花美哉

hamiru

文字の大きさ
38 / 54
一章 2033年

38 NHKマイルカップ 2033

しおりを挟む

「富士が綺麗だ」
花美哉は愛も変わらぬままに富士山を眺めていた
紺碧の空に積乱の雲、積雪の白がはっきりと確認できた、、5月の富士は霞が掛かることも多く全貌を表すことは稀だが、今日は鹿と確認できた
静岡ハミル牧場では鹿も放牧している
さて、ハミヤ
3歳になった今、デビューが近づいていることは当馬も認識している
「ハミヤどうだ、調子は?」
牧場主のユタタが寄ってきて、花美哉の頸あたりに手を置いた
「ちょっともう少し走り込みたいかな」
「茨城調教場ではもっと確かな訓練ができるぞ」
「うん、わかってる。しかし・・」
「なんだ」
ユタタが花美哉の鼻梁の星を見つめた
「富士とお別れか・・」
其れから視線を逸らし、人間を見つめ、微笑んだ



・・・・

キッスクという生物が有る
人間の言語を話す動物だ

・・・・

5月11日
府中競馬場  パドック
「めんどくせぇな」
「まあそう言うな、ガキ、、熊杯の試走だと思ってさ、気楽に行こうぜ」
「なんだよ、負ける訳にはいかねえだろ。こんなところで」
「そうかい、随分とやる気じゃないか」
「H1だろ」
「ああ、そうだ」

・・・・



「おおーと、てやんでえ。こりゃやべえぞ!ガキの末脚炸裂だ!あらよっと、4馬身差の楽勝だ。H1 風杯を制したのはガキとホーナーの疾風コンビ。4戦4勝」

1.32.4

東京の空、おぼろ斑の高積雲が碧空を漂っていた
G調教師が3歳男馬のガキと鞍上ホーナーを検量室前で迎えた


「良くやったぞ、ガキ」
「へっと、当然よ。こんなとこで負けてられるか」
「足は大丈夫か」
「ああ、大丈夫だ。なんともねえ」
「そうか、骨折明けの不安心がややもあったが、杞憂に終わったようだな」
ホーナーが下馬して鞍を外す
「これで、大一番は万全で向えます」
「ああ、ホーナーありがとう。あとは滋賀で軽めの調教とガキの好きなプールで調整していくよ」
勃如、残留していたガキのアドレナリンが雄叫びを上げた
オギャーン!


4歳牡馬 クラシック四冠
第2戦 熊杯へ

2025/6/1
日本ダービー

・・・・

ミノリとピンタの母娘馬が寄り添っている
「あっ!おにいちゃーん」
「ハミヤ」

白い馬体が、黄の母ミノリ、桃の妹ピンタ、に近づいてきた
「母さん」
静岡ハミル牧場のネモフィラ絨毯、ではなかった
彼の口に咥えられていたのは、母さんの毛ヅヤと同じ
「いつもありがとう」
菜の花だった





#HAMIRU
#花美哉
#ピンタ
#ミノリ
#ユタタ
#ガキ
#ホーナー
#G
#花美帝平和
#20250511


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

処理中です...