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ここは一体、どこだろう。
どこかの森のようだが、炎に巻かれ、本来の姿を失っていた。
このままこの場に留まれば、俺は焼け死んでしまうだろう。
なのに何故か、逃げようとは思わなかった。
俺は、何を知りたいのだろうか。
自分でもよくわからないまま、前に進んで行く。
しばらくすると、森の開けた場所にたどり着いた。
そこにあったものを見た瞬間、俺はここに来たことを後悔した。
中央にあったもの、それは石を積み上げて造られた祭壇だった。
人1人くらいを寝かせられるほどの祭壇、そこに誰かが横になっている。
俺は瞬時に、あの時の巫女だと気づいた。
直感で逃げなければと思ったが、体が動かない。
次第に巫女が体を起こし、俺の方へ振り返る。
その目には、正気を感じられず、巫女はただ俺を見つめていた。
その表情は、まるで人形だった。
「うわああああ!!」
叫ぶと同時に、体の硬直が解け、すぐに振り返って走り出した。
しかし行手を次々と炎に阻まれ、とうとう逃げ道がなくなってしまった。
ふと背後に気配がなくなり、恐る恐る振り返る。
やはりそこには、渦巻く炎しかない。
これからどうすればいいかと悩んでいたら、突然背後から右腕を掴まれた。
恐怖のあまり、悲鳴すら出なかった。
振り返りたくはない。
そう思っているのに、体は勝手に後ろに向いた。
そこには先ほどとは打って変わって、不敵な笑みを浮かべていた。
「あなたは、ここで──。」
「うわあああああ!!」
気がつくと俺は、布団から飛び起きていた。
荒い呼吸を整えて、横に目をやると、ベッドでは颯太がすやすやと眠っていた。
時間を見ると、ちょうど朝の6時だった。
夢だとわかって少し気持ちが落ち着いたが、心臓はまだバクバクしている。
普段なら、起きると夢の内容は薄れていくのだが、俺の脳裏から巫女の姿が消えずにいたからだ。
それに俺は、あの巫女を知っている気がしてならなかった。
「あの巫女、何を言っていたんだ?」
どうしても気になって、必死の言葉を思い出そうとした。
その時、俺の頭に激痛が走った。
まるでそれは、思い出すなと警告しているようだった。
「…きっと、ただの夢だ。気にするな…。」
俺は布団から出ると、カーテンを開けた。
それからは気を取り直した俺は、みんなと朝食を取ったあと、川遊びに出かけた。
その川は山の上流にあり、昔からの遊び場だった。
川に着いた後、俺たちはそれぞれに水着に着替えた。
そして各々に、持参物を取り出した。
「ねえ~。ビーチボールしようよ~。」
そう言って海花は、スイカ模様のビーチボールを両手で持った。
「いいや。暑いこんな日は、水鉄砲バトルだろーよ!」
一方颯太は、水鉄砲を二丁構えた。
「え~、やだ~。ビーチボールがいい!」
「うるせー。こういうときは、年上に従うもんだろ。」
「なんで~。年上なんだから、遠慮してよ~。」
またいつものように、2人が言い争いを始めた。
俺はというと、どちらでもよかった。
何故かというと、今日はなんだか遊ぶ気分ではなかったからだ。
「はい、そこまで。こういうときは、じゃんけんで決めましょう。」
そこへ椎菜が割って入り、喧嘩を止めた。
颯太と海花は、お互い納得した様子で、じゃんけんを始めた。
「やった~!海花の勝ち。」
海花はガッツポーズを決めると、大はしゃぎで飛び跳ねた。
負けた颯太は、渋々水鉄砲を鞄にしまった。
「そんなに落ち込まないで。今度来たときに、水鉄砲で遊びましょう。」
椎菜は慰めるが、颯太は不貞腐れたままだ。
「ほら、行きますよ。」
すると椎菜はまんべんの笑みを浮かべながら、颯太の左手を掴んで海花の元へ引きずっていった。
相変わらず、椎菜を怒らせると怖いな。
そう思いながら、俺も重い腰を上げた。
「それじゃあ、チーム分けですが、どうやって決め──。」
「陸斗にぃがいい!」
椎菜の言葉を遮って、海花が俺に抱きついた。
「ふん、なら臨むところだ。行くぜ、椎菜!」
すでに元気を取り戻していた颯太は、臨戦態勢に入った。
