Serendipity∞Horoscope

神月

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夢追い編

第45話、原石は、輝石となりて夢を成す

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「それにしても……貴方、よくあの状況で顧みず飛び出せましたわね」
 そう腕を組みながら向けられた視線に彩音もまた目を丸くしながら視線を返すと
「貴方の事だから、無知だった故の行動なのでしょうけど……Aランクの執事は特にその中でも振れ幅が大きいんですのよ?」
 だから今回の彩音の行動のように、特に訓練も受けていない人間が飛び出すなど身の程知らずにも程がある、と麗奈は呆れた様子で嘆いてみせた。
「相手がどれほどの能力を持つか分からない以上……いくら貴方が異能者であれあれは無謀な行動だったと思いますわ」
「相手もまた異能者である可能性もゼロではありませんしね」
 と麗奈の横にやってきた由良も告げれば
「全く、終始色んな意味で冷や汗ものでしたよ」
 そして由良は彩音と啓に視線を向けたまま、ふいに表情が陰りを落とすと
「……以前、神月家について調べようとしましたが祖父と父の職業、それ以外に大した情報は得られませんでした」
 結果、新入生である一年生の中から彩音を探す事に手間取ったと由良は話していった。
 どんな機密な企業であれ、ここまで何もかもの情報が得られないのは不自然でもあると嘆くとそれに啓が答え
「……神月家の情報は、大企業や王族のように高度なセキュリティで隠されているわけではありません。しかし……」
 と話を続ける姿にそれぞれが視線を向けると
「それぞれの意思によって表に出ず、ある意味変わった形で表に出ないようになっているのですよ」
 神月家は代によって職業や生き方が異なり、ひとつの事柄に続けて成果を挙げたことはほとんどない。
 故に他家から何々の名家と称えられたり、覚えられることもなく業界全体として名が知れ渡ることもない。
「中には業界に縁のない一般人でも知る程名が知られたり、世に有名な賞を取った時があったとしても授与式にしか出席せず、その後一切のメディアに取り上げられることを拒否したり」
 故に、神月家がそこまで名家として大々的に知られることはなかった。
 しかし、歴代の殆どがなにかしらの形で『名を馳せている』……だからこそ『知る人ぞ知る』名家と言われており、特殊な家系と名乗る所以でもあった。

「貴方はつい最近まで、自分が由緒正しき家系の出である事を知らなかった……そう言ってましたよね」
 そう納言麗奈は彩音に向け投げかけると
「その理由をお聞きしても?」
「それは、神月家が一度『名家であることを辞めた』からですよ」
「なっ……?」
 そう答えた啓に麗奈は声を上げると信じられないような表情で
「それは、どういうことですの?」
「簡潔に申しますと……彼女の祖父であるお方が表に出なくなった神月家を復活させたのです」
 というのも、名家が集まるパーティーなどに出席しなくなったことでそれらの世界から身を潜めたつもりだったというのだ。
 しかし結局、『神月家』として名が威厳を表す舞台から身を引いた後も血筋は何らかの偉業を成し、復活を間もなくして所縁ある者には気づかれてしまっていたとか。
 そして話を聞いていた納言麗奈が声を上げれば
「そんな、代々大切にされた家柄を捨てるようなこと」
「ええ。普通なら在り得ない。歴史あればある程、誇りある家系であればあるほど守られた家名は大切に受け継ぐもの……それが私達において当然の感覚です」
「…………」
「ですが、ある過去の代の当主がそれをやってのけたのです」
 その理由は定かではないものの、資産の裕福さを示すように屋敷に住んでいた所から一般的な民家へ移り住み、結果神月家は一般家庭と大差ない暮らしとなり始めた。
 膨大な資産がありながらも当時の当主の志向により建てられた住居、食事、全てが庶民的となり、資産は己の為でなく別の為に使えどそれがまた巡り巡って後の富となる。
 そんな形が何代かに渡って続き、それぞれが何かしらの名声をあげようと家として注目されることも無かった。
「そして時は流れ、お嬢様の祖父に当たる方が歴史と意図を繋ぎ直す決断をし『神月家』は復活した……」
 そう啓が小さく息を吐くと
「私から見ても信じられない話ですよ。それだけのひっくり返しても尚神月家としての名は廃れず、一般的な暮らしに紛れてからも尚その家系の者は偉業を成していたのですから」
 まるでおとぎ話のように、休止した代の当主はこんな資産はいらないと当時残されていた資金の殆どを手放したと言う。
 しかしそれが巡り巡って国としての富となり、何の巡り合わせか代を引き継いでいくといつの間にか元と大差ない資産に戻っていたとか。
「そればかりか代を引き継ぐ度に資産は増え……これだけ聞けばいかに神月家が変わった家系であるかお分かり頂けるでしょう」
「それは……どの代の当主も己が名高き神月家の者として、という意識なくともそれだけの資産を得る何かを成したということですわよね」
「そうですね。現に神月家を復活させた現当主は写真家ですし、その父はかつて政府に勤めていたそうです」

 場所は変わり空港。
 北条玲は耳に携帯電話を当て日本語とは違う言語で誰かと電話をしていた。
「今から日本を出ます。予定通りに進めば五日後にはそちらに戻れるかと思います」
『確か、不出来な弟の様子を見に日本に行ったのよね』
 スピーカーからは同じく外国語で話す若い女性の声が聞こえ、続けて聞こえてくる声に玲は言葉を返す。
『どうだった?』
「そうですね。……相変わらず、詰めの甘さが目立っていましたよ」
 そう呆れるように息を吐きながら
「執事としては及第点。しかし我が北条家から出た給仕としては……目も当てられない惨状でしたよ」
『あらあら、手厳しいのねえ。それでも貴方のたった一人の弟じゃない』
「…………」
 黙り込んだ中、スピーカーからは楽しげな声が聞こえ
『貴方の弟が行ったという家、貴方が様子を見に行きたいと言うものだから興味本位で調べてみたの』
「…………」
『重要なものを取り扱った企業の長でも、裏社会に染めてる訳でもないのにやけに情報がなくてね、調べるのに苦労したものよ?』
「そうなのですか?」
 と玲は啓と共に居た令嬢の姿を思い浮かべると
「私がお目にかかったあの者はおそらく当主の子か孫でしょうが……特に変わった雰囲気は感じられませんでした。それどころかまだ後継ぎとして教育を受けていないのか……純真さが見て取れました」
『ええ』
「弟の話によれば、令嬢は勉学の為一時的に東京に身を寄せているようです」
 やがて再び玲の仕え先である家の令嬢の声が聞こえると
『あまりにも情報が閑散としていて、つい面白くなっちゃってあらゆる手段で調べたのよ。そうしたら……』
 電話越しの声が一旦止まり、玲が疑問符を浮かべると
『貴方の弟が仕える家、とても面白いのよ?』
「……?」
 やがて、玲は啓が納言麗奈達に話したその一部を聞くと呆然とした。
『現当主は世界的にもそこそこ有名な写真家。各国で写真展なんかも開いてるそうよ。その父は引退するまで政府に務めていたみたいで……』
「…………」
『逆に当主の娘は聞いたことも無い国を再興させたなんて噂もあるわ。本当かどうか、どんな形で再興に貢献したかは分からないけど』
 更に見つけられた限りの情報を聞いた玲は内心動揺しており
『……ひょっとして、貴方の弟、とんでもない家系の元に来てしまったのかもしれないわね』
「…………」
『日本の富豪なんてたかが知れてる、と思っていたけれど私達が想像していた形とかなり違っているわ』
 話に耳を傾けながらも、黙り続けていた玲はやがて彼女の声に顔を上げる。
『貴方の弟に興味がある、というのもあるけれど、貴方もまた弟の事が気になっているのでしょう?』
「な、私はただ仕える家や北条家の名に泥を塗らぬかと……」
『貴方の本心がどうであれ、機があれば悪くないかもしれないわね』
「大丈夫ですの?」
 神月家について話し終え、家に帰ろうとしていた彩音と啓。
 しかしそんな様子を見ていた麗奈は思わずに声を出さずにはいられなかった。
 彩音に支えられてやっと立っていられる状態の啓に向け
「貴方達の家まで送らせましょうか?」
「いや、いいよ」
 そう麗奈の提案に即答したのは彩音で、麗奈が驚くとその隣にいた由良も啓を見ながら
「随分容赦なくやられていましたからね……」
「はは……長男で背負う家名も大きいからか、昔から兄さんは手厳しくて」
「…………」
「優しい所もあるのですがね」
 そう笑いながら語る啓に対して彩音は複雑そうな表情を浮かべており、それを麗奈が無言のまま見ているとやがて小さく息を吐き口を開いた。
「貴方には貴方の事情あっての事なのでしょうが、一家系を背負う者として言うならば、もう少しご自身の立場を自覚なさい」
 その声に彩音が顔を向けると、彼女は腕を組みながら
「ここまでの事情は何であれ、今の貴方は神月家のご令嬢。いつどこでその名が際立つ場面があるか分かりませんわ」
「…………」
「あの方の仰る通り、私達が貴方の両親や当主の傾向や方針に口を出せたものではありませんが……令嬢として、少なくともあの時や今回のような危険な事は避けるべきですわ」
 黙り込み俯いた彩音を見ながら啓は心に唱える。
(今は神月家に仕えられた事に、貴方の執事になれた事を誇りに思います)
 だからこそ、と彼は心の中で意気込むと
(だからこそ、私は……兄さんにも認められる執事になりたいのです。貴方にも、兄にも誇れるような執事に)

