変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう

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なんでこんなに、ドキドキするんだよ⁉︎

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─数十分前─


目が覚めると、俺は6畳くらいの畳の部屋にいた。

部屋の中央には座敷机があるだけの、至ってシンプルな部屋だ。

部屋の中には誰もおらず、もしかしたら逃げられるかもと淡い期待を寄せたが、外に見張りがいるのが分かり、その期待はあっさりと砕かれた。

一体、今度はどんな目に遭うのだろう。

あのへんな儀式の次は、変態との公開セ○○スとか行われたりして…。

「って、俺、何想像してんだよーーー!!」

髪をぐしゃぐしゃに掻き乱しながら、思わず絶叫した。

「翔馬様、お鎮まり下さい!まもなく婿様がおいでです。」

すると廊下側の襖から、村人が呼びかけてきた。

「はっはい!すみません………って、婿⁉︎」

突然のとんでもワードに、思わず聞き返してしまう。

おいおい、いよいよ万事休すか?
いやそもそも、相手はどんな奴だよ?

「そうです。狛江様の御子息であらせられる、小戸綺礼様がまもなくお越しになられます。」
「えっ?小戸狛江の息子………。」

あの爺さんの息子って、まさかおっさんじゃないだろうな!

「嫌だ!断固拒否する!!俺にも選ぶ権利があるだろうが!!」

いっそ結婚するなら春則みたいなカッコいい奴がいいに決まっているだろ!

ふとそう思い、自分でも何を考えているか訳がわからなくなり、顔から火が出そうだった。

俺が困惑して黙り込んでいると、部屋の奥の襖が開き、ひとりの男が入ってきた。

「済まない。父上が手荒な真似をしてしまったようだね。」

声がした方へ振り返ると、そこには目が二重で肌が色白く、顔立ちがはっきりとしていて、肩まで伸びたクセのない髪が特徴の、とにかくスゴいイケメンが立っていた。

さらに彼が着ている青い着物が、誠実さをさらに表しているようだった。

その姿を見て、なぜか俺は心臓が高鳴った。

まさか、俺が男に、ドキドキするなんて…!

「君が翔馬だね。僕は小戸綺礼。この屋敷の次期御曹司にあたる男だ。」

普通の男なら、名前負けしそうだが、本当に綺麗は綺礼だった。

「………あ…っ、初めまして。」

綺礼が歩み寄ってくる度に、心臓が跳ね上がってしまう。

今までの俺なら、ありえないことだった。
これも、あの儀式のせいなのだろうか。

あれこれ考えているうちに、とうとう綺礼が息のかかるほどの距離までやってきた。

そして俺の頬をそっと撫でて、優しく微笑んだ。

さっき小戸狛江にされた時はキモくてたまらなかったのに、今はドキドキが抑えられない。

「話では聞いていたが、それ以上に、美しい…。」
「──っ⁉︎ちょっ…ちょーーー!!」

とんでもなく恥ずかしいことをサラッと言われ、俺は思わず仰け反った。

「何言ってるんですか?あなたの方がよっぽど綺麗じゃないですか!!」

自分でそう発言したものの、綺礼と同じくらい恥ずかしいことを言ったと気づき、穴があったら入りたくなった。

「ふふっ、ありがとう。やはり其方は、私の妻に相応しい。」

俺が動揺して油断している隙に、綺礼に顎を掴まれてしまい、唇が迫ってきた。

まずい……、このままだと、ファーストキスを、初対面の男に奪われてしまう。

だが逃げ場はどこにもなく、諦めて目を硬く閉じた。

その時、不意に春則の顔が浮かんできた。

そうだ、まだ諦めるのは早い!
きっと、春則が助けに来てくれるに違いない!!

「まっ…待ってください!!」

俺は両手で綺礼を跳ね除けると、体制を整えた。

「まだ、結婚もしてないのにキスだなんて…。そんな破廉恥な人とは結婚できません!!」

今時、結婚するまでキスしない人なんていないだろうが、こんな山奥の村なら、こんな言い訳でも通用するかも知れないと思い、俺は声を張り上げた。

「では、ここで手を出さなければ、私の妻になってくれるということかな?」

ここで下手に断れば、どんな酷い目に遭うか想像に容易くかった。

「………はい。」

なのでここは、話を合わせることにした。

「ありがとう。すごく嬉しいよ。では、明日、結婚式を挙げよう。」
「はい………っ…ええっ⁉︎」

いやいや、どんだけせっかちなんだよ⁉︎

「いや…でも…心の準備が……。」
「君たち、聞いただろう。今すぐ式の準備に取り掛かってくれ。」

すると急に辺りが忙しなくなった。

そんな中、俺だけが、後悔の念に囚われていた。
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