“魔剣" リルムリート

さよなら本塁打

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第三章 怪奇、幽霊学習塾! 退魔剣客ふたたび

第27話 いやらしい久美子

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『犯せ……犯せ……』 


 頭の中に響くしゃがれた声に従い、久美子は、その美しい唇で、隼人に口づけた。 


『我が“妻"よ……おまえは本来、淫蕩な性……』 


(そう、私は淫蕩……) 


 自覚は行動を生む。甘い舌をねじ込んだ。 


「ん、んんっ……」 


 隼人は呻いた。眠っている彼に意識はない。いやらしい久美子は、幼い口中を絡めとった。 


 “ぐちゅり……ぐちゅり……" 


 互いの舌が舐め合う音がする。なぜ、隼人は応じるのか?無意識の中で発揮される男の本能なのか。 


『淫乱な我が妻……少年の性と精を、吸い尽くせ……』 


 頷いた久美子は、ネグリジェを脱いだ。中に下着は着けていない。圧倒的な美しさを誇る白い裸身と妖しく光る目が暗闇の中、浮かび上がる。そのまま、隼人の股間に跨がった。 


 体に圧がかかっても、美しい少年が目覚めることはなかった。よほど眠りが深いのか?それとも“神"の力か?裸の久美子は隼人に覆いかぶさり、そして、またしても唇を吸った。 


『嬲れ……』 


 頭に響く声が命じた。隼人は久美子のトレーナーを借りている。口を離し、厚いその裾をまくると、幼い少年の瑞々しい肌が露出した。 


 “ぺろり……" 


 久美子は、滴るほど存分に唾液がついた舌で、隼人の乳首を舐めはじめた。 


「ああ……」 


 喘ぐ隼人。彼はそのまま、ほそい手で久美子の髪を抱いた。感じているのだ。 


「フフッ……気持ちいいの、隼人?」 


 久美子が発した声は小さい。相手の少年の耳に届いただろうか。何度も何度も、舐めてやった。 


「ああ……はぁっ……」 


 そして、何度も喘ぐ隼人。愛らしい顔が官能を浮かべている。本当に美少女のようだ。だが、ズボンの中が盛り上がっていた。それは、彼が男である証である。 


「その“立派な"あそこにも、してほしいのね……?」 


 隼人の耳元で久美子が囁くように訊いた。返答はない。


「フェラって、知ってる?」 


 その質問にも無回答である。この少年は眠っているのだ。 


「私が、教えてあげる……」 


 久美子は体をずらし、隼人の下半身に手をかけた。ズボンを脱がすと、まだ毛が生えていない性器がぷるんとあらわれた。そそり立っている。 


「女が、男の“ここ"を、舐めることよ」 


 久美子は、その美しい唇を近づけた。勃起した隼人の一物に甘い吐息がかかる距離まで。そのまま、咥えようと口を開いた。 


「たすけて、お母さん……」 


 隼人の寝言を聴いたとき、久美子は我にかえった。 


(私、なにを……?) 


 片手で自分の胸を抱くようにした。ネグリジェを脱ぎ捨て、裸になっている。目の前に逞しく立つのは隼人の性器ではないか。 


(一体、私は……?) 


 母親に助けを求めるほどに幼い少年を、今、犯そうとしたのだ。その寝言を聴かなければ、久美子は隼人に口淫するところだった。










 首払村で、“化け物"に“指姦"されて以降、久美子の身体は、何らかの変調を遂げていた。 


 触手に両手を吊るされ、完全に無防備となった久美子の目の前に口だけがある“のっぺらぼう"がいる。ある女に取り憑いていた。自身を“神"と呼ぶ、人外の化け物である。 


 洞窟内の闇の中、黒い下着姿の久美子の全身が濡れ光っていた。修道服を切り裂き、美しい身体を舐め回した触手の体液のせいだ。それは、神のもたらす“前戯"だったのか?久美子は感じた。熱い息を吐きながら……


 汗ばみ、匂い立つ白い腋を散々に舐めたのち、化け物は指を差し出した。その爪先が光る。 


「神である我を冒涜した罪、その身体で償ってもらおう」


 次の瞬間、吊るされた久美子は激しく痙攣した。光る爪を鎖骨のあたりに当てられた途端、強烈な性的快感に襲われたのである。 


「感じたか?」 


 そう問われ、久美子は首を振った。最後の意地だった。


「そうか……」 


 化け物は、光る爪を久美子の黒いブラジャーに当てた。ちょうど乳首の位置である。 


「あっ……」 


 身をよじる久美子が声をあげた。 


「駄目……」 


 次に拒絶した。おかしくなりそうなほどに、気持ちが良かった。 


「我に命ずるか……?」 


 化け物は、さらに久美子の乳首をつついた。 


「あ……ああっ……はぁっ……」 


 耐えきれず、喘いだ。神から与えられる快楽とは、こんなにも良いものだと感激した。処女である久美子の身体は、人間の男より先に人外の快楽を知った。もう、普通の恋愛などでは物足りないと思った。 


