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19. 逢瀬

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孤児院の子どもに対して読み書きを教えてみたい、という点についてはギルベルトに相談をしてみた。ギルベルトの回答は、個人的には応援するけれど、責任者が乗り気で、且つ子どもたちが望めば可ということだった。

結局、1番最初に訪問した聖イリーネ孤児院で希望者を募ることになった。財政状態に比較的余裕があり、子どもたちの時間も自由があるからだ。年長の2人が名乗りを上げてくれて、週に2日、午後に時間をもらうことになった。

内容に関してはマリアに相談して彼女が学んだ順を基本としつつ、生活する上で必要なことに絞った。テオドールが言っていたように、必要があれば人はなんとかしようとするからだ。

「これは何を作ってるんです?」
「えっと、授業計画書」

マリアは私がテーブルに広げていた表を指差した。
この国には全国的な教育機関は存在せず、当然学習指導要領もなければ教科書もない。
貴族であれば家庭教師を頼んで学ぶものだし、そうでなければ生活に必要なことを家の中で教わる。庶民の商人を対象にした私塾のようなものは存在するらしいけれど、家庭教師を雇えない経済状況であると触れ回っているようなものなので、成り上がった家には好まれないらしい。
マリアが首を傾げた。

「授業計画書?」
「教えたいことを項目にして、年間と、月と、週の目標を立てるの。それに沿って教えれば漏れがなくなるし、進捗が良いとか悪いとか分かるから。見本にするものがないから本当に目安でしかないんだけど……」

マリアは感心したようにへぇ、と呟いた。教育実習生でしかなかった私が記憶を掘り起こして作ったもので、こんなもの意味があるかも分からない。ただ全く手ぶらで授業を始めるのはあまりにも心もとなく、作ってみた。

「殿下は面白い方ですね。歩き始めた子どもでも知っているような童歌を知らないのに、この国で誰もやらないようなものを作ろうとしてる」

それは私が転生者としてこの世界よりも進んだ教育制度の中に身を置いていたからであり、私自身の功績ではない。私は曖昧に笑った。

「……あ」

今までにないくらいたくさんインクを使ったせいで、羽ペンの先が潰れてしまった。慣れるまで変な力を入れていたせいだろう。
エリーナの指はペンを握ることに慣れておらず、軸が当たっていたところも痛む。

「はぁ……」
「新しいペンをお持ちしましょうか?それか、少し気分転換に街に出るのはいかがです?文房具の専門店に行ってみませんか」
「そんなものあるの?」
「はい。殿下はインクとかペンとか好きでしょ?インクの色にじっと見入ってましたね」

確かに私は文房具は好きだ。前世ではガラスペンに憧れたものの、一度も手にとったことがないままだった。

「うん。一緒に来てくれる?」
「もちろん。せっかくですから街を歩きながら向かいますか?そこまで遠くないし、疲れたら抱き上げて運んで差し上げます」
「えっ?!それはいいよ。ちゃんと歩きやすい靴で行くから」
「残念」

マリアは時々冗談なのか本気なのか分からないことを言うけれど、基本的には全て本気だ。私が疲れたと口走ったら屋敷まで本当に運びかねない。

孤児院に行くためにあつらえた紺色一色の地味な服装に、黒い編み上げのヒールのない靴に着替えた。髪は上にまとめて帽子をかぶってしまえばエリーナの髪色でも目立たない。マリアはいつもと同じ黒いロングコートを着ている。
本人にとって過ごしやすい服装でとお願いした結果、私はまだマリアのドレス姿を目にしていない。ドレスもとても似合うだろうから、一度くらいは見てみたいと思う。

春になりかけの、少し風が冷たいだけで気持ちの良い気候だ。石畳の上を歩きながら、街並みを観察する。この服装で歩いていれば誰も私のことを第三王女として認識しないので、じろじろ見られることはない。
ただ、今日はマリアに視線が集まってしまっていた。女性にしては背が高く、颯爽と歩く姿は絵になる。私の方がメイドか何かに見えているかもしれない。

「マリア?」

街並みについて説明を受けながら歩いていると、後ろから声をかけられた。
紺色の騎士団服に身を包んだ男性二人で、カラーの差し色は赤だ。赤は確か第二騎士団のはず。

「おや、懐かしい顔だ。悪いが私は仕事中でね。父のところに滞在しているから、話したければシレア騎士団長に手紙でも出してくれ。失礼」
「マリア、少しお話ししても大丈夫だよ。時間には余裕があるし」

