79 / 169
第二章 鏡映しの兄弟編
39.私も一緒に
しおりを挟む
次なる旅へ向かおうとするシキとネオン。
そんな二人が目指すのは、紫の兄弟が待つとされるとある国であった。
そこにはきっと、消えた兄に関する何かがあるはず。
そう思った時、エリーゼはもうシキに声をかけていた。
彼女の呼びかけに対し、振り返って返事を伺うシキ。
ここで彼に思いを伝えれば。
しかし、言葉が喉元を超えようとした時、ふと隣で作業をする祖母の姿が目に入った。
「いえ……何でもありません」
「……? そうか」
何でもない事などこれっぽっちもない。
兄へと繋がる何かが。十年間探し続けた何かが、そこにあるというのだ。
しかし――――。
二人だけになった家族。そこからまた一人抜ければ、祖母は一人になってしまう。独りぼっちにさせてしまう。
そんな気持ちが、彼女の、兄を思う気持ちと祖母を思う気持ちの二つが、エリーゼの心を真っ二つに引き裂いてしまいそうだった。
手を伸ばしたいのに、伸ばしてはならない。
私はいったいどうしたらいいのだろう。
彼女は、優しさでがんじがらめにされてしまっていたのだ。
そんな彼女の元へ、ある人物が現れた。
「よぉシキ。アタイらの兄弟のクセして勝手に旅に出ようとしてるってのは本当かい?」
盗賊団『ノース・ウィンド』が頭首。アネッサだ。
「アネッサ……!? 怪我はもういいのか?」
「アンタにゃ聞かれたくないよ。それで、団長無視して勝手な事しようとしてるってのは本当かって聞いてんのさ」
えらく真剣なアネッサに、シキは息を飲んだ。
その真意は彼女なりの礼や手助けなど、色々と考えてのものなのだろう。だとしても、シキはこれ以上盗賊団でいる事は出来なかった。
「アネッサ、済まない。私とネオンは盗賊団『ノース・ウィンド』を脱退する。兄弟と言ってくれた事、本当に嬉しかったぞ」
盗賊団の存在意義とシキの旅の目的は、違う方向を向いていたのだ。それ以外に退団する理由など無かったのだから。
シキの決意を聞いたアネッサは、最後に一つだけ聞いておきたかった事を問いかける。
「シキ、もう一つだけ聞きたい。あの最終局面でアタイと腕輪が連れ去られそうになった時、どうしてアタイを助けた? アンタの旅の目的を聞いた限りじゃ、腕輪を優先するってもんだろうが」
紛れもなく、アネッサはシキに助けられた。ミルカやチャタローの手伝いをしたとか、紫の兄弟に勝ったとか、そんな事ではない。命がけで探し回っているお宝とただの知り合いを天秤にかけ、そしてシキはアネッサを選んだのだ。
アネッサからの問いに、シキは立ち止まり少しの間考える。結果、答えなど一つしかなかった。
「そんなもの決まっている。私がそうしたいと思ったからだ」
「……!! ふっ、そうかい」
そうしたいという気持ちだけでこの決断が出来るか。アネッサは自問をしてすぐに止める。
そんなもの出来る訳がない。あんな土壇場で、そうしたいと思ったから。自分ならそんな理由で出来るはずがないと、アネッサは改めてシキには敵わないと再度認識をした。
だから、彼の力になってやりたいと、自分に出来る事は何かと考え、答えを導き出した。
「アンタ達!!」
へい!!
アネッサの後ろから、彼女に率いられ現れた盗賊団のメンバーへと、アネッサは命令を下す。
「アタイら盗賊団『ノース・ウィンド』は今を持って解散だ!!」
へい!! ……へい!?
「アネさん解散ってのはどういう事ですかい!?」
「そうッスよ、せっかく悪の敵を倒して勢い付いているってのに、どうして解散なんかするッスか!」
「フンニャー」
そうだそうだとメンバーからの不満が溢れる。
しかしアネッサは一喝入れると、すぐにその理由を口にした。
「黙れ黙れい!! アタイは盗賊団『ノース・ウィンド』は解散と言ったが、『ノース・ウィンド』を解散するとは一言も言ってないぞ!!」
へ?
