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44.侵入者の正体(モブ視点)
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「何故、お前がこんな所にいる? しかも、泥棒のような真似までして……」
「ごほっ……」
ラヴェルグは、目の前にいるアデルバに話しかけた。
しかし特に答えは返って来ない。顔面を蹴られた衝撃で、言葉を発することができなくなっているようだ。
ただ、アデルバの目に闘志が宿っていることにラヴェルグは気付いた。大人しく投降するつもりなどはないらしい。
「このっ!」
「む……」
飛びかかってくるアデルバを、ラヴェルグは横に動いて躱した。
するとアデルバは、そのまま壁に激突する。鈍い音が辺りに響き、彼はその場にうずくまることになった。
「あがっ、くそっ……」
「なるほどな、衛兵を何故気絶させられたかわかったぞ? お前なら確かに衛兵も油断することだろう。まさか伯爵家の令息が賊だなんて思わないだろうからな。なまじ顔を知っていたが故に、隙をつかれたか」
ラヴェルグは大して実力がない侵入者が、どのようにして衛兵を気絶させたのか疑問に思っていた。
しかし、相手がアデルバであったならそれは納得できることだった。彼ならば、相手を油断させることができるのだ。
何度かラスタリア伯爵家に足を運んできたことがあるアデルバの顔を、衛兵は知っていた。相手が伯爵家の令息だと、理解していたのである。
他家とはいえ、当然のことながら衛兵は、伯爵家の令息に手を出すことなんてできない。
それに衛兵は、両家の対立についてそこまで詳しいことを知っている訳でもない。様々な事情が重なった結果、アデルバの侵入を許してしまったのだ。
「何をしに来たのかも、段々とわかってきたぞ。お前は例の権利書や契約書を取り戻しに来たのか?」
「……だとしたら、なんだというんだ?」
「残念だが、ここにそんなものはないぞ。あれは父上が預かっているからな」
「な、何?」
ラヴェルグの言葉に、アデルバは目を丸めて驚いていた。
自分がまったく持って検討違いの場所を調べていたことは、彼にとってかなり衝撃的なことであったようだ。
ただそれは、少し考えれば理解できることではある。そもそもの話、貴重な切り札をこのような私室に隠しておく訳がないのだ。
「くそっ!」
「逃がすと思うか?」
「あがっ……!」
その場から咄嗟に逃げようとするアデルバの首根っこを、ラヴェルグは強引に掴んだ。
そしてそのまま、アデルバを地面に押さえつける。当然のことながら、逃がすつもりなどはなかった。ラヴェルグは素早く布を取り出し、アデルバを拘束するのだった。
「ごほっ……」
ラヴェルグは、目の前にいるアデルバに話しかけた。
しかし特に答えは返って来ない。顔面を蹴られた衝撃で、言葉を発することができなくなっているようだ。
ただ、アデルバの目に闘志が宿っていることにラヴェルグは気付いた。大人しく投降するつもりなどはないらしい。
「このっ!」
「む……」
飛びかかってくるアデルバを、ラヴェルグは横に動いて躱した。
するとアデルバは、そのまま壁に激突する。鈍い音が辺りに響き、彼はその場にうずくまることになった。
「あがっ、くそっ……」
「なるほどな、衛兵を何故気絶させられたかわかったぞ? お前なら確かに衛兵も油断することだろう。まさか伯爵家の令息が賊だなんて思わないだろうからな。なまじ顔を知っていたが故に、隙をつかれたか」
ラヴェルグは大して実力がない侵入者が、どのようにして衛兵を気絶させたのか疑問に思っていた。
しかし、相手がアデルバであったならそれは納得できることだった。彼ならば、相手を油断させることができるのだ。
何度かラスタリア伯爵家に足を運んできたことがあるアデルバの顔を、衛兵は知っていた。相手が伯爵家の令息だと、理解していたのである。
他家とはいえ、当然のことながら衛兵は、伯爵家の令息に手を出すことなんてできない。
それに衛兵は、両家の対立についてそこまで詳しいことを知っている訳でもない。様々な事情が重なった結果、アデルバの侵入を許してしまったのだ。
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「な、何?」
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ただそれは、少し考えれば理解できることではある。そもそもの話、貴重な切り札をこのような私室に隠しておく訳がないのだ。
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「逃がすと思うか?」
「あがっ……!」
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