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27 またね
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遊星ミシャを飛び立ち、天の川銀河を抜けた処で、二人は宇宙ポリスに保護された。ラオンがしっかり弁解したおかげで、ソモルは免罪となった。
しかも何故か、マフィアたちの件は二人が通報した事になっていた。ポリスたちに正体を明かすと色々と都合の悪いホワイティアが、ラオンの名を使って情報を送ったのだろう。囚われていた女たちも、無事解放されたらしい。
二人はほっと胸を撫で下ろした。
そしてポリス衛星局に手厚く保護されていたラオンの元へ、ジュピターの宇宙船が姫君のお迎えに参上した。
宇宙船から降り立ったジイやたちの姿を見て、ソモルは思わず物陰に身を隠した。誤解は解けたのだから堂々としていても良いのだが、反射的にそうしてしまった。
ジイやが涙ぐみながら、ラオンに労いの言葉をかけている。これだけの騒ぎを起こしておいて説教のひとつもされないのだから、姫君は得だなと思う。仕事場の親方になんと云って謝ろうかと考えるだけで、ソモルは今から頭が痛い。
「ラオン!」
母の声に呼ばれ、ラオンの胸が高鳴った。
ジイやの肩越しにラオンは見た。
息せき切って走ってくる、王アルスオンと王妃ミアム。
「父上! 母上!」
ラオンはジイやの横をすり抜け、勢い良く両親の胸に飛び込んだ。
「ああ、無事で良かった! ラオン!」
ミアムが、優しくラオンのワインレッドの髪を撫でる。
「本当に良かった! おおっラオン! 私の最愛のラオンよぉぉっ!」
アルスオンは号泣しながら、ラオンをこれでもかと抱き締めた。
「ごめんなさい、父上、母上」
ラオンは少しもがきながらアルスオンの腕から抜け出すと、両親に謝った。自分がどれだけ両親を心配させてしまったか、今まざまざと思い知り、反省した。
けれど城を抜け出してでも、どうしても父上と母上に渡したかったもの。
ラオンはポケットをまさぐると、手に入れたばかりの両親へのプレゼントを取り出した。
「これは、僕から大好きなお二人へ。結婚記念日にはまだ早いのですが、どうしても今すぐ差し上げたくて」
ラオンは両親の目の前へ、手のひらに乗せたクピトを差し出した。愛の宝石クピトは、ラオンの手の上で透明な澄んだ輝きを放っていた。まるで自ら発光しているような、絶える事のない煌めき。
「まあ、なんて綺麗なの!」
「おお、この輝き。なんと麗しい!」
二人は感嘆の声を上げて、ラオンの手のひらから宝石クピトを受け取った。アルスオンとミアムが手に取り触れた瞬間、透明だったクピトは鮮やかな紅に染まっていた。
「おおっ! 宝石が可憐なバラ色に染まっていく!」
「あら素敵」
紅に煌めくクピトを、二人はうっとりと眺めた。
「これは、永遠の愛を司るという伝説の宝石クピトです。お二人がずっと仲良くいられるように。もうケンカなんてなさらないで下さいね」
二人は感激に、もう一度力いっぱいラオンを抱き締めた。
「もちろんよ、もうケンカなんてしない」
「ああ、もちろんだとも! もう二度とお前を悲しませたりしない!」
ラオンは二人の腕の中で、満足気に微笑んだ。
そして、ラオンとソモル。二人の別れの時だった。
たった数日間の旅だったが、一年分の冒険をした気分だった。一緒に楽しい事もし、悪い事もして駆け回った数日間を、二人は絶対に忘れないと思った。
こんなに最高だった時間は、きっともう二度と訪れないのだろう。そんな事を考えると、ほんの少しセンチメンタルにもなる。
二人は、真正面に向かい合った。ソモルよりも、頭ひとつ分低い位置にあるラオンの顔が、真っ直ぐにソモルを見上げている。
「また、うまくやって抜け出して来いよな。俺はいつでも、あの街に居るから」
誰よりも強いラオンの眼が、嬉しそうにソモルを見詰めている。この眼を絶対に忘れるものかと、ソモルは誓った。
「必ず、またソモルに会いに行く。だって、僕の大切な友達だから」
ソモルは、しっかりとうなずいた。そして、照れ臭そうに笑ってみせる。
その生意気そうな笑顔を、ラオンははっきりと心に焼きつけた。
しかも何故か、マフィアたちの件は二人が通報した事になっていた。ポリスたちに正体を明かすと色々と都合の悪いホワイティアが、ラオンの名を使って情報を送ったのだろう。囚われていた女たちも、無事解放されたらしい。
二人はほっと胸を撫で下ろした。
そしてポリス衛星局に手厚く保護されていたラオンの元へ、ジュピターの宇宙船が姫君のお迎えに参上した。
宇宙船から降り立ったジイやたちの姿を見て、ソモルは思わず物陰に身を隠した。誤解は解けたのだから堂々としていても良いのだが、反射的にそうしてしまった。
ジイやが涙ぐみながら、ラオンに労いの言葉をかけている。これだけの騒ぎを起こしておいて説教のひとつもされないのだから、姫君は得だなと思う。仕事場の親方になんと云って謝ろうかと考えるだけで、ソモルは今から頭が痛い。
「ラオン!」
母の声に呼ばれ、ラオンの胸が高鳴った。
ジイやの肩越しにラオンは見た。
息せき切って走ってくる、王アルスオンと王妃ミアム。
「父上! 母上!」
ラオンはジイやの横をすり抜け、勢い良く両親の胸に飛び込んだ。
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けれど城を抜け出してでも、どうしても父上と母上に渡したかったもの。
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「これは、僕から大好きなお二人へ。結婚記念日にはまだ早いのですが、どうしても今すぐ差し上げたくて」
ラオンは両親の目の前へ、手のひらに乗せたクピトを差し出した。愛の宝石クピトは、ラオンの手の上で透明な澄んだ輝きを放っていた。まるで自ら発光しているような、絶える事のない煌めき。
「まあ、なんて綺麗なの!」
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「おおっ! 宝石が可憐なバラ色に染まっていく!」
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「ああ、もちろんだとも! もう二度とお前を悲しませたりしない!」
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その生意気そうな笑顔を、ラオンははっきりと心に焼きつけた。
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