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『国の代表3』
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どうやらレイは決まっているらしい。
「それで、王様。相手は?」
「あぁ、グラスト・アインって奴じゃ」
「グラスト・アイン?」
「おや?聞いたことないかのぅ。英雄アインズの孫にして最強の槍使い。グラスト・アインじゃ」
「すいません。聞き覚えもないです」
「そうか。まぁ頑張るんじゃよ」
(最強の槍使い・・・?槍か・・・)
『なんだ?槍嫌いなのか?』
王牙だ。
『嫌いではないよ。でもなんか、間合いが取りずらい』
狼竜は剣使いだ。だから、間合いは詰めれば詰めたい。でも、槍というリーチの高い武器は、間合いが取りずらい。
『狼竜・・・。いいこと、教える』
今度はシオンだ。
『何?』
『私には、《最後の七宝竜》[ラスト・インクルシオ]って技がある』
『《最後の七宝》?』
『うん。大剣、弓、鞭、斧、鉤爪、槍、銃に変型出来る。これより凄いのあるけど、それはお楽しみで』
『おぉ!そんなに変型出来るのか!これなら間合いに困らねぇ!助かるぜ、シオン』
人間化して、シオンがいたのなら、抱き着いて頭なでなでしてあげるぐらい、嬉しかった。
(そうか・・・。こんなに武器の種類があるなら、汎用性高いな・・・)
「ってもな、間合いが嫌いなだけで倒せるっちゃあ倒せるしな」
「いったい誰をだ?」
近づいてくる殺意と声。
「お前か。グラスト・アインって奴は」
「そうだ」
ジロジロと、狼竜のことを見てくる。
「はっ。鎧もまともに装備しなくて大丈夫か?突き刺して、殺すかもよ?」
笑いながら言ってきた。
(こいつ。たくさん人を殺してる)
いや、兵士だとしたら当たり前なのだろう。しかし、殺し慣れすぎている。
(一瞬の躊躇いもなく、殺すだろこいつ)
「まぁ、せいぜい足掻いてくれよ。雑魚が」
「・・・」
「お、狼竜。なんだその、元気だせ。お前は充分過ぎるほど、強いんだから」
「レイ・・・。大丈夫だ。別にすげー元気だし。ただ、むかついた。お前、あいつに勝ったことは?」
「・・・一勝一敗」
「そうか・・・」
(レイがどう思ってるかなんてしらねぇ。でも、俺に雑魚と言ってきたあいつは、俺に負けたレイのことを、俺と一緒に侮辱した。倒してやるよ、還付無きまでにな)
試合の準備が、両者とも整った。
「はっ。やっぱり装備無しか。雑魚が」
ギリッ。歯がなってしまう。
「潰してやるよ。雑魚」
言われるがままだ。
「潰せるなら潰してみろよ」
そう言い残し、距離を取る。
「では、国代表の座をかけ、両者、試合開始!」
「行くぜ」
槍を素早く構え、放ってくる。それを、軽く避け、槍を掴み、奪った。
「は・・・?」
「よっ!」
思い切り投げた。上に。
「ちょっ、馬鹿野郎!」
瞬時、飛翔したアイン。アインの靴底に風の壁が現れる。
(風魔法!!)
それを、素早く展開し、先程の狼竜のように上り、槍をキャッチする。
(あの速さを取るか)
「今度はこっちの番だぜ!」
風の壁を思い切り蹴り押し、突進してくる。
「くらえ!《刺心極覇》[グラネス・フルバースト]!」
狼竜の、心臓を穿つ一撃。しかし、既のところで掴み止める。
「心臓を穿つ結果を先に作る。この一撃を止めるか・・・!」
「これが止めたと思うのか?」
「・・・何がいいたい」
「止めたんじゃない。断ち切った。お前は、あの不利な体制から槍が心臓まで急激に動いた。呪いだと思い、その呪いを断ち切った」
「芸当を・・・」
アインは、一旦距離を取り、狼竜の出方を伺った。
狼竜は、アインのあの技を自分のものとしている。
(見切ったから、もう使える。でも、あいつも相当知っているはず。この技を当てるには、油断させるしかない。使おうとしたらびっくりすると思うけど、どうせ一瞬だしな)
「なら、使わせてもらうぜ!シオン!」
『おっけー』
シオンを抜き取り、叫ぶ。
「『《最後の七宝竜》[ラスト・インクルシオ]!!』」
シオンが光を帯び、形状が変わっていくのが分かった。
そして、シオンは剣から、鞭となった。
「いくよ」
素早く鞭を振るう。その速さは、目に見えないくらいに。
「くっ!」
感覚で、防いでいるようだか、いつまで続くかは、わからない。
この鞭には、微量な竜の鱗が付いている。竜の鱗は、斬撃効果のある、鋭い鱗だ。
つまり、触れただけで斬れる。
(ここで・・・)
「ぐっ・・・」
鞭のしなりを活かした、不意打ち。見事に決まり、手のひらが斬られた。
「やるな。だが、もう貴様は勝てん!」
(もう一度、《刺心極覇》を放つ!)
「うおおぉぉ!」
「だから、見切ったって、言ったよな」
「見測ったな!雑魚が!」
先程とは別の、呪いが槍とアインを包み込む。
「《刺心極覇・界》」
《刺心極覇》のさらに上をいく呪いによる、上書き。それにより、呪いの層は積み重なり、断ち切ることは不可能とかし、心臓を穿つ結果は強くなる。
「見切ったってば」
技の系統が違ったのなら、対処は難しい。しかし、同じ技の強化版。先程のように止めればいい。
今度は、シオンではなく、王牙に手をかける。
「はぁっ!!」
向ってくるシオンめがけ、振りかざす。シオンの風魔法により、鎌鼬が発生する。
「見測ったのはお前だ。アイン」
「なんだと・・・?」
また、止められたアインに、技など存在はしない。今のがアインの最強の技にして、究極の一撃。それを、2度も止められた。
「俺の刀。『王牙』はな。切れ味が良過ぎるんだ。故にな、斬れないものなんてない」
「だが、呪いだ。物体じゃあないだろ」
「そうだな。だが、存在している以上、王牙に斬れねぇものなんて、ねえよ」
くたびれて、尻から座り込むアイン。もはや、戦う意思すら感じられない。
「王、完敗だ」
「うむ。良い試合じゃった。よって勝者は、綾辻狼竜じゃ!!」
歩きよってきたレイに肩を叩かれる。
「良かった・・・。一緒に行けて・・・」
「えっ。そう?」
(でもまぁ、国の代表だし、いっか)
これで、狼竜はアルバスの、国代表に任命された。
「それで、王様。相手は?」
「あぁ、グラスト・アインって奴じゃ」
「グラスト・アイン?」
「おや?聞いたことないかのぅ。英雄アインズの孫にして最強の槍使い。グラスト・アインじゃ」
「すいません。聞き覚えもないです」
「そうか。まぁ頑張るんじゃよ」
(最強の槍使い・・・?槍か・・・)
『なんだ?槍嫌いなのか?』
王牙だ。
『嫌いではないよ。でもなんか、間合いが取りずらい』
狼竜は剣使いだ。だから、間合いは詰めれば詰めたい。でも、槍というリーチの高い武器は、間合いが取りずらい。
『狼竜・・・。いいこと、教える』
今度はシオンだ。
『何?』
『私には、《最後の七宝竜》[ラスト・インクルシオ]って技がある』
『《最後の七宝》?』
『うん。大剣、弓、鞭、斧、鉤爪、槍、銃に変型出来る。これより凄いのあるけど、それはお楽しみで』
『おぉ!そんなに変型出来るのか!これなら間合いに困らねぇ!助かるぜ、シオン』
人間化して、シオンがいたのなら、抱き着いて頭なでなでしてあげるぐらい、嬉しかった。
(そうか・・・。こんなに武器の種類があるなら、汎用性高いな・・・)
「ってもな、間合いが嫌いなだけで倒せるっちゃあ倒せるしな」
「いったい誰をだ?」
近づいてくる殺意と声。
「お前か。グラスト・アインって奴は」
「そうだ」
ジロジロと、狼竜のことを見てくる。
「はっ。鎧もまともに装備しなくて大丈夫か?突き刺して、殺すかもよ?」
笑いながら言ってきた。
(こいつ。たくさん人を殺してる)
いや、兵士だとしたら当たり前なのだろう。しかし、殺し慣れすぎている。
(一瞬の躊躇いもなく、殺すだろこいつ)
「まぁ、せいぜい足掻いてくれよ。雑魚が」
「・・・」
「お、狼竜。なんだその、元気だせ。お前は充分過ぎるほど、強いんだから」
「レイ・・・。大丈夫だ。別にすげー元気だし。ただ、むかついた。お前、あいつに勝ったことは?」
「・・・一勝一敗」
「そうか・・・」
(レイがどう思ってるかなんてしらねぇ。でも、俺に雑魚と言ってきたあいつは、俺に負けたレイのことを、俺と一緒に侮辱した。倒してやるよ、還付無きまでにな)
試合の準備が、両者とも整った。
「はっ。やっぱり装備無しか。雑魚が」
ギリッ。歯がなってしまう。
「潰してやるよ。雑魚」
言われるがままだ。
「潰せるなら潰してみろよ」
そう言い残し、距離を取る。
「では、国代表の座をかけ、両者、試合開始!」
「行くぜ」
槍を素早く構え、放ってくる。それを、軽く避け、槍を掴み、奪った。
「は・・・?」
「よっ!」
思い切り投げた。上に。
「ちょっ、馬鹿野郎!」
瞬時、飛翔したアイン。アインの靴底に風の壁が現れる。
(風魔法!!)
