ブラコン姉妹は、天使だろうか?【ブラてん】

三城 谷

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美羽ルート

ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美羽√(8)

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 「ふわぁ~あ……ねむいぃ」

 美羽が机に突っ伏している。土日という平和な休日が終わった後の月曜日の休み時間。一週間の始まりという憂鬱な時間を前にして、美羽は溜息と欠伸を繰り返しながらそんな事を言った。
 月曜日から始まるという事は、これから金曜日までの五日間を学校で過ごさなくてはならない。そんな事実を繰り返す日常は、美羽にとっては憂鬱そのものであるようだ。

 「し、失礼しまぁす。美羽は居ますか?」
 
 美咲がそんな美羽の様子を見に来た瞬間、美羽のクラスメイトたちがざわつく。
 神楽坂姉妹は中等部の中でも天才と呼ばれる存在であり、それに対して憧れを抱く者や好意を抱いている者も多く存在している。それを裏付けるように、美咲の登場によって黄色い声が歓声となって響き渡った。

 「うぅ~……美咲ぃ、来るならルインして欲しかったよ」
 「しましたよ。でも美羽、既読きどくを付けないんだもん。なら直接出向くしか無いでしょ?」
 「ん~……あぁ、ほんとだぁ。ごめん~」

 気怠い様子で携帯を取り出し、トークアプリを起動する。そこに今から教室に行くというメッセージが確かに存在し、美咲が嘘を言っていない証明がされた。それを理解した美羽は、気怠い様子が抜けないままで謝罪をして、再び机に突っ伏してしまった。

 「もうすぐ授業が始めるんだから、寝たら成績が悪くなりますよ?」
 「もう既に終わってるから大丈夫。勉強したくなぁい、やだぁー」
 「我儘を言ってないで、さっさと移動しますよ。次は合同の授業なのですから、ほら、準備して」
 「はぁーい」

 美咲に手を引かれる美羽は、渋々ながらも彼女の背中を追っていく。フラフラしていて危なっかしい様子だが、美咲が手を引きながら美羽の事を次の教室へと連れて行く。
 その様子を見ていた周囲の生徒は、ボソボソと呟くように内緒話をし始めていた。

 『美羽ちゃんと美咲ちゃんって、どっちがお姉ちゃんなんだっけ?』
 『確か美羽ちゃんだったはずだよ?でも、たまにどっちがお姉ちゃんなのか。私たちも分かんなくなっちゃうよね』
 『そうだね、あはは』
 
 美羽と美咲には、どっちが姉妹なのかという話が耳に入って来ていた。欠伸をしながら廊下を進み、やがて誰も居ない角を曲がった所で、美咲が溜息混じりに口を開いた。

 「――もぉ、あんな事言われても悔しくないの?」
 「あぁ、大丈夫大丈夫。別に美羽は、気にしてないし。双子みたいなものだし、どっちでも良いんじゃない?」
 「むぅ……相変わらず呑気な。美羽の方が実はしっかりしてたりするんだから、ちゃんとそれを証明しても良いんじゃない?」
 「えー、やだよ。面倒くさいし。それよりも早く行こう。移動教室なんでしょ?」
 「あ、ちょっと待ちなさいってば!」

 そんな話を早く切り上げたかったのか、美羽は早々に廊下を進み始める。手を既に離していた美咲は、慌てた様子で美羽の背中を追うようにして歩を進める。
 それから彼女たちは移動教室の場所まで、他愛も無い話で盛り上がっていた事を誰も知らない。
 


 だがしかし、美羽は誰にも聞こえないようにボソッと呟くのだった――。

 「どっちがお姉ちゃん、か……」
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