きっと殿下の運命の相手は、私ではなかったのでしょうね。

木山楽斗

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15.兄弟からの糾弾

「ラ、ラメリオ兄上……それに、ルーアスも」
「リヴェンド……まず一つ言っておこう。俺はお前のことを許すつもりはない。お前が取った行動は、王家にとっては最も避けなければならなかったことだ」
「……リヴェンド兄上、残念です」

 リヴェンド殿下は、兄と弟の来訪に震えていた。 
 その恐怖は恐らく、ラメリオ殿下に対するものであるだろう。怒っているとはいえ、優しく寛大であった国王様や王妃様と比べて、彼からは明らかな敵意というものが見て取れる。
 一方で、ルーアス殿下の方は悲しそうにしていた。彼の方は、リヴェンド殿下がそういったことをしたことに対する悲しみの方が大きいようだ。

「クルルネは、僕にとって大切な友人でした。婚約の話も出ていたというのに、どうして彼女とそのような関係を持ってしまったのですか?」
「……き、きっかけはあいつの方だ。あいつが僕を誑かしたんだ」

 ルーアス殿下からの質問に、リヴェンド殿下は口を大きく開けて反論した。
 その反論というものは、例え事実であっても気持ちが良いものではない。まるでクルルネ嬢に全ての責任があるという物言いに、私は怒りさえ覚えていた。
 しかし、私の出番がないことはすぐにわかった。なぜならその場には、私以上に怒っている人がいるからだ。

「リヴェンド、お前は王家の一員でありながら、何も理解していないようだな?」
「ラ、ラメリオ兄上、お許しください。た、確かに僕は間違いを犯したかもしれません。ですが、これからは心を入れ替えます」
「我ら王族は、失敗など許されないのだ。お前の判断一つによって、国を揺るがすということを理解していなかったのか?」
「ひっ……」

 ラメリオ殿下は、ゆっくりとリヴェンド殿下の方に歩み寄った。
 彼はそのまま、弟の胸倉を掴む。するとリヴェンド殿下の体は、驚くべき程に簡単に持ち上がった。

「そしてお前には、王家としての誇りすらもない。潔く罪を認めること、せめてもの愛を貫くこと、間違いを犯していたとしても、お前を見直せる要素はあった。しかしその全てにおいて、お前は俺達の期待というものを打ち砕いたのだ」
「ぼ、僕は……」
「呆れを通り越して、哀れに思えて来る。この場で俺が介錯してやりたいくらいだ。それが兄としてのせめてもの情けにさえ思えて来る」
「うっ……」
「ラメリオ兄上!」

 ラメリオ殿下がリヴェンド殿下の首に手をかけた時、その場にルーアス殿下の鋭い言葉が響いた。
 それを受けてラメリオ殿下は、リヴェンド殿下から手を離す。すると鈍い音が響いた。リヴェンド殿下が、その場で力なく尻餅をついたのだ。
 ラメリオ殿下は、ゆっくりと首を振っている。それにルーアス殿下は、また悲しそうな目をするのだった。
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