椎菜は少し困った顔で俺を見つめた後、颯太の元へ向かった。
もしかしたら、俺と組みたかったのかもしれない。
それでも椎菜は、海花に譲ったようだ。
こうして、俺たちの対決が始まった。
ビーチボールといっても、当然ネットやコートはない。
なので互いにボールを回し、落とした方が点を取られるというルールになった。
序盤は互角の戦いだったが、俺が本調子ではないこともあり、次第に押されていった。
「受けてみやがれ。俺の必殺技、超スーパーウルトラアターーック!!」
颯太の鋭いアタックについていけず、俺の頭にボールが直撃した。
「──ッ!」
あまりの衝撃に、俺は頭を押さえてその場に蹲った。
すぐに椎菜が、心配して駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか⁉︎すぐに冷やさないと。」
そう言って椎菜は鞄からハンドタオルを取り出し、それを川に浸けて濡らした。
「ほら、颯太くん!ぼうっとしていないで、陸斗さんを木陰まで運んでください!!」
「はっはい。わかりました!」
椎菜に促された颯太によって、俺は近くの木の根元に寝かされた。
それから椎菜はタオルを絞り、俺の頭に乗せた。
俺にとっては大したことなかったのだが、椎菜はすっかり慌てふためいていた。
「どうしよう…。陸斗さんの体調が良くないってわかっていたのに。私のせいで…。」
気が動転している椎菜は、俺の手当てをするために、一旦家に帰って救急セットを持ってくると言い出した。
俺は止めようとしたが、椎菜は話も聞かないまま、颯太も連れて家に戻っていった。
残された俺の元に、海花が歩み寄る。
「頭、まだ痛いの?」
心配そうに海花は、俺の頭を撫でた。
「いや、もう平気だ。」
俺は体を起こし、健在ぶりを見せた。
その姿に、海花に笑顔が戻った。
「よかった~。どうなるかって心配したよ~。…立てる?」
差し伸ばされた手を握った俺は、海花に引っ張り起こされた。
椎菜の家はここから30分ほど歩いた先にある。
ということは、1時間は帰ってこないのか。
その間、海花と何をして時間を潰そうかと考えていたら、いつの間にか海花が虫かごを持っていた。
「ねえ、陸斗にぃ。この前の話、覚えてる~?実はね、この近くなの、秘密の場所。」
そういえばそんな話をしていたな。
一体どこへ向かっていたのかとは思っていたが、まさかこんな山奥だとは思わなかった。
「ねえ~、今から行こうよ~。陸斗にぃだけに、教えてあげる。」
ちょうど暇を持て余していたので、俺はその誘いに乗った。
すぐ近くだと言っていたので、気軽についていったのだが、なかなか目的地に着かない。
進めば進むほど足元は険しくなり、とうとう獣道のようになった。
「おい、いったいどこまで行くんだよ?」
俺の質問に対して、海花は振り向くこともなく、突き進んでいく。
仕方なく俺も、黙ってついていくしかなかった。
それからしばらくすると、『立ち入り禁止』と書かれた看板がいくつも立てられている場所に着いた。
さらにはそこにはロープが張り巡らせてあり、完全に行く手を阻んでいた。
俺はこの場所に見覚えがあった。
この先が例の、入ったら狂うとされる場所だったのだ。
しかも俺たちは、ここであいつを──。
しかしどうして海花は、わざわざここに来ているのだろうか。
海花にだって、いい思い出ではないはずだ。
それにも関わらず、海花は平然とロープを潜ると、さらに進んでいく。
正直これ以上先には行きたくなかったが、今更引けるわけもない。
渋々俺も、ロープを跨いでさらに進んだ。
するとすぐに、不思議な光景を目にする。
至る所に、赤、青、黄色が混ざったような色の花が咲き乱れていた。
さらにそこで飛び交う蝶も、同じような色をしていた。
見た目はアゲハチョウのようだが、突然変異だろうか。
あの時は夜だったので、こんな光景だったとは、全く気づかなかった。
俺が周囲を眺めている間、海花は蝶を素手で捕まえては虫かごに入れている。
俺のことなど、全く眼中にない様子だった。
しばらくその様子を眺めていたら、あることに気がついた。
まさか、ここは、夢の中に出てきた森…?