知り合いらしいのにあまりにもあっさりと立ち去ろうとするので、マリアの袖を引いて小さい声で伝える。

「お気遣いありがとうございます。ですが、彼らも仕事中のはずですよ」

マリアは私に微笑みかけると、二人に視線を向けた。

「主人が寛大だから立ち止まってあげるよ。未亡人と新婚の私たちを捕まえてナンパじゃないだろ?何か用?」
「当たり前だろ。この先の道に行くなら橋が壊れてるから通行止めだ」
「橋が?」
「老朽化したところに重量オーバーの荷台が無理して通ったせいで崩れたんだ。修理に十日はかかるよ」
「なるほど。手前で曲がるから大丈夫だよ。親切にありがとう」

マリアがにっこり笑ってお礼を言うと、二人は言葉を詰まらせていた。彼女の仕草にどきりとしてしまうのは同性だけじゃないのかもしれない。

マリアが宣言した通り、橋のせいで通行止めになっているよりも手前で曲がり、そのまま細い道に入って行った。

「店主が偏屈で見つけにくいところに店を構えているのですが、王都で1番品揃えが良いんですよ」
「そうなんだ。楽しみ」

マリアは私のペースに合わせて速くなりすぎないように進んでくれる。軽い上り坂で、少し息が上がりそうになると、後ろを向いて手を差し出してくれた。

「どうぞ」
「ありがとう」

大人になってから誰かと手を繋いで歩くとは思わなかった。マリアの所作はあまりにも自然だから、照れるのもなにか違うなと思いそのまま手を取った。

「マリアはどうして第二騎士団の方と知り合いなの?」
「先ほどの彼らですか?私は2年ほど第二に所属していたので、その時の知り合いです」
「え、そうなの?」
「はい。と言っても、男装して見習いとして潜り込んでいただけですが。あとちょっとで従騎士になれそうだったのに、父に見つかってしまって……めちゃくちゃに怒られました」

何でもないことのようにさらりと言ったけれど、男装して見習いとして潜り込むなんて出来るものなのだろうか。

「王都の騎士団は入団条件が厳しいんじゃないの?」

マリアはうーん、と考えるように上を見た。

「別に貴族の子息にとっては難しい条件じゃありませんよ。推薦状と金があればなんとかなる。私の場合は、当時の第二騎士団の副団長が父のことが大嫌いだったので、嫌がらせをするチャンスだから紛れ込ませて欲しいと交渉したんです」

ものすごい行動力だ。私には絶対に真似できない。

「それは、すごいね。どうしてそんなに騎士になりたかったの?」
「どうして、か。最初は、私が親類の中で1番才能があるから義務だと思ってました。テオ……旦那様のせいで少し自信が揺らいだけど、父から1番魔法の才能を受け継いだのは私なんですよ。精神干渉魔法とか、繊細な魔力操作は今も旦那様に負けてないと思います。それなのに、性別のせいで認められないなんてムカつくでしょ」

マリアは道を曲がって、植物でできたトンネルを通って行く。

「父は自由人の雰囲気を出してますけど、考え方は古い男尊女卑を引きずってて、母のことも結構拘束してました。私はそれが嫌だったから、母と同じようには生きないって決めてたんです」

マリアは踊るように振り向いた。

「さ、着きました。中に入りましょう」

店内は入口が狭いけれど、その先に広がる空間は驚くほど広かった。色とりどりの紙が棚いっぱいに並んで、手紙をシールするための蝋や、便箋、インク、羽ペン、それからガラスペンまで置いてあった。

「わぁ……」

百貨店の文房具売り場に来た時のように胸が高鳴った。意味もなく使う予定のないものを買い求めたくなる。

「ガラスペンはインクだまりがひどくて、ただの装飾品ですよ」

ガラスペンに見惚れていると、マリアがこそっと教えてくれた。

「営業妨害だ」

その後ろから若く鋭い声が割り込んできた。肌の黒い黒髪の少年で、エメラルドグリーンの瞳が輝いている。マリアが挨拶をした。

「やぁ、今日はロート氏はいないの?」
「仕入れに出てるよ。冷やかしなら出て行ってくれ」
「接客の基本がなってないな。上客なのに」
「おれの作ったペンをただの装飾品なんて言うやつは上客じゃない」
「えっ、これ貴方が作ったの?すごい」

前世で言えば中学生くらいの印象の子だ。この世界では14歳になれば働きに出ることもあるからおかしいことではないかもしれないけれど、驚いた。

「そうだよ」
「この青緑色のペンは波かな?綺麗だね」
「おれの故郷の海だ。底が見えるくらいに綺麗なんだ」
「そうなの。素敵だね」
「……もっと種類があるから持ってきてやろうか?」
「いいの?ありがとう」

