転生詩人は騎士への愛を弾き語る

あまやどり

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1 シャルルと騎士団副団長

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 交わした会話が脳裏から離れない。

   ***
 夜空のふちをただよう雲にうっすらと、黎明の光が差し込んだ。
 シャルルの醜悪な思惑が果たされるのは目前だった。勝手知ったる宮内で他人の目に触れずに渡り歩くのは簡単なことだった。だが、明け方といっても建物の中で、慣れないマントを視界が遮るほど目深に被っていたことが仇となった。
 薄暗い大理石の廊下を照らす、男の持っていたランタンの灯りにさえ気づけず、瞬く間に、壁に抑え付けられてしまった。
 シャルルはぐうっと腕を伸ばしたり、さっと足を広げたり、そういった簡単な身動きさえ取れない。
 体を強く押さえつけられた勢いで、ざらついた土壁に頬が擦れてヒリヒリと痛む。
(――ッいった! ――だ、誰だよ⁉)
 襲われた恐怖で声を出せなかった。
「何者だ‼ ここで何をしている‼」
 問いただす男の声が頭上から降ってくる。力強く明瞭でいて、おそろしく冷たい声。できるだけ顔をマントのなかに埋めて隠す。
(守衛か⁉ まずい、なんてタイミングだ)
 わけがあり名前も言えず、ただ恐怖から嗚咽が漏れそうになるのを必死に抑える。弱さを悟られれば瞬時に、男の独断で秘密裏に処理されるかも知れない。
 守衛が侵入者や不審者にどれほど厳しいかを知っている。男が淡々と脅しをかけてきた。
「……無言か。いいか、これ以上その姿勢を貫くのであれば皮を剥いで肉と骨を犬の餌にするぞ」
 追い詰められていき、顔から血の気がひく。本当にそうするつもりなのか、想像しただけで震えが止まらない。手に汗が滲み、を滑り落とすわけにはいかないとぎゅうと力を込めて握る。腕を後ろに回されて捕らえられていることなど頭から抜け落ちていた。
「何を持っている?」
 男はその動きを見逃さなかった。
 ――まずいっ!とシャルルが慌て手に持っている物を握りしめる。しかし男は、シャルルの手に握っていた小瓶をやすやすと奪い、薄い体で抵抗するシャルルの動きを、腕一本で封じた。
 男が腕を高く掲げて外の明かりにかざすと、妖しい液体の影が小瓶の中で揺れる。その下でランタンがシャルルをあざ笑うかのように揺れていた。
 小瓶の中身のために、わざわざ黒いマントを目深に被って、灯りを持たないでコソコソと動いていたシャルル。そんなあからさまに目につく姿を侵入者、あるいは不審者と勘違いして捕縛したのだろう。それは男の職務であり、使命であった。
 男はシャルルのマントを剥ぎ取り、持っている灯りを顔に近づける。二人の間に灯りが滲み、姿があらわになった。
 乱れた繊細な長髪はクリーム色で、生白い顔色は灯りのあたたかみをおびて生きた人間だとわかり、黒いマントから伸びた華奢な腕は弱々しい。目じりをつり上げる紫色の双ぼうは反抗的で小生意気な性格をあらわしている。
「……シャルル・ソレーナ、か」
 男の口ぶりは王太子の恋人であるシャルル・ソレーナであると認めた。
 遊び心のない髪は艶のある黒色で、騎士らしい飾り気のない儀礼服はありのままの男の姿を引き立たせる。つねに男は金色の鋭い眼光を走らせかぎ眉の間に深い影を刻んでいた。すべてが洗練されている男である。
「う、そ……ロッシュ、副団長?」
 シャルルは男が近衛騎士団副団長であるヴィクトル・ロッシュであるとわかった。
 双ぼうは驚きから恐怖へと戻った。ある噂を耳にしたせいだ。
 ヴィクトルの目の前で警戒心や注意を抱かずに呆けて立っているというのは、あまりにも恐ろしい状況に他ならない。そんな状況、身の竦む思いで息を吸うのも忘れてしまいそうになるのだ、と。
 事実、自分を不審者だと疑って捕獲したヴィクトルの鋭い眼光と目が合うと、一分以上も呼吸を忘れてしまった。思い出した時には急に酸素を取り込んでしまいむせ返ってしまう。
(もし、バレたら、本当に体をバラバラにされかねない)
 無言の数秒が、短針を刻々ときざむように遅く感じる。
 突如、後ろに回った腕をヴィクトルがひっぱった。壁から体が離れ、解放されるかと安堵するがすぐに期待を裏切られた。シャルルは後ろの腕をさらに、きつく締められて深く前かがみになり、上半身にヴィクトルの分厚い体と鍛えられた重みを感じて息が苦しくなる。
「シャルル・ソレーナ。もう一度問う。ここで何をしている」
「……ふ、くケホッ、……だん、ちょうこそ」
