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ブラコン姉妹は、天使だろうか?(11)
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遊園地に来るのは、いつ振りだろうか?そんな事を思いながら、俺は両腕を無理矢理に引っ張られている。
「おいおい、そこまで焦らなくても時間には余裕があるぞ?」
「兄者は分かってないなぁ。遊園地の乗り物は、何回でも乗り回すのが常識だよ?」
「いや、美羽。その常識はお前だけだと思うぞ?」
ぱあっと表情を輝かせている美羽は、読心術の心得が無くともテンションが上がっている事が分かる。片腕を引っ張られている間、もう片方の腕にも何かの力が入ってその場で制止させられる。
「美羽、まずはこちらから行くのが常識だと思います!」
「ええ~、美羽はお化け屋敷とかにしようと思ったのにぃ~」
「お、おば、お化け屋敷なんて、そんな子供騙しなんてつまらないに決まってます。お兄様、さっそくジェットコースターに乗るのも一つの手ですよ?」
「あ、あぁ……」
俺は両腕を引っ張られながら、足を前へと進める。こう言い争いになると、お互いのプライドは表に出てしまう癖が彼女たちにはある。負けず嫌いというか、好戦的にというか……兎に角、この場を収めるためには乗り物に乗るのが一番だ。となれば……俺はどっちにしようか。お化け屋敷かジェットコースターか。
「……」
意外に悩む物だと思いながら、俺は言い争いと続ける彼女たちの勝負に付き合うつもりは全く無い。そもそも内容を知らないのだから、気にしても仕方が無いのだ。ならば、俺は順番を決めるだけでも勝ち負けを決めるにはちょうど良いだろう。
「よし、決めた。お化け屋敷に行くとしよう。その次はジェットコースターな?二人とも、それで良いか?」
「ふふん……♪」
「むかっ……はぁ~、お兄様がそう決めたのなら、私に異論はありません。はぁ~……次は私の方を選んでもらうようにしないと……」
何やらブツブツと言っているが、聞こえないのでそのままにしておこう。せっかく来たのだから、楽しまなければ来た意味が無くなってしまう。ここ最近は勉強尽くしだった上、羽を伸ばすにはちょうど良い一日になりそうだ。
「……ぎぃやあああああっ!!」
女の子だろうに、と思う程の節操の無い叫び声。眉目秀麗で完全無欠と噂されている少女でさえ、こうも容易く崩れるお化け屋敷。とは言うものの、俺としては大した事は無いのだけど……美咲にとっては違うらしい。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!こっち来るなぁ!!うわっ、次こっちから!?うにゃぁぁぁぁぁっ!!」
「くすくす……」
「美羽は平気そうだな。ホラー得意だったっけ?」
「美羽は大丈夫だよ?自分よりも盛大に怖がってる人が居るし(兄者が隣にいるし♪)」
「ふうん……あ、戻ってきたぞ」
美羽と小さく交わした会話の後、フラフラと体を左右に揺らしている美咲が来た。もうゾンビみたいになっていて、どっちがお化け役か分からないという具合である。
「お、お、お兄様……私は、もう、ダメです」
「すげぇ顔色悪いぞ。もうゲッソリし過ぎて、心配通り越して怖いわ。大丈夫か?」
「……はい。もう少しで、出口ですよね?……でしたら、もう少しだけ頑張ります……」
「お、おう」
フラフラと左右に揺れながら、順路を進んで行く美咲。俺と美羽はその背中を眺めながら、小さい声で言葉を交わすのだった。
「おい、美咲は大丈夫なのか?」
「うーん、大丈夫だと思うよ?美咲はタフな部分もあるから、このぐらいじゃへこたれないと思うんだけど……」
そう言いながら、再びフラフラと歩く美咲に視線を戻す美羽。その瞬間に驚かされていて、品の無い悲鳴を上げていた。本当に大丈夫だろうか?
