37 / 120
どうも魔法少女(おじさん)です。【2】~聖女襲来!?~おじさんと王子様が結婚するって本当ですか!?
【12】波乱の婚約式~なにごともないわけないよな~ その1
しおりを挟む「母上、どうしても反対だとおっしゃるのですか?」
王宮。準妃の別宮。その主たる準妃の私室にて。コンラッドにロジェスティラは困ったようにその細い眉をしかめる。
「あなたこそどうして、準妃が必要な制度だとわからないのです? 王家直系の血が途切れることなく、連綿と続いてきたのは、これがあればこそ」
「ただ一人の正妃ではなく準妃を認めることで、他の愛妾の存在をも許し、多くの女性達の嘆きを誘ってきたこの因習が今さら必要ですか?
母上、あなたとて父上がよそに心を移す度に心を痛めてきたはずだ」
「コンラッド!」とロジェスティラが声をとがらせ、それにハッと気づいた表情をした彼は「すみません」と謝罪を口にする。
ロジェスティラは姉である正妃アルチーナに対して、準妃である己の立場をわきまえてその影に徹してきた。王が新しい愛妾を迎える度に苛立ちの態度を隠そうともしないアルチーナに対して、彼女は常に沈黙を保った。
万事に対して出過ぎることはなく控えめ。王と王妃と王家に対して誠実であり従順というのが、世間の彼女に対する評価だ。
それは正妃アルチーナの正体が暴かれ彼女が国の記録から抹消されても変わらない。国の第一の女性となっても準妃ロジェスティラは一歩引いた態度をとり続けた。
「シオンはまだ若く、この国のことも王家の血を残すことの重要さもわかっていないのです。フォートリオンの王が聖王グラフマンデ様から続く、ただ一筋の血であることがどれほど尊いかも。
王妃となった歴代の魔法少女達はすべておりあいをつけて、準妃の大魔女を迎えてきました。彼女とても時間をかければ、きっとわかってくれます」
「それは私が王となることを前提に母上は話されておられますか? 序列2位にはジーク・ロゥもいるというのに」
低くなったコンラッドの声に、ロジェスティラは一瞬、しまったという顔をしたが「皆、あなたに期待しているのです」と口を開く。
「誰が誰に期待していると? それは母上ですか? 元老院の貴族達ですか?」
「ジーク・ロゥ殿下は確かに優秀な方です。ですが、あなたは正妃の子無き今、このフォートリオン王の“正統なる”嫡男なのです。愛妾の子とは格が違います」
「それがあなた達の本音だ。そんなに愛妾の子が認められないというならば、逆に準妃も愛妾も持たないという私とジーク・ロゥの宣言こそ歓迎でしょうに」
「コンラッド!」
「母上や元老院の石頭共がどれほど反対しようと、私は己の信念を貫きます」
結局話は平行線のままコンラッドが立ち去った部屋で、ロジェスティラは立ち尽くす。そこに隣室の扉が開いてやってきた人物が「いけませんな」と声をかける。
杖の音をコツ……と響かせてやってきた老人はクルノッサ元老院議長だ。
「災厄を倒した功績は認めましょう。彼らが居なければたしかにこの国は救えなかった。
だが、あれらの存在は劇薬です。母親同様に王家の伝統を乱す。異世界からなぜ少女ではなく、あのような男が呼ばれたのか? それこそが、不吉の前兆のように前々から私には思えてならなかった。
あれはこのフォートリオン王家を破滅させる存在です」
あれとは名前は出さないが、二人のあいだではそれで十分に通じた。
公式愛妾として正妃と準妃の地位を脅かした平民の女。そしてそこから生まれた優秀すぎる息子。
たしかに彼らはいるだけで王家の秩序を乱す存在だ。さらには異世界からやってきた破天荒な男も。
「彼らの役目はすでに終わりました。愛妾の子でありながら、準妃の御子同様の序列2位まで手に入れれば十分でしょう。
舞台をかき乱す道化にはすみやかに退場願いましょう」
クルノッサの言葉にロジェスティラは沈黙したまま答えなかった。が、それがいつもの彼女だった。
万事において控えめである。自ら動くことはない。
そして、沈黙こそが、彼女の是という答えだった。
274
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
名前が * ゆるゆ になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。校正も自力です!(笑)
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで
二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
* ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
透夜×ロロァのお話です。
本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけを更新するかもです。
『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も
『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑)
大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑)
名前が * ゆるゆ になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。校正も自力です!(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。