僕は女の中の女を目指します~弱燃性転生チートで駆けあがれ!~

初夏終冬

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第一章/第一陣 元少年、チートな転生!

第6話 プロローグ⑥

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 お爺ちゃんの家に来て4年の月日が流れ、僕は10歳、ミスティは8歳になった。季節は秋である。この世界では0歳がないらしく、今までの僕の数え方は間違っていたらしいのだ。お爺ちゃんはどっちでも構わないと言っていたけれど、こちらの世界にいる間はせめてこちらのルールに従っておくのが理だろう。
 時間が経つのは早いもので、毎日魔力増幅のための訓練や魔法の細かい操作のための訓練。
  その他、お爺ちゃんに聞いてもいないのに商人の心得とか教えられた。

 魔力増幅の訓練は魔力を放出し続けると次の日に何故か魔力が増えている。
  これに気づいたのは4年前。毎日欠かさずやっているので元々のスペックも相まって相当な魔力量になっているばずだ。
ミスティにもさせようと思って、魔力を認識できた時期からさせている。僕よりは少なかったけど、それでも相当な魔力量らしい。僕は規格外でミスティは最高レベルみたいな感じ。
  お使いで商店街に行くと、僕は「りっちゃん」と呼ばれミスティは「みっちゃん」と呼ばれるほど仲良くなっている。

  そんなある日のこと、お爺ちゃんが突然倒れてしまい二日ほど前に死んでしまった。身内をなくすのは前世も合わせて二回目だ。
  とてもではないけど「悲しい」や「寂しい」と言った言葉で済まされるほどのものではなく、涙がとめどなく溢れてくる。
  5年もの間一緒にいたし、今世での両親も5年だ。5という数字は僕に何か恨みでもあるのだろうか?

  50代に見えていたお爺ちゃんは実は60代後半だったようで、この世界での平均寿命は60歳前後だったらしい。
  医師からは「随分と長生きをしましたね」とほろ苦い表情を浮かべて笑った。長生きできることは望ましいことだろう。
  しかし僕たちはまだ子どもで身内がいなくなってしまった。そのことを気に病んでいるのだと思う。

  ミスティは物心ついてからは更にお爺ちゃんに懐くようになっていたので悲しみも僕よりも深く今でもふさぎ込んでいて部屋から出てこない。
  ミスティは5歳になった時に僕と同じような個室を貰ったのだ。その前は毎日お爺ちゃんと寝ていたこともあったのだと思う。
  僕は前世も含めると20歳を超えているからか、落ち着いているように演じることは出来ているのだけど、心の中は暴風雨だ。
  表面上は涙を流さないようにして頑張っているけど、どうしてもというときは誰も見ていない場所まで行って泣くようにしている。
  それに、いつまでも塞ぎこんでいては前に進めない。こういう時こそ、前に進む努力をしなければならないのだと強く思う。

 「ミスティ、僕だけど⋯⋯入ってもいい?」

  ミスティの部屋の扉を数回ノックして声をかける。すると小さな声で「うん」と聞き取ることが出来たため中に入った。
  そこにはお爺ちゃんがミスティへ贈った物がミスティの周りを囲むように配置換えされていて、その贈り物のほとんどがぬいぐるみなため埋もれているようにも見える。
  でもこれはここ数日よく見る光景だ。お爺ちゃんはよくプレゼントをする人で、何かがある度に記念だと言って品を贈る人だった。
  僕たちがこの家に来た記念、商店街に初めて行った記念、もちろん誕生日もそうだ。

 「お姉ちゃんは、どうしてっひぐっ、平気なの?」

  僕も平気じゃないんだけどね、そう言えたらどれだけ楽なことか。ここでそれを言ってしまえば先に進むことは出来ない。
  お爺ちゃんは「例えどんなことが起ころうと前に進む努力を怠ってはならんのじゃ。例え、儂が死んでも、それでお前たちの人生が終わるわけではない。じゃから、決して後ろを振り向く出ない。前だけを見て先へ進むのじゃよ」とよく言っていた。
  それも最近の話だ。今思えば自分がもうじき死ぬとわかっていたような口ぶりのように聞こえる。

 「お爺ちゃんは自分の人生を最後まで歩ききったんだよ。ミスティ? 今度は僕たちがお爺ちゃんの意思と知識を引き継いで、その後ろついていくだけじゃなくて越えなくちゃならないんだ。だから落ち込んでいる暇はないんだ。お爺ちゃんのためにも歩いて行かないと、お爺ちゃんに顔向けできないよ」

  何日か考えて出したセリフがこれだ。いち早く元気になってほしいと思って毎日部屋に来ることはしているけれど、大した言葉をかけることは出来なかった。
  でも、それも今日で終わりだ。いくら塞ぎこんでいるからと言ってもまだ子どもだから、言葉巧みに言えばどうにかなると思ったのだ。
  嘘も言っていないから、心配はいらない。

 「おねえちゃっ⋯⋯!!」

  涙をポロポロと零しながら狭い部屋の中、僕に勢いよく飛びついてくる。
  ミスティを受け止めてやり、頭を撫でて、背中をさすって、嗚咽もなかなか止まらなかったけれどそれでも泣き止むまで続けた。
  泣き止んだミスティは目元が赤く腫れ、可愛らしい顔が台無しになっている。
  そんな彼女をお風呂に入れて綺麗にしてあげる。幸い、この世界にはお風呂が標準装備なのだ。

  2人して体を綺麗に洗い、商店街に行くことにする。ミスティを励ましてくれるといいんだけど⋯⋯。
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