“魔剣" リルムリート

さよなら本塁打

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第二章 大隅秘湯、夜這い旅? 人気ゴルファーの謎

第31話 Gカップモミモミ大作戦?

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「おっぱいを揉んで……」 


 隼人の手を自分の胸に当て、和美は言った。 


「ええッ?」 


 と、隼人。目の前のド迫力Gカップバストがもたらす感触は立派なものである。この大きさで、脈打つ心臓の鼓動を感じることが不思議に思えた。 


「そ、それとゴルフと、なんの関係があるの?」 


 それはもっと不思議に思えることである。だから隼人は訊いてみた。 


「それは……あなたが大人になったら、わかるわ」 


 和美は上着を脱ぎ捨てながら、そう答えた。中は、クリーム色のセーターだ。 


「今は時間がないわ。猪熊に勝つためよ。とにかく揉んで頂戴、隼人くん……」 

「いいの?」 

「いいわ」 


 隼人は従うことにした。揉んでみたかった逸品ではある。 


「い、いくよ……」 

「ええ……」 


 隼人は揉んだ。セーターの上から。最初は軽く。 


「んんッ……」 


 和美は小さな声で喘いだ。柔らかいのにハリがある。素晴らしい胸だと隼人は思った。 


「も、もっと、強くして頂戴……」 


 熱い息を吐きながら、和美は頼んだ。 


「これじゃ、物足りないわ……」 

「で、でも……痛くならないの?」 

「大丈夫よ、お姉さんのおっぱいは頑丈だから……」 


 隼人は懸命に揉み続けた。 


「あ、ああっ……」 


 和美は感じている。その顔は、まあまあ色っぽい。 


「あ、はぁ……ンッ……ああっ」 


 ハスキーボイスが裏返り、高い声で喘ぎはじめる。誰かに聴かれやしないかと隼人は心配になった。 


「ちょ、“直接"、して……」 


 和美は着ているセーターの裾をまくり、その中に美少年の手を誘った。 


「か、和美さん……?」 

「い、いいのよ……隼人くんになら、あげるわ……」 


 隼人の華奢な手にレースの尖った感触がある。ブラジャーだ。彼は、その上から強く揉みしだいた。 


「あ、ああっ……はぁッ……いい、気持ちいいわ、隼人くんッ……!」 










 和美と猪熊のドライバー勝負が行われる18番ホールのティーグランドに皆がそろっていた。 


「遅いですなァ……」 


 と、猪熊。派手な高級腕時計を見ながら言った。 


「さては逃げましたかな、ウヒョヒョヒョヒョ」 

「だ、大丈夫です!」 


 敏子が言った。和美が約束を破るなどとは思っていない。問題は勝てるか否か、である。 


「来たぜ」 


 坊主頭が指差した。その方角から隼人と和美が歩いて来る。 


「ほう、来ましたか」 


 猪熊はシャツの腕をまくって言った。ゴツく逞しい。さすがプロゴルファーである。 


「お待たせしました」 


 と、和美。隼人から存分に揉まれまくった巨乳を張って言った。やけに自信満々ではないか。なにか“秘策"があるのか。 


「ちょっと、隼人くん……」 


 敏子が隼人の手を引っ張り、耳元で訊いた。 


「へ、変なこと、されなかった?」 


 彼女は心配した。隼人に欲情した和美から、いやらしいイタズラを受けたのではないかと。目の前の少年の美貌は女を狂わせるものであることは、敏子も身をもって知っている。 


「え、いや。し、してないよ」 


 やけに歯切れの悪い隼人の返答。だが、嘘はついていない。どちらかと言うと、変なことを“した"のは隼人のほうである。彼は豊満なGカップを散々に“堪能"したのだ。 


「な、なら、いいけど……」 


 と、敏子。ほっとAAカップの胸をなでおろす。 


「では、ルールを説明しましょう、ウヒョヒョヒョヒョ」 


 猪熊は、右手に持ったドライバーを水平に向けた。その先にバンカーに囲まれたグリーンが見える。ティーグラウンド脇に設置された立て看板が標識する距離は380ヤード。ミドルホールであるが、ドライビング競争には充分だ。 


「遠くに飛んだほうを勝ちとします。ただし、フェアウェイを外した場合は失格。良いですかな、ウヒョヒョヒョヒョ」 

「わたしが勝った場合は、彼らの“退校"を取り消してくれるのですね?」 

「武士に二言はありませんな、ウヒョヒョヒョヒョ」 


 和美の言葉に猪熊は笑った。 


「だ、大丈夫なのかよ?」 


 モヒカンが言った。 


「あたいらの人生がかかってるんだよ?」 


 と、金髪娘。 


「勝てるのかよ?オバサン」 


 最後にブルドッグ娘。坊主頭を除いた不良たちは三者三様に言いたいことを言う。 


「あなたたちのために全力を尽くすわ。その代わり……」 


 和美は、問題児たちを睨みつけた。 


「もし、わたしが勝ったら、二度と悪さをしないと誓いなさい。“更生"すると約束なさい」 


 その言葉に、不良たちは顔を見合わせた。 


「いいぜ」 


 言ったのは坊主頭だ。 


「あんたを信じるよ。ここを追ン出されたら、俺ら行くとこはねえんだ」 

「本当ね?緑さんにも絡まないと約束出来るわね?」 

「ああ」 


 坊主頭は答え、全員が頷いた。 


「緑さん……」 


 言って和美は、緑を見た。 


「なぜ、あなたは彼らのことを庇うの?ずっと絡まれていたのでしょ?」 


 その質問に少し間を置き、緑は答えた。 


「庇っているわけではありません。ただ、わたし、このスクールが好きなんです」 


 言って彼女が見上げた空は青く美しい。それは緑の親切な心を映し出す鏡なのか。 


「引きこもりだったわたしに居場所をあたえてくれたこのスクールが。そして、元の校長先生に戻ってほしいんです」 


 かつての猪熊は暴力的であった。だが、どんな問題児にも体当たりで接する熱血指導者だった。“神風ガール"林原緑の人気とともに彼も注目され、変わってしまったのだ。地位は人を狂わせる。 


 その猪熊は黙って聞いていたが、やがて口を開いた。 


「話は終わりましたかな?」 


 和美は頷いた。 


「では、始めるとしますかな、ウヒョヒョヒョヒョ」 


 と言って、猪熊は手を出した。じゃんけんのポーズだ。 


「勝ったほうが先でどうですかな?」 

「あら?プロのお手本を見せていただきたいものですわ」 

「いいでしょう、ウヒョヒョヒョヒョ」 


 和美と猪熊の間で、すでに心理戦が行われているようである。先手と後手のどちらが有利なのかは、人によるものだ。 


 猪熊は地面にティーを刺し、その上にボールを置いた。ドライバーを構え、アドレスに入る。 


「良いですかな?これがプロの“手本"ですよ、ウヒョヒョヒョヒョ」 


 頭より高い位置にグリップを上げ、いったん静止する。次の瞬間、溜められたパワーが一気に解放された。強烈なスイングは一瞬でトップスピードに入った。 


「おおっ!」 


 その場にいる全員が声をあげた。猪熊の打球はカン高い音を残し、凄まじい勢いで飛んだ。それは超会心の当たりだった。






 
 
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