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揺れ動く心
17 エーベルト様の嫉妬・後編*
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「────兄貴のことが好きなのか?」
強い光を宿した真紅の瞳。
エーベルト様が、真剣な表情でわたしを見下ろしている。
聞かないでほしかった。
エーベルト様を好きになったのは、レザニード兄様への恋心を忘れるため。
本当に酷い話だと思う。
わたしはエーベルト様に好かれるような女じゃない。純粋無垢な気持ちでエーベルト様を好きになったわけじゃないから、そこがずっと、彼に申し訳なかった。
「……っぁ」
動いていないのに、ナカにあるモノを締めつけてしまう。
エーベルト様は辛そうに眉をひそめた。
「無言なんだな」
「……っ」
「正しい判断だと思う。『好き』でも『嫌い』でも、どっちを言ったとしても、僕は確実にココに射精してルディを孕ませてただろうからな」
あまりにも直接的過ぎる表現に、かぁあと顔が赤くなった。
「かなり頭にキてるんだ。当たり前だろ? 好きな女の子が他の男に触れられて、自分だけが知ってると思ってた顔を見せているんだ。僕だって聖人じゃないから嫉妬くらいするぞ」
エーベルト様は大きく息を吐きだした。
「ルディが僕を好きという気持ちは、本物だと思ってる」
「ひぁ。っん、あぁあっ!」
エーベルト様の腰の動きが再開されて、わたしの奥が強めに刺激された。唇がわたしの首や鎖骨を這い、軽く食んだりして微弱に愛撫される。
「でもルディの中で、兄貴を好きっていう感情が、万が一にでも、ほんの少しでもくすぶっているのなら、その気持ちを全力で忘れさせてやるつもりだ。婚約者らしく、真っ当な手段で」
「やんぅっ。はげしっ、えー、べるとっさ、まっ!」
「…………本当に可愛い声だな」
エーベルト様の顔は、全体的に赤く染まっている。膣内にある彼のモノだって、はち切れんばかり大きくなっている。感じているのだ。
引き抜かれる度に内壁がこすられ、突き入れられるとイイところに当たる。だらしなく開いた口から喘ぎ声がとまらない。子種を欲するかのように壁がモノをぎゅぅうと包み込み、抜かれるたびに未練がましく吸い付き、収縮した。
「あっ! やぁっ……っ!」
「ルディの顔見てると中に出したくなるな」
「やっ!! 中は、やだっ!!」
「…………」
ずるりとエーベルト様のモノが引き抜かれ、わたしの拘束を解いて体を起き上がらせた。薄く開いた口に、エーベルト様の熱いモノがあてがわれる。
「しゃぶって」
そのとき見たエーベルト様の顔は。
洞窟で純潔を捧げたあの時のような、雌を捕食する『雄』の顔をしていた。
「んんんっ……」
「……ッ」
口の中にエーベルト様を迎え入れる。丹念に舐めて愛撫を繰り返した。
ピチャピチャと音を立てていると、頭上でエーベルト様の低い声が聞こえた。
「これも兄貴仕込みかと思うとホントにムカつくけど、反則級に可愛いな……」
「……っ」
「腰振っていいか?」
「ふぁい……?」
「あぁもう無理。我慢できない」
エーベルト様に頭を掴まれ、口内を犯された。苦しいはずなのに、それすらも甘い疼きに変わって、胎内からどろりと愛液がしたたり落ちる。どれだけ締めてもナカを蹂躙していた雄はない。それが余計に切なさを増大させ、理性を崩落させていった。
「んっ、ふぅ……!」
口内で雄が暴れ、白濁した液体が喉の奥へ流れていく。
飲み込んでしまった。
「はぁ……ッ、はぁ……ッ。悪い、苦しかっただろう?」
エーベルト様がわたしの頬を撫でて、軽い口づけを落とす。
「すぐに気持ちよくさせてあげるからな」
「ん……っ」
エーベルト様の指が、わたしの肉の粒に触れたその瞬間──
「エーベルト様」
部屋の外から、誰かの声した。
恥ずかしくなって、口を手で覆う。
エーベルト様が上半身を起こし、声を張った。
「いま取り込み中だ。後にしろ」
「いえ、それが……」
「なに、急用?」
「ルディ様に迎えが来ております」
「迎え……?」
わたしは、エーベルト様の馬車──つまりマックス家の馬車に乗せられてここまでやってきた。
だから、迎えなんてありえないはずだ。
「ルディ様のお兄様──オルソーニ伯爵がお見えになられています」
レザニード兄様が迎えに来た?
それは……ありえない。だって一か月丸ごと留守にするという話だった。少なくともあと10日は自由な行動はできないはずだ。……いや、エーベルト様の家で誕生パーティを開いたことを、兄様は知っている。それに合わせて、もしかして日程を詰めた?
