Serendipity∞Horoscope

神月

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夢追い編

第47話、給仕との一日

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「つまり……?」
「彼女は私の先輩でもある、ということですね」
 と啓が語ると凛は焦るように
「先輩だなんてそんなっ、北条さんはとっても優秀で何でも出来ちゃいますし、私なんかより優秀ですよ!」
「いえいえ、宮野さんが親切にしてくださったお陰で助かったことも何度もありますので」
「でも……えへへ」
 ふと笑みを零した凛に彩音が疑問符を浮かべると、彼女は笑ったまま 
「お嬢様がいらっしゃる事はお聞きしていましたが、まさかお目にかかれるなんて思ってもいませんでした」
「……そうなの?」
 前回と異なり、今回は特に気を遣う必要もないと伝えてあった以上簡単に話せるのでは、と思っていた彩音に対して彼女は答え
「そうですよ。屋敷は広く、時によっては外出することもあるので偶然でもお会いしない限りお話なんてとても出来ませんよ」
「確かに……ここに住むならともかく、一日二日の滞在だとそうなるのかも……?」
 更には前回、彩音がここへ来た時は彩音の前にあまり姿を見せないよう言われていた為姿を見ることも叶わず、そんな中再びここへ来ることを知った屋敷内は小さな騒ぎにもなったとか。
「またこちらへいらっしゃると聞いて皆そわそわしていたのです。今日は特に姿を見せないようにせずいつも通りでいいともお聞きしていましたし……」
 とは言え、執事長の判断で到着と同時にけしかけるようなことは止められていたとか。
 つまり、普段通りにしつつ偶然遭遇した自分はラッキーなのだと語り
「今日お二人が来ると知らされた時に居合わせた者の多くは『是非とも一目見てみたい』と口を揃えて言っていたのです。もちろん私もですがっ」
「だから……」
 と彩音は客間を出てからというもの死角からどこか様子を伺うような人の気配がしていたことに納得すると
「私を含め姿を一度も見たことない人がほとんどですし、あの執事長でさえ会われたことがなかったなんて驚きましたよ!」
「お嬢様は博様の研究所と併設された辺境地の家で育てられたそうですからね」
「度々ご主人様からお孫さんがいらっしゃる事はお聞きしていたのですが、優しい方でホッとしました」
 嬉しそうに言われ彩音は言葉を詰まらせると、啓は笑いながら
「確か、宮野さんも学生でしたよね。確か……お嬢様と同じ高校一年生だったと記憶していましたが」
「そうなのですか?」
 そう凛の視線が啓から彩音へ向けられると再び両手を合わせ
「私、メイドをしながら名古屋の高校に通っているんです! まさか同じ歳だったなんて……ますます嬉しいですっ」
 話す限りは何の変哲もない少女。
 しかし彼女が身に着けているものを見る度に、どこかおとぎの世界へ迷い込んだような感覚になっていた。
「長旅もお疲れでしょうし、案内の続きはまた後ほどにしてお部屋へ案内致しましょうか? 私としましては、お嬢様ともっとお話したい所ですが……」