「答える気はないのか」
「いえ、ただ僕は、散歩して……た、だけです」
「これはなんだ」
 顔の近くに小瓶と灯りが寄せられる。明るい灯りのなかで、シャルルの表情が苦しげに歪んだ。
(クソ、なんでよりによってこいつを持ってる時に……)
 それは殿下を奪った憎き恋敵を陥れるために調合した薬品だった。わざわざ本当のことを言わないでいればいいだろうに、ヴィクトルの真意を探ろうとする射るまなざしに嘘はつけなかった。
「そ、れは」
 言いかけて、ためらうシャルルの顔が灯りの熱ではなく、内から赤らんでいく。
 それは? と後ろからヴィクトルに催促される。
「……媚薬、です」
 上からピクリと痙攣した反応がシャルルの上半身に伝わった。
 ヴィクトルのまとう空気が変わった気がした。標的を吐き出させるつもりか、一層、声を低くして問われた。
「誰に使おうとした」
 答えられなかった。醜くくおぞましい企みを言ってしまえば、ヴィクトルはすぐにでも地下牢に幽閉しかねない。しかし、嘘を吐けばその嘘を確認するために周辺を動き回るだろう。他人の名前を出せないでいた。ならばと、恥をかきながらこう言うしかなかった。
「……じ、ぶん、です」
 言葉に詰まりながら答えるが、ちっとも、体重をのせられ密着した上半身が離れることはない。
(信用してもらうためには……)
 頭に浮かんだ淫乱なセリフはこんな状況でなければ、絶対に言うことなど無いだろう。これ以上酷い目に合わないために、ヴィクトルの金色の双眸を見つめながら、首を傾けて欲っぽく口角をあげそれらしく答えた。
「……殿下に、楽しんでもらえるために自分に使うんです」
 マントの重なりから現れたシャルルの白く細い首に繊細な長髪が砂のカーテンのようにかかった。
 ヴィクトルの顔が一層険しくなり、シャルルの動悸がみるみる跳ねあがる。
「……そうか。しかし、疑わしい動きをしていたためこれは没収する」
 そう言って、ヴィクトルは小瓶を胸元にしまった。不審人物が所有していたあやしい小瓶の中身を知れば、それがシャルルの口から用途を聞いたとしても、彼はそのままにしないだろうことはわかってた。
(とられてしまった。また作っても、もう舞踏会まで間に合わない)
 そんな諦めよりも、なんとかこの場を逃げ切れたとホッとして大理石の床に視線を落とす。
 すぐに、ヴィクトルはシャルルの顎を指で挟んで上に向かせる。
「え」
「お前の行動は普段から目に余る。もし、また企みを実行するつもりでいるなら、厳重な処罰をくだすぞ」
 ヴィクトルの瞳に灯りが反射してメラメラと金色が輝く。戦中でも、鍛錬中でもないのに、そんな恐ろしい双ぼうに睨まれて背中に緊張が走る。シャルルは小さく答えた。
「わかってます。副団長のお手を煩わすことなどございません」
 もう、解放してくれ、とシャルルはヴィクトルの腕の中でもぞもぞと動く。だが、答えに反してヴィクトルの表情はいまだ不満げだ。
(信用していないのだろう。疑い深い人だから)
 ヴィクトルが厳格な男だということは周知の事実である。
 他者にも自分自身にも恐ろしく厳しい。ロッシュ侯爵家というのは、代々王国を護る近衛騎士団に所属している。
 ヴィクトルは侯爵家の次男で現在、近衛騎士団副団長である、長男は幼いうちに他界しているため、いずれは家督を継ぐことになるのだろう。
 また、そのなかから、王家の特定の一員を守護する〝聖騎士〟をながらく輩出してきた。忠誠心の志高い男だから、じきに任命されるだろうと周りから期待されていた。
 さらに、ロッシュ侯爵家には何百という家訓があるのも有名だ。それがヴィクトルを厳格な人間たらしめているに違いないと、皆一様に首を縦にふる。同時に、融通が利かないと陰で不平不満をそしる姿もみられた。
(そんな人に疑いの目を向けられるなんて僕も運の尽きだ)
 鋭いまなざしはずっと正面にあるシャルルに向いている。冷え冷えとした金色の双ぼうに自分の姿が映って、震えあがらない人間はいないだろう。シャルルも例外ではない。
 無理やり顎を掴みあげたヴィクトルを見つめるシャルルの姿はひどいものだ。上を向いた顔は蒼ざめ、光のない紫色の双ぼうは揺れ、凍てつく体は震えが止まらない。怯えてさらに背中が丸くなり、小さくなった姿はまるで鼠のようだ。
 しばらくして、日の出がのぼりはじめ、視界に光の線が差し込むとヴィクトルはゆっくりと体を離した。
(……やっと解放された、痛ッ、うわ)
 両腕にはほんのりと赤い痣が縦に広がっていた。痛みに耐えながらも、マントを目深に被りなおす。空が明るくなって、目が覚めた誰かがこの廊下を通るかも知れないからだ。
