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43.悩んでも
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シェリウェントさんからの話を聞いてから、私はずっと考えていた。
どうすれば、レリクス様を救い出すことができるのだろうかと。
彼は、悪しき王に精神を支配されている。
このままでは、最終的にその意識は消えてしまうらしい。
それは、どうにかして止めなければならないことである。私は、彼を助けたいのだ。
という訳で、私は自室で一人悩んでいた。
私に答えが出せることではないのかもしれないが、それでも考えてしまうのだ。
『……悩んでいるようだな』
「ズグヴェルさん?」
そんな私の頭の中に、声が響いてきた。
その声は、ズグヴェルさんの声である。
「えっと……確かに悩んではいますけど、どうしてわかったんですか?」
『我は、お前の心の中に潜んでいる。故に、お前の心の状態がわかるのだ』
「心の状態?」
『お前が元気であるなら、心の中は清々しい雰囲気に溢れている。逆に、お前が悩んでいると、心の中がじめじめした雰囲気になるのだ』
「そうなんですね……」
ズグヴェルさんの言葉に、私は少し安心していた。
彼が話しかけてきたことによって、私の頭にはある考えが過っていた。それは、ズグヴェルさんが私が何を考えているかを手に取るようにわかるのではないかということである。
そうではなかったことに、私は安堵しているのだ。流石に、考えていることを全て見抜かれるというのは気分がいいことではない。
『……奴との戦いは、俺達に任せておけばいい。あのレリクスという小僧も救い出してやる』
「何かいい方法とか、あるんですか?」
『……』
私の質問に、ズグヴェルさんは黙ってしまった。
それは、いい方法を思いついていないということだろうか。
『……悪しき王をレリクスから引き離すというのは、難しいことなのだ』
「……そうなんですか?」
『我らは、悪しき王によって巫女の体に封印されたのだ。封印……つまり、簡単には出て来られないようになっている。奴も同じ手を使っているということは、引き離すのは簡単ではないということになる』
「なるほど……」
ズグヴェルさんの説明で、私は理解した。
封印、それが簡単に解けるものではないというのは当然のことだ。
龍である彼らでも、それは頭を悩ませる問題なのだろう。
それを私が考えても、仕方ないのかもしれない。
「あれ? そういえば……」
『む? どうかしたのか?』
そこで、私はあることを考えていた。
それは、前世のゲームのことである。あのゲームで、レリクス様はどうなったのか。それがふと気になったのである。
どうすれば、レリクス様を救い出すことができるのだろうかと。
彼は、悪しき王に精神を支配されている。
このままでは、最終的にその意識は消えてしまうらしい。
それは、どうにかして止めなければならないことである。私は、彼を助けたいのだ。
という訳で、私は自室で一人悩んでいた。
私に答えが出せることではないのかもしれないが、それでも考えてしまうのだ。
『……悩んでいるようだな』
「ズグヴェルさん?」
そんな私の頭の中に、声が響いてきた。
その声は、ズグヴェルさんの声である。
「えっと……確かに悩んではいますけど、どうしてわかったんですか?」
『我は、お前の心の中に潜んでいる。故に、お前の心の状態がわかるのだ』
「心の状態?」
『お前が元気であるなら、心の中は清々しい雰囲気に溢れている。逆に、お前が悩んでいると、心の中がじめじめした雰囲気になるのだ』
「そうなんですね……」
ズグヴェルさんの言葉に、私は少し安心していた。
彼が話しかけてきたことによって、私の頭にはある考えが過っていた。それは、ズグヴェルさんが私が何を考えているかを手に取るようにわかるのではないかということである。
そうではなかったことに、私は安堵しているのだ。流石に、考えていることを全て見抜かれるというのは気分がいいことではない。
『……奴との戦いは、俺達に任せておけばいい。あのレリクスという小僧も救い出してやる』
「何かいい方法とか、あるんですか?」
『……』
私の質問に、ズグヴェルさんは黙ってしまった。
それは、いい方法を思いついていないということだろうか。
『……悪しき王をレリクスから引き離すというのは、難しいことなのだ』
「……そうなんですか?」
『我らは、悪しき王によって巫女の体に封印されたのだ。封印……つまり、簡単には出て来られないようになっている。奴も同じ手を使っているということは、引き離すのは簡単ではないということになる』
「なるほど……」
ズグヴェルさんの説明で、私は理解した。
封印、それが簡単に解けるものではないというのは当然のことだ。
龍である彼らでも、それは頭を悩ませる問題なのだろう。
それを私が考えても、仕方ないのかもしれない。
「あれ? そういえば……」
『む? どうかしたのか?』
そこで、私はあることを考えていた。
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