少年は頷いて店の奥に戻って行った。少年が消えた方向を見つめながら、マリアが問いかけてきた。

「殿下は自信家でふてぶてしい男が好みなんですか?」
「えっ?!どういうこと?」
「今の少年とか、旦那様とか」
「今の子は単純にペンがすごいと思っただけだし、テオは自信家でふてぶてしくはないと思うんだけど……」
「そうですか?ものすごく自信家でふてぶてしいと思いますけど。旦那様は、自分にできないことはないと思っているでしょ。目上の人間に対する態度も改めないし」

私はアーノルドとテオドールの会話を思い出した。確かに、任されたことは絶対なんとかすると言っていたし、尊敬している人間に対しても口をつぐまない勢いがあった。
国王陛下に関しても、ただ言うことを聞く前に抜け道を探そうとしていたし、凄まれても黙らずすらすら謝罪を口にしていたところは恐れ知らずとも言える。あまり相手によって態度を変えない。

「それは、確かにそうかも」

ただ、自信家でふてぶてしい、という単語に含まれるネガティブなイメージが、テオドールには似合わないと思った。

「……テオは、頼りがいがあって、裏表がない公正な人、の方がいいな」

マリアは私の顔を見て目を丸くしていた。

「殿下の目には、人の欠点が長所に映るんですか?稀有な才能だ。貴女の目で見た世界を見てみたいな。きっととても美しいでしょうね」

そんなことは初めて言われた。私自身の考え方をこうして褒めてもらうことなどなかったから、嬉しさと恥ずかしさで顔が熱くなってしまう。

「そ、そんなことは……」
「謙遜しないで。照れた顔も愛らしいですが、褒め言葉は素直に受け取ってもらえる方が嬉しいんです」
「う、……あ、ありがとう」
「よくできました」

マリアは機嫌良さそうに笑った。私にとって、褒め言葉をそのまま受け取ると言うのは非常に難しくて、すぐに卑屈な自分が頭を覗かせる。しかしマリアの前ではそれは許されない。これくらい有無を言わせない感じだと、否定の言葉も引っ込んでしまって、それがありがたかった。

マリアのストレートな物言いは、ごちゃごちゃ考えすぎたりすぐにマイナス思考になる私を引っ張り上げてくれるような感じがする。

「マリアって釣り竿みたいだね」
「釣り竿?それはどう解釈すればいいですか。殿下のことだから褒めてくれてるんだろうけど」
「人を惹きつけて引っ張り上げてくれる感じ」
「魅力的ってことですか?」
「うん。それに一緒にいると前向きになれそうだよ」
「恐縮です」

マリアと話をしていると、先程の少年が戻ってきた。
ガラスペンは本当にさまざまな色がある。試し書きをさせてもらうと、確かにマリアの言う通りとても書きやすいと言うわけではなかったけれど、短いメッセージを残すには十分だった。一番最初に見た彼の故郷の海を模したものを求め、羽ペンと定規、廉価な紙を大量に購入して店を後にした。

外に出て、来た道を戻りながら、私は先程並んだガラスペンのうち、明るい湖のような水色を思い出していた。心に引っかかっていたことをマリアには話しても大丈夫な気がしている。

「ねえ、マリア」
「はい」
「さっき、第二騎士団に知り合いがいると言っていたけど、私を人に繋ぐことはできる?」

マリアは頷いた。

「ええ。ですが、私を使うより旦那様か、いっそ父を使った方が早く会えると思いますよ。私が仲が良かったのは元々下っ端で、今はよくて中堅どころの連中じゃないかな。アポイントメントは権力を使うに限る。誰に会いたいんですか?」
「そうなんだ……ただ、ちょっと、テオには頼みづらいかな……騎士団長にも」

私が話をしたいのはコーネリアスだ。二人に話したら反対されるイメージしかない。

「頼みづらい?」
「うん、多分、怒られる、と言うか、絶対許してもらえない」
「へぇ」

マリアは立ち止まって、私のことを壁際まで追い詰めた。そして、耳元で小さな声で囁く。

「秘密の逢瀬ですか?悪い王女様だ。分かりました。協力しますから名前を教えて」

私はバッと顔を上げた。

「ち、違うよ!そんなわけないでしょ。ちょっとお礼と……あとは頼み事があって」
「頼み事?」
「テオを恨まないでほしいって言いたいの。私の性格が変わったのをテオのせいだと勘違いしてるみたいだから、もう一回そうじゃないってちゃんと説明したくて」

テオドールは、コーネリアスのことを自分に任せてほしいと言っていたけれど、私は納得していなかった。助けてくれるからと言ってなんでも任せるのが心苦しいし、やはり自分のせいでテオドールが傷つくことになったらすごく嫌だからだ。テオドールは結局どうなったか教えてくれない。何かひどいことを言われたのではないかと、そのことがずっと胸に引っかかっていた。