 凛との話を続ける為、客間に戻って来た時二人の荷物は消えており、彩音がソファに腰を下ろすと凛はにこやかに心弾ませながら問いかける。
「紅茶にしますか? それともコーヒーですか?」
「え、あえーと……。紅茶で」
「紅茶なら私が淹れますよ」
 そう背を向けかけた凛に対して啓が申し出ると
「折角お話する機会ですから、ここは是非私にお任せ下さい」
「そうですか? 確かに北条さんの淹れる紅茶はお上手ですし、それならお願いします!」
 やがて啓が扉から出ていき、閉まると凛は彩音の向かい側のソファに座りながら話の続きを始め、それぞれの学校やこの屋敷の主の話をしていく。
 そして少し経った時、凛は啓の話題を口にすると
「先程お話されていた通り、北条さんはこちらに来て数ヶ月でそちらに行かれたのですが、紅茶の淹れ方は屋敷内で一番上手なんですよ」
「え、そうなの?」
「私も淹れる事は出来るのですが、技術や茶葉の知識においては北条さんには勝てません。ここの給仕としては私の方が先輩なんですけどね!」
 と彼女は誇らしく告げると更に言葉を続け
「私だけでなく、さっき部屋にいた美玲ちゃんも高校一年生なんですよー。実は今、研修生の受け入れでバタバタしてまして、執事長達は特にいつもより忙しなくて」
「研修生?」
「海外を中心とした給仕学校から生徒さんが研修に来られるんですよ」
「そういえば、もうそんな時期ですか」
 そこにお茶の準備をして戻ってきた啓が現れ、準備をしながら
「懐かしいですね」
 研修先として提供される場の多くは家主の良心から提供され、その場や数は年によって変わる。
 その多くは、新たな給仕を必要とした家や場がその年に提供する場合が多いと準備を進めながら啓は説明し
「受け入れ先としては、研修生の能力が直に見られる為もし気に入ればその研修生が別の場へ決めてしまったり、他から声がかかるより先にスカウトする事が出来るという利点があるのです」
 雇い主は予め実力や才能を見極めた上で雇え、学生は場合によれば内定が早くに決まり双方にとってそれぞれメリットのあるシステムになっているという。
「ですので志す側としては、この研修で理想の場に当たり、かつスカウトされる事こそが理想みたいなものです」
「流石は北条さん、お詳しいですね」
「私も学校に通っていた身柄、研修も経験しましたしね」
 人員を補充したい場がその年に提供する傾向もあり、特に新規の従者を必要としない時は研修先として提供しない場合も多く、名のある家であればあるほどその倍率も激しいと言われている。
 とはいえ、スカウトされないからと言って決して無意味なわけではなく、学校より極めて実践に近い形で経験出来る場として研修への参加は大きな意味を持つ。
 そこに凛は彩音に説明するように口を開き
「でも、この神月家は毎年多くの研修生を迎えてるんですよ」
 その声に彩音の表情が変わると
「ご主人様は、これまでも研修先として何度も提供しているそうで、神月家に関わる従者の中には研修時にここに来た人も何人かいるそうです」
「私はイギリスのとある一家が研修先で、私の時は一人でしたが……。開始日時などは決まっているのですか?」
「はい。人数など詳しいことはまだ知らされていませんが、十月の上旬辺りに研修を開始すると以前仰っていましたよ。例年通りなら数人程来るはずです」 
 現在は九月の二十六でそう遠い話ではない。
 だから今屋敷内が忙しないのだと凛は笑うと
「だから今バタバタしているのですよ。指南の仕方やスケジュール組みに加え、こちらも師範として粗相を晒すわけにはいきませんから」
「ひょっとして、忙しい時に来ちゃったってこと……?」 
 と彩音が呟くと凛は焦った様子で両手を振り
「そんな事ないと思いますよ! 時期的にもう誰が来るかは決まっているはずですし、その準備に上の人達が追われているだけですから!」
「まあ、本当に皆がお忙しいのであれば私達の来訪も断っていたでしょうし」
「忙しそうにしているのは執事長や教える立場の方ばかりですし、私達は普段とあまり変わらないというか……」
 だから毎年の事ながら来るまで実感が湧かないと凛は笑いながら話し、これが自分にとって無関係の話ではなかったと知るのはもう少し先のことだった。

