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美羽ルート
ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美羽√(24)
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「はぁ、全くお兄様ったら」
廊下を進みながら、美咲は嘆息して言った。そんな彼女の隣で廊下を進みながら、後ろの方に居る彼らの事を盗み見る。だがそんな行動をしたところで、隣の彼女には筒抜けなのだろう。自分が何をしようが、何を考えようが、彼女はその全てを先読みしてくる。恐らくだが、彼女の将来は諜報員か何かじゃないかと思っている。
「美羽、聞いているのですか?」
「ん、な、なに?」
「はぁ、お兄様も美羽もボーっとし過ぎです。色ボケは程々にして下さい」
「だ、誰が色ボケなのさ」
「主に美羽ですけど、何か文句……いえ、言い返せる道理があるのですか?あるならお聞かせ下さいな。お兄様の事を溺愛し過ぎて、最近何も手につかない神楽坂美羽さん♪」
「……美咲だって、兄者を溺愛してるじゃん。人の事言えないじゃんか」
「私は良いのです。何故なら、私はお兄様が好きというのを公開しているようなものです。それに比べて美羽、美羽はそれを隠そうとしている。我慢は体に毒とも言うけれど、少しは素直になってみてはいかがですか?」
美咲はそう言いながら、後ろで手を組んで廊下を進み始める。誰も居ないとはいえ、妹である自分が兄の事を好きだという事を公開する事が難しい。いや簡単なんだろうけれど、その好きを伝えるのが怖くて仕方が無い。冗談混じりであれば、腕に絡んで言う事は出来る。だが改めて言うとなると、その覚悟が自分には無い。
もし断られたら?拒絶されたら?
そんな感情がチラついてしまって、思うように頭が働かないのだ。心配や不安、それと恐怖心が勝っているのである。そしてもし拒絶されたとしたら、あの家には帰る事は愚か、自分の居場所が無くなってしまうのでは無いかと恐れているのだ。
勿論、兄がそんな事をする人間ではない事は知っている。優しいし、格好良いとも思っているのも事実だ。好きか嫌いかといえば好きだし、好きか大好きかと聞かれれば迷わず大好きと答えられる程に好意を抱いている。だけど……その好意は自分だけが向けて良いのだろうかと思ってしまうのだ。
「美羽、どうしたのですか?早くしないと、午後の授業が始まってしまうけれど」
「…………うん」
「私の顔に何か付いてますか?」
「目と鼻と口が付いてる」
「そういう事では無くて……はぁ、美羽。ちょっと良いですか?」
そんな事を考えながら、美咲の事を眺めていた。彼女は完璧だ。自分と比べてしまえば、どちらを選ぶなんて一目瞭然だろうと言えてしまう。
成績優秀で、眉目秀麗で、家事も出来るし、世話好きな女の子。そんな女子生徒を男子生徒が狙っている事は知っているし、噂話だって耳に入って来ている。だけれど多分、告白されても彼女は言うのだろう。自分が好きなのは兄だけと、それ以外は男として見る事は出来ないと。言っているというのが頭に浮かぶ。
「美羽、一つだけ勝負をしませんか?」
「勝負?」
突然に美咲がそんな事を言ってきた。気晴らしになるのなら、このモヤモヤした気持ちを払えるのなら、何でもやりたい気分だから丁度良かった。だけれどその勝負は、自分が思っていた勝負とは違ったものだった。全く別問題で、予想の斜め上の勝負内容だった。
「明日、私はお兄様に告白しますので、そのつもりで。これだけ言えば、勝負の内容は分かりますね?」
「っ……」
廊下を進みながら、美咲は嘆息して言った。そんな彼女の隣で廊下を進みながら、後ろの方に居る彼らの事を盗み見る。だがそんな行動をしたところで、隣の彼女には筒抜けなのだろう。自分が何をしようが、何を考えようが、彼女はその全てを先読みしてくる。恐らくだが、彼女の将来は諜報員か何かじゃないかと思っている。
「美羽、聞いているのですか?」
「ん、な、なに?」
「はぁ、お兄様も美羽もボーっとし過ぎです。色ボケは程々にして下さい」
「だ、誰が色ボケなのさ」
「主に美羽ですけど、何か文句……いえ、言い返せる道理があるのですか?あるならお聞かせ下さいな。お兄様の事を溺愛し過ぎて、最近何も手につかない神楽坂美羽さん♪」
「……美咲だって、兄者を溺愛してるじゃん。人の事言えないじゃんか」
「私は良いのです。何故なら、私はお兄様が好きというのを公開しているようなものです。それに比べて美羽、美羽はそれを隠そうとしている。我慢は体に毒とも言うけれど、少しは素直になってみてはいかがですか?」
美咲はそう言いながら、後ろで手を組んで廊下を進み始める。誰も居ないとはいえ、妹である自分が兄の事を好きだという事を公開する事が難しい。いや簡単なんだろうけれど、その好きを伝えるのが怖くて仕方が無い。冗談混じりであれば、腕に絡んで言う事は出来る。だが改めて言うとなると、その覚悟が自分には無い。
もし断られたら?拒絶されたら?
そんな感情がチラついてしまって、思うように頭が働かないのだ。心配や不安、それと恐怖心が勝っているのである。そしてもし拒絶されたとしたら、あの家には帰る事は愚か、自分の居場所が無くなってしまうのでは無いかと恐れているのだ。
勿論、兄がそんな事をする人間ではない事は知っている。優しいし、格好良いとも思っているのも事実だ。好きか嫌いかといえば好きだし、好きか大好きかと聞かれれば迷わず大好きと答えられる程に好意を抱いている。だけど……その好意は自分だけが向けて良いのだろうかと思ってしまうのだ。
「美羽、どうしたのですか?早くしないと、午後の授業が始まってしまうけれど」
「…………うん」
「私の顔に何か付いてますか?」
「目と鼻と口が付いてる」
「そういう事では無くて……はぁ、美羽。ちょっと良いですか?」
そんな事を考えながら、美咲の事を眺めていた。彼女は完璧だ。自分と比べてしまえば、どちらを選ぶなんて一目瞭然だろうと言えてしまう。
成績優秀で、眉目秀麗で、家事も出来るし、世話好きな女の子。そんな女子生徒を男子生徒が狙っている事は知っているし、噂話だって耳に入って来ている。だけれど多分、告白されても彼女は言うのだろう。自分が好きなのは兄だけと、それ以外は男として見る事は出来ないと。言っているというのが頭に浮かぶ。
「美羽、一つだけ勝負をしませんか?」
「勝負?」
突然に美咲がそんな事を言ってきた。気晴らしになるのなら、このモヤモヤした気持ちを払えるのなら、何でもやりたい気分だから丁度良かった。だけれどその勝負は、自分が思っていた勝負とは違ったものだった。全く別問題で、予想の斜め上の勝負内容だった。
「明日、私はお兄様に告白しますので、そのつもりで。これだけ言えば、勝負の内容は分かりますね?」
「っ……」
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