶだろうさ」

「そういうものか……」

「そういうもんさ。ほらお金」

 そういうとサラは部屋の奥から1000ゼノの紙幣を引っ張り出し、シキへと手渡す。

「……ちなみに、あの羽ペンはいくらだった?」

「ここ三泊分くらいかな」

「……了解した」

 15000ゼノの羽ペンから1000ゼノの安物か。

 あまりの差に申し訳なさを覚える。

「別に気にしないでくれ、半分はインク買い忘れた私の責任でもあるんだからさ」

「ああ」

 サラは気にするなというが、シキの気持ちがそれを許せないでいた。

 手持ちの金を足そうにも、ミコから貰った2000ゼノがあるだけである。

「そうだな……」

 ゼノが少ないならどうすればいいか。シキには、金を増やす策に心当たりがあった。

 そしてそれは、通り魔を倒すため、己を鍛える手段と合致する。

「よし、では行ってくる。無理に起こして悪かったな、ゆっくり休んでくれ」

「ああ、おやすみ」

 シキはネオンと共に、執念に燃えながら宿を出ていった。

「……強くなってくれよ。ミコのために」

 宿に残ったサラは一人呟く。
 再び大きなあくびをすると、自室へと戻っていった。


 ────────────────────


「はあああああああ!!」

 ヒュンッ!!

 あわわ~ん……。

「ふぅ……、ひとまずこれぐらいにしておくか」

 森の中。

 シキは道中で手に入れた安物の短剣を片手に、ひたすら魔物を狩り続けていた。

 額の汗を拭い、集まった魔物のドロップ物を確認する。

「スライミョン三十匹、クロバッキー二十五匹、そしてバブルスライミョンが十匹。うむ、これで30000ゼノは稼げただろう」

 荷物から水を取り出しながら、魔物狩り中に感じた事を思い出す。

(アイヴィの手を止めた時や昨日走り回った時にも思ったが、かなり身体能力が高いな。それに適当に買った短剣でさえそれなりに扱えた。いったい、昔の私は何をしていたんだ……?)

 シキは自分の事が分からない。
 容姿や服装、身体能力を知っても、それがどこで何をしていたのかが分からないのだ。

「……そういえば」

 この二日間、アイヴィや通り魔の存在など様々な事があり忘れていたが、あのサンドイッチ店でネオンはシキの問いに返事をしたはずだ。

「そうだネオン、お前記憶を取り戻す方法はあると答えたな。アイヴィが現れる前、お前は何を伝えようとしていたんだ……?」

 後ろへ振り返り、狩りを待っていたネオンへと話しかける。しかし、ネオンの姿はそこに見当たらなかった。

「ネオン……? 全くどこへ行った。迷子になっても知らんぞ……ってんん!?」

 みょーん。

 みょーん。

「馬鹿、何をやっている!」

 二匹のスライミョンが、ネオンを担いで立ち去ろうとしていた。

「はあ!! ふんっ!!」

 みょーん……。

 みょーん……。

 シキは咄嗟に水を置き、魔物達を殴り飛ばし消滅させる。
 ぴたっ……と、スライミョンから落ちたネオンは、音も立てずに着地する。

「何をやっているんだお前は……。あんな小物、自慢の怪力で振り払えばいいじゃないか」

 ネオンは一度、シキを掴み走っていた事がある。
 共に走り回った時も息切れ一つしていなかったなど、物理面でも謎が多い。

(それに今、魔物に触れても魔物は消滅しなかった。羽ペンや宝石と違い、生物に流れるエーテルには干渉しないのか……?)

 目が覚めてからずっと行動を共にしていたが、彼女の存在は不明な点ばかりである。
 共にいれば何か分かると思ったが、分かったのは一切喋らない事と、やたら大食いな事だけだ。

「……。記憶を取り戻す方法を話してくれないか?」

 ネオンは少しの間沈黙する。その後、首を横に振った。

「だよなぁ。うーん。話せないなら、別の策を考えねばならんか」

 といっても、すぐに案は出てこない。

 話して伝える事は出来ない。紙に書いてもらおうとしたが、羽ペンが爆発してしまった。かといってジェスチャーで伝わるような内容でもないのだろう。もしそうなら、今ここで伝えられるはずだ。

 あれこれ考えていると、ネオンがゆっくりと近づいてきた。
 そして、シキの使っていた短剣を地面から拾い上げる。

「……! そうか、あの羽ペンはエーテルを経由するから使えなかったのか。よしネオン、それを使い教えてはくれないか!?」

 シキの買った短剣は、エーテル加工の一切ない安物。言ってしまえばただの鉄の塊だ。これならネオンが使っても破壊されないだろう。

 ネオンは手に取った短剣を見つめる。
 戸惑ったように静止していたので、シキは刃で地面を引っかくジェスチャーを行い書き方を教えた。

 短剣を使って地面に文章を書いてくれ……!

 ネオンは短剣とシキの目を交互に見る。

 ついに、ついに記憶を取り戻す方法が分かる……!!

