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お前、強すぎじゃん
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春くんに見捨てられた俺は、絶望に打ちひしがれた。
男と結婚するなんて、死んでもごめんだった。
翔馬もきっと、同じ気持ちだったんだろう。
そう思うと本当に悪いことをしたと思い、涙が溢れた。
「そうか、そうか。そんなに俺と結婚するのが嬉しいか。それは良かった。」
褌の村人が何を話そうがどうでも良くなった。
春くんの言う通り、何としても翔馬を助けなければいけないと思った。
そのためには、まず俺がこの男から逃げなければならない。
でも一体、どうすればいいのか、考えが思いつかなかった。
「そういやもうすぐ、綺礼様の結婚式も行われるんだっけな。ついでに俺たちも一緒に式を上げようか?」
それは願ってもいないことだった。
このまま褌の村人に連れて行かれれば、翔馬に会えるはずだ。
その時、上手いこと誤魔化して、翔馬を連れ出せるかもしれないと考えた。
「はい!よろしくお願いします!!」
なので俺は、右手を上げて、歓迎しています感を出してみた。
すると褌の村人は俺を抱き抱えた。
しめしめ、うまくいったぞ。
そう思った時だった。
突然何かがぶつかったような衝撃とともに、俺と褌の村人が前に吹っ飛ばされ、俺も床に体から落ちてしまった。
「いったた……。一体なん………っ⁉︎」
腰をさすりながらゆっくり体を起こすと、マンガみたいたな大きなハンマーを持った春くんの姿が見えた。
そのハンマーには、10トンと書かれていた。
「うわーーー!殺人だよ、春くん!!」
俺がその場で叫ぶと、春くんが睨みつけながら俺ににじり寄ってきた。
「なんだよ…。せっかく助けてやったのに。」
「だってこれ、ハンマーじゃん。鈍器だよ、鈍器!よくて傷害罪じゃん!!」
すると春くんは、呆れたようにため息をついた。
「バーカ。これのどこが鈍器だよ。」
「?」
確かによく見ると、フォルムが丸いような気がして、俺は春くんに近寄った。
なんとそれは、屋台とかでよくある、風船で出来たハンマーだった。
というか、そんなものであいつをぶっ飛ばせるなんて、どんだけ力強いんだよ…。
しかし、予定外のことが起こり、俺の作戦が失敗してしまったではないか。
そう思うと、感謝というよりも腹立たしさが上回った。
「……って、どうした?何か不満でもあるのか?」
「ううん、別に……。」
だが、春くんに口答えしたところでロクなことにはならないので、言葉を飲み込んだ。
「……いっ…てて………。よくも、やりやがったな……!」
ギョッとして振り返ると、何と褌の村人がヨロヨロと立ち上がっていた。
「うわーーん!春くん、助けてえええ!!」
咄嗟に俺は、春くんの背中に隠れた。
それを見た春くんは、呆れたようにため息をついた。
「って、お前…。3人組の1人じゃないか!こんなところで何してんだ?」
そう言って褌の村人は、春くんを指さした。
それをやれやれとした様子で見ていた春くんは、ゆっくりと歩み寄ろうとした。
「待って!忘れたの?あいつは空手10段の腕前なんだよ。今度はけちょんけちょんにやられちゃうよ!!」
俺は春くんの腕を引っ張って、必死で止めようとした。
しかしあっさりと腕を払われ、春くんは褌の村人に歩み寄った。
「何してるかだと?決まってるだろ。俺の嫁を取り戻しにきたんだ。」
嫁……?
翔馬の事を言っているのだろうか。
「なあ、そうだろ……。」
褌の村人の前で立ち止まった春くんは、振り向いて俺を見つめてきた。
って、嫁って、俺の事かーーい!!
春くんの言動が全く読めず、俺は訳がわからなくなった。
「バカ言え。あの子は俺のもんだ。邪魔だてするなら、容赦しないぞ……。」
「ふんっ。俺に、勝てると思うのか?」
まさかの強気発言に、俺の方がヒヤヒヤした。
俺の忠告も聞かないなんて、どんだけ自信過剰なんだよ。
その後は両者睨み合い、褌の村人は股を開きながら頭の上で手を合わせる構えになった。
「受けてみろ。俺の必殺奥義を──っ⁉︎」
バコンッ!!
