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4.侯爵家の集合
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「さて、今日は二人に大切な話をしなければならない」
私はマルガン様と並んで座っていた。
正面にはマークス侯爵と夫人、それからミルティア嬢が並んでいる。マークス侯爵家に属する者が、ここに揃った形だ。
マークス侯爵が言う大切な話の内容は、既にわかっている。私は先日偶然、それを耳にしてしまったのだ。
マルガン様も、恐らく勘付いていることだろう。今回の件は、彼が進言したことに違いない。今も彼は、笑みを浮かべている。
そんな夫と別れられるということは、私にとっては幸いといえることかもしれない。
しかしそうなったら、ダンカー子爵家は終わりだ。それはできれば避けたい所である。大恩あるディオン様のためにも。
「父上、話はわかっています。今日は僕と彼女の離婚に関する話なのでしょう?」
「……」
「いやはや、清々しますよ。やっと彼女と別れられるなんて……さあ、早くこの女を追放致しましょう」
マークス侯爵の前では基本的に猫を被っているマルガン様だが、今回は少々本性が漏れているような気がする。
私との離婚は彼にとって、それだけの悲願だったということだろうか。忌み嫌われていることはわかっていたが、そこまでとは。マルガン様に好感なんて欠片も抱いてはいないが、それでも少し傷ついてしまう。
「……随分な物言いですね、マルガン」
「母上?」
「あなたをそのような子に育てた覚えはありませんが……ままならぬものですね。私の言葉もお父様の言葉も、あなたには届いていなかったということなのですから」
マークス侯爵夫人は、そこで首を横に振った。
彼女の表情からは、悲しみが読み取れる。先程のマルガン様の言葉は少々乱暴だったので、それが引っかかっているのだろうか。
そう思っていると、夫人の顔が強張った。彼女はその力強い視線を、マルガン様の方に向けている。
「あなたをそのような人間に育ててしまったことは、私達にとって大きな過ちです。あなたを見過ごしてきたことも、全ては私達の弱さが原因です。それによって私達は、多くの人達を傷つけてきたといえるでしょう」
「母上、何を言っているのです?」
マークス侯爵夫人の悲痛さが混ざった表情に、私は違和感を抱くことになった。
何やらおかしな状況である。マルガン様も、それを悟ったのだろう。彼の表情からは、困惑が見て取れる。
「マルガン、お前の予測は半分当たっている。確かに今日は、お前達の離婚について話すために呼んだ」
「そ、そうですよね、父上……」
「しかしそれは、エリシアを追い出すという旨の話ではない。私達が追い出すのはお前だ、マルガン」
「……は?」
マークス侯爵の言葉に、マルガン様は呆気に取られていた。
それは私も同じだ。マルガン様の方が追い出される。それはなんとも、予想外の言葉だった。
私はマルガン様と並んで座っていた。
正面にはマークス侯爵と夫人、それからミルティア嬢が並んでいる。マークス侯爵家に属する者が、ここに揃った形だ。
マークス侯爵が言う大切な話の内容は、既にわかっている。私は先日偶然、それを耳にしてしまったのだ。
マルガン様も、恐らく勘付いていることだろう。今回の件は、彼が進言したことに違いない。今も彼は、笑みを浮かべている。
そんな夫と別れられるということは、私にとっては幸いといえることかもしれない。
しかしそうなったら、ダンカー子爵家は終わりだ。それはできれば避けたい所である。大恩あるディオン様のためにも。
「父上、話はわかっています。今日は僕と彼女の離婚に関する話なのでしょう?」
「……」
「いやはや、清々しますよ。やっと彼女と別れられるなんて……さあ、早くこの女を追放致しましょう」
マークス侯爵の前では基本的に猫を被っているマルガン様だが、今回は少々本性が漏れているような気がする。
私との離婚は彼にとって、それだけの悲願だったということだろうか。忌み嫌われていることはわかっていたが、そこまでとは。マルガン様に好感なんて欠片も抱いてはいないが、それでも少し傷ついてしまう。
「……随分な物言いですね、マルガン」
「母上?」
「あなたをそのような子に育てた覚えはありませんが……ままならぬものですね。私の言葉もお父様の言葉も、あなたには届いていなかったということなのですから」
マークス侯爵夫人は、そこで首を横に振った。
彼女の表情からは、悲しみが読み取れる。先程のマルガン様の言葉は少々乱暴だったので、それが引っかかっているのだろうか。
そう思っていると、夫人の顔が強張った。彼女はその力強い視線を、マルガン様の方に向けている。
「あなたをそのような人間に育ててしまったことは、私達にとって大きな過ちです。あなたを見過ごしてきたことも、全ては私達の弱さが原因です。それによって私達は、多くの人達を傷つけてきたといえるでしょう」
「母上、何を言っているのです?」
マークス侯爵夫人の悲痛さが混ざった表情に、私は違和感を抱くことになった。
何やらおかしな状況である。マルガン様も、それを悟ったのだろう。彼の表情からは、困惑が見て取れる。
「マルガン、お前の予測は半分当たっている。確かに今日は、お前達の離婚について話すために呼んだ」
「そ、そうですよね、父上……」
「しかしそれは、エリシアを追い出すという旨の話ではない。私達が追い出すのはお前だ、マルガン」
「……は?」
マークス侯爵の言葉に、マルガン様は呆気に取られていた。
それは私も同じだ。マルガン様の方が追い出される。それはなんとも、予想外の言葉だった。
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