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26.彼と出会えて
「……それにしても、驚いたな。こういう言い方はあまり良くないかもしれないが、まさかあんたがこんなに優秀だったなんて思っていなかった」
「そ、そうですか?」
職場での休憩時間、私はレオールさんからそのようなことを言われた。
実の所、それは私自身も驚いていることだ。お姉様にも言われたことでもあったが、どうやら私は自分が思っていたよりも優秀であるらしい。
「騎士団の魔法使いの中でも、あんたは三本の指に入ると言われている……相当優秀な魔法使いである訳だが、レネシアはそんなあんたよりもすごいのか?」
「ええ、お姉様は私なんかとは比較にならない程に優秀な方ですよ?」
「あんたも天才の部類に入ると思うんだが……それよりも優秀なのか」
レオールさんは、お姉様が私よりも優秀だと聞いてかなり驚いているようだった。
それはつまり、私も既に彼が驚く程の力を持っているということなのだろう。
しかし私は、未だにその実感がいまいち湧いていなかった。お姉様の力を知っている私からすると、私の力なんて大したことがないように思えてしまうのだ。
「まあ、何はともあれ、あんたが騎士団に入ってくれたことは俺達にとってとても良かったということになるな……」
「そう言っていただけると、こちらとしてもありがたいです。推薦してもらった訳ですし……」
「いや、俺達の推薦なんてそんなに効果があるようなものではないさ。あんたが騎士団に入れたのは、あんたの実力に違いない」
私の言葉に、レオールさんはそう言って首を振った。
だが、二人の推薦は重要なものだったといえるだろう。素性がほどんどわからない私が、騎士団という非常に厳正な組織に入れたのは、二人が私を信頼できる人物だと保証してくれたからである。
「まあ、とりあえず当面は騎士団に在籍するつもりなんだろうから、その力を存分に振るってもらいたい所だな……」
「ええ、他にやりたいことがあるという訳でもないので、そうさせてもらうつもりです」
「言っておくが、何かやりたいことが見つかったら遠慮せずにやめていいからな。俺達に気を遣ったりする必要はない」
「わかりました。何かやりたいことが見つかったなら、そうさせていただきます」
レオールさんは、私に本当に良くしてくれた。
ある程度同じ境遇であったこともあるのか、かなり親身になってくれているようだ。
それは私にとって、とてもありがたいことだった。この町に来て彼と出会えたことは、本当に幸福だったといえるだろう。
「そ、そうですか?」
職場での休憩時間、私はレオールさんからそのようなことを言われた。
実の所、それは私自身も驚いていることだ。お姉様にも言われたことでもあったが、どうやら私は自分が思っていたよりも優秀であるらしい。
「騎士団の魔法使いの中でも、あんたは三本の指に入ると言われている……相当優秀な魔法使いである訳だが、レネシアはそんなあんたよりもすごいのか?」
「ええ、お姉様は私なんかとは比較にならない程に優秀な方ですよ?」
「あんたも天才の部類に入ると思うんだが……それよりも優秀なのか」
レオールさんは、お姉様が私よりも優秀だと聞いてかなり驚いているようだった。
それはつまり、私も既に彼が驚く程の力を持っているということなのだろう。
しかし私は、未だにその実感がいまいち湧いていなかった。お姉様の力を知っている私からすると、私の力なんて大したことがないように思えてしまうのだ。
「まあ、何はともあれ、あんたが騎士団に入ってくれたことは俺達にとってとても良かったということになるな……」
「そう言っていただけると、こちらとしてもありがたいです。推薦してもらった訳ですし……」
「いや、俺達の推薦なんてそんなに効果があるようなものではないさ。あんたが騎士団に入れたのは、あんたの実力に違いない」
私の言葉に、レオールさんはそう言って首を振った。
だが、二人の推薦は重要なものだったといえるだろう。素性がほどんどわからない私が、騎士団という非常に厳正な組織に入れたのは、二人が私を信頼できる人物だと保証してくれたからである。
「まあ、とりあえず当面は騎士団に在籍するつもりなんだろうから、その力を存分に振るってもらいたい所だな……」
「ええ、他にやりたいことがあるという訳でもないので、そうさせてもらうつもりです」
「言っておくが、何かやりたいことが見つかったら遠慮せずにやめていいからな。俺達に気を遣ったりする必要はない」
「わかりました。何かやりたいことが見つかったなら、そうさせていただきます」
レオールさんは、私に本当に良くしてくれた。
ある程度同じ境遇であったこともあるのか、かなり親身になってくれているようだ。
それは私にとって、とてもありがたいことだった。この町に来て彼と出会えたことは、本当に幸福だったといえるだろう。
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