 一礼してすぐに去ろうとしたが、礼服を整えたヴィクトルが厳粛な態度で一文字口を開いて呼び止めた。
 その声は、針が突き刺さって耳を過ぎた。
「エメへの嫌がらせはやめろ」
 何度も聞いた名前と命令。その名前を聞いてむなしさが乾いた風となって空っぽの心を吹き抜け砂塵のほこりがたった。
 もう、ヴィクトルという男の高潔さが失われたあわれな姿に、シャルルの怯えからくる震えは止まっていた。
(結局、ロッシュ副団長もほかの人間と同じで堕ちたのか)
 あざける様に冷ややかな視線を床に向ける。エメの持つ魅力にろう絡された愚か者を目に入れたくないのだ。反抗的な態度はヴィクトルの機嫌を損ねたのかも知れない。彼の溜息のあとに声が耳に届く。
「もし、何か取り返しのつかない問題が起きたらどうするつもりだ」
 そんなこといわれなくても分かっている。エメが先に奪ったのになぜ自分の行為だけ否定されなければいけないのだろう。耳をふさぎたい気持ちでいっぱいだった。そんな子供じみた真似が出来たら今頃シャルルは自分を取り巻くすべてから、すでに逃げ出していただろう。
(なんで‼ どうして‼ エメはこんなに次から次へと人から愛されるんだ‼)
 エメが田舎から現れて、シャルルの生活が一変した。
 殿下に愛され、友人に恵まれた学園生活。卒業してもそれが続くものだと思っていた。
 聖女の生まれ変わりだと謳われるほど高い神聖力、崇高視される慈愛に満ちた白魔法を扱い、神の寵愛を一身に受けた愛らしい青年だった。幼く見える容貌は庇護欲を、蜜のように甘い声は献身欲を周りの人間に植え付けた。愛を囁き合った殿下だって例外ではないし、日夜語り合った三人の友人も変わってしまった。シャルルと恋仲であった事実を不実の噂として否定し、友人だったことを嘆いている三人からは邪険に扱われていった。
 いつからか、どうしてだろう。目の前にいるヴィクトルという男はそんな彼らとは違うと思っていた。学園を卒業し殿下の傍にいるために領地に戻らず、王宮で過ごして彼の存在を知るうちにだろうか。
貴族であるのに社交界などに姿を見せない男であったし、ヴィクトルの姿を目にするのは少なかった。恐ろしい男という印象しかなかった。
 宮内をいつも眉間に皺を寄せて、その屈強な体で颯爽と歩く姿は鬼神のようで憧れも抱いていた。ヴィクトルほどの高い背があれば、強さを身に着けるために鍛錬し続ける忍耐力があれば、殿下を護る騎士になれたかも知れない。貧相な体をみてため息が出る日々、忍耐力を持っても宝の持ち腐れで自身の向上力の低さは何も成してない現状を見れば明白だ。殿下は公務を、三人の友人は各々、領地を手伝い、魔術を磨き、神の導きを説いたり、すべきことをしている。
 シャルルが欲しいものをヴィクトルは持っている。遠くから眺めて尊敬と憧憬を抱くには十分だった。
 そんな相手でもこれだけは譲れず、言わずにはいられなかった。
「僕の気持ちの何が分かる‼ 殿下は僕のものだ‼」
「殿下は所有物ではない! 心が移り変わっていると気づいているなら現実を見ろ」
 現実を厳しく諭されるが、感情は高まってすべてに反抗心が生まれる。
(関係のないあなたなんかに、僕の気持ちにまで命令されたくない‼)
 シャルルは怒りのあまり、涙をあふれさせた。幼子の癇癪のようだ。息を吸い込んで、肩をふるわせ、むせびあげながら叫ぶ。
「あなたみたいな石みたいに硬くて凝り固まった頭の、真面目くさった人間に、……僕の気持ちなんてわかるわけない!」
 訳も分からず頭に浮かんだ言葉をすべて言った。日頃ヴィクトルに感じていることをひどく傷つけるようにして。
 シャルルの心は、絡まった糸のような解けない薔薇のつるに絡まり、もがくなか棘が肌を裂く。いろんな感情が混じりがんじがらめになっていた。
(なんであなたも同じ表情をしてるんだよ。ああ、そっか。あんたも好きな人エメに愛されないんだ。結局、僕と同じなくせに‼)
 少しの同情、憐憫、温情、どれかひとつでも二人の間にあったなら、あるいは関わることなく、憧れを抱いたままでいれたなら、誇り高い騎士であるヴィクトルをこれほどまで憎むことはなかったかも知れない。
「俺が帰ってくるまでだけでいい、エメに近づくな」
「……僕は、あなたの部下みたいに言う事をよく聞く犬じゃない」
「…………」
 反発する言葉しか出ないシャルルに、ヴィクトルが険しい顔つきを同情めいた表情に歪めた。身を翻して去る彼の後姿が消えるまで、シャルルはずっと睨みつける。
 日の出は姿をあらわし、冷たい空気のなかひとりぼっちで浮いていた。
   ***

