ブラコン姉妹は、天使だろうか?【ブラてん】

三城 谷

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美咲ルート

ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美咲√(8)

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 「昴、この荷物は何処に置けば良い?」
 「あぁ、それはあっちですね。棚の下辺りに置いてくれれば、後は自分でやりますよ」
 「何だ?手伝って下さいとか言ってた割には、かなり謙虚じゃねぇか」

 生徒会室で荷物整理をしていた時、俺は現生徒会長である昴と話していた。別に黙って作業しても良いのだが、個人的には駄弁りながら仕事をしていたいという性分なのだろう。俺は約一時間程度、体を動かしていたら自然と口から声が出ていた。

 「何ですか?比較的、楽な仕事を回してるつもりなんですけど?もっと書類整理の方が良かったですか?」
 
 そう言いながら昴は、ジト目っとした目付きで机に乗っている書類の山を指差した。そこには溜まりに溜まった書類が積み重なっており、横には生徒会専用の判子が置かれていた。その様子を見て、俺は一目で一番面倒な仕事だという事を悟った。

 「お前、面倒だからって後回しにしてたろ」
 「い、いやぁ、運動部への助っ人依頼が激しくて……つい」
 「つい、じゃねぇよ。お前これ、今日中に終わるか分からない量だぞ。どうすんだ?」
 「まぁなんとかなると思いますけど……あ」

 昴は一枚の書類を見た後、何か焦った様子で二度見しながら書類を確認し始める。不穏な空気を感じた俺は、溜息混じりに生徒会室から出ようとした。

 「んじゃ、お疲れ。荷物はここで良いんだよな」
 「っ!」

 と出ようとした瞬間だった。制服の袖を掴まれ、生徒会室を出れなくなった。振り返れば、先程までの元気が無くなって冷や汗を垂らしている昴の姿があった。俺は嫌な予感もしつつ、彼女に問い掛けた。

 「何で袖を掴む?」
 「そこに袖があったから……?」
 「なら自分の袖を掴め」
 「あぁ、ええっと先輩。もう少し手伝ってくれたりしませんか?報酬も出しますので」
 「生徒間での金銭や等価交換のやり取りは原則禁止だ。それを生徒会のお前が破るなんて、本末転倒だと思うんだが?」
 「い、いやぁ……どうしても、ダメですか?」

 完全に目が泳いでいる様子を見ると、俺はなんとなく理解出来てしまう自分に呆れる。そんな事を思いながら、袖を掴む彼女の手を引き剥がした。

 「それで?何を手伝って欲しいんだ?お前は」
 「ええとですね。大変言い難い事で大変恐縮なのですが、先輩様はこの後のご予定は空いてますでしょうか?」
 「空いてない場合、どうするつもりなんだ?」
 「そ、その場合は止むを得ないので……腹を切ります」
 「割れよ。切るな。自害する気満々じゃねぇか!介錯何かしねぇからな?」
 「後生です先輩!生徒会長としての威厳が今、破綻しそうなんです!!」
 「へぇ~、具体的には?」
 「こ、これです」

 昴は恐る恐る書類を差し出して、俺はその書類を受け取る。オドオドしているというよりかは、何か焦っている様子にも思える。それにこの焦りようは、彼女にとっては死活問題となる案件かもしれない。そんな事を予想しつつも、俺は書類に目を通していた。

 「お前、これは無いわ」
 「で、ですよねー……あはは」
 「あははじゃねぇよ。んで、どうすんだ?これ」

 その書類が出来ていた時期は、先月の日付となっている。だが提出期限と記されている場所には、一週間前の日付が記されていた。これはつまり、生徒会長である彼女が期限を守らなかったという印象を受けるという事になる。結果、これは生徒会全体の印象を悪くする事に繋がってしまうのであった――。

 「先輩、どうしましょう。……」
 「泣くな。とりあえず、なんとかしてやるから待ってろ」

 そう言って、俺は生徒会室を後にした。だがその道中、偶然にも校内の有名人である妹の一人。神楽坂美咲とエンカウントしたのである。
 
 「お、お兄様」
 「美咲?」
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