なんと春くんは褌の村人を無視して、いきなり風船ハンマーで脇腹を叩きつけた。
油断していた褌の村人は、脇腹を押さえながらその場に崩れ落ちた。
「アホだな。隙だらけなんだよ。」
つくづくバカにしたような態度に、褌の村人は堪忍袋の尾が切れたように、顔を真っ赤にした。
「もう、許さんぞ!このゴミカス坊主がーーー!!」
激怒した褌の村人が、春くん目掛けて突っ込んでくる。
「まずい……っ。逃げてーー!!」
褌の村人が右手から繰り出す一撃を、春くんは余裕で攻撃をかわした。
その後も何度も攻撃をかわした春くんは、一瞬で背後を取ると、風船ハンマーで背中に一撃を叩き込んだ。
その光景を見た俺は、呆然とするしかなかった。
たまらず褌の村人が背中から倒れ込むと、すかさず春くんが馬乗りになり、褌の村人の両手を押さえた。
「このままボコってもいいんだが、翔馬の居場所を言えば、見逃してやる。」
そう言って春くんは、勝ち誇ったようににやりと笑った。
「いっ…言います!確かこの先を真っ直ぐ行って、突き当たりを左に曲がった先にある階段を登ったところの正面にある、大きな扉の部屋です!!」
あまりにもあっさりと翔馬の居場所が判明し、肩透かしを喰らった気分だった。
褌の村人を倒した春くんは、立ち上がると早足でこちらに戻ってきた。
「春くん、そんなに強いなら最初から言ってよ……。どうなるかとヒヤヒヤしたじゃんか!」
すると春くんは、さもめんどくさそうな顔をした。
「あのな、あっさりと不意打ちできたとこで気づくだろ。空手10段なんて、真っ赤な嘘だな。」
何と、俺は騙されていたのか!
そう分かると、途端に自分が恥ずかしくなった。
「って、それよりもだ。早く翔馬のところに行くぞ。」
「えっ、正面から殴り込み?さすがに無謀だよ。」
いくらなんでも無謀なので、今度こそは全力で止めようと、春くんの腕にしがみついた。
「アホか。まずは潜入して、翔馬がいることを確認したら、隙を見て連れ出すんだよ。」
そう言うと春くんは、急に走り出した。
こんな場所に置いていかれるわけにはいかず、俺も懸命に走り出した。
男と結婚するなんて、死んでもごめんだった。
翔馬もきっと、同じ気持ちだったんだろう。
そう思うと本当に悪いことをしたと思い、涙が溢れた。
「そうか、そうか。そんなに俺と結婚するのが嬉しいか。それは良かった。」
褌の村人が何を話そうがどうでも良くなった。
春くんの言う通り、何としても翔馬を助けなければいけないと思った。
そのためには、まず俺がこの男から逃げなければならない。
でも一体、どうすればいいのか、考えが思いつかなかった。
「そういやもうすぐ、綺礼様の結婚式も行われるんだっけな。ついでに俺たちも一緒に式を上げようか?」
それは願ってもいないことだった。
このまま褌の村人に連れて行かれれば、翔馬に会えるはずだ。
その時、上手いこと誤魔化して、翔馬を連れ出せるかもしれないと考えた。
「はい!よろしくお願いします!!」
なので俺は、右手を上げて、歓迎しています感を出してみた。
すると褌の村人は俺を抱き抱えた。
しめしめ、うまくいったぞ。
そう思った時だった。
突然何かがぶつかったような衝撃とともに、俺と褌の村人が前に吹っ飛ばされ、俺も床に体から落ちてしまった。
「いったた……。一体なん………っ⁉︎」
腰をさすりながらゆっくり体を起こすと、マンガみたいたな大きなハンマーを持った春くんの姿が見えた。
そのハンマーには、10トンと書かれていた。
「うわーーー!殺人だよ、春くん!!」
俺がその場で叫ぶと、春くんが睨みつけながら俺ににじり寄ってきた。
「なんだよ…。せっかく助けてやったのに。」
「だってこれ、ハンマーじゃん。鈍器だよ、鈍器!よくて傷害罪じゃん!!」
すると春くんは、呆れたようにため息をついた。
「バーカ。これのどこが鈍器だよ。」
「?」
確かによく見ると、フォルムが丸いような気がして、俺は春くんに近寄った。
なんとそれは、屋台とかでよくある、風船で出来たハンマーだった。