ただ迎えに来ただけなら、いいけれど。
なぜか、胸騒ぎがする。
「チッ。分かった」
エーベルト様が身だしなみを整え、わたしの衣服も整えてくれる。髪も乱れているから、指で優しくすいてくれた。
「頭のおかしい兄貴のもとに帰らせる義理はない。だからルディはここにいてくれ」
「エーベルト様っ?」
そのまま、エーベルト様は部屋の外へ出て行ってしまった。
強い光を宿した真紅の瞳。
エーベルト様が、真剣な表情でわたしを見下ろしている。
聞かないでほしかった。
エーベルト様を好きになったのは、レザニード兄様への恋心を忘れるため。
本当に酷い話だと思う。
わたしはエーベルト様に好かれるような女じゃない。純粋無垢な気持ちでエーベルト様を好きになったわけじゃないから、そこがずっと、彼に申し訳なかった。
「……っぁ」
動いていないのに、ナカにあるモノを締めつけてしまう。
エーベルト様は辛そうに眉をひそめた。
「無言なんだな」
「……っ」
「正しい判断だと思う。『好き』でも『嫌い』でも、どっちを言ったとしても、僕は確実にココに射精してルディを孕ませてただろうからな」
あまりにも直接的過ぎる表現に、かぁあと顔が赤くなった。
「かなり頭にキてるんだ。当たり前だろ? 好きな女の子が他の男に触れられて、自分だけが知ってると思ってた顔を見せているんだ。僕だって聖人じゃないから嫉妬くらいするぞ」
エーベルト様は大きく息を吐きだした。
「ルディが僕を好きという気持ちは、本物だと思ってる」
「ひぁ。っん、あぁあっ!」
エーベルト様の腰の動きが再開されて、わたしの奥が強めに刺激された。唇がわたしの首や鎖骨を這い、軽く食んだりして微弱に愛撫される。
「でもルディの中で、兄貴を好きっていう感情が、万が一にでも、ほんの少しでもくすぶっているのなら、その気持ちを全力で忘れさせてやるつもりだ。婚約者らしく、真っ当な手段で」
「やんぅっ。はげしっ、えー、べるとっさ、まっ!」
「…………本当に可愛い声だな」
エーベルト様の顔は、全体的に赤く染まっている。膣内にある彼のモノだって、はち切れんばかり大きくなっている。感じているのだ。
引き抜かれる度に内壁がこすられ、突き入れられるとイイところに当たる。だらしなく開いた口から喘ぎ声がとまらない。子種を欲するかのように壁がモノをぎゅぅうと包み込み、抜かれるたびに未練がましく吸い付き、収縮した。
「あっ! やぁっ……っ!」
「ルディの顔見てると中に出したくなるな」
「やっ!! 中は、やだっ!!」
「…………」
ずるりとエーベルト様のモノが引き抜かれ、わたしの拘束を解いて体を起き上がらせた。薄く開いた口に、エーベルト様の熱いモノがあてがわれる。
「しゃぶって」
そのとき見たエーベルト様の顔は。
洞窟で純潔を捧げたあの時のような、雌を捕食する『雄』の顔をしていた。
「んんんっ……」
「……ッ」
口の中にエーベルト様を迎え入れる。丹念に舐めて愛撫を繰り返した。
ピチャピチャと音を立てていると、頭上でエーベルト様の低い声が聞こえた。
「これも兄貴仕込みかと思うとホントにムカつくけど、反則級に可愛いな……」
「……っ」
「腰振っていいか?」
「ふぁい……?」
「あぁもう無理。我慢できない」
エーベルト様に頭を掴まれ、口内を犯された。苦しいはずなのに、それすらも甘い疼きに変わって、胎内からどろりと愛液がしたたり落ちる。どれだけ締めてもナカを蹂躙していた雄はない。それが余計に切なさを増大させ、理性を崩落させていった。
「んっ、ふぅ……!」
口内で雄が暴れ、白濁した液体が喉の奥へ流れていく。
飲み込んでしまった。
「はぁ……ッ、はぁ……ッ。悪い、苦しかっただろう?」
エーベルト様がわたしの頬を撫でて、軽い口づけを落とす。
「すぐに気持ちよくさせてあげるからな」
「ん……っ」
エーベルト様の指が、わたしの肉の粒に触れたその瞬間──
「エーベルト様」
部屋の外から、誰かの声した。
恥ずかしくなって、口を手で覆う。
エーベルト様が上半身を起こし、声を張った。
「いま取り込み中だ。後にしろ」
「いえ、それが……」
「なに、急用?」
「ルディ様に迎えが来ております」
「迎え……?」
わたしは、エーベルト様の馬車──つまりマックス家の馬車に乗せられてここまでやってきた。
だから、迎えなんてありえないはずだ。
「ルディ様のお兄様──オルソーニ伯爵がお見えになられています」
レザニード兄様が迎えに来た?
それは……ありえない。だって一か月丸ごと留守にするという話だった。少なくともあと10日は自由な行動はできないはずだ。……いや、エーベルト様の家で誕生パーティを開いたことを、兄様は知っている。それに合わせて、もしかして日程を詰めた?
ただ迎えに来ただけなら、いいけれど。
なぜか、胸騒ぎがする。
「チッ。分かった」
エーベルト様が身だしなみを整え、わたしの衣服も整えてくれる。髪も乱れているから、指で優しくすいてくれた。
「頭のおかしい兄貴のもとに帰らせる義理はない。だからルディはここにいてくれ」
「エーベルト様っ?」
そのまま、エーベルト様は部屋の外へ出て行ってしまった。
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