 ネオンは手に持った短剣を掲げ……、シキへと差し出した。

「……へ?」

 思わず受け取ってしまったが、どういう事だ……?

 不思議に思っていたのも束の間だった。

 ぐう~~~~~。

 腹の音が鳴った。

「…………」

 シキのではない、ネオンの腹の音である。

「……そういう事ね」

 朝食も取らず飛び出し、朝からずっと狩りをしていたのだ。

 ネオンはじっと見つめ、無言の圧力をかけてくる。
 シキはため息をつくと、彼女へ語り掛けた。

「一度街に戻るか」

 こくこくっ、と待ってましたと言わんばかりにネオンは頷いた。

 荷物をまとめシキ達は森を出る準備を進める。
 すると、後方からシキを呼ぶ声が聞こえた。


「やぁやぁ頑張ってるかな。新米冒険者くんっ」


 聞き覚えのある、飴を転がしたような甘ったるい声に思わず振り返る。

「アイヴィ……!! もう動いて平気なのか……!?」

「んふっ、おかげさまでね」

 アイヴィはメッシュの入ったクリーム色の髪を揺らしながら微笑む。

 その頭には、痛々しい包帯が巻いてあった。

「頭の傷は大丈夫なのか……?」

「あっこれ? んふっ、優しい優しいお医者さんが治してくれたから大丈夫だよ~」

 にっこりと、屈託のない笑顔で心配はないと伝てきた。

「ならいいが……。しかしどうしてまたこんな所に。病み上がりなのだから、ゆっくり寝ていればいいものを」

「頑張っている君を応援しに来たんじゃないか! んふっ、もしかしてー。恥ずかしいの??」

「馬鹿を言うな。不調を押してまで来る必要があるのかと聞いている」

 真剣な表情でシキは答える。

 思いもよらず真面目に返され、ばつが悪そうにアイヴィは答えた。

「ちょっとからかっただけなのにぃ……。元気な姿を見せたかった。じゃダメ……かな?」

 小首をかしげ、目をキラキラさせながらシキに語りかける。
 やはりこいつは苦手なタイプだ……とシキは改めて感じさせられた。

「分かった分かった。それでいいから……。それに、私もお前に会ったら伝えたい事があったんだ」

「んー、なになに??」

 シキはビシッと両手を揃え、腰を90度に曲げる。

「ウォールプレートを失くしてしまった。本当に申し訳ない……!!」

 シキはアイヴィに貰った大剣を無くしていた。

 綺麗なお辞儀に何事かと思ったが、アイヴィは徐々に内容を理解していく。

「あー……それで短剣使ってたんだねー。……でも、どうして無くしちゃったの?」

 シキは失くした経緯を一つ一つ説明する。

「一昨日の夜、一緒に通り魔を追いかけていたな。あの時私は、倒れていた冒険者を運ぼうとした。だが大剣が邪魔になり担げなかったため、仕方なく置いていったのだ。しかし次の日確認したら、無くなっていた……という事だ」

 彼の話を聞いて、アイヴィは思わず笑みをこぼす。

「んふっ、ふふふっ、そっか。わかった。問題なし! 気にしないでいいよっ」

「昨日も一日かけて探していたんだ。だが寄り道をした私が悪かったのだろう。本当にすまないと思って……え?」

 少し話しただけでアイヴィは納得してしまった。

 謝罪したい気持ちが空回りし、シキは自分が許せないままだ。

「しかしあんな高価なものを、それも一日で失くしたのだぞ? 流石にそれを許してもらうのは私の納得がいかん。ここに魔物のドロップ物がある。せめてもの詫びとして、料金分ぐらいは返させてくれ……」

「だーかーらー、問題なしって言ったでしょ。料金はこの前の狩りで貰ったし、失くした理由だって真っ当な事だし、問題はなにも無いの! 分かった?」

「だがなアイヴィ……」

「もー仕方がないなぁ。君にはわたしの手伝いをしてもらうってお願いをしたでしょ。でもそれはまだ終わってない。だから今はそれを全力でやってちょうだい、ね?」

「ああ……うむ、そうだな。まだお前との約束は果たしていない。それに私にも通り魔を捕える理由がある。全力を上げて力となろうではないか」

 アイヴィに言い包められたシキは、決意を新たに彼女へと意志を示す。

 シキを説得出来たアイヴィは、彼の顔を見ながらにっこりと笑顔で頷いた。

「うむ、それでよーし!」

 やけに義理堅いところに本人は気づいていないのだと思うと、アイヴィは余計に笑ってしまいそうだった。

「そんな事よりさ、シキくん達もう帰る準備をしてたんだよね? 通り魔について新しい情報もあるし、ご飯をでも食べながら話しましょ。さぁ行こ行こ~っ」

 アイヴィはシキの背中をぐいぐいと押し進める。

「どわっ!? おい急に押すなって、おい!!」

 不意に背中を押され跳ね上がりつつも、力負けし一歩二歩と街へ足が進んでいく。

「…………」

 そんな二人の後ろを、ネオンはひょこひょこと付いて行った。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】

きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ――― 当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。 なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

処理中です...