「感じたか?」 


 もう一度、訊かれた。今度は頷いた。久美子の意地は、簡単に消し飛んだ。目の前の化け物は敵であり、倒すべき相手である。だが、それに陵辱されている。 


「はぁっ、ひあっ……!」 


 高い声で喘ぐ久美子。化け物の指が汗で濡れる腋に移った。そこから発散される雌の匂いこそ久美子の淫靡な体臭なのだ。むせるほどに洞窟の中に充満している。 


「やはり、ここが好きなようだな……」 


 両手を触手に吊るされているため、白い腋は完全にがら空きとなっている。化け物は光る爪で、そこに円を描くようにした。 


「あぁ……もう、もうやめて……」 


 久美子は哀願した。 


「やめてほしいのか?」 


 化け物が指を引こうとした。 


「いや……いやよ……」 


 と言う久美子の声が“神"に媚びはじめた。 


「やめないで……腋の下、やめないで……」 


 自分が狂いはじめたという自覚はあった。だが、心と身体は別物である。 


「私、脱毛したのよ。元々、腋毛は濃かったの……」 


 だから、おかしなことを言いはじめた。 


「もっと、して……」 


 それを聞き化け物は、またも久美子の腋を責めはじめた。光る爪で、くすぐるようにする。 


「はぁぁ、はぁぁ……ひ、はひいいぃ……」 


 高い喘ぎ声を発する美しい唇から涎が流れ始めた。顎を滴り、黒いブラジャーに覆われた胸に落ちる。豊かなバストサイズを誇るため、感じるたびに揺れる。 


「も、もっと、もっとぉ……」 


 久美子という女の本性が顔を覗かせた。馬鹿な男どもにいやらしい目で見られることが大好きだが、いやらしいことをされるのも好むようである。恥を感じぬ心と白い身体に淫乱の花が咲いた。


「まだ男を知らぬか。“ひとりでする"のは良いか?」 


 化け物が問うた。久美子は頷いた。 


「ええ、好きよ……」 


 無口な彼女が、自慰行為について饒舌に語りはじめた。 


「初めてしたのは高校生のときだったわ。週刊誌のいやらしい漫画を読んだのよ。地味なヒロインが若い社長とオフィスでセックスをしていたわ……」 


 それで興奮したことがきっかけとなり、久美子は自慰が大好きな女になった。 


「定期的によくしてるのよ。ベッドの上やお風呂場で。とても気持ちが良いことなのよ……」 


 それを聞いた化け物の指が半透明化した。そのまま位置を黒いパンティに移す。常にいやらしい下着を穿くような女である。 


「なにをする気……?」 


 股間に危機を感じ、久美子は訊いた。 


「いや……“そこ"は、駄目……」 


 だが、無慈悲にも化け物は半透明化した指をパンティに突き刺した。どのような“力"なのか?それは布を貫通し、久美子の下腹と一体化するように溶け込んだ。 


「はああああっ……ひぃああッ!」 


 叫び、喜ぶ久美子。素晴らしい快感である。“神"の性技は、女の理性など簡単に崩壊させる。 


「ああっ……気持ちいィッ、気持ちいいわ……!」 


 抵抗などしない。久美子は快楽にひたった。涎を流す口元が笑っていた。そして、愛液を流す性器は燃えていた。身も心も、すべてが狂っていた。 










 夜中、久美子は目を覚ました。また、あの夢を見たのである。首払村で、人外の快楽に犯されたときの、あの夢を…… 


 隣に寝息をたてている隼人の顔がある。正気に戻ったあと、彼の着衣を戻し、自分もネグリジェを着なおして休んだ。だが、睡眠は中断された。 


(こんなときに……) 


 久美子は頭を抱えた。横に隼人がいるにもかかわらず、たまらなく自慰をしたくなった。あの夢を見たあとは、いつもこうなる。“神"の指姦を受けた女は、いやらしいことが大好きだ。 


(ああ、“恋人"よ……) 


 久美子は普段、そう呼ぶ“物"をベッドの下から取り出した。市内のアダルトショップで買ったそれは、あのとき味わった快楽に近づきたいがため、そばに置いている。神に陵辱された美しい身体は、性欲から解放されるため、ときに“道具"を必要とした。 


(起きちゃ駄目よ、隼人君……) 


 横で眠る少年の寝息を再度、確認した久美子はスイッチを入れた。低い駆動音が鳴る。秘部に当てた。 


「んんっ……」 


 隼人を起こさぬよう、極力、声を我慢した。気温が低いため、熱い息が白く立ちのぼる。 


 久美子はもう一度、隼人にキスをした。目の前の美しい彼を犯したいという欲望にも同時にとらわれていた。それは“神"がもたらしたものなのか?あるいは美少年の危うい“魔力"なのか?


(この子の身体がだめなら、せめて唇だけでも……) 


 と、思ったのだ。だから隼人の唇を吸いながら、道具で自慰をした。久美子の濃い唾液が口内で粘着し、互いの舌がいやらしく鳴った。


「ん、んんッ……はあぁっ……」


 駆動する“道具"が久美子の性器を刺激する。たまらず、声が出た。上下の口が粘っこい液体を分泌していた。
 
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