KoiLink ―さくら育成ログ― ポワンで始まる癒しアプリライフ

Yoiasagi 宵浅葱

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第1章

ミッション4:おつかれ、ゴンゾー!

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 トンネルの中。
 横を向くと、暗くなった窓にニヤついた自分の顔が映っていた。
 暗転したスマホ画面でもよくあるやつ。
 自爆、HP-30。

 ほんと、不意にメンタル削ってくるのやめてくれ。

 気を取り直して、画面を見る。

 ⸻
【KoiLink 同期中……96%……99%】 
 ⸻

 あと少し。
 あと少しで、きっと何かが――。

「……これ、マジで異世界とか繋がったら、どうするよ、な?」

 半分冗談、半分本気。
 もしもさっきの美女たちみたいなのが出てきたら――うん、悪くない展開だ。
 ゲーム的にもボーナスステージ確定だな。

 トンネルを抜けると、そこは異世界でしたーー。
 そんなアホみたいな展開を、ほんの一瞬だけ信じた。

 ――光が、弾ける。

 ⸻
【同期完了!】
 ⸻

 
 来る!
 衝撃に備えて、思わずギュッと目を閉じた。

 
「…………?」

 静けさにそっと目を開けると、新幹線は普通にトンネルを抜けていた。

 流れる景色は山ばかり。
 異世界であろうはずもない。
 もちろん周りの乗客も、誰一人取り乱していないし。

 俺だけが、スマホを握りしめて固まっていた。

「ま、これが現実か」

 脱力しかけたそのとき――
 スマホの画面に、何かが“ぴょこっ”と動いた。

 ん?

 そこにいたのは、二頭身のちっちゃな女の子。
 白銀の髪に赤い花飾り。赤と白の着物をちょこんと着て、まるで金魚のヒレみたいな袖を揺らしている。
 ……なんか、ミニキャラのくせに完成度高ぇな?

 そして、画面の中で“よっ”と片手を上げた。

 
『おつかれ、ゴンゾー!』

「はぁっ!?」

 思わず大きな声が出た。
 また周囲の視線を浴びて、慌てて小さく頭を下げる。

 聞こえたのは軽やかな声。
 透き通るように明るく、どこか水の中の反響みたいな――そんな声だった。

「呼び捨てかよ!!」

 思わず小声で突っ込む。
 だがミニキャラは、けろっとした顔で手を振ってくる。

 ポワンーー聞き慣れた音がした。
 画面の上には見慣れたUIが現れる。

 ⸻
【オーナー接続完了】
【親密度:7/100】
【本日のミッション:挨拶を交わそう☑️】
 ⸻

「……チュートリアルか」

 そうぼやいた瞬間、瓶の中でも“ポワン”と小さな音がした。
 リュックの中のさくらが、泡を一粒吐いたのだ。
 まるでリンクしてるみたいに。

 スマホの中のミニキャラが笑顔でくるくる走り回っている。

『やったね! きょうもがんばるよ!!』

 さくら(瓶)も、元気に円を描いてた。
 ……ほんとに、リンクしてるのか?


 ミニキャラさくらは両手をパタパタさせながらあっち行き、こっち行きしてる。
 どう見ても、可愛い系。

 ……さっきの花魁美女軍団は一体どこに?

 でも――画面のさくらと瓶のさくら。どっちを見ても、なんか胸の奥が少しあたたかくなる。

 ……うん。
 ちょっと、いいかもな。

 ⸻
【KoiLink:オーナーLv.1→ Lv.2】
【親密度+3(現在10/100)】
 ⸻

(to be continued)
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