 それから休日を挟み月曜日の放課後、北条啓は今日もクラスメイト達に囲まれながら何とか廊下に出る。
(あんな事があったとは言え、お嬢様は本日も生徒会の役目があり、終わるのは五時。待ってろとも先に帰っていろとも言われていない以上……)
 と廊下を進みながら考えていると階段を下り
(いつものように、先に夕食の準備をしておくのが安泰でしょう)
 そう一階に下りた時、ある姿を目撃し啓は思わず立ち止まった。
 そこには沙織と納言麗奈の姿があり
「ふうん、だけど案外悪くないでしょ?」
「何がですの?」
「非常識も無事に終われば面白い経験だったと思わない?」
「珍しい組み合わせですね」
 そう声をかけると二人は振り向き
「あ、北条くん」
 そんな二人へ啓は歩み寄りながら
「鈴木さんと納言さんが一緒にいるとは。仲がよろしかったのですか?」
「というか、文化祭関連のあれこれもあって最近よく話すだけだよー」
「……というより、大体貴方一体なんですの?」
 とにこやかに話していた沙織に向け麗奈が鋭い視線を向けると
「先日の事は突然起きた事だった為、当事者以外知らないはずですが?」
 その発言に啓の表情が変わると
「おまけに貴方の様子からして彼の主についても存じているようですし……まさか貴方も一般人に見えて」
「ちょっとちょっと、私はそんなんじゃなくて一般家庭の一般人だよ。ただ噂とか、そういうのが好きなだけのね」
 そう疑い深い視線を向ける麗奈に向けおどけてみせると
「まあ納言さん側については有名ブランドを抱えた家柄なわけだし、今時スマホでちょちょいと調べればそれなりの情報はね」
「…………」
「ええと……」
 どことなく不穏な空気を感じ取った啓が困惑の声を上げると再び沙織の声が聞こえ
「まあ、そんなに気になるならお得意の調査でもしたらいいんじゃないかな。特に期待してるようなものは何も出てこないと思うけど」
「…………」
「私は都内の至って普通のアパート住みだし、一般的にはそこそこでも納言さんのお屋敷に比べたら大したことないし?」
 納言麗奈が初めて姿を見せた、教室に飛び込んできた時の事を啓は思い出しながら沙織を見ると
(お嬢様に対してもそうですが、相も変わらず相手に関わらず接することの出来る彼女も中々のものですが)
「彩音は学校にパシられて一緒に遊べないし、緋香琉は補習でクロスは復習も兼ねた補習の付き添いで暇なのよー。何なら折角だし私と遊ばない?」
「冗談じゃありませんわ! 私は貴方のように年中暇人じゃありませんのよ!」
「ええー?」
 と対して気にする様子もなく答えると
「大体、多くの者は私に恐れをなしているというのに貴方は馴れ馴れしくなんですの? あの時だって彼や彼女に付き添っていただけじゃありませんの!」
「だって、折角そういう上流階級の人と同じ学校になった挙句同級生で? 更にはひょんな事から多少なりとの縁が出来たんだからそれは利用する手はないでしょ」
「利用……何を企んでますの?」
「やだなあ。特にどうこうとか汚い打算的なものは無いよ? ただ本当に、私みたいな一般人はこんな縁でもない限りお嬢様とかには無縁だから言わば物珍しさ的な? つまりは……面白そうってだけの話だよ」
「怖いもの知らずにも程がありますわね」
「そう?」
 ときょとんとする沙織に対して息を吐くと
「そのような好奇心は大切ですけど、見極め時を誤るとただでは済みませんわよ?」
「確かにね。その辺りは一応私も私なりに線引きしてるつもり。けど、安全だけを選んだ先に充実感とか幸せがあるとも限らないから」