「……ったく、仕方ねぇな」
「兄者?……あ」
そう小さく呟いた俺は、スタスタと平気そうな美羽を置いて美咲の元へ近寄った。フラフラと危なっかしいから、こっちが見ていられない。
「――ほれ、美咲。これなら多少は怖く無くなるだろ?」
「お、おおおおおお兄様?突然何を!?」
「我慢するのも良いが、素直に頼る事も覚えてくれ。一応これでも、お前らの兄なんだからさ。ほれ美羽、お前はこっちの手だ」
「美羽も?良いの!」
「何を言ってるんだお前。俺はお前らの兄って言ったんだ。美咲だけに手を伸ばす訳ねぇだろ。良いから、ほれ」
俺は半ば無理矢理に彼女たちの手を握り、順路をゆっくりと進んでいく。小さい手を両手に持って、俺たちはようやくお化け屋敷を抜ける事が出来たのであった。――のだが……。
ガヤガヤと周囲の目に映ったのは、無邪気に笑っている美羽と涙目となっている美咲。その彼女たちの手を握っている状態を見て、俺を見る周りの目が痛かった。やめろ、俺をロリコンかシスコン。それか誘拐犯を見るような目で俺を見えるな。見ないで下さいお願いします。そう心の中で懇願しながら、俺たちは次のアトラクションへ向かうのだった――。
「おいおい、そこまで焦らなくても時間には余裕があるぞ?」
「兄者は分かってないなぁ。遊園地の乗り物は、何回でも乗り回すのが常識だよ?」
「いや、美羽。その常識はお前だけだと思うぞ?」
ぱあっと表情を輝かせている美羽は、読心術の心得が無くともテンションが上がっている事が分かる。片腕を引っ張られている間、もう片方の腕にも何かの力が入ってその場で制止させられる。
「美羽、まずはこちらから行くのが常識だと思います!」
「ええ~、美羽はお化け屋敷とかにしようと思ったのにぃ~」
「お、おば、お化け屋敷なんて、そんな子供騙しなんてつまらないに決まってます。お兄様、さっそくジェットコースターに乗るのも一つの手ですよ?」
「あ、あぁ……」
俺は両腕を引っ張られながら、足を前へと進める。こう言い争いになると、お互いのプライドは表に出てしまう癖が彼女たちにはある。負けず嫌いというか、好戦的にというか……兎に角、この場を収めるためには乗り物に乗るのが一番だ。となれば……俺はどっちにしようか。お化け屋敷かジェットコースターか。
「……」
意外に悩む物だと思いながら、俺は言い争いと続ける彼女たちの勝負に付き合うつもりは全く無い。そもそも内容を知らないのだから、気にしても仕方が無いのだ。ならば、俺は順番を決めるだけでも勝ち負けを決めるにはちょうど良いだろう。
「よし、決めた。お化け屋敷に行くとしよう。その次はジェットコースターな?二人とも、それで良いか?」
「ふふん……♪」
「むかっ……はぁ~、お兄様がそう決めたのなら、私に異論はありません。はぁ~……次は私の方を選んでもらうようにしないと……」
何やらブツブツと言っているが、聞こえないのでそのままにしておこう。せっかく来たのだから、楽しまなければ来た意味が無くなってしまう。ここ最近は勉強尽くしだった上、羽を伸ばすにはちょうど良い一日になりそうだ。
「……ぎぃやあああああっ!!」
女の子だろうに、と思う程の節操の無い叫び声。眉目秀麗で完全無欠と噂されている少女でさえ、こうも容易く崩れるお化け屋敷。とは言うものの、俺としては大した事は無いのだけど……美咲にとっては違うらしい。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!こっち来るなぁ!!うわっ、次こっちから!?うにゃぁぁぁぁぁっ!!」
「くすくす……」
「美羽は平気そうだな。ホラー得意だったっけ?」
「美羽は大丈夫だよ?自分よりも盛大に怖がってる人が居るし(兄者が隣にいるし♪)」
「ふうん……あ、戻ってきたぞ」
美羽と小さく交わした会話の後、フラフラと体を左右に揺らしている美咲が来た。もうゾンビみたいになっていて、どっちがお化け役か分からないという具合である。
「お、お、お兄様……私は、もう、ダメです」
「すげぇ顔色悪いぞ。もうゲッソリし過ぎて、心配通り越して怖いわ。大丈夫か?」
「……はい。もう少しで、出口ですよね?……でしたら、もう少しだけ頑張ります……」
「お、おう」
フラフラと左右に揺れながら、順路を進んで行く美咲。俺と美羽はその背中を眺めながら、小さい声で言葉を交わすのだった。
「おい、美咲は大丈夫なのか?」
「うーん、大丈夫だと思うよ?美咲はタフな部分もあるから、このぐらいじゃへこたれないと思うんだけど……」
そう言いながら、再びフラフラと歩く美咲に視線を戻す美羽。その瞬間に驚かされていて、品の無い悲鳴を上げていた。本当に大丈夫だろうか?
「……ったく、仕方ねぇな」
「兄者?……あ」
そう小さく呟いた俺は、スタスタと平気そうな美羽を置いて美咲の元へ近寄った。フラフラと危なっかしいから、こっちが見ていられない。
「――ほれ、美咲。これなら多少は怖く無くなるだろ?」
「お、おおおおおお兄様?突然何を!?」
「我慢するのも良いが、素直に頼る事も覚えてくれ。一応これでも、お前らの兄なんだからさ。ほれ美羽、お前はこっちの手だ」
「美羽も?良いの!」
「何を言ってるんだお前。俺はお前らの兄って言ったんだ。美咲だけに手を伸ばす訳ねぇだろ。良いから、ほれ」
俺は半ば無理矢理に彼女たちの手を握り、順路をゆっくりと進んでいく。小さい手を両手に持って、俺たちはようやくお化け屋敷を抜ける事が出来たのであった。――のだが……。
ガヤガヤと周囲の目に映ったのは、無邪気に笑っている美羽と涙目となっている美咲。その彼女たちの手を握っている状態を見て、俺を見る周りの目が痛かった。やめろ、俺をロリコンかシスコン。それか誘拐犯を見るような目で俺を見えるな。見ないで下さいお願いします。そう心の中で懇願しながら、俺たちは次のアトラクションへ向かうのだった――。
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