「確か凛、ちゃんは名古屋の学校に通ってるって言ってたよね」
「凛でいいですよ!」
「皆が皆飛び級する訳じゃないんだ……と思って」
 客間で話は続いており、そう彩音が話題を振ると啓が答える。
 それは啓の家系が極めて厳しかった為であり、名家やプライド意識のある家系ならほとんどが飛び級をするという話しを聞いていた凛は苦笑いしながら
「お恥ずかしながら私は名家の出でもありませんし、給仕の学校を出ていないんです。というのも日本には学校が東京にしかなくて……」
 自分はそういう家系に生まれたわけでもなく、ご主人様は望むなら給仕学校への入学も手伝うと言ったそうだがそれを断り一般の学校に通っているという。
 それに元より仕える先が決まっていたり、本来給仕の仕事をするだけであれば資格、すなわちランクなど必要ないと付け加え
「あくまで仕え先へ実力を示す為の手段というだけですし」
 それからしばらく経ち、祖父が不在なこともありあの時のようなお茶漬け……ではなくテーブルにはサラダから色鮮やかな料理が並べられ、それはまるでコース料理のようだった。
 見るからに豪華な料理に彩音が目を点にする中、その隣にはご満悦な様子の啓がおり
「流石は本家。食材も鮮度の良いものが沢山あったので思わず腕を奮ってしまいました」
 そんな食事をする部屋もリビングのような何かと兼用するような部屋ではなく、食事をする為の部屋で白いテーブルクロスがかけられている。
「牛肉の煮込み料理は私が丹精込めて調理しましたものの、その他はこの家のシェフがお嬢様の為に腕によりをかけて作られたのですよ」
「シェ、シェフ……」
「是非感想を聞きたいとおっしゃられていたのでお教えください。後で私からお伝えしておきますので」
 再びまるで現実からかけはなれた感覚に強ばらせながらも、フォークを手に持つと料理を口に運ぶ。
「……うん」
 飲み込み、一言そう呟く彩音に啓が視線を向けていると彩音は視線を伏せ
「美味しくないわけがないよね……」
「そこは素直に美味しいと仰られてはどうです?」
 彩音は視線を伏せたまま噛み締めるように
「素人の私でも分かる。何かが入っているのか口の中で爽やかになるんだけど、辛くなくてすっきりしていて凄く美味しい」
「おや、お気づきになられましたか。ハーブを加える事で、油っこさや生臭さが消えるのですよ」
 ハーブは香り付けなどに使われることが多いが味のアクセントとして使われることも多く、爽やかな後味を生み出しているのだと語る傍ら彩音は次の料理に目を留める。
「これは……ドリアか。…………」
 次々と料理を口に運び、瞬く間に皿の上にある料理は姿を消していく。
 何度も美味しいと連呼し、神の所業のように褒めちぎりながら食するこの様子を陰から様子を伺っていた料理人達は感涙し打ち震えていた。
 そんな事も知らずに完食し手を合わせると
「ご馳走様でした」
「流石ですね。量が多いのではないかとシェフの方々は仰られていましたが、こうも見事に完食するとは」
「だって美味しいんだもん……」
「ふふ、それを聞いてシェフの方々も感涙極まっておられる事でしょう。……ところで、私の料理は如何でした?」
 と彩音が立ち上がった時問いかけると彩音は振り向き
「美味しかったけど」
「それは嬉しいのですが、もう少し具体的に感想を頂きたいものですが」
「ええ? 啓の料理はいつも食べてるしじっくり煮込みましたーって感じでしょ?」
「あのソースも実は手作りなんですよ?」
 その先の感想を期待してのことか不安げな様子はなく、自信が態度に表れている。
 そんな目に見えた期待を表す態度はこれまで見せなかったというのに、と彩音は目を細めるも呆れるように息を吐くと
「あと三皿は余裕でいける」
「えっ……あれだけの量を食されたというのに、そこからあと三皿ですか……?」
 そう返ってきた言葉に唖然とした啓に対し、背を向け扉から出ていこうとすると扉の前で一度足を止める。
 しかし何も言わずに後にする姿に啓は音にはならなかった声を解釈し微笑んでいた。