「話をしたことがある方なんですか?」
「うん。この前お城に行って、私がちょっと……トラブルに巻き込まれた時に助けてくれて、そのあと少しだけ話したの」

私は城で起きた出来事を簡単にマリアに説明した。マリアは顔を顰めて話を聞いていて、最終的に先程の言葉を撤回した。

「私も反対します。殿下が恋人に会いたくて逢引を手助けしてほしいってなら、旦那様に内緒でも手伝いますけど、その男の件は協力できない」
「えっ、なんで?」

恋人に会うよりもよっぽど健全な依頼なのに、キッパリと断られてしまった。

「殿下の話だと、そもそもお茶に細工したのがコーネリアスで、自作自演の可能性も捨てきれませんよね」
「それは……」
「それに、犯罪者予備軍の男の特徴が揃ってる。人の話を聞かず思い込みが激しくて、殿下に許可なく触れて、外面がいいんでしょ?絶対会っちゃダメな男ですよ」

あんまりな言いように、そこまでは……と庇いたくなってしまう。コーネリアスにされたことの恐怖を思い出して、私は口をつぐんだ。

「結局お茶の件は犯人がわかってなくて、コーネリアスがいなかったらもっと大変なめにあっていたかもしれないの。お礼も言わなきゃって思ってたんだけど……」
「そんなの、旦那様から手紙を出せばいいんです。貴女が直接お礼を言う必要は一切ない」
「そっか」

ここまで言われて重ねてお願いする気にはならなかった。テオドールが問題に巻き込まれていないかだけ本人に聞いてみることにして、コーネリアスに直接交渉するのは諦めることにした。
マリアが私の顎に手を添えて、くい、と上に向けた。

「殿下、気持ちがない男には親切にしちゃダメだ。貴女にその気がなくても相手は勝手に勘違いしますよ。みんなに親切で優しいと思われたいなんて理由で、ご自分と旦那様を傷つけるつもりですか?」

マリアの言葉がぐさりと心に刺さった。確かに、私は誰にでも親切で優しいと思われたくて、コーネリアスに対しても傷つけてしまったことに罪悪感を感じていた。

「ご、ごめんなさい……」
「私に謝らなくていいです。ただ、ご自身が一番大切にすべきことを見誤らないようにしてください。一番は何ですか?」
「……テオ」

マリアは首を横に振った。

「違う。殿下自身です。まず自分の安全を確保して、それから他人です。この順番を守ると私に約束してください」
「……」

大切なもの、傷つけたくないものの中に自分を含める発想がなかった。マリアは真剣な顔で私を見つめている。

「わ、分かりました」

マリアは私の言葉の真偽を確かめるように、じっと目を見つめている。そして、優しく笑った。

「約束ですよ」

私は二回頷いた。

「……まぁ、殿下の優しい人柄は良いところでもあるので、コーネリアスのことは私も探りを入れてみます。本人が元気でやってて、旦那様につまらない嫌がらせをしてなければいいんでしょ?」
「いいの?」
「ええ、それくらいなら。コーネリアスって、どこかの家の四男か五男か何かにいたような気がするな。家名や役職は分かります?」

エリーナの記憶を遡ってみるけれど、コーネリアスの家名は分からない。アーノルドに名乗った時も、ファーストネームしか名乗っていなかった。役職も記憶にない。

「……ううん、分からない。服は紺色だったから、すごく偉い人ではない気がする。でもすごく下っ端っていう感じでもないかも」
「じゃあまずは二人除外ですね。第二騎士団の中にコーネリアスが何人いることやら……見た目はどんな奴ですか?何か特徴はありますか?」
「ええと、白っぽいブロンドで、目の色が明るい湖みたいな色をしてる。身長はテオよりもちょっとだけ高い気がするけど、私が座ってたからそう感じただけかな。綺麗な顔つきの人だと思う」
「金髪碧眼の長身で顔がいいコーネリアスですね。下働きの女性に聞いた方が早そうだな」
「確かに、女の人には好かれそうな外見かも……あ、ちょうどあそこにいるような……」

坂を降ったところに、紺色の隊服を着ている男性が二人組で立っていた。そのうちの一人の髪が、太陽の光でほとんど白に見える金髪で、コーネリアスに似たような感じだ。

「あ」

似たような、ではなくて本人だと気付いた時には、手を伸ばせば触れられそうな位置まで近付いてしまっていた。明るい青い瞳が丸く見開かれる。さっきのペンよりも明るい青だった。
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