Serendipity∞Horoscope

神月

文字の大きさ
44 / 64
夢追い編

第44話、知りゆくもの

しおりを挟む
 見下ろしながら告げたその一言に表情を変えたのは啓だけでなく、彩音もまた想像していなかった返答に唖然とした表情を見せた。
「な、私はただ……」
 これ以上一方的に痛めつけられる啓を見ていられなくて飛び出した。
 勝負に勝てと言うのなら、自分もまたその勝負に挑み勝てばいい、そう善意の元その決断を下した。
 しかしそれは思わぬ一言で裏目に出たと知らされる。
「ただ、啓を守ろうと……」
 裏目に出た状況に、後悔するように呟かれた言葉に啓は目の前に遮っていた彩音の背を無言で見上げた。

 それはまだ彼女の元へ、東京へ来る前の話。
 提案の元本家の屋敷ではなく別の場で励み、晴れてAランクとなった北条啓は本来の予定だった神月家本家で執事として就任した。
 本家に辿り着いて間もなく、それは本当に間もなくこの屋敷に来た翌日のこと。
 滅多に屋敷にやってくることは無い神月博が訪れ、啓は彼に呼び出されると屋敷の部屋の一室で向き合うようにソファに腰を下ろしていた。
「さて、いよいよ本格的にここの一員になったわけだけど……実は、君に頼みたいことがあって君を呼んだんだ」
「頼みたいこと……ですか?」
 いよいよ神月家の執事として仕え始めて間もなく、そう切り出された言葉に啓は困惑の表情を浮かべた。
 そんな彼に博は話を続けていき
「もちろん、これから君はこの屋敷の一員として働いてもらうつもりなんだけど、いずれはある人の所に行って、その世話をしてもらいたいと思ってるんだ」
 それが初めて彼女の存在を知った瞬間で、間もなく彼の続けて発する声に表情を変えた。
「というのも私の娘なんだけどね」
「!」
「実は、来年の春に娘は高校生になるんだけど、今は訳あって学校に通わず日本の外にあるとある場所にいるんだ」
 しかし、本来であれば新学期と共に高校生になるという区切りから、日本に戻り学校に通わないかと提案するつもりだと明かした。
 日本の学校の仕組みがよく分かっていない北条啓にとって何故今そのご息女が日本にいないのか、学校に通っていないのかという疑問も深くは考えず
「勧める場所もここから通える所じゃなくて、一応東京の学校に行かないかと提案する予定でね、もし行くことになったら東京に住むことになる。だからその時は君もそこに行って欲しいんだ」
「それはつまり………貴方のご息女様の護衛を頼みたいと言うことですか」
「それに加え、ほぼ一人暮らしのようなものになるから家事の手伝いなんかも頼みたくてね。つまりは……身の回りの世話を頼みたいんだよ」
 田舎同然の所で育った身としては色々不慣れや不安な事が多いだろうし、と博は笑ってみせると
「とは言え、本音を言えば単に私が不安なだけなんだけどね。本当は私が一緒にいられればいいんだけど、なかなか難しくてね」
 研究者という仕事上、一定の地に長期的に留まることは難しく、あらゆる地を飛び回るということは啓も想像出来たが話を聞いているうちにある疑問が浮かんだ。
「しかし……何故私に?」
 その声に博の視線が上がり向けられると啓は困惑を伝えるように
「ここには私に留まらず多くの執事がおられるではありませんか。お嬢様の身の回りの世話や護衛を任せるのならば、もっと相応しい者がいるはずでは……」
 少なくとも、ほんの少し前まで学ぶ身であり本格的な経験が皆無に等しい新人の自分ではなく、もっと手馴れた者に任せた方がいいのではないかと。
「そんな重要なお役目、私に務まるか……」
「うーん。確かにねえ……」
 と返すように聞こえた声に視線を上げると、それに気づいた博は訂正し
「あ、違うんだ。私が言った不安は娘に対してなんだ」
 そう啓に苦い笑みを向けると
「啓くんの頑張りは向こうからも聞いてるし、おそらく役目としては十分に果たせるだろうさ。ただ……」
 と言葉を詰まらせ、視線を外すと
「普通の子相手なら、という話になるんだよねえ」
「……?」
「娘はちょっと変わってるというか、普通じゃないというか……。まあ、原因があるんだけどね」
 そう歯切れの悪い呟きに啓が疑問符を浮かべていると、彼は顔を上げ
「とにかく、まだ娘に聞きに行ってすらいないし、娘の返答次第ではそもそも学校に通う話自体無かったことになるかもしれないんだ」
 娘の返答を聞き、それから娘について話すと言われその日はそのままこの話は終わった。

