双剣使いの極狼零竜《バースト・ゼローグ》

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『サクラとヨミの洋服選び』

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昨日は疲れたのかよく眠れた。
狼竜はまだ部屋が無いので、サクラのソファで寝ている。
目が覚めてしまったので、立ちあがると、サクラとヨミがすやすや、と可愛い寝顔で寝ていた。
「・・・」
(近づきたいな・・・。でも、大体このタイミングでミラが来て「変態ですか?」みたいなこといって来るからな・・・)
でも、狼竜はかすかな希望を込めて、サクラ達に歩みを進める。
すると、ベットには、膨らみが三つあった。
なんと、ミラがいた。
(なにいぃぃぃぃ!)
小声で狼竜は言い放つ。
「予想、しついた、だと・・・!」
狼竜は諦めて、リビングに向かう。
「喉が、乾いたな・・・」
リビングに行くのを止め、キッチンに向った。
すると、先程寝ていたミラがいた。
「えっ」
「おや?今日は早いんですね?寝顔でも、見ていたんですか?」
「うっ」
「その様子じゃあ、図星ですね」
(何なんだ・・・。ミラは底が読めない)
「あ、あと、即撃の斬刀者[クラブ・クラッチ]って呼ばれていましたね?」
「えっ。なんで、それを知っている!」
昨晩、狼竜につけられた、二つ名だった。
「いや、街で噂になっていて」
「ええ!!」
「くすっ、嘘ですよ」
「な、なんだよ」
(なんで知ってるかは、教えてくれないんだな)
「あ、そうだ。お嬢様を、起こしてもらえませんか?」
「あ、うん。いいよ」
飲み物を飲まないで、行ったことを少し後悔して、部屋に入った。
「えっ・・・」
サクラとヨミが声を揃えて言う。
「・・・」
パタンッと扉を閉めて、ノックし、また扉を開けた。
「あ、着替え中だったか、ごめん」
そう言い訳を作った。もちろん、通るわけがない。
「お・お・た~?」
怒気を孕んだ、サクラの声。
(やっべぇ)
「そ、そろそろ、ご飯だって。じゃあね」
「あ、待て!」
待てと言われて、待つはずがなかった。
リビングに向かいながら、下着姿を思いだす。
(サクラはピンク・・・。ヨミは水色かあ~。
可愛い奴らめ!)
そんなことを思っていると、王牙が声を飛ばしてきた。
『変態め』
「まぁまぁそう言うなよ。美少女2人の下着姿だぜ?少しはこういう風になるって」
『・・・』
王牙はハァとため息をつき、そのまま黙った。
『ちなみに、私達は、全裸』
『ちょっ!シオン!』
「え!?マジで!?人間化してくれ!!」
『誰がするか!』
王牙に拒否られて、少し凹んでしまう。
(まぁ分かってたけどさ・・・)
とりあえず、起こせた?ので、リビングに向かう。
「あ、覗き魔さんおかえりなさい」
(ミラの第一声がこれだ)
「おい」
すかさずサクラが口を挟む。
「だってそうだろ?」
「ぐっ・・・」
「下着色覚えてるか?」
「当たり前だ。サクラがピンク、ヨミが水色だろ?」
「変態が!」
サクラの右ストレート。しかし、そんなものは受け止める。
「姫の攻撃を止めるなんて、騎士としていいのか?」
「いいんだ。そんなにガツガツ攻めてくる姫は姫じゃない」
「なんだとー」
そこで、ヨミが声を上げた。
「ふたりは、仲がいいね」
「・・・」
「・・・」
ふたりは黙って、仲直りをした。
「サクラちゃんは羨ましーなー」
「なんで?」
「こんなに、強い騎士がいて」
「そう?」
「うん、羨ましいよ」
サクラが友達と話しているのは、新鮮で、居心地がよかった。
「あ、そうだこれ。サクラ様とヨミ様にお小遣いです」
「え!やったー!」
「い、いいんですか?私まで・・・」
「お構いなく。使ってください」
すると、ヨミが驚愕の声を上げる。
「えぇ!10万ギル!?お、多すぎますよ!」
ギルとはこの世界でのお金。
日本でいうと円だ。
仕組みはあまり変わらず、1円が銅貨、5円が純銅貨、10円が銀貨、50円が純銀貨、100円が金貨、500円が純金貨だ。
あとの、千円などは紙で出来ており、なかなか材質がいい。そして、サクラとヨミにはそれぞれ、10万ギルが入っていた。
「いいんですよ。お嬢様はお金の使い方が荒いので」
「そんなに荒くない!」
苦笑していると、ミラが俺にもお小遣いをくれた。
「俺までいいのか?」
「いいんですよ。騎士は姫に使えるもの、お金位は持っておいて、ください」
サクラ達には見えないよう、チラッとみた。
「ぶっ!」
「どうした?」
「い、いや、なんでもない・・・」
50万ギル。
(多いな!)
「ところで、そろそろ食べませんか?」
朝ごはんが出来ていたことを、すっかり忘れていた。
「りんご、りんご~♪」
りんごを取ろうとした時、サクラに叩き落とされた。
「今日は、ご飯を食べてください」
「え・・・」
「わかりました。狼竜様は私のご飯など食べれないんですね。ミラ悲しいです」
ミラのほっぺに、1粒の雫が垂れた。
「ッ!?わ、分かったよ!食べるよ」
「よかったです」
キッチンの方に歩いて行くミラの手に、目薬らしきものがあったが、どうせいいくるめられるので、言わなかった。
(朝からお肉か・・・。しかもこれ、A5ぐらいいの肉だろ?)
とりあえず、一口大に切った肉を口に運ぶ。
(ほら出た。口の中でとろけちゃう肉だ。ミディアムレアか・・・)
ライスはこっそりと、サクラの皿に入れておいた。
(ヨミの顔が幸せそうだな)
「おいっし~」
ご満悦のようだった。
(ヨミは食べ方が綺麗でいいけど、サクラはちょっと雑だな)
「見てる限りじゃ、姫様はヨミが近いな」
「なっ!」
サクラがりんごを掴み投げてくる。それをキャッチし、食べる。
「取ってくれてありがとう」
「どういたしまして!」
そのままサクラはガツガツと、残りを食べてしまった。
「ねぇヨミ?今日はお小遣い貰ったし、服買いに行く?」
「いいよ」
「あ、狼竜も来てね」
「ん?なんで?」
「騎士だし、あと、服見てもらいたいから」
「んじゃあ、俺も服買うか」
すると、ミラが口を挟んだ。
「狼竜様は洋服を買ってはいけません」
「えっ。なんで」
「いいからです」
「・・・分かった」
ミラの圧力に押され、しぶしぶ了承した。
「それじゃあ行くか!」
「うん!」
「うぃー」
「狼竜!テンションが低い!」
「分かったよ」
そうして、洋服屋に向った。
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