ということは、もしかすると──。
嫌な予感がしつつも、何故か足はあの場所へと向かった。
そしてそれは、やはりあった。
「あっ…ああっ……!!」
あの祭壇を見た瞬間、俺の頭の中で、何かの光景がフラッシュバックした。
それと同時に、さらに激しい頭痛に襲われ、意識が薄れていく。
「陸斗にぃ⁉︎」
近くで海花の声が聞こえた気がした。
どこかの森のようだが、炎に巻かれ、本来の姿を失っていた。
このままこの場に留まれば、俺は焼け死んでしまうだろう。
なのに何故か、逃げようとは思わなかった。
俺は、何を知りたいのだろうか。
自分でもよくわからないまま、前に進んで行く。
しばらくすると、森の開けた場所にたどり着いた。
そこにあったものを見た瞬間、俺はここに来たことを後悔した。
中央にあったもの、それは石を積み上げて造られた祭壇だった。
人1人くらいを寝かせられるほどの祭壇、そこに誰かが横になっている。
俺は瞬時に、あの時の巫女だと気づいた。
直感で逃げなければと思ったが、体が動かない。
次第に巫女が体を起こし、俺の方へ振り返る。
その目には、正気を感じられず、巫女はただ俺を見つめていた。
その表情は、まるで人形だった。
「うわああああ!!」
叫ぶと同時に、体の硬直が解け、すぐに振り返って走り出した。
しかし行手を次々と炎に阻まれ、とうとう逃げ道がなくなってしまった。
ふと背後に気配がなくなり、恐る恐る振り返る。
やはりそこには、渦巻く炎しかない。
これからどうすればいいかと悩んでいたら、突然背後から右腕を掴まれた。
恐怖のあまり、悲鳴すら出なかった。
振り返りたくはない。
そう思っているのに、体は勝手に後ろに向いた。
そこには先ほどとは打って変わって、不敵な笑みを浮かべていた。
「あなたは、ここで──。」
「うわあああああ!!」
気がつくと俺は、布団から飛び起きていた。
荒い呼吸を整えて、横に目をやると、ベッドでは颯太がすやすやと眠っていた。
時間を見ると、ちょうど朝の6時だった。
夢だとわかって少し気持ちが落ち着いたが、心臓はまだバクバクしている。
普段なら、起きると夢の内容は薄れていくのだが、俺の脳裏から巫女の姿が消えずにいたからだ。
それに俺は、あの巫女を知っている気がしてならなかった。
「あの巫女、何を言っていたんだ?」
どうしても気になって、必死の言葉を思い出そうとした。
その時、俺の頭に激痛が走った。
まるでそれは、思い出すなと警告しているようだった。
「…きっと、ただの夢だ。気にするな…。」
俺は布団から出ると、カーテンを開けた。
それからは気を取り直した俺は、みんなと朝食を取ったあと、川遊びに出かけた。
その川は山の上流にあり、昔からの遊び場だった。
川に着いた後、俺たちはそれぞれに水着に着替えた。
そして各々に、持参物を取り出した。
「ねえ~。ビーチボールしようよ~。」
そう言って海花は、スイカ模様のビーチボールを両手で持った。
「いいや。暑いこんな日は、水鉄砲バトルだろーよ!」
一方颯太は、水鉄砲を二丁構えた。
「え~、やだ~。ビーチボールがいい!」
「うるせー。こういうときは、年上に従うもんだろ。」
「なんで~。年上なんだから、遠慮してよ~。」
またいつものように、2人が言い争いを始めた。
俺はというと、どちらでもよかった。
何故かというと、今日はなんだか遊ぶ気分ではなかったからだ。
「はい、そこまで。こういうときは、じゃんけんで決めましょう。」
そこへ椎菜が割って入り、喧嘩を止めた。
颯太と海花は、お互い納得した様子で、じゃんけんを始めた。
「やった~!海花の勝ち。」
海花はガッツポーズを決めると、大はしゃぎで飛び跳ねた。
負けた颯太は、渋々水鉄砲を鞄にしまった。
「そんなに落ち込まないで。今度来たときに、水鉄砲で遊びましょう。」
椎菜は慰めるが、颯太は不貞腐れたままだ。
「ほら、行きますよ。」
すると椎菜はまんべんの笑みを浮かべながら、颯太の左手を掴んで海花の元へ引きずっていった。
相変わらず、椎菜を怒らせると怖いな。
そう思いながら、俺も重い腰を上げた。
「それじゃあ、チーム分けですが、どうやって決め──。」
「陸斗にぃがいい!」
椎菜の言葉を遮って、海花が俺に抱きついた。
「ふん、なら臨むところだ。行くぜ、椎菜!」
すでに元気を取り戻していた颯太は、臨戦態勢に入った。
椎菜は少し困った顔で俺を見つめた後、颯太の元へ向かった。
もしかしたら、俺と組みたかったのかもしれない。
それでも椎菜は、海花に譲ったようだ。