それを、素早く展開し、先程の狼竜のように上り、槍をキャッチする。
(あの速さを取るか)
「今度はこっちの番だぜ!」
風の壁を思い切り蹴り押し、突進してくる。
「くらえ!《刺心極覇》[グラネス・フルバースト]!」
狼竜の、心臓を穿つ一撃。しかし、既のところで掴み止める。
「心臓を穿つ結果を先に作る。この一撃を止めるか・・・!」
「これが止めたと思うのか?」
「・・・何がいいたい」
「止めたんじゃない。断ち切った。お前は、あの不利な体制から槍が心臓まで急激に動いた。呪いだと思い、その呪いを断ち切った」
「芸当を・・・」
アインは、一旦距離を取り、狼竜の出方を伺った。
狼竜は、アインのあの技を自分のものとしている。
(見切ったから、もう使える。でも、あいつも相当知っているはず。この技を当てるには、油断させるしかない。使おうとしたらびっくりすると思うけど、どうせ一瞬だしな)
「なら、使わせてもらうぜ!シオン!」
『おっけー』
シオンを抜き取り、叫ぶ。
「『《最後の七宝竜》[ラスト・インクルシオ]!!』」
シオンが光を帯び、形状が変わっていくのが分かった。
そして、シオンは剣から、鞭となった。
「いくよ」
素早く鞭を振るう。その速さは、目に見えないくらいに。
「くっ!」
感覚で、防いでいるようだか、いつまで続くかは、わからない。
この鞭には、微量な竜の鱗が付いている。竜の鱗は、斬撃効果のある、鋭い鱗だ。
つまり、触れただけで斬れる。
(ここで・・・)
「ぐっ・・・」
鞭のしなりを活かした、不意打ち。見事に決まり、手のひらが斬られた。
「やるな。だが、もう貴様は勝てん!」
(もう一度、《刺心極覇》を放つ!)
「うおおぉぉ!」
「だから、見切ったって、言ったよな」
「見測ったな!雑魚が!」
先程とは別の、呪いが槍とアインを包み込む。
「《刺心極覇・界》」
《刺心極覇》のさらに上をいく呪いによる、上書き。それにより、呪いの層は積み重なり、断ち切ることは不可能とかし、心臓を穿つ結果は強くなる。
「見切ったってば」
技の系統が違ったのなら、対処は難しい。しかし、同じ技の強化版。先程のように止めればいい。
今度は、シオンではなく、王牙に手をかける。
「はぁっ!!」
向ってくるシオンめがけ、振りかざす。シオンの風魔法により、鎌鼬が発生する。
「見測ったのはお前だ。アイン」
「なんだと・・・?」
また、止められたアインに、技など存在はしない。今のがアインの最強の技にして、究極の一撃。それを、2度も止められた。
「俺の刀。『王牙』はな。切れ味が良過ぎるんだ。故にな、斬れないものなんてない」
「だが、呪いだ。物体じゃあないだろ」
「そうだな。だが、存在している以上、王牙に斬れねぇものなんて、ねえよ」
くたびれて、尻から座り込むアイン。もはや、戦う意思すら感じられない。
「王、完敗だ」
「うむ。良い試合じゃった。よって勝者は、綾辻狼竜じゃ!!」
歩きよってきたレイに肩を叩かれる。
「良かった・・・。一緒に行けて・・・」
「えっ。そう?」
(でもまぁ、国の代表だし、いっか)
これで、狼竜はアルバスの、国代表に任命された。
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