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美羽ルート
ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美羽√(22)
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「あぁ~……」
頭がボーっとする。昨日の夜、美咲に言われた言葉が思っていたよりもダメージとなっていた。次の日にまで精神的にダメージが蓄積されているとは、ロールプレイングゲームだったら美咲は盗賊か魔法使いだな。盗賊なら毒を塗った刃物による一刺しで、魔法使いなら毒の効果のある魔法を……という流れがしっくり来ていた。
「昨日と今日で、また随分と落ち込んでいますね。先輩は」
「仕方無いだろ。俺の弱点という弱点を狙った一撃だったんだから、唸りたくもなる」
「っていうか先輩、新聞部の部室は相談所でも休憩所でも無いんですから。用が無いなら出て下さい」
「冷たい事を言うようになったなぁ。根暗キャラからクールキャラに設定変更か?」
「ゲームみたいに変更出来たら、ボクの性格はパリピになってますね」
何でパリピなんだよとツッコミを入れようと思ったが、どうせ『今までの自分と正反対の性格にした方が、人生楽しいからですよ!』とかなんとか言いそうなので止めておこう。そんな無駄話をする為に、わざわざここに来た訳では無い。……と思う。
「そういえば先輩、去年の新聞部の資料って何処にあるか分かります?」
「何で新聞部でも無い俺に聞くんだよ。部長にでも聞けよ」
「その部長よりも先輩に聞きたいから、聞いてるんですよ。後、先輩は仮にも元生徒会長ですし、覚えている事は覚えていると信じてますからね。ボクなりの期待と敬い方ですよ」
「そんな他力本願な敬いと期待を、俺は聞いた事が無いんだが……つか、何の資料だ?」
「体育祭と文化祭ですね。今年に何が行われるかは知らないので、早めにデータを取り入れておこうって思って。けど肝心の資料が何処にあるのか、部員のボクも知らないんですよね」
「廃棄されてるって可能性は無いのか?古過ぎたり、残せない物って破棄してたと思うぞ。生徒会でも大掃除とかで、一年に一回は資料整理があるぐらいだ。大体は図書室とか資料管理室に行くと思うから、そこを探すのも有りじゃないか?」
「おお、先輩ナイスアイディア!さっすが元生徒会長!」
元生徒会長は余計だと心の中でツッコミを入れながら、俺は彼女に出されたお茶を一口飲む。身長の低い彼女が、せっせかと資料整理を行っている所を眺めているが、別に青春って感じがしないのは何でなんだろうか。という議題が脳裏に浮かんだが、それはまた今度考える事にしよう。
「じゃあ先輩、行きましょうか」
「んあ?」
お茶を飲んでいた所で、彼女はそんな事を言い始めた。何の事を言っているのか不明だった為、俺は思わず間抜けな声を出して彼女の言葉に反応した。
「んあ?じゃなくて、先輩も一緒に行くんですよ」
「何処に?」
「図書室と資料管理室」
「何で?」
「先輩が発案したからですよ?そこにあるかもしれないって」
「……だからって、何で俺まで行くんだよ。一人で行けば良いじゃん」
「資料は重たいです。一年分も積まれているのなら、そんな事は明白じゃないですか。なら力持ちの先輩が来なきゃ、ボクが紙で死にます。そうなったら先輩は責任を取れますか?」
紙で潰されて死ぬって、豆腐の角に頭ぶつけて死ねって言われてるのと一緒のニュアンスじゃないだろうか。そう思いつつ、彼女ならダイイングメッセージで俺の名前を書きそうな予感もある。それを踏まえると、ここは嫌々でも手伝うべきか。それとも新聞部の部室から立ち去るべきか。
「じゃあ先輩、行きましょ」
「……」
選択の余地は無かった。選択肢を出しても意味は無く、彼女の中では俺が必ず居る事になっているようだ。頼りにされるのは嬉しいし、応えるのはやぶさかではないのだが……良いように遣われてる節があって軽く癪である。
