ブラコン姉妹は、天使だろうか?【ブラてん】

三城 谷

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美羽ルート

ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美羽√(23)

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 「んで、まずは何処から調べる?」
 「ん~、図書室ですかね。資料管理室に入った事は無いですけど、なんか図書室よりも紙が多そうですし」
 「面倒だから後回しにしたのか。理由としちゃ良いが、探してる資料が急ぎだったら問題な行動だな」
 「ん、どうしてです?」
 
 キョトンとした表情を浮かべて、彼女はそんな事を問い掛けて来た。正直、新聞部という期限付きの部活動に参加をしているのだから、これぐらい分かりそうな問題だと思うのだが……まぁ説明しとくか。

 「いやだって、すぐに調べないとダメな時とかあるだろ?その時に埋もれた管理室を後回しにして、もし探し物が管理室にあったら二度手間だろ?図書室は広いけれど、本の内容でカテコライズされてるんだから楽だしな。その分、管理室は片付けが面倒な物で溢れてる。そん中を探すんだから、手間だろ?」
 「あぁ、なるほど。……でもどっちもやって見つからなかったら、先輩の場合どうします?」
 
 何をクダラナイ事を聞いているのだこの女子は。俺のような面倒臭がる人間が、見つからなかった場合なんてその場の気分で補えてしまうし、答えはすぐに出てしまう案件じゃないか。こいつは本当に俺の事を調べているのか?生徒会長の時にインタビューを受けた事はあるけど、その次に細かく質問してたじゃねぇか。

 「……それで、先輩はどうするんですか?」
 「そんなの決まってるだろ」
 「おお、どうするんですかっ?」

 目をキラキラさせても困るのだが、俺はノリで突き通す事にした。

 「人間、何事にも諦めが肝心だ」
 「……あぁ~、なるほど。期待したボクが間違いでした。確かに先輩はそうでしたね。そういう方でしたね」
 「おい、なんだその意味あり気な言い方は。若干腹が立つぞ」
 「良いんです。大丈夫ですよ。先輩は大雑把な人だって分かってましたし、ボクよりも捻くれ者だって事も分かってますよ。ボクが唯一の理解者ですから、安心して下さい」
 「やめろ。慰めるような言い方をするな。俺が惨めになってくるだろ!?」
 
 ジト目で何かを悟ったような表情で、彼女は俺の事を淡々と話す。その内容と話し方で、俺が慰められているような感覚に襲われ、俺は止めるように促したのだが……さらに彼女の追い討ちはやってくる。

 「それに先輩はあれですもんね。理解者が居なさ過ぎて、生徒会を辞めざるを得なかったんですもんね。先輩を分かってくれる人が誰も居なくて、理解されなかったから卑怯者って呼ばれてるんですもんね。良いんですよ、ほら、どうぞボクの胸で泣いても」
 「誰が泣くか!それに縋るなら、もう少し胸が育ってから言え!」
 「うわ、ボクが気にしてる事を言いますか!?――うっわー、この人サイテーですよ!女の敵ですよー!」

 大きな声で周囲の生徒に説明するように言うが、幸いにも図書室がある校舎には誰も居ない様子だった。良かったというより、助かった。ふざけ合っているとはいえ、こんな所を誰かに聞かれたら変な噂が広まるに決まって……。

 「「じー……」」
 「なっ!?み、美羽……美咲、こんな所で何してんだ?」
 「兄者、サイテー」「お兄様、サイテー」
 「のぉぉっ!!!ちょっと待て誤解だお前ら!」

 聞かれていた。それも二人の妹に……。そして逃げるように離れて行く妹たちの背中。その背中を見届けるようにして、俺は跪いて手を伸ばし続けていたのであった。

 「哀れですね、先輩」
 「誰の所為だよ」

 こうして俺と妹たちの間には、微妙な空気に包まれた変な亀裂が入ったのである。
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