「アネさん、それはどういう……」
「アタイらは今を以てエランダの魔術雑貨屋の傘下に入る! アタイらの風馬を使ってあっちへこっちへ荒稼ぎしに行こうではないか!!」
おおお……。
アネッサの取った決断は、盗賊を辞めエランダの手伝いを行うというものであった。
それは即ち、エランダの周りに人がまた溢れるという事を意味しているのであった。
「アネッサ……さん!!」
「エリーゼとか言ったな。屋敷では世話になった。それで、行きたいんだろ? あの国に。兄の元に。そいつらと共に」
エリーゼの不安。それは祖母を孤独にしてしまう事だった。それが解決された今、取るべき決断はもう、一つしか残っていなかった。
「シキさん、ネオンさん!!」
「なんだ、エリーゼ」
「…………?」
「私も一緒に……旅へ連れて行って下さい!!」
溢れ出す。漏れ出す。
今度こそ。今回こそ。今こそ。助けに行くのだ。消えた兄を探しに行くのだ。己の手で……!!
突然の加入希望を受けた旅人一行は話し合いをする。
「仲間が一人増えそうだが、どうする? はらぺこ旅団長」
「…………!」
「空腹リーダーは例のホットプレートを持って来るのかと聞いている。どうなんだ入団希望者よ」
「もちろん……朝食に加え三食全てサポートさせてあげますとも!! それに私は料理人ではありません! きっと戦力面でも活躍出来ると思います!!」
「らしいぞ無限の食欲様。これはもう決まりではないか?」
ネオンは強く頷いた。
新たな同行者が増える事を、大いに喜んでいた。
「決まりだ。これからよろしく頼む、エリーゼ!」
「はいっ!!」
シキ達の旅の目的に、エリーゼの兄を探すが追加された。
歓喜に溢れ涙を流す元盗賊団達を前に、一度姿を消していたエランダが再び店内から現れた。
「まったくどいつもこいつも好き勝手し放題だねぇ……。ウチは厳しく行くよ。覚悟は良いかい!?」
へい!!
「へい! じゃなくてウチでははい! だ馬鹿タレ共が!! ……それで、旅立つ前にアンタ達に見せておきたいものがある」
「……? なんだ、旅に役立つ魔道具か何かか? 悪いが金ならないぞ。タダなら貰ってやってもいいが」
「誰が売り物を渡すって言ったんだい! これだよこれ。アタシが昔、ダンナからプロポーズの時貰った宝石なんだが……」
エランダは綺麗に包装された木箱を開ける。そこには。
「これは……!! まさか、青の、エーテルコア……なのか?」
青白く輝くそれは、まぎれもなくシキ達の探しているコアそのものであった。
「おばあちゃんこれ……! エーテルコアなんて知らないって言ってたじゃないですか」
「いやぁプロポーズで貰ったものなんだ。大切にしまっておくものだろうに。それに青のエーテルだったから、アタシにゃあまり感知出来なかったんだよ」
「なんだいなんだい……アタイらの探し物は本当にこの雑貨屋にあったってのかい」
騒ぎを聞いた元盗賊団が集まり、エランダの持つエーテルコアの輝きに目を奪われていた。
「それで、どうしてこれを私達に見せた? 私の探し物と分かっての事だろう」
「まだアンタにゃやらんよ。エリーゼ、お前の杖にこれを組み込む。兄貴連れて帰るにはこれぐらいあっても困らんだろうさ」
エリーゼの杖にエーテルコアが組み込まれる。
それは、ただでさえ強いエリーゼをより完璧にするための祖母からの愛情であった。
杖を改造するという事もあり出発は翌日の朝という事に決まった。
危機の去った魔術雑貨屋からは周りを囲む岩盤が取り除かれ、陽の光を浴びた古い建物から独特の臭いが溢れ出す。
そんな臭いを打ち消すように、エリーゼや『ノース・ウィンド』によって門出のパーティは盛大に開かれたのであった。
シキとネオン、そしてエリーゼの旅は改めてここから始まる。
希望も絶望も味わった彼らはこれからも長く険しい旅路が待っているだろう。