 それから数時間後、部屋にノックがかかり宮野凛が現れ
「お嬢様、お風呂はいつ頃入られますか? もし良ければ今すぐにでもご案内しますが……」
「お風呂……」
 その言葉に彩音は以前来た時のことを思い出した。
 以前長期休暇にここへ来た時も啓から聞いており、従者共用の風呂場があるがそれとは別に来客用に使われる風呂があるそうで、前回はそれに入った。
 祖父や、父がこの屋敷にやってきた時は気にせず皆と同じ共用風呂に入っているらしく、あの個室風呂は完全なVIPルーム。
 何せ来客時の接待用に作られたお風呂なのだから。
「共用風呂ですと、他の方と鉢合わせする可能性も高いのでおひとりでゆっくり入られるなら個室風呂がいいと思いますよ」
「あれ、一応来客用なんだよね……。高級スパにありそうな形をしてたし……」
「泊まりで来客される事なんて殆どありませんけどね。そういう方は大抵ホテルに泊まられますし」
 と歩きながら彼女は話し
「かと言って全く使わないのも何なので、実質今はお嬢様の為に用意されたものと言っても過言じゃないかもしれませんね」
「そんな事言われるとビビるというか……。花びらとか浮かべてあっても違和感なさそうだし」
「それって、いわゆるバラ風呂とか言うものですか? 私も実物を見た事はないので憧れちゃいます」
 やがて、脱衣場の前に辿り着くと凛は振り向き
「今日はお疲れでしょうし、ゆっくりしてくださいね。今日はローズの入浴剤を入れたそうですよ」
 すっかり日も落ち、風呂から上がり部屋に戻って更に数時間後。
 ノックの音が聞こえ、扉を開くと目の前にいたのは啓の姿で
「お嬢様、ハーブティーをお持ち致しました」
 部屋の中に入り、持っていたトレーからテーブルの上にカップを置き、ティーポットにお湯を注いでいくと
「以前は落ち着かずあまり寝付けなかったとお聞きしていたので……このハーブティーにはリラックス効果があると言われているのですよ」
「…………」
「宮野さんとお話出来て安心しました」
 言葉を耳には入れながら黙り込んでいたところに聞こえた声に振り向くと、啓は言葉通り安心した様子を見せながら
「今回の目的が屋敷の把握とは言えど、基本は私が全てお世話しなければと思っておりましたが……宮野さんが入浴の案内をして下さったおかげで私は皆さんとお話が出来ましたよ」
「いや、別に常に世話される必要はないんだけど……」
 ティーポットに入れられたお湯の色が変わっていく様子を眺めながら
「ここにいる間放置されたら色々困るけど、わざわざ起こしに来たり様子を見にこなくていいから」
「では明日の起床は他の者に頼みましょうかね?」
「っ!」 
 目を丸くし振り向くと、色づき具合を見定めながらやがてティーカップに注ぎ始めながらも微かに笑みを浮かべると
「私以外の者にお嬢様の身の回りの世話を任せれば、加減を存じ得ないので何もかも手を尽くしてくれると思いますよ?」
「なっ……」
 そう語る表情はまるで、これまでの事を指し示すがごとくわざと言っているように見え表情を険しくさせると
「あんた、私がそれを嫌がると知ってて言ってるでしょ」
「それはもちろん。私が初めて起こして差し上げた時は、しばらく寝ぼけておられると思いきや顔を真っ赤にして、挙句にその勢いで頭までぶつけておられたものですから」
「……っ!」
「ですがあれは、お嬢様が中々起きないからいけないのですよ。声をかけただけで起きてくだされば良いのに」
 それは啓が東京の新居に来た翌日のことで、彩音はもちろん起こされるつもりはなく目覚ましをかけていた。
 しかし、彩音は幼い頃から朝が大の苦手で起きられず
「カーテンを開け陽の光を入れても、声をかけれど起きる気配はなく、全然起きて下さらないので苦労したのですよ?」 
「学校までは大体徒歩二十分! 着替えも含めて大体五十分前に起きれば間に合うの! なのにあんたはあんなにも早くに起こしてきて……」
「それは、時間には余裕を持って行動すべきですから」
「それでも百歩譲って一時間前で十分だわ! 二時間半も前に起こして、身支度とかいっていつまでも人の髪をいじってるし」
「それは寝癖を整えていましてね……」
 と説明するように答える啓対し、彩音は腕を組みながらそっぽを向くと
「どうせ癖毛なんだから酷いとこだけ何とかすれば適当に誤魔化せるの! そんなのにいつまでも時間かけるくらいなら、その分寝てたい……!」
「そんな事を言って、休日なんて私が起こさなければいつまでも寝ておられるではありませんか。リビングでもソファでお昼寝もよくされてますし……」
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