 そして、それから数ヶ月後。
 各地で雪が溶け始めようとしていた季節に再び博は屋敷に現れ再び啓は部屋に呼び出され話は切り出される。
「前に話した話だけど、娘は東京の学校に行く事を決めてくれたよ」
 それに啓は以前話された話を思い出すと
「よって改めて君に頼みたいんだけど……、君の返答聞く前に話しておきたいことがある。その上で娘の世話を引き受けてくれるかどうか判断して欲しいんだ」
 変わった事を言う、と思った。
(初めてお会いした時から不思議な方でしたが、命ではなく頼みだなんて)
 執事なのだから、命ずればここに仕える以上拒否権などない。
 そう幼い頃から両親からも学校でも給仕の在り方として学ばされてきて
(更に話を聞いた上で判断を求めるなど……まるで拒否権があるように聞こえる)
「何故命令ではなく頼みなのか、不思議そうな顔をしているね?」
「っ! それは……」
 そう心の声を見透かされ焦るように反応すると
「それは、この役目が簡単ではない事が分かりきっているからだよ。実力とかそういう問題以前にね。だから、もし嫌なら断っても構わないと言っておきたい」
「な……」
「今からその理由……娘の事を話すけど、今から話すことはこの家の中で私以外誰も知らないことだからくれぐれも内密に頼むよ」
 誰も、という言葉に驚くと釘を刺すように
「執事長も、祖父であるご主人様もね。実は言うと母さんにもこの事は話してないんだ。だから言葉通り、私以外の誰にも今から話すことは言わないで欲しい」
 初めて会った時、再会した時、これまで穏やかに話していた姿とは打って変わり、表情は険しく真剣なものとなり啓も真剣な表情になる。
「……畏まりました」
「ありがとう。娘はね……」
 そこで明かされたのは娘の過去だった。
 元々人見知りだった彼女は誰かと話す事が苦手で、それに加えてある出来事をきっかけに人と接することを拒み、信じる心を失い笑わなくなったという。
「だから娘である彩音は本来なら中学校に通っているはずなんだけど、そうじゃなく海外を旅して、今はある場所にいるんだ」
 つまり、彼の不安は啓の実力不足からなるものではなく啓に対する彩音の態度からくるもの。
「更に、実は彩音はこの家のことを知らなくてね、ずっと辺境地にある私の研究所に併設された家に住んでいたものだから、合わせて君の正体と家のことを知れば混乱するだろう」
 それも合わさり初対面からこれから彼女の身の回りの世話をする事になった場合、どんな態度を取られるか分からないと明かしていった。
 博は渋い表情を浮かべたまま
「君を目の前にした時、娘は辛辣な態度で君に当たるかもしれないんだ」
 身勝手な行動もするだろうし言う事を聞かない可能性が高く、時には君を傷つける言葉も何度も言うだろう。
「護衛という名目においても……海外を旅していた経緯で娘は魔法が使える。だから、本来なら近年目撃されている魔物や異能者トラブルにおいても自力で対処出来るような子なんだ」
「…………」
「つまり、君の存在を否定したり不必要だと辛く当たるだろう。それを知った上で決めてほしいんだ」
「……事情については承知しました」
 そう言葉を返し、彼の口が止まると
「ですが、やはり何故私に?」
「…………」
 そう思いのまま問いかけると彼は腕を組み、啓は緊張が解けない様子のまま数秒が経つ。
 そこに啓は更に投げかけるように
「同じ学校に通う以上、そこに紛れても違和感のない容姿や年齢の者が選ばれるのは分かります」
 自身はイギリスで学んでいる時に飛び級で学業を終え、日本の学校に通う点については問題もないと思われる。
「しかし、この屋敷には他にもお嬢様と年齢も大差ない、違和感ない者がいます。なぜ貴方は指名してまで私に……?」

「……君と私が出会った時のことを覚えているかい?」
「……! はい。それはとても鮮明に」
 そう問いに迷いなく答えると博は話し始め、それに啓は反応するように顔を上げる。
「あの時、君は兄に比べ自分に才がないことを嘆いていた」
 いつも誰かと比べられ、馬鹿にされ、真実とも限らないレッテルを張られることの辛さを知っていた。
「思うようにいかない罪悪感、周りと上手く出来ない疎外感。例え今の君がAランクを持つ優秀な執事だとしても、優秀ではなかった時があったから人の苦しみが分かるんじゃないかと思ったんだよ」
「…………」
「君と娘に置かれた環境も条件も違えど、君程あらゆる条件や環境が揃った元、何度も多くの苦悩を抱えてきた人間はこの屋敷内にはそういない」
 完全にとはいかなくとも、少しは娘の気持ちがわかるんじゃないかと思ったと話を続け
「後は……君の影響で、何かが変われば……と」
 何かを変えるのは難しく、何かを変える時には大抵そのきっかけとなる何かが必要だったりする。
「この話を娘にした時、私は娘は拒否するつもりで持ちかけた」
 それが様々な条件が揃った果てに受けることになり、これはきっかけを与えるチャンスでもあると話した。
「新しい環境に土地、何もかもが変わる条件の中、娘もまた未知の世界に感じている」
 このタイミングは賭けのような、この先どう転ぶかはどちらにとっても未知数。
「もし、奇跡でも起きて彼女が再び笑える時が来てくれたら、と思わずにはいられないんだよ。彼女がまた人を信じられる日が来てくれたら……とね」
「…………」
「娘をそう変えてくれ、なんて君にそこまでは求めないさ」
 でもせめて、『同じ事が起きないよう』見ていて欲しい。
 そしてもし何かあった時は……悪意や危険から守って欲しい、と父としてごく当たり前の願いを告げた。
 そして
「……分かりました」
 そう短く告げると博の視線は啓に向けられ
「私でお力になれるのなら」
「引き受けてくれるのかい?」
 期待されていた事を微かに感じていながら、いざ答えを得れば驚いたように目を丸くする博に向け啓は答える。
「ええ。私は……この神月家の執事なのですから」
 こうして北条啓は急遽編入する事となり、学校側への申請や手続きの問題で神月家の息女や他の新入生と同じ形での入学には間に合わず、入学式にも間に合わなかった。
 正式に息女、彩音の元に行く事が決まり手続きが進められる中啓にとっての予定の日も刻々と迫っていった。
「向こうに行ってから何日か経ったけど、まだ数日じゃ様子なんてわからないし……折を見て私も様子を見に行かないと」
 そう目の前には学校側から送られた制服と鞄があり、教科書類は編入時に学校で受け取る手筈となっている。
 それを確認しながら会話は続き 
「心配性ですね」
「親なら当然だよ」 
 その一言に啓の手がピタリと止まり、そのまま声が耳に入ると
「私も英理も、これまで親らしきことはあまりしてやれなく……逆に私の研究を手伝ってもらってしまうくらいなんだ」
 英理、彩音の母親もまた海外を拠点に転々とする仕事をしており、つい近年その理由を明かしたという。
「……大変だろうけど、これだけは覚えていて欲しいんだ。彼女は……彩音は、本当は優しい子なんだ」
「…………」
「娘の事、頼んだよ」
「……お任せください。お嬢様は必ず……」

「貴方も大概ですね」
 長い思い出を思い返していた矢先、ふと耳に入った声に顔を上げた時兄、玲の視線は彩音に向いていた。
 玲は呆れを交えた冷ややかな目を向けながら
「何故そこまでこの男に執着するのでしょうか。この程度の執事、どこにでも転がっていますよ」
「……!」
 再度突きつけられる辛辣な言葉に啓は表情を歪めるも、今の言葉が向けられたのは啓ではない。
 彩音もまた何も言わずにいると玲は冷ややかな目で
「見たところ、まだ家を背負う立場にない子供のようなので忠告しておきますが、くだらない情で荷物でしかないものをいつまでも引きずっていると痛い目を見ますよ」
「…………」
「いずれ貴方が家名を担う時が来るでしょう。家をどう繁栄させていくか、どう繋いでいくか、その判断は貴方に委ねられます」
 他人の指針ややり方にあまり口を出すものでもありませんが、と小さく息を吐けば
「マイナスにしかならないものを手元に置き続ければ損失しか招かない。家名の質を保ち、尊厳を損なわない為にも才の無い、マイナスにしかならないものは切り捨てるべきです」
 そして呆れたように彼は言葉を続け
「貴方も選んだ人も見る目がないですね」
「…………」
「……撤回してください」
 その時、彩音は背後から聞こえて来た声に振り返った。
 驚いたように口を僅かに開けた彩音に対して啓はよろめきながらも立ち上がり
「私が未熟なのは紛れもない事実で、兄さんの言う事はいつも正しくて……」
「…………」
「ですが、お嬢様や神月家を貶めるような発言だけは許せません。今すぐ撤回してください」
 そう告げる啓の目はいつもより鋭く、対する玲は微動だにせぬ表情で
「少なくとも誇りはあるようだな」
「当然です。神月家は皆素晴らしい方ばかりですから」
 だがその瞬間ゆらめき、咄嗟に彩音が駆け寄り支える。
「啓!」
 咄嗟に支えると啓は彩音に視線を向け、視線が合って数秒啓は微かに微笑み
「本当に、神月家は皆尊敬し、誇れる方ばかり。私は心から……この神月家に仕える事が出来て幸せです」
「…………」
「お嬢様、お嬢様も……」
 途中まで言いかけ止まった声からしばらくし、彩音は意を決したように啓を支えたまま玲へ視線を向けると告げた。
「……この人間が必要かどうか決めるのは私達神月家の人間で、少なくとも貴方に決める権限はないはずです」
 その声に冷徹なまま視線を向ける姿に彩音は怯まぬよう己に言い聞かせながら
「……貴方の言う通り、私はまだ家を継ぐ者としては何も分かってないし分からない。でも……人を判断する目はあるつもりです!」
「……!」
 まるで驚く玲に啓も目を丸くし、彩音は玲へ視線を向けると
「言っておきますけど、私から見てもこの執事は色々気に入らないし散々振り回されてきましたけど、だからといって勝手に連れ帰られていい訳がない」
「…………」
「そんなの、私が許可しませんから!」
「……随分と情に厚い主の元に来たものだ」
 そう話を聞いていた玲は耳を傾けながら鞭を引っ込めると懐にしまい、これまでと違うトーンの声が聞こえ彩音と啓が顔を上げると
「……ひとまず、今回の件についてはそちらのご令嬢に免じて今回は手を引こう。だが俺達は仕える家名を共に背負っていることに加え『北条家』としての名も背負っている」
 そう玲は戦意を抑えつつ啓に視線を向けると
「少なくとも、あの頃よりは幾分かマシになっていたが……その令嬢の情の厚さに甘えることなく精進するんだな」
「……はい」
 そう告げ、納言麗奈に向け頭を軽く下げると北条玲はこの部屋から出て納言家から去っていった。
 彼が去っても、緊迫した空気は余韻を残ししばらく静まり返っていた。
 どこか声を上げにくい空気の中、彩音が深く安堵の息を吐いた時聞こえた声に視線を向けた。
「……私にはあの方の気持ち、少しわかりますわね」
 それは納言麗奈が発した言葉であり、振り向くと彼女は階段を降りながらやがて彩音へ視線を向けると
「納言家も代々伝わる由緒正しき家……その跡取りともなれば多大な責任がある」
 世界に知られるからこそ世間からの期待や意識は集まりそれに応えなくてはならない。
 そしてそれは家柄に誇りを持っていても大きなプレッシャーになる、と麗奈が啓へ視線を向けると
「あの方は貴方の為に、貴方が一家の恥として白い目で見られぬよう厳しく当たったのではないかしら。貴方を、社会的に守る為に」
「え……?」
 彩音の声に麗奈は小さく息を吐くと
「いくら仲良しではないとしても血の繋がった身。身内の不幸なんて目にしたくありませんもの」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

処理中です...