というか、そんなものであいつをぶっ飛ばせるなんて、どんだけ力強いんだよ…。
しかし、予定外のことが起こり、俺の作戦が失敗してしまったではないか。
そう思うと、感謝というよりも腹立たしさが上回った。
「……って、どうした?何か不満でもあるのか?」
「ううん、別に……。」
だが、春くんに口答えしたところでロクなことにはならないので、言葉を飲み込んだ。
「……いっ…てて………。よくも、やりやがったな……!」
ギョッとして振り返ると、何と褌の村人がヨロヨロと立ち上がっていた。
「うわーーん!春くん、助けてえええ!!」
咄嗟に俺は、春くんの背中に隠れた。
それを見た春くんは、呆れたようにため息をついた。
「って、お前…。3人組の1人じゃないか!こんなところで何してんだ?」
そう言って褌の村人は、春くんを指さした。
それをやれやれとした様子で見ていた春くんは、ゆっくりと歩み寄ろうとした。
「待って!忘れたの?あいつは空手10段の腕前なんだよ。今度はけちょんけちょんにやられちゃうよ!!」
俺は春くんの腕を引っ張って、必死で止めようとした。
しかしあっさりと腕を払われ、春くんは褌の村人に歩み寄った。
「何してるかだと?決まってるだろ。俺の嫁を取り戻しにきたんだ。」
嫁……?
翔馬の事を言っているのだろうか。
「なあ、そうだろ……。」
褌の村人の前で立ち止まった春くんは、振り向いて俺を見つめてきた。
って、嫁って、俺の事かーーい!!
春くんの言動が全く読めず、俺は訳がわからなくなった。
「バカ言え。あの子は俺のもんだ。邪魔だてするなら、容赦しないぞ……。」
「ふんっ。俺に、勝てると思うのか?」
まさかの強気発言に、俺の方がヒヤヒヤした。
俺の忠告も聞かないなんて、どんだけ自信過剰なんだよ。
その後は両者睨み合い、褌の村人は股を開きながら頭の上で手を合わせる構えになった。
「受けてみろ。俺の必殺奥義を──っ⁉︎」
バコンッ!!
なんと春くんは褌の村人を無視して、いきなり風船ハンマーで脇腹を叩きつけた。
油断していた褌の村人は、脇腹を押さえながらその場に崩れ落ちた。
「アホだな。隙だらけなんだよ。」
つくづくバカにしたような態度に、褌の村人は堪忍袋の尾が切れたように、顔を真っ赤にした。
「もう、許さんぞ!このゴミカス坊主がーーー!!」
激怒した褌の村人が、春くん目掛けて突っ込んでくる。
「まずい……っ。逃げてーー!!」
褌の村人が右手から繰り出す一撃を、春くんは余裕で攻撃をかわした。
その後も何度も攻撃をかわした春くんは、一瞬で背後を取ると、風船ハンマーで背中に一撃を叩き込んだ。
その光景を見た俺は、呆然とするしかなかった。
たまらず褌の村人が背中から倒れ込むと、すかさず春くんが馬乗りになり、褌の村人の両手を押さえた。
「このままボコってもいいんだが、翔馬の居場所を言えば、見逃してやる。」
そう言って春くんは、勝ち誇ったようににやりと笑った。
「いっ…言います!確かこの先を真っ直ぐ行って、突き当たりを左に曲がった先にある階段を登ったところの正面にある、大きな扉の部屋です!!」
あまりにもあっさりと翔馬の居場所が判明し、肩透かしを喰らった気分だった。
褌の村人を倒した春くんは、立ち上がると早足でこちらに戻ってきた。
「春くん、そんなに強いなら最初から言ってよ……。どうなるかとヒヤヒヤしたじゃんか!」
すると春くんは、さもめんどくさそうな顔をした。
「あのな、あっさりと不意打ちできたとこで気づくだろ。空手10段なんて、真っ赤な嘘だな。」
何と、俺は騙されていたのか!
そう分かると、途端に自分が恥ずかしくなった。
「って、それよりもだ。早く翔馬のところに行くぞ。」
「えっ、正面から殴り込み?さすがに無謀だよ。」
いくらなんでも無謀なので、今度こそは全力で止めようと、春くんの腕にしがみついた。
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