だとしても、それを乗り越えて掴み取るのだ。
勝利を。明日を。失われし記憶を。
鏡映しの兄弟編 終わり。
そんな二人が目指すのは、紫の兄弟が待つとされるとある国であった。
そこにはきっと、消えた兄に関する何かがあるはず。
そう思った時、エリーゼはもうシキに声をかけていた。
彼女の呼びかけに対し、振り返って返事を伺うシキ。
ここで彼に思いを伝えれば。
しかし、言葉が喉元を超えようとした時、ふと隣で作業をする祖母の姿が目に入った。
「いえ……何でもありません」
「……? そうか」
何でもない事などこれっぽっちもない。
兄へと繋がる何かが。十年間探し続けた何かが、そこにあるというのだ。
しかし――――。
二人だけになった家族。そこからまた一人抜ければ、祖母は一人になってしまう。独りぼっちにさせてしまう。
そんな気持ちが、彼女の、兄を思う気持ちと祖母を思う気持ちの二つが、エリーゼの心を真っ二つに引き裂いてしまいそうだった。
手を伸ばしたいのに、伸ばしてはならない。
私はいったいどうしたらいいのだろう。
彼女は、優しさでがんじがらめにされてしまっていたのだ。
そんな彼女の元へ、ある人物が現れた。
「よぉシキ。アタイらの兄弟のクセして勝手に旅に出ようとしてるってのは本当かい?」
盗賊団『ノース・ウィンド』が頭首。アネッサだ。
「アネッサ……!? 怪我はもういいのか?」
「アンタにゃ聞かれたくないよ。それで、団長無視して勝手な事しようとしてるってのは本当かって聞いてんのさ」
えらく真剣なアネッサに、シキは息を飲んだ。
その真意は彼女なりの礼や手助けなど、色々と考えてのものなのだろう。だとしても、シキはこれ以上盗賊団でいる事は出来なかった。
「アネッサ、済まない。私とネオンは盗賊団『ノース・ウィンド』を脱退する。兄弟と言ってくれた事、本当に嬉しかったぞ」
盗賊団の存在意義とシキの旅の目的は、違う方向を向いていたのだ。それ以外に退団する理由など無かったのだから。
シキの決意を聞いたアネッサは、最後に一つだけ聞いておきたかった事を問いかける。
「シキ、もう一つだけ聞きたい。あの最終局面でアタイと腕輪が連れ去られそうになった時、どうしてアタイを助けた? アンタの旅の目的を聞いた限りじゃ、腕輪を優先するってもんだろうが」
紛れもなく、アネッサはシキに助けられた。ミルカやチャタローの手伝いをしたとか、紫の兄弟に勝ったとか、そんな事ではない。命がけで探し回っているお宝とただの知り合いを天秤にかけ、そしてシキはアネッサを選んだのだ。
アネッサからの問いに、シキは立ち止まり少しの間考える。結果、答えなど一つしかなかった。
「そんなもの決まっている。私がそうしたいと思ったからだ」
「……!! ふっ、そうかい」
そうしたいという気持ちだけでこの決断が出来るか。アネッサは自問をしてすぐに止める。
そんなもの出来る訳がない。あんな土壇場で、そうしたいと思ったから。自分ならそんな理由で出来るはずがないと、アネッサは改めてシキには敵わないと再度認識をした。
だから、彼の力になってやりたいと、自分に出来る事は何かと考え、答えを導き出した。
「アンタ達!!」
へい!!
アネッサの後ろから、彼女に率いられ現れた盗賊団のメンバーへと、アネッサは命令を下す。
「アタイら盗賊団『ノース・ウィンド』は今を持って解散だ!!」
へい!! ……へい!?
「アネさん解散ってのはどういう事ですかい!?」
「そうッスよ、せっかく悪の敵を倒して勢い付いているってのに、どうして解散なんかするッスか!」
「フンニャー」
そうだそうだとメンバーからの不満が溢れる。
しかしアネッサは一喝入れると、すぐにその理由を口にした。
「黙れ黙れい!! アタイは盗賊団『ノース・ウィンド』は解散と言ったが、『ノース・ウィンド』を解散するとは一言も言ってないぞ!!」
へ?