 その後、彩音も帰宅した後、リビングで切り出された話に啓は振り向いた。
「……ねえ。もうすぐ連休があるじゃない?」
 そう切り出されながら
「その……折角だし、あの屋敷に行かないかなって……」
 そう彩音より持ちかけられた提案に思わず啓は目を丸くした。
 彼女の前に現れてからというものの、これまで一般家庭として育ってきた彼女が突然置かれた状況に混乱しているのは啓も十分理解していた。
 故にこの提案そのものに驚いたのも事実だが、啓の中には先日起きた兄との出来事が未だ強く残っておりそれを思い返すと
(あのお嬢様がまたあの屋敷に行きたいと仰られるなど……)
 考えられにくいことだったが故にそれが関係しているのではないかと問いかけ
「……理由をお聞きしても?」
 そして向けられた視線に思わず背けてしまい
「その……お嬢様からあの屋敷に行こうだなんて提案されるのは大層珍しいと思ったもので……」
「……この間の事は言わないよ? そういう約束だしね」
 そうため息混じりに答えると啓の表情が変わり、視線が彩音に向け直されると彩音はソファに腰掛け足を組んだまま伏し目がちに口を開く。
「初めて行った時……あまりにも現実離れした光景に気圧されるばかりで、家だって言われてもなんだか家にいる気分になれなかった」
 それでもあそこは確かに神月家の家であり、この間の件も含めて流石に関係ない話とは思えなくなってきたと彩音は明かす。
 それはあの件で納言麗奈に言われた事や、啓の兄の言葉も確かな影響を与えており
「少しは意識しなきゃいけないのかなって」
 しかしここは東京。
 あの屋敷まではそこそこの距離がある為、滞在するつもりなら連休のある時しか実行出来ない。
 この連休を逃せば冬休みになることを説明しながら彩音は語り
「正直言うと、今も自分の立場とか、置かれた状況とか受け入れられてないけど……このまま何も知らずにい続ける訳にもいかないと思うんだよね」
「…………」
「せめて、少しずつでも知るべきなんじゃないかって」
 そして話している彩音の声のトーンが変わると
「ほら、前行ったときも私の事を考えて、あまり姿を見せないようにって頼んでたみたいだし……」
 だから今度は屋敷の事をちゃんと見て、少しずつ慣れていきたいと語る様子に啓もまた思う所を感じながら聞いていた。
「自分がお嬢様とか……まだよく分からないけど、せめてあの屋敷にいる人の事は知っておきたいかなと思っただけ」
「……分かりました」
 そう彩音は耳に入った声に顔を上げ視線を向けると、啓は納得した様子で頷いた。
「お嬢様がそう仰られるのなら……」
「!」
「では、この先にある連休であの屋敷に行く予定で向こうへの連絡と、その為の準備をしておきます」
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