こうして、俺たちの対決が始まった。
ビーチボールといっても、当然ネットやコートはない。
なので互いにボールを回し、落とした方が点を取られるというルールになった。
序盤は互角の戦いだったが、俺が本調子ではないこともあり、次第に押されていった。
「受けてみやがれ。俺の必殺技、超スーパーウルトラアターーック!!」
颯太の鋭いアタックについていけず、俺の頭にボールが直撃した。
「──ッ!」
あまりの衝撃に、俺は頭を押さえてその場に蹲った。
すぐに椎菜が、心配して駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか⁉︎すぐに冷やさないと。」
そう言って椎菜は鞄からハンドタオルを取り出し、それを川に浸けて濡らした。
「ほら、颯太くん!ぼうっとしていないで、陸斗さんを木陰まで運んでください!!」
「はっはい。わかりました!」
椎菜に促された颯太によって、俺は近くの木の根元に寝かされた。
それから椎菜はタオルを絞り、俺の頭に乗せた。
俺にとっては大したことなかったのだが、椎菜はすっかり慌てふためいていた。
「どうしよう…。陸斗さんの体調が良くないってわかっていたのに。私のせいで…。」
気が動転している椎菜は、俺の手当てをするために、一旦家に帰って救急セットを持ってくると言い出した。
俺は止めようとしたが、椎菜は話も聞かないまま、颯太も連れて家に戻っていった。
残された俺の元に、海花が歩み寄る。
「頭、まだ痛いの?」
心配そうに海花は、俺の頭を撫でた。
「いや、もう平気だ。」
俺は体を起こし、健在ぶりを見せた。
その姿に、海花に笑顔が戻った。
「よかった~。どうなるかって心配したよ~。…立てる?」
差し伸ばされた手を握った俺は、海花に引っ張り起こされた。
椎菜の家はここから30分ほど歩いた先にある。
ということは、1時間は帰ってこないのか。
その間、海花と何をして時間を潰そうかと考えていたら、いつの間にか海花が虫かごを持っていた。
「ねえ、陸斗にぃ。この前の話、覚えてる~?実はね、この近くなの、秘密の場所。」
そういえばそんな話をしていたな。
一体どこへ向かっていたのかとは思っていたが、まさかこんな山奥だとは思わなかった。
「ねえ~、今から行こうよ~。陸斗にぃだけに、教えてあげる。」
ちょうど暇を持て余していたので、俺はその誘いに乗った。
すぐ近くだと言っていたので、気軽についていったのだが、なかなか目的地に着かない。
進めば進むほど足元は険しくなり、とうとう獣道のようになった。
「おい、いったいどこまで行くんだよ?」
俺の質問に対して、海花は振り向くこともなく、突き進んでいく。
仕方なく俺も、黙ってついていくしかなかった。
それからしばらくすると、『立ち入り禁止』と書かれた看板がいくつも立てられている場所に着いた。
さらにはそこにはロープが張り巡らせてあり、完全に行く手を阻んでいた。
俺はこの場所に見覚えがあった。
この先が例の、入ったら狂うとされる場所だったのだ。
しかも俺たちは、ここであいつを──。
しかしどうして海花は、わざわざここに来ているのだろうか。
海花にだって、いい思い出ではないはずだ。
それにも関わらず、海花は平然とロープを潜ると、さらに進んでいく。
正直これ以上先には行きたくなかったが、今更引けるわけもない。
渋々俺も、ロープを跨いでさらに進んだ。
するとすぐに、不思議な光景を目にする。
至る所に、赤、青、黄色が混ざったような色の花が咲き乱れていた。
さらにそこで飛び交う蝶も、同じような色をしていた。
見た目はアゲハチョウのようだが、突然変異だろうか。
あの時は夜だったので、こんな光景だったとは、全く気づかなかった。
俺が周囲を眺めている間、海花は蝶を素手で捕まえては虫かごに入れている。
俺のことなど、全く眼中にない様子だった。
しばらくその様子を眺めていたら、あることに気がついた。
まさか、ここは、夢の中に出てきた森…?
ということは、もしかすると──。
嫌な予感がしつつも、何故か足はあの場所へと向かった。
そしてそれは、やはりあった。
「あっ…ああっ……!!」
あの祭壇を見た瞬間、俺の頭の中で、何かの光景がフラッシュバックした。
それと同時に、さらに激しい頭痛に襲われ、意識が薄れていく。
「陸斗にぃ⁉︎」
近くで海花の声が聞こえた気がした。
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