 だが、今夜の生誕祭を兼ねた舞踏会にヴィクトルは参加しない。彼の事を気にすることはまったくないのだ。彼は王命で平和の最端、辺境の視察に赴いたのだ。安心して、ただ一人殿下の隣で顔色をうかがいながら踊りを楽しむ事ができる。
「慣れているから大丈夫」
 殿下に用意された部屋の中で、そう鏡の前で呟いた。
 学生の頃からの日課は毎日欠かさない。
 ほこりとウロコだらけの鏡に映るシャルルの笑顔は虚構の愛であふれている。

 宮廷舞踏会――薄暗闇のなかをシャンデリアが照らす、薔薇色の絨毯が広がる上で、器楽きがくの奏でる抑揚に乗って絢爛な衣装をまとった紳士淑女が、優雅な足取りでゆっくりと舞う。なかには、仲睦まじく身を寄せ合っている者もいれば、恥じらいながら手を取り合うものもいる。
 若い男女を眺める親族は身分の高い紳士、華のある礼儀正しい淑女である相手との見合いが成就するかに目を光らせている。そう。みなパーティでは本命と踊るのを心待ちにしていた。
 それは、自分も例外ではない。
 華美すぎる装飾、真っ赤で派手なばかりの礼装を、出陣する鎧のように堂々とまとったシャルルは、それに反して震える唇を白い歯で噛みしめながら顔を真っ赤にしている。
 信じられない光景を目のあたりにし、深い谷底まで落胆した心の慟哭どうこくを抑えている。爪を立てた拳を握りしめて、小さな口を震わせながら愛しい人を呼ぶ。
「殿下」
 殿下と呼んだシャルルに目を向ける彼はこの国の第一王子である。ギラギラと光る金髪に青い目、純白で格式ある荘厳な礼装を物ともせず身にまとっている。広間へと大股で歩く所作は無駄があり拙いと思わざるを得ないが、そんなものなど気にならないほどの魅力を放っていた。
 シャルルは隣に並んで彼の温かみを肌に感じていたあの頃を懐かしがった。いまは凍えておぼつかない足元に力を入れて立っている。粛々と装って尋ねた。
「まさか……この曲を僕意外と、踊られるのですか?」
 止まらない演奏と舞。高い音で奏でる軽快なリズムは相手との息づかいを調整し、低い音をゆっくりと伸ばしたリズムはお互いのリンクした余韻を残して、心の距離が近づいたと期待を抱かせる。二人は一度離されほかの参加者とかわるがわる踊るが、またお互いが引き合うように戻り、ラストを飾る。
 今流れている曲は、本命と踊ると想いが結ばれるという恋人達や片思いしている者たちにとっては名曲。その曲にのって殿下と一緒に踊るのを楽しみにしていた。胸の奥がジクジクとただれた。
「……前もって言ってなかったな。お前のことなど頭から抜け落ちていたよ」
 自分の高慢さを自覚していた。殿下が自分を一番に愛しているのだと自負していたからだ。 
 そんなわずかな希望が見えなくなると、もうどうしようにもない悲壮な気持ちが湧いてきた。

「今夜の〝遊ぶ星プラネード〟はエメと踊るんだ」

 ――シャルルの緑色の目には涙を湛えている。込み上げるに耐えられなかったのだ。
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