こうして俺は渋々、小鳥遊幽と共に図書室と資料管理室へと向かった。だがそこで一悶着ある事を……この時の俺は知らないのであった。
頭がボーっとする。昨日の夜、美咲に言われた言葉が思っていたよりもダメージとなっていた。次の日にまで精神的にダメージが蓄積されているとは、ロールプレイングゲームだったら美咲は盗賊か魔法使いだな。盗賊なら毒を塗った刃物による一刺しで、魔法使いなら毒の効果のある魔法を……という流れがしっくり来ていた。
「昨日と今日で、また随分と落ち込んでいますね。先輩は」
「仕方無いだろ。俺の弱点という弱点を狙った一撃だったんだから、唸りたくもなる」
「っていうか先輩、新聞部の部室は相談所でも休憩所でも無いんですから。用が無いなら出て下さい」
「冷たい事を言うようになったなぁ。根暗キャラからクールキャラに設定変更か?」
「ゲームみたいに変更出来たら、ボクの性格はパリピになってますね」
何でパリピなんだよとツッコミを入れようと思ったが、どうせ『今までの自分と正反対の性格にした方が、人生楽しいからですよ!』とかなんとか言いそうなので止めておこう。そんな無駄話をする為に、わざわざここに来た訳では無い。……と思う。
「そういえば先輩、去年の新聞部の資料って何処にあるか分かります?」
「何で新聞部でも無い俺に聞くんだよ。部長にでも聞けよ」
「その部長よりも先輩に聞きたいから、聞いてるんですよ。後、先輩は仮にも元生徒会長ですし、覚えている事は覚えていると信じてますからね。ボクなりの期待と敬い方ですよ」
「そんな他力本願な敬いと期待を、俺は聞いた事が無いんだが……つか、何の資料だ?」
「体育祭と文化祭ですね。今年に何が行われるかは知らないので、早めにデータを取り入れておこうって思って。けど肝心の資料が何処にあるのか、部員のボクも知らないんですよね」
「廃棄されてるって可能性は無いのか?古過ぎたり、残せない物って破棄してたと思うぞ。生徒会でも大掃除とかで、一年に一回は資料整理があるぐらいだ。大体は図書室とか資料管理室に行くと思うから、そこを探すのも有りじゃないか?」
「おお、先輩ナイスアイディア!さっすが元生徒会長!」
元生徒会長は余計だと心の中でツッコミを入れながら、俺は彼女に出されたお茶を一口飲む。身長の低い彼女が、せっせかと資料整理を行っている所を眺めているが、別に青春って感じがしないのは何でなんだろうか。という議題が脳裏に浮かんだが、それはまた今度考える事にしよう。
「じゃあ先輩、行きましょうか」
「んあ?」
お茶を飲んでいた所で、彼女はそんな事を言い始めた。何の事を言っているのか不明だった為、俺は思わず間抜けな声を出して彼女の言葉に反応した。
「んあ?じゃなくて、先輩も一緒に行くんですよ」
「何処に?」
「図書室と資料管理室」
「何で?」
「先輩が発案したからですよ?そこにあるかもしれないって」
「……だからって、何で俺まで行くんだよ。一人で行けば良いじゃん」
「資料は重たいです。一年分も積まれているのなら、そんな事は明白じゃないですか。なら力持ちの先輩が来なきゃ、ボクが紙で死にます。そうなったら先輩は責任を取れますか?」
紙で潰されて死ぬって、豆腐の角に頭ぶつけて死ねって言われてるのと一緒のニュアンスじゃないだろうか。そう思いつつ、彼女ならダイイングメッセージで俺の名前を書きそうな予感もある。それを踏まえると、ここは嫌々でも手伝うべきか。それとも新聞部の部室から立ち去るべきか。
「じゃあ先輩、行きましょ」
「……」
選択の余地は無かった。選択肢を出しても意味は無く、彼女の中では俺が必ず居る事になっているようだ。頼りにされるのは嬉しいし、応えるのはやぶさかではないのだが……良いように遣われてる節があって軽く癪である。
こうして俺は渋々、小鳥遊幽と共に図書室と資料管理室へと向かった。だがそこで一悶着ある事を……この時の俺は知らないのであった。
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