双剣使いの極狼零竜《バースト・ゼローグ》

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『サクラとヨミの洋服選び2』

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「着いたー!」
あまりにもでかい洋服店に着いた。
これはもはやガチセレブのお店だ。
「い、いやあこれはさ、10万ギルじゃ足りないだろ」
「いや、アイヴェルクルムの名で、割引が出来るぞ」
(名前の力だと!?)
やはり金持ちと、権力者は絶大らしい。
店内に入ると、オシャレな雰囲気に包まれた。
「いらっしゃいませー」
「アイヴェルクルム家だ。割引効くか?」
「サクラさんですか?」
「ああ」
返信をしたサクラは、なにやらカードのようなものを見せた。
「はい。確かにアイヴェルクルム家ですね。割引ですね、効きますよ。お連れの方々も」
どうやらガチだった。
(まじかよすげーな)
「よし!ヨミ。私と洋服の勝負だ!」
「えっ。しないとだめ?」
そっとサクラがヨミに近づくと、なにやらこしょこしょ話し出した。
「狼竜に判定をさせるから、可愛い方がいいよ」
「!?」
(何の話だろうか?)
「分かった。やる」
なにやらやる気になったヨミがいた。
「じゃ、判定は狼竜がよろしく」
「よしきた!まかせろぅ!」
ヨミが弱そうに言った。
「は、判定は優しくしてくださいね?」
「ふっ。大丈夫だ。どっちも、素顔が可愛いなら、どんな服でも似合うさ」
「なっ!」
サクラとヨミは赤面をしていた。
「よしヨミ!勝負内容はこうだ!」
すべてファッション対決だ。靴や靴下以外で決める。
最初は女の子系対決から。
「よし!狼竜待ってて」
「が、頑張ります」
二人とも、広い店内の中、探しに行った。
(ふむ。どんな可愛いのが来るかなぁ)
サクラの胸は貧乳ではない。かといって巨乳の域には入っていない。
美乳なのだ。
サクラの洋服は、胸元の開いた、もとい、谷間を利用した、セクシー系なら一回目は勝ち目がある。
しかし、ヨミもヨミで可愛い。ヨミは可愛さで攻めてくるはずだ。
(セクシーが可愛いに勝つか。可愛いがセクシーに勝つか、だな)
ただ、サクラがセクシーで来るかはまだわからないので、可愛い対可愛いは、素直に最初の印象で決める。
『セクシーがいいとか、ほんとに・・・』
王牙が話しかけてきた。
『いや、しかしだな。なかなかいい胸だぞ?サクラ』
『そーかいそーかい』
『あ、そうだ。お前らも服、ほしいか?』
そういえば、王牙達は、人間化したなら、着るものがない。こういうところで、買っておこう。
『ほしい』
『おっけー』
王牙はイヤと言われよう、胸元の開いた服にすると、決めている。
洋服をサクッと決めて、会計に持って行った。
「割引して、2万ギルです」
「はい」
「2万ギル、ちょうどいただきました。ありがとうごさいます」
『買ったぞ』
『おう』
王牙から返事がきた。
『なあ、シオンは?』
『寝てる』
『あぁ』
(シオンってだいたいこんな感じだよな。マイペースなのか?)
『1着ずつでよかったのか?』
『あぁ、いってそんなに着ないからな』
『そうなのか?』
『あぁ、剣になると、擬人空間に行くんだ。そこは毎回裸だからな』
よし、エプロンも買っておこう、と狼竜は決意した。
すると、2人の声が聞こえた。
「よーし!出来た!」
シャッ。
「おう・・・」
すごく可愛いサクラがいた。
「ふふん。最近流行りのヒラヒラ系だ」
確かにヒラヒラしていた。
ゴスロリ系でしかし、余り派手さも感じさせない清楚な雰囲気だった。
「私もできました」
すっと出てきたヨミ。
「ッ!?」
そこには天使がいた。
サクラとは全く反対の色。白色だった。
ヨミも、ヒラヒラが着いていたが、サクラよりは少なく、こちらも派手ではないが、可愛いさが出ていた。
「さぁ!どっちが可愛い!?」
ふむ。狼竜は真剣に悩んだ。当初はパッとみで決めるはずだったが、どちらも同じくらい可愛い。パッとみで決めれるほど、甘くはなかった。
いや、可愛いのは、こっちだ!
「サクラが可愛かった」
「おっし!」
「ぶぅ~」
サクラは喜び、ヨミは拗ねた。
「じゃあ次は、男装で」
「ちょっとまて、サクラ。男装はやめるんだ」
「え?」
「もう勝負はやめよう」
「なんで?」
「いや、その服を今日は来て欲しいから」
「・・・分かった」
(おっし!)
「じゃあ会計してくる」
「おう」
会計にしに行った2人を見届けながら、狼竜は王牙に問いかける。
『シオンも似合いそう』
『少しわかる』
『だよな』
「会計終わったー!」
「終わりましたー!」
(そうか!ヨミが天使なんだ、サクラは小悪魔系に思える)
店内を出ると、周りの人にすごい見られた。
「ニヒヒ、私達人気者だな」
「は、恥ずかしい」
スッと、狼竜はサクラとヨミの頭に取り付けた。
「うわっ。なにこれ」
「ね、猫耳?」
そう、猫耳を取り付けたのだ。いつ買ったかは置いといて。
二人とも、狼竜の正面に立ち、ニャンニャンとして見せた。
「はうぅ」
か、可愛すぎる。カチューシャ型の猫耳とはいえ、破壊力が高すぎる。
「な、そんなによかったのかニャ?」
「ニャ?」
(ふっ。気づいたか)
そう、この猫耳には、付けている対象者の語尾に、『ニャ』と言うように、魔法がかけられていた。
これで6万ギル。高い割に凄い。
「しかもこれ、外せないニャ」
付けた人以外外せないという、接着魔法。強い。
「外してニャ」
「は、外して欲しいですニャ」
やばい。ほんとに可愛い。
ただ、そんなのはその時だけだった。
屋敷に帰ると、泣き目でサクラ達がミラに外してーと言ったので、ミラにありったけの殺意をぶつけられ、仕方なく外した狼竜だった。
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