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2章 熊と人
107 ハミルな夜
しおりを挟む名古屋の夜が更けていく
今夜も男女は酒を飲み、
愛や恋や偽りを語り合う
キャバH
ホストH
H BAR
「私は日本一のキャバ長になるのが夢なんです」
「う、うん」
「キャバHから認められキャバmを任せてもらうんです。そしていずれ本家のキャバHの幹部になりたいんです」
「う、うん」
キャバ嬢メルメが夢を客に語る
ハミルカンパニーの若手社員シュンだ
「今日も親分と一緒なんですね、シュンさん」
「い、いや。親分じゃなくて、上司ね!僕たちは普通の会社員だから」
「出世されるといいですね。いずれは若頭とか」
「ご、極道・・」
元来口下手のメルメは思案した
接客が上手にできなかった
そこで若い女性に珍しい任侠映画好きという特性を活かして、店長のハツトと共に任侠風接客を確立させていた
その頃から、もの珍しさを面白がった客の指名が少しずつ取れ始めていた
キャバHではNo3のキラコが師走に、キャバkを出店することが決まっている。いわゆる系列店でキャバkのキャバ長はキラコに任せられる。
No.2のアオナもいずれ、キャバaを出店させることが計画されている。
総本山のキャバHのキャバ長は当然、
日本の女
ヒノメ(日ノ女)
キラコはキャバkの出店準備に向けて
札幌へ発った
北条征伐により小田原を平らげた後、秀吉が家康に関東移封を命じていなかったら今日の首都はどこになっていたか
家康を警戒した秀吉はタヌキを大坂・京都から遠ざけ、北条の旧臣多く残る、縁もゆかりもない関東の統治を命じた
江戸を拠点と定めた家康は、土木事業や水道整備を見事に進め関東開発を成功させた
家康の資産と労力の消耗、北条残党による一揆、反乱により家康の力を削ぐことを目論んだサルの関東移封の企みは破れ、
江戸、関東で更に戦略を増強させた狸に
猿の一族は退けられた
江戸はそのまま今日の日本の中心のまま、
豊臣秀吉による徳川家康への命令、下知の声は、
東京にも厘毛に響いている
NOBUNAGA
ホストHのオーナーマサナはこの名古屋の地から全国展開を目論む
ODA
織田信長
・・・・
「ハニーさんいらっしゃいませ」
「うん、スミカ」
「本日も羞花閉月の如き姿を拝見できて光栄です」
「ありがとう」
「お会いすることができまして感謝します」
「スミカ、ずっと私の物でいてね」
「はい。私はハニーさんの凛とした佇まいに想いを馳せています。貴方に会えない時間は、一日千秋の心持ちでハニーさんを思慕しています」
No.1スミカは上客ハニーと席に着いた
住処は中低音バリトンの声質を持っていて、落ち着いた心地、雰囲気の男だ
コールなども必要な限り敬遠して、若い層ではなく裕福な女性たちがお客様についた
上客、太客を何人ともなく抱えていた
落ち着いた雰囲気、低めにかかる声調と言葉で女性を湿らした
・・・・
マサナ 信長
ロック 光秀
ニャン 秀吉
スミカ 家康
クウハ ・・
ユウマ ・・
いずれにしても愛知の出であった
・・・・
C子が来月開店予定のBARの支度を整える
テキーラ系を得意とするT子
マティーニが必殺のM子
女たちのカクテルアルファベットが始まる
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