ブラコン姉妹は、天使だろうか?【ブラてん】

三城 谷

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美羽ルート

ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美羽√(7)

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 「兄者ぁ~、勉強教えて~」
 
 俺がひと段落したタイミングを見計らったようにドアを開け、開口一番にそんな事を言ってきた美羽。
 彼女の俺が通っている学校の高等部では、『皆の妹』と言われる程に有名になっている。そんな彼女が得意としているのは文化系ではなく、運動系を得意としている。
 その証拠に彼女は、運動部の助っ人として大会に参加しては、かなりの賞を獲得して来ている。部員でも無いのに良くやると思って、何処かの部活に入るのか?と聞いた事がある。
 だがしかし、俺の妹である神楽坂美羽は……帰宅部が良いから、部活には入らない。と言っていた。
 助っ人で賞を取るぐらいなら、そのどれかの部活に所属した方が成績も良くなると思うのだが、それを彼女に言っても仕方無い事だろう。

 「課題でも出たのか?」
 「そーなの。ねぇ、良いでしょ兄者?教えてよ~」

 椅子に座っている俺の膝に近付いて、上目遣いをしながら拝むように自分の手を握って言った。あざといと思えばあざといし、免疫が無い人間がこれをやられればコロッと堕ちるであろう仕草だ。だがしかし俺は違う。毎日のようにアピールを受け続ければ、誰だって免疫が付いてしまうだろう。
 妹たちに直接は言わないが、心の中でこの言葉を送ってやろう。

 ――策士、策に溺れる。とな。

 「フッ……」
 「あ、兄者?何で高校生なのに、中学二年生のようなポーズをしてるの?」
 「ハッ、我が妹よ。そんな事は無いさ。俺は黒き黒焔を纏いし、ダーク〇レイム〇スターなのだからな。ハッハッハ!!」
 「へぇ……(黒き黒焔で、ダークって、何回黒いって言う気なんだろ)」
 「…………はっ、俺は一体何を!?」
 「兄者の昔の黒歴史は分かったから、美羽の課題手伝って!」

 そんな事より、と言いたげな言い方にしか聞こえない。こんなに美羽ってノリが悪かったっけ?と思ってしまったが、課題を見てみると彼女の嫌いな数学だった。これはテンションも上がってない事にも納得だ。

 「てか、黒歴史って言うな。――で?何が分からないんだ?」
 「あ、教えてくれるの!」
 「ちょうど勉強が終わったからな。ただあまり夜更かしはさせないからな」
 「はぁーい♪」

 教えて貰えると分かった瞬間、いつもの美羽に戻ったようにぱあっと顔を輝かせた。良い返事をしながら立ち上がると、俺の目の前で美羽が俺の机の上にノートを置いた。

 「んしょ、っと」
 「おい」
 「ん?」
 
 美羽の行動に疑問を持った俺は、目の前に居る美羽の後頭部に向かって声を掛ける。何故後頭部という事なのかと説明すると、簡単な話だ。俺の膝の上に座ってきて、背中を俺の胸に預けている状態になっているからだ。風呂から上がってから時間が大して経過していない所為で、シャンプーの匂いが俺の鼻をくすぐる。

 「ん?じゃなくてだな。何で膝の上に座ってるんだよ」
 「この方が覚えやすいの!……だめ?」
 「っ……」

 またもや上目遣いをしてきた美羽は、『お願い』というオーラを出す。いくら妹であっても、戸籍上だけであって血の繋がりは無い。その事実をお互いに知ってる以上、間違いがあった場合は責任を取るしか無くなる。
 それも含めて、俺は何度もこういうシチュエーションは避けて来たはずなのだ。なのに……。

 「兄者、はやくはやく♪」
 「はいはい、分かったから」

 俺に折れるしか選択肢は無いらしく、美羽を膝の上に乗せたまま課題を手伝った。その間、美羽との密着中に何度も素数を数えたり、円周率を頭の中で唱え続けたのであった――。
 
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