3 / 4
安息の地
しおりを挟むふ、ふははははは、生きている、生きているぞ!!余の勝利だ!
余を滅ぼそうとした忌々しい人間の勇者を次元の渦に巻き込んでやったのだ。脆弱な人間の肉体があの衝撃に耐えられるとは思えない。
余は身を起こそうとして震えた。
なんということだ、余の美しい肉体はどうなってしまったのだ。長い手足は、夜の闇のように美しい髪は、顔は…。
『みぎゃぁ…』
声まで失われたというのかぁぁぁ…。
「ん?ねこ?」
くっ、失態だ。人間の気配に気がつかないなど余にあるまじきこと。
だが余は為すすべもなく人間に捉えられ、手足の自由を奪われ箱に詰められ惨めな囚われの身になってしまった。
傷口を焼くような痛みをこらえ、針を刺されても我慢し、尻を洗われる屈辱にも耐えて一時はどうなるかと思ってはいたが、なんだこれは。
ふにゃふにゃとして温かく、くっついているととろとろと眠りを誘うこれは…。
「先生、ありがとうございます、先生のおかけでこの子安心しきって眠ってます」
なに、余は眠ってなどいにゃい…目をめをつぶっている…だ…け…ふにゅぁぅ…
「いや、君が助けたようなものだよ。君が見つけて連れてこなければそのまま死んでもおかしくない状態だったんだから。」
「そ、そんな。先生の処置がすごいからですよ。…それにしても靴下に生米入れてチンしただけなのに、これに猫くっついて離れないんだけど、お母さんだと思っているのかなぁ…」
だれかが余の体に触れて撫でた。
…ぬぬ!またしても断りなく余の体に…!
ふれ…ふれる…にゃど……ふにゅう…よし、許す。撫でよ。撫で続けよ。
お前たちを世話係に任命してやろうではないか…。
この愚かな人間を支配し、この世界を支配する手始めとしてやる。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる