Serendipity∞Horoscope

神月

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天界試験編

第25話、最終試験、開幕

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(自分でも酷いことを言ってると思う)

 この平和な世界で、執事として何よりも優先すべきことは主の身の安全。なのに何をしているのか事情も教えられず、危険な事だと分かっているのにそれを許可しろだなんて。

(しかも、正体も分からない存在と……)

 これで送り出せなんて相当酷いことを言ってる。と彩音が黙り込んだ姿に啓は微かに苦い表情を浮かべ

「何も知らない私が口にするのも図々しいのですが……貴方のお父様から貴方のお話を聞き、実際に貴方とお会いした時……あの時言われたことの意味を知りました」

 伝えられていた以上にその意味を体現するように目の当たりにし、少なくとも今の私に彼女を笑わせたり心を開かせるような力はないと思い知らされながら、同時にある思いが募り出した。
 それは、再び彼女が人を信じ笑える日が来て欲しいという思い。

「貴方がまた誰かを信じられるようになり、笑える日が来ることは……私の願いでもあるのです」
「……何で?」

 と彩音は驚きも感じながら表情を歪め

「まだ大して私のことを知らないし私を好きになる要素もないのに。それは……あんたがうちの家に仕える執事だから?」
「……それも、少しはあるので否定は出来ません。ですが……まだ何も知らないなりにこの短い間で知った事もあります」

 と啓は視線を上げ

「なので……私はただ一つだけ、必ず無事戻ってきてくださればいいのです。今はまだそれくらいしか言えませんが、貴方が無事戻って来られる事を信じて、私はここでお待ちしています」

 そこに隣から蒼真の声が聞こえ彩音と啓は反応するように視線を向けた。

「少なくとも、俺だけが生き残るつもりは無い」

 その声に二人が呆然としていると蒼真はそれぞれに視線を返しながら

「要するに、たとえ命に代えてもこいつがお前の元に帰れるよう全力を尽くす事だけは約束する」
「……」
「蒼真。この名を与えたのはお前だ。何故蒼真という名にした?」

 そう彩音に投げかけると彩音は答えた。

「蒼い真って書いて蒼真って読むの。まだ蒼真の事を何も知らなかった中、真っ先に目に入ったのはその蒼い髪だった」
「…………」
「ちっちゃくて可愛いけど雰囲気は子供っぽくなくて、話を聞いてると何となくそんな名前が浮かんだんだ」

 でも試験をクリアしてきた今なら分かると微かに笑い

「思った通りだったよ。意気地無しな私を責めたりしないで、あの時、印よりも私を助けに来てくれて嬉しかったんだ」
「そんなの当然だろう」
「そうクールに言えちゃうあたり真っ直ぐだなって。蒼真ってピッタリな名前だと思うよ」
「まあ、ちっちゃくて可愛いは余計だが……」

 と渋い表情をしながら彩音に視線を向けるとフッと笑い

「今は俺も、この名はそれなりに気に入ってる」

(俺はこいつの全てを見てきた。だからここでそう簡単に失わせていい存在じゃない。が、そう思いつつ俺自身こいつとの契約が気に入っているのだろうな)

 部屋に戻り、扉が閉まると聞こえてきた声に蒼真は振り返る。

「ミラクルレターでどうしてあんなにももやもやするんだろうって思ってたけど……そういう事だったのかな」

 蒼真が何も言わずにいると言葉は続き

「夢を見たり笑ったり、もう一度普通の人のように一喜一憂したいと思ったのかな。それはすごく苦しいことだから捨てたはずなのに」
「……そうやって、様々な感情を抱くから人は生命の中でも表情豊かなのかもしれない」

 そう蒼真が口にすると目の前にいた彩音は唖然とした表情を浮かべ、そんな彩音と目を合わせるよう視線を向けながら言う。

「前に言っただろう? お前と契約した事で様々な人間を見て、いずれ導くことになるかもしれない人間という存在について少しだけ分かったと」
「……」
「俺は……お前やその周囲にいる人間達を見てると人間は脆く、儚いからこそ美しく感じるのではないかと思えるようになった」

 皆何かに必死に生き、笑って、泣いて、争って。
 様々な感情を巡らせた果てに一つの生を終え、その時きっとこれまで得てきた感情の連鎖が思い出となって人の美しさとなるのだろう。
 と蒼真は語って視線を伏せると

「天界の存在である俺には人間の心は分からない。だが俺から見ればお前も……十分人間をしている」
「えっ……そう?」
「『無事終わるように』、『何事も起こらないように』……多少他の人間と歩んだ過程が違えど神頼みだなんて下界の存在しかしない」

 そんな中でもそうやって多種多様に悩んで決断していく姿は人間以外の何者でもない、と若干呆れるように語る姿に彩音は微かな声を上げ苦笑いして見せた。

「……変な話、この試験が終わったら蒼真とはお別れで、それから先はきっと関わることも無いだろうし……だからその間くらいは信じることもできるんじゃないかって思うんだ」
「……」
「ホント優柔不断で意気地無しで、こんな風にしか言えないくらい歪んだ心の持ち主だけど……こんな私で良いのなら出来る所まで頑張りたいんだ」
「俺は元より、俺の方から契約を切る気は微塵もなかった」
「え……?」

 そう目を丸くして見上げると交わった視線の中彼は告げる。

「初めから決まっていた定めだとしても、その内にあるものを知ったとしても契約者がお前である事を嘆くつもりはない」
「…………」
「何故なら……俺は信じているからだ」



 最終試験当日の午後、何の変哲もない日常を見せる教室内で彩音は一人席で目を伏せていた。
 耳を傾ければ周りから聞こえるごくごく当たり前の談笑する声。

『……正確にはそれと、人を信用出来なくなったこの心を変えたいんだとおもいます。『もう一度、人を信用出来るようになりたい』……』

(身勝手だって分かってる。散々感情があるから苦しいんだって思い知って無くしたのに今更それを羨ましくなるなんて)

 だけど、もしもう一度誰かを信じる事が出来るのなら……空っぽになったと思っていたこの心に、まだ感情と言うものがあるのなら。

「彩音」

 そうグッと思いを呑み込んだ所に声がかかると近寄る姿に視線を向ければいつも通りの様子を見せる沙織がいた。

「受けることに決めたんだってね」

 だが、すぐに返答のないことに沙織は違和感に気づくと

「何だか元気がないみたいだけど、ひょっとして……一切私達の力が通じないから怖がってるとか?」 
「……そうか、最終試験は同じ場所でやるから沙織も同じ場所に……」

 いつものような覇気も反論もない彩音を見ていた沙織は何も言わずに彩音の机に体重を預けると振り返りながら

「あの時も、私達は大した事は出来なくて出来る限りの事をするしかなかった。今回のこれは……少しそれに似てるよね」

 それはかつていた場所で起きたある出来事の話で、偶然から沙織と出会い彼女もまたその出来事に関わっていった。

「沙織は怖くないのさ?」

 と視線を上げながら投げかけた彩音に沙織は目を丸くすると考える素振りを見せ、それを見ながら彩音は問いを続ける。

「あの時も、魔法が使えるからって危険な場所を旅してた訳だし……普通ならあんな所に旅行しようとは思わないよ」
「んーまあね。でも世の中にはそんなような人は沢山いて、言っちゃえば写真家や登山家も似たようなものじゃない?」

 予期せぬ危険が常に潜む中、何故そんな人達はそんな事をしているのか。

「危険もあるけど、その先にある予期せぬものに遭遇した時、それ以上に感じるものがあるんだよ。少なくとも私はね」
「……」
「どうせ巻き込まれたのなら、それを楽しまなくちゃ損でしょ?」
「でも、今回に至っては自分を守る術がないし」
相棒パートナーがいるじゃない」
「…………」

 その一言に彩音は目を丸くし、彼女はそのまま語り続けていく。

「確かに今回私達に出来ることは信じることだけ。だけどよっぽど運がないとお目にかかれない貴重な経験でもあるんだよ」
「沙織は、この試験さえも楽しむつもりでいるの?」
「まあ、確かに魔法が使えない以上不安はあるけど、私は天が相棒として選んだハクを信じてるからねー」
「……信じる……」
「人と人との出会いは運命の出会いだなんて言うけど、これは紛うことなき運命の出会いだと思ってるんだ。だから私はこの試験も……ハクと一緒に楽しむつもりだよ」
 


 当日の放課後、階段を登り彩音と沙織は屋上に向かう。
 屋上に辿り着き、周囲に人目もないと沙織の横には白い光と共にハクが、彩音の前には青白い光と共に蒼真が姿を現す。

「最終試練はこれまでの試練を乗り越えた者全員が参加します」

 そうハクの言葉に彩音や蒼真、沙織が視線を向けるとハクは言葉を続け

「なのでこれまでと違い会場は一つ……。この最終試験を以て天使として認められるかどうかが決まります」
「やれるだけの事はやった」

 そこに蒼真が口を挟み、彩音へ視線を向けると

「後は出し惜しみせず全力で臨むだけ」

 その時屋上の一角が光り輝き、光から扉が現れると一同は視線を向ける。

「これが……」
「会場への扉だ。さあ、行くぞ」
「あっ蒼真待ってよ!」

 と先行して扉の向こうへ飛んでいく蒼真に彩音が声を上げ追いかけると続くように沙織達も歩き出し、彩音は覚悟を決めるように意気込むと扉を通り抜けていった。

 通り抜けた瞬間光に包まれるように視界が眩み、目を開いた時には見慣れない場所に立っていた。
 彩音と蒼真のすぐ近くには沙織とハクの姿もあり、更には見知らぬ天界人達とそれぞれの契約者であろう人間達の姿も無数にある。
 そして空間内がざわめく中、やがて声が聞こえると周囲は静まり返った。

『これより、最終試験を行う』

 姿を現すわけでもなく、どこからか聞こえてくる声に彩音は天へと視線を向ける。同じようにそれぞれのペアも天上に視線を向けるとこれまで何度も聞こえてきた取り仕切る声は聞こえ続けた。

『最終試練は前哨戦、本戦と分かれており前半は天界人と契約者、それぞれ二組によるペアを組みトーナメント形式による勝ち抜けとなる』
「これは運がいいかもね」

 とふと聞こえた沙織の方を向くと

「つまり、私達とペアを組まない? ってこと。私達で組めばやり合うことも無くなるし、互いに知ってる分色々とやりやすいでしょ?」

 と笑みを浮かべながら沙織は告げハクへ視線を向け

「いいでしょ?」
「私は別に構いませんよ」
「私も構わないけど……」

 と彩音が蒼真に視線を向けると、蒼真は不満げにしながら彩音に目配せしながら

「確かに見知らぬ連中と連携を取るよりはやりやすいだろうな。こいつと組むのは納得いかんが……お前の判断に任せる」

 間もなく最終試験が始まり、対戦していく天界人達を緊張した様子で見ていた。
 そして順調に対戦は進められ、ついに彩音達の番がやって来た時我先にとステージに向かおうとする蒼真は所聞こえた声に振り向いた。

「これも何かの縁。私が手本を見せてあげましょう」
「なんだと!?」

 ハクの声に足を止め睨みつけるものの、ハクは余裕の表情で笑みを浮かべておりそんな二人に沙織は声を上げる。

「ちょっと二人とも、しょっぱなからこんなんで大丈夫なのー?」
「見ていろ。俺一人でも十分だということをそっちの契約者にも教えてやる」

 と蒼真は視線を背けると再びステージへと飛んでいってしまった。
 危うい雰囲気に彩音と沙織は困惑しており、沙織がハクに投げかけると

「ハクー」
「まあ見ていてください」

 とハクも浮遊する能力はあるはずかのに歩いてステージへと向かっていき、やがて対戦相手のペアと向き合うと間もなく開始の合図が鳴った。

「さてさて」

 緊張した空気の中彩音は沙織に問いかける。

「沙織。沙織の契約者のハクって」
「なんだか蒼真くんの前だと意地悪しちゃうみたいだねえ。でも……強いかどうかは見れば分かるんじゃないかな」

 そう楽しそうな表情を浮かべながら告げた沙織を見た彩音は不安を抱えたまま蒼真とハクの方へと視線を向けた。
 蒼真を遮るように前に出たハクに蒼真は反応し

「なっ、引っ込んでいろ!」
「まあまあそう言わずに。……天界にはこんな天界人もいると知っておいた方がいいでしょう」

 と二人の天界人を前にハクは帯から扇子を引き抜き開いた。
 そして瞬く間に彼の周りに風が流れると和装の衣服がたなびき始め、それは古風を感じさせるような雰囲気を纏い目にした彩音から思わず声が漏れる。

「綺麗……」

 そして、相手側の天界人が息をつく間もなく攻撃をしてくる中それを難なく避けていきその度に羽織られた布がはためいていく。

「二人から攻撃を受けているのに全く当たらない」
「ホント、美人って言葉が似合う男の人は初めて見たよ」

 そう沙織は感心するように声を上げ、そう話す表情からはまるでこの対戦を心配している様子を見せない。

「私達とは違う空気を感じるし、あれが天界人なんだって分かっちゃうよねえ。なのにあんな見た目だから天使っぽくないし」

 舞のようなしなやかな動きに見とれていた時、ふと攻撃を避けたハクは開かれた扇子を一振りしその瞬間扇子から白い風が飛び出た。
 飛び出た何かは相手の天界人を吹き飛ばし、蒼真も呆然としていると

「よく見ているといいでしょう。これやって……戦うのですよ!」

 ふわりと浮きあがったかと思えば扇子を口元に当てながらその内は笑みを浮かべており、相手が攻撃した瞬間勢いよく飛び出し見事に避けながら二人の天界人へと距離を詰めていった。
 一気に距離を詰め、再び扇子を振りかざすと白い巨大な蛇が現れ天界人を薙ぎ払う。

「な……」

 そのまま相手の天界人は二人とも倒れ、蒼真は唖然としながら頭上に登るほど巨大な白い存在を見上げ口を開いたまま声は出なかった。



 無事一回戦に勝利し二人が戻ってくると、彩音は呆然とした様子でハクへと視線を向けながら投げかける。

「ハクさんってすごく強いんですね……」
「だから心配なんていらないって言ったじゃん。多分私達が戦えたとしても出る幕もなにもないと思うよ」
「…………」

 そんな中、彩音は横で不機嫌そうにしている蒼真に気づくと

「俺だって戦えば勝てた」
「そんなムキにならなくても。本当に強くて凄い綺麗だったし、圧倒的な差で勝っちゃったんだから」
「さっきからなんなんだ。その天界人のことばかり褒めて。俺だって……」

 と途中まで言いながら口を閉じると

(白い大蛇が相手を飲み込んで、あれもこいつの能力なのか? 腹は立つが……確かに強い)

 蒼真が見る限り、対戦相手の天界人達も決して弱くはなかった。
 恐らく自分と戦えば五分、二人相手にするとなると更に苦戦を強いられていただろう。

(しかもそんな相手二人に対してああも弄ぶかのように相手をするとは……こいつの実力は並大抵のものじゃない)

 そして二回戦、番が来た時ハクは蒼真に視線を向けると

「では今度は貴方に任せましょうか」
「何……?」
「特訓の成果があるかどうか見せてもらいましょうか」
「いちいち癇に障る言い方をしやがって……。見ていろ、すぐに終わらせてやる」

 そう意気込みながら蒼真はステージへと向かった。
 しかし、それから間もなく

「はあ、はあ……」

 一回戦とはうってかわりハクは後方に控え蒼真が一人で二人を相手にしている中蒼真は息を切らせていた。
 確実に追い込みつつある傍ら自身も追い込まれており、そんな様子をハクは後ろから見物するよう見つめ、外れた場所から彩音と沙織も真剣な表情で見ていた。

「くっ……」

 その後、不利を見かねたハクが舞い降り、ハクの力も合わせて何とか二回戦も突破する。

「思いのほかやりますね」
「…………」

 扇子を扇ぎながらそう話す姿に蒼真は視線を無けれど、こうも二回戦を終えどまだ息切れひとつ上げず涼し気な表情をしている様子にシワを寄せた。
 だが、笑っていたハクは扇子を口元に当て告げ

「ですが……今のままでは後半戦は厳しいと思いますねえ」
「!」

 その言葉に彩音と沙織も反応するとハクは息を整える蒼真を見ながら

「後半試験まで勝ち残れば最終試験は一週間後、それまでみっちり稽古をつけるとしてまずは最後の第三回戦に勝つ必要があります」
「……何故そこまで俺にこだわる?」

 息を整えハクに投げかけると彼は驚いた表情を見せ

「そこまで強くて俺をペアに選んだ理由も、互いの契約者が知り合いだから……などという人間じみた情で頷いた訳じゃないだろうな」
「…………」
 蒼真から投げかけられた問いにハクは静まり返り、蒼真が無言のまま視線を向けると

「いいえ。単純に貴方達に興味を惹かれただけですよ」
「興味だと……?」
「そうですね。第三回戦に勝つことができ後半戦に勝ち進めた時に明かすのも手ですが、私の見立てでは貴方自身素質はあると思うのです」

 上から目線の物言いに気に食わなさを感じながらも耳を傾けるとハクは開いていた扇子を閉じ口元に当てると

「けど、何故か蓋をされたように貴方の力は閉じ込められたまま。何が貴方の成長を止めてるのでしょうねえ」
「それは……」

 彼の言葉を聞いた瞬間、彩音は蒼真が力を発揮出来ない理由に心当たりを浮かべ口を開けど言葉を詰まらせる。
 しかしその後聞こえたハクの声に目を丸くする。
「いえ、彼自身の話、ですよ」

 そう呆然としたまま彩音がハクに視線を向けるとハクも視線を返しながら

「確かにこの天界試験において天界人が現時点での実力以上の力を発揮するには契約者の存在、そして互いを信じる心が必要です」

 しかし……だとしても元からの実力は天界人であろうと備わっているものでそれぞれに才能や能力、素質があると話していく。
 そして黙り込んだままの蒼真へ視線を向けると

「彼自身天界人の中では秘めたる力があるように感じるのですが、なんらかによってそれを制御しているように感じるのですよ」
「それって……」
「本人も気づいていないのでしょうが……彼の実力はこんなものではないはず。まだ力の使い方が分かってないだけかもしれません」
「そんなものは知らん」

 彩音が真意を確かめようと蒼真の方を向くが蒼真はそっぽを向きながらそう投げやりに答えた。
 だがやがて再びハクの声が聞こえると

「まあ、下界では『運も実力のうち』なんて言葉もありますし三回戦も勝ってしまいましょう。貴方の実力云々も含めて……考えるのはその後です」
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