「アネさん、それはどういう……」
「アタイらは今を以てエランダの魔術雑貨屋の傘下に入る! アタイらの風馬を使ってあっちへこっちへ荒稼ぎしに行こうではないか!!」
おおお……。
アネッサの取った決断は、盗賊を辞めエランダの手伝いを行うというものであった。
それは即ち、エランダの周りに人がまた溢れるという事を意味しているのであった。
「アネッサ……さん!!」
「エリーゼとか言ったな。屋敷では世話になった。それで、行きたいんだろ? あの国に。兄の元に。そいつらと共に」
エリーゼの不安。それは祖母を孤独にしてしまう事だった。それが解決された今、取るべき決断はもう、一つしか残っていなかった。
「シキさん、ネオンさん!!」
「なんだ、エリーゼ」
「…………?」
「私も一緒に……旅へ連れて行って下さい!!」
溢れ出す。漏れ出す。
今度こそ。今回こそ。今こそ。助けに行くのだ。消えた兄を探しに行くのだ。己の手で……!!
突然の加入希望を受けた旅人一行は話し合いをする。
「仲間が一人増えそうだが、どうする? はらぺこ旅団長」
「…………!」
「空腹リーダーは例のホットプレートを持って来るのかと聞いている。どうなんだ入団希望者よ」
「もちろん……朝食に加え三食全てサポートさせてあげますとも!! それに私は料理人ではありません! きっと戦力面でも活躍出来ると思います!!」
「らしいぞ無限の食欲様。これはもう決まりではないか?」
ネオンは強く頷いた。
新たな同行者が増える事を、大いに喜んでいた。
「決まりだ。これからよろしく頼む、エリーゼ!」
「はいっ!!」
シキ達の旅の目的に、エリーゼの兄を探すが追加された。
歓喜に溢れ涙を流す元盗賊団達を前に、一度姿を消していたエランダが再び店内から現れた。
「まったくどいつもこいつも好き勝手し放題だねぇ……。ウチは厳しく行くよ。覚悟は良いかい!?」
へい!!
「へい! じゃなくてウチでははい! だ馬鹿タレ共が!! ……それで、旅立つ前にアンタ達に見せておきたいものがある」
「……? なんだ、旅に役立つ魔道具か何かか? 悪いが金ならないぞ。タダなら貰ってやってもいいが」
「誰が売り物を渡すって言ったんだい! これだよこれ。アタシが昔、ダンナからプロポーズの時貰った宝石なんだが……」
エランダは綺麗に包装された木箱を開ける。そこには。
「これは……!! まさか、青の、エーテルコア……なのか?」
青白く輝くそれは、まぎれもなくシキ達の探しているコアそのものであった。
「おばあちゃんこれ……! エーテルコアなんて知らないって言ってたじゃないですか」
「いやぁプロポーズで貰ったものなんだ。大切にしまっておくものだろうに。それに青のエーテルだったから、アタシにゃあまり感知出来なかったんだよ」
「なんだいなんだい……アタイらの探し物は本当にこの雑貨屋にあったってのかい」
騒ぎを聞いた元盗賊団が集まり、エランダの持つエーテルコアの輝きに目を奪われていた。
「それで、どうしてこれを私達に見せた? 私の探し物と分かっての事だろう」
「まだアンタにゃやらんよ。エリーゼ、お前の杖にこれを組み込む。兄貴連れて帰るにはこれぐらいあっても困らんだろうさ」
エリーゼの杖にエーテルコアが組み込まれる。
それは、ただでさえ強いエリーゼをより完璧にするための祖母からの愛情であった。
杖を改造するという事もあり出発は翌日の朝という事に決まった。
危機の去った魔術雑貨屋からは周りを囲む岩盤が取り除かれ、陽の光を浴びた古い建物から独特の臭いが溢れ出す。
そんな臭いを打ち消すように、エリーゼや『ノース・ウィンド』によって門出のパーティは盛大に開かれたのであった。
シキとネオン、そしてエリーゼの旅は改めてここから始まる。
希望も絶望も味わった彼らはこれからも長く険しい旅路が待っているだろう。
だとしても、それを乗り越えて掴み取るのだ。
勝利を。明日を。失われし記憶を。
鏡映しの兄弟編 終わり。